ラベル 介護業界 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 介護業界 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

間違いだらけの「介護」を考える!

 介護認定は「生活に困難」を感じてから?

「介護認定」というのは、公的な介護サービス(訪問介護や介護施設の利用など)を始める時に欠かせない手続きです。

申し込みは、お住まいの地域の福祉課などに相談するといいでしょう。

こみちの家にも高齢者である父親がいて、介護認定を受ける予定ですが、何となく介護認定=年寄りというイメージがあり、本人は受けたがりません。

ある意味で、その気持ちも分からなくありませんが、申し込みからサービス開始まで目安として最短でも1ヶ月くらい掛かります(実際には2ヶ月以上になることも)。

つまり、サービスを利用したいと思っても「介護認定」が済んでいなければ、肝心な時に利用できません。

ココが意外なポイントなのです。

と言うのも、子どもを預ける場合に比べて、高齢者を見守るサービスは「介護認定」無しでは利用が難しく、半日程度なら可能でも、1日とか数日になると家族の行動が制限されてしまいます。

同居する家族が、「仕事を休んで家にいなければいけない」と言うことが介護認定を受けていないだけで起こるのです。

つまり、「介護認定」は実際に困難を感じて申請するものではなく、今までの生活に比べて不便を感じたら検討するべきなのです。

申請に費用は掛かりませんし、仮にまだ介護が必要ではないと判断されても、次回の申請ができます。

申請するか否かのポイントは、一人で日常生活が送れるか否かでしょう。

数日単位で考えれば、掃除や洗濯、入浴や買い物、ゴミ出しなど、できなければ問題になってくる家事ができることです。

特に男性の場合で、奥さんがあれこれと世話を焼いてくれていると、ゴミ出しの日や掃除機の使い方も分からないというケースがあります。

「介護」を考える前に、「基本的な家事」ができるように中高年の内から始めることも大切です。

「私がやった方が早く済む」で良いの?

慣れた人と初めてする人とでは、作業を終えるまでの時間も仕上がりも比較になりません。

だからといって、何でも慣れた人が頑張ってしまうと、老いた時に思わぬ結果を招きます。

例えば、家事をしていた人が認知症になり、家事に関わっていない人がまだ健康だったとしましょう。

認知症の世話を家事もしていなかった人がしなければいけないので、とても大変になります。

地域や近所の勧めに応じ、「介護認定」を申請できれば良いのですが、普段から役所などに行っていないと「申請」するのも大きなストレスです。

結果として周囲の助けが無ければ、認知症の家族を抱えて、生活苦になってもどうすることもできないと言う事態が起こります。

つまり、中高年を過ぎた頃からは、互いのためにも家事を分担し、また日ごろから手伝うなどして、自分一人でも暮らせる最低限のスキルを身につけておくべきです。

介護士はキツいし安いし働きたくない!?

確かに、一般的な介護施設に家族を入所させて、月額10万円から20万円くらいの費用を支払えば預かってもらえます。

確かに月額の費用は安いとは言えませんが、それで自分の時間が保たれるなら悪い選択とは言い切れないでしょう。

介護士として働いていると、「料金は支払っています」と言いたげに挨拶もしないで横柄な家族が面会に来ることもあります。

わざわざ、そんな態度を「挨拶くらいは…」と言うこともありませんし、「どうぞ、どうぞ」と笑顔で迎えるように心がけています。

なぜ、介護の仕事が異業種よりも安いのでしょうか。

それは世間一般の認識として、「介護」が簡単な仕事に見えるからでしょう。

扱うのは、主に衣食住なので、誰もが当たり前に行っていることという点も、「簡単」というイメージが付いたのかも知れません。

確かに医療行為を行う医師や看護師のように、素人目にも分かるような仕事が介護士から連想できません。

オムツ交換や食事の準備、飲食の補助、入浴支援やレクリエーションなどなど。

簡単に言えば、これらの作業を介護士が担うのですが、例えば「オムツ交換」について説明すると、単純にオムツを交換しているだけではありません。

排せつの量や時期を細かく記録し、健康状態を絶えず観察していて、場合によっては排せつを促す薬や運動、水分摂取など、日常生活の中でも変化を設けています。

さらに、陰部は感染症のリスクも高く、不衛生にはできないので交換時に必要と判断されると専用の洗剤液を用いて洗浄します。

一人の利用者に10分の作業だとしても、10名になると2時間の作業となります。

省くことができればそれだけ作業の負担は減らせますが、大変でもできる限り衛生的にと思って作業することで、細菌やカビによる皮膚炎、褥瘡を防止できます。

やっぱり大変な仕事だと思ってもらいたい一方で、いつかは自分自身も介護サービスを受けなければいけない時が訪れます。

「お金を支払っている」ということだけで、適切なサービスが受けられるとは限りません。

なぜなら、日々介護士は「きっちりと作業」してあげたいと思って頑張っているからです。

介護士だって体調不良もあり、休みたい時も出てきます。

しかし、誰かが休んでしまうと、残されたスタッフだけで従来と同じ質のサービスを提供できる程余裕はありません。

また、利用者自身も、期待しているサービスを受けることができず、何処かスタッフは忙しいそうで声も掛けられない」と感じるでしょう。

それが常習化すると、利用者の感情はどうしても内にこもりやすく、会話の頻度が下がればそれだけ認識機能にも影響があります。

割り当てられた作業が立て込んでいても、介護士は利用者と頻繁に話すのはサボっているからではなく、話すことで認知機能を維持してもらうように心がけているからです。

つまり、介護士がベラベラと愚痴を言うのは意味がありませんが、利用者が良いことも悪いことも含めて思っている感情を言葉にして話すということも大切な健康管理の一環です。

ここに示すような介護サービスを意識している介護士がたくさん在籍している介護施設ほど、利用者は笑顔で毎日を暮らせるでしょう。

仮に腹立つことがあったとしても、親身に寄り添ってくれれば、まだ我慢できるかも知れません。

一方で、「介護は決めらた作業をこなす」と誤解してしまうと、介護の仕事はとても簡単になります。

しかし、実際に利用者の立場になれば、呼び掛けても返事さえしてくれないスタッフばかりでは、生きていたいとは思わないでしょう。

介護の仕事をどう捉えるかで、それだけ「質」に変化が起こります。

介護の仕事を簡単な仕事と考えるなら、そんな仕事として始める人しか集まりませんし、施設がいくら理想を掲げても、とても従うことはできません。

なぜなら、ある人にとって心地よい時間を精神的にも肉体的にも提供するのは、プロの仕事が求められるからです。

何より、そんな風に行う介護に現役時代の内から知っておくべきだと思います。

中高年になって自身の老後を考える時期に、例えば1週間でも施設でボランティアができれば、介護の仕事に対する認識も重要性も簡単に理解できるでしょう。


久しぶりに「介護」の話

 特養ホームと老健の違い

もう、ここでは「特養とは…」という説明は省きます。

どちらかと言うと、初めて介護に触れる方ではなく、ある程度現場経験を重ねた人に共感してもらえたらという記事です。

こみちが勤めていた介護施設は老健なので、「在宅復帰」に向けたケアプランが基本となります。

しかし、現実的な意味で、施設入所直前の生活は、必ずしも継続可能なものではなかったりします。

具体的には、「同居家族がいない」や「家族からの支援拒否」などです。

綺麗事ではなく、現実問題として、家族の「下の世話」をできますかという話です。

入所者の健康状態が回復されると、彼らの生活を支援できる状況なら「老健」を選択するべきですし、老健で働くスタッフは支援にも力が入ります。

しかし、現実的には老健が特養ホームのようになり、こみちの勤務していた施設もそうですが3年、5年と長期的に入所される利用者もかなり居ました。

その背景には、健康が回復して施設を出ても、その後の生活が継続できないという事情があります。

実際、在宅復帰する割合よりも、特養ホームが決まって移動する方が多くなっています。

未経験から3年後を迎えた時に

介護の仕事は、年齢や経験を問われない求人も多く、中高年の方が就職先の候補にもなってきます。

異業種では正社員が難しい場合でも、介護職なら比較的容易に「常勤職」を勧められるでしょう。

パート職との違いは、「賞与」の部分で、年間で30万円くらい違うこともあります。

しかし、一方でシフト勤務での融通が難しく、人材不足の現場ほど見えないサービス残業も否めません。

この辺りを比較して、常勤職を選ぶか、パート職を選ぶか選択してもいいでしょう。

こみちの場合、未経験からの入職だったので、3ヶ月の試用期間が設定されていました。

介護の仕事が何なのか全く理解できていなかったので、初勤務から1ヶ月くらいは「見えている作業」をしていたという感覚です。

なので、正式な採用となるのか心配でした。

それくらい、「これで良いのか?」と思うほど、介護の仕事は何をすれば良いのか理解できていませんでした。

ただ、こみちの場合、実務者研修を終えてからの入職だったので、「介護保険制度」や「介護度」「介護認定」などのワードは知っていました。

それでもギャップを感じるほど、実際の現場は卓上の学習とは異なります。

その後、正規採用が決まり、オムツ交換も一人でこなすようになり、段々と作業の幅も広がりました。

その頃から感じるのは、利用者の気持ちと介護スタッフの気持ちが基本「乖離」していること。

なぜそんなことが起こるのか考えてみると、先に紹介したように「在宅復帰」を目指す老健なのに、在宅復帰は状況的にできないと決まっているからです。

つまり、入所者の健康がどんなに回復しても、彼らを引き取る家族がいません。

金銭の面ばかりではなく、世話そのものを拒否するケースが少なくないのです。

そうなると、介護スタッフは利用者に「どんな支援」を提供すれば良いのでしょうか。

「さぁ、リハビリを頑張りましょう!」

「これをしないと、元気になりませんよ!」

そんな声掛けが、意味をなさないことも理解できるでしょう。

こみちの場合、「食べたくないの?」と一旦は利用者の意思を受け止めていました。

その後に、「もう少ししたら食べられる? それとも下げてしまう?」と、選択してもらいます。

一つには、利用者は「自分の意思」を奪われやすい傾向にあります。

なぜなら、多くの介護スタッフは言葉こといろいろでも、「誘導する声掛け」が多いからです。

「食べてください」「待ってください」「動かないでください」「勝手にしないでください」

ケアプランに従って、利用者の目標を叶えるということが不可能になっている以上、介護スタッフはどうしても自分の作業ノルマを片そうとします。

そうなると、利用者があれこれしない方が効率的なので、結果的に声掛けも「命令口調」です。

それぞれに言い分や思惑があるのですが、多くの介護施設では、同様の問題を抱えていることでしょう。

だからこそ「介護とは何か?」を考える必要がある!

自力での生活を困難になって来た時、例えば隣近所の負担も結果的に増えます。

「住み慣れた場所で暮らしたい」という希望は誰にでもあり、でもそれを可能にするサポートが見込めない時は、次の展開も考えなければいけません。

こみちの叔母のケースでは、トイレに異物を流して排水管を詰まらせてしまい、下の階の住人に大変ご迷惑をお掛けしました。

「それをしてはいけない」という判断が困難になってくると、「ゴミを分別して出さない」とか、「そもそもゴミを捨てないで屋内に溜め込む」などが起こり得ます。

そのような状況になると、「火の元の心配はないのか?」など、隣近所で暮らす人も気になるでしょう。

そんな状況を伝えて聞き、家族や親戚が身元を引き取れるなら幸いです。

しかし、ある程度進行した認知症など、介護経験が乏しい人が、いきなり世話を始めるのはお互いに大変です。

仕方ないことですし、誰しもが可能性としてあるのですが、怯んでしまう状況も起こります。

そうなってしまうと、介護施設への入所も検討しなければいけません。

しかし、収入によって価格は大きく変動しますが、受け入れてくれる施設はどこも「特有の問題」を抱えながら運営しています。

入所者に適したケアプランを作っても、それが状況として不可能なら意味がありません。

言い換えると、家族からの支援が拒否されたら、入所者の意思には関係なく、その施設で最期を迎えるまで過ごすしか選択はありません。

しかし、介護スタッフも、入所者を「社会的な弱者」として扱わない意識改革が必要です。

「もう一杯、お茶が欲しい」と言い出せない入所者が多いことを知っているでしょうか。

ある利用者に「お茶はどうですか?」と聞き、隣の利用者にも「どう?」というと、大体はどこかから「お願い」と声が掛かります。

腎機能等で水分制限がない限りこみちは対応するのですが、意外にもそれが介護士にできるギリギリのラインです。

医師や看護師のように特別なことではなく、そんな些細な気配りが、「生活に豊かさ」を与えると思います。

しかし、それでも言えない人はいて、ただ黙って待っていたりします。

一方で、何も言わなければ何もしない。

そんなスタイルの介護スタッフもいました。

とても作業が手早いのですが、利用者の気持ちには寄り添っていません。

でもそれが悪いのかというと、月に5回以上夜勤帯の16時間労働をして、朝も6時には介護を初めて、遅い時は6時半の予定が7時、7時半にもなってしまう労働をしても、月給としては大卒の初任給と年収ベースで変わりません。

金額の大小ではなく、今後も可能性という意味で、介護スタッフと新卒者の状況は正反対なのです。

それでも、利用者に寄り添えと強いられても、どこかでセーブしてしまうのは人間だから仕方ない話でしょう。

結局のところ、介護業界や介護保険制度という枠組みで考えると、介護スタッフとして働く目的や将来性がとても不明確なのです。

未経験から8年、10年くらいで目指せる「ケアマネ」も、多くの経験者が家族からの無理難題で疲弊してしまいます。

しかも介護スタッフと比較しても優遇された報酬ではなく、現実を知るほど「やりがい」が見えなくなってきます。

真面目に考えると既に「詰んでいる」ので、日々をどうにか乗り越えている。

そんな状況が介護現場にはあります。

でも、それで良いのでしょう。

そうしないと、入所者は生活に困難しながら暮らすしかなかったからです。

「今」を少しでも気分良く暮らしてもらえたらと思って介護することがスタッフには求められています。

介護施設への提案

 介護施設の目標

介護士と働いていた頃、常に感じていたのは仕事量のアンバランスです。

その原因はいくつかありますが、一つは「介護スキルの差」、もう一つは「介護への理解」です。

未経験者はその両方が「0」から始まります。

基本的に「介護スキル」では移動や移乗を皮切りに、トイレ誘導、介助、食事や入浴など日常生活に関わることが当面の目標でしょう。

ある意味、ここまでの作業が安全にこなせれば、介護スタッフとして長く働けるはずです。

一方で「介護への理解」では、「利用者の自立支援」の意味や目的を自分なりに理解することから始まります。

次の目標は「介護福祉士」の試験内容を確認し、なぜそのような出題が想定されているのかを分析することでしょう。

すると、「自立支援」も言葉としての理解ではなく、制度や行政との関係、地域の役割などなどへも理解が進み、その上で「介護施設」や「介護スタッフ」の役目を見直せます。

思うに、介護業界に関わる人を未経験から3年間でそこまで育成できれば、介護施設の運営は飛躍的に向上し、何より柔軟なサービスへ対応可能です。

介護施設の課題

多くの介護施設では、日常の割り当てられた作業があります。

もちろん、その内容をすべてのスタッフが行えるとは限りません。

つまり、難易度の高い作業ほど限られたスタッフに依存することになり、どうしても作業量のアンバランスが発生します。

そこで、先に紹介してような「目標」に向けて人材育成がどこまで達成できるかが問われます。

しかし、残念ながら依存しなければいけないはずのスタッフでさえ、必ずしも「介護スキル」や「介護への理解」が十分ではないということもあります。

そんなスタッフが中心となった介護現場では、行政が求める「介護」にはなりませんし、利用者が求める「介護」にもなりません。

ところが、人材不足に悩む施設ほど、根本的な育成に時間を割けません。

つまり、そんな施設で働き始めると、その施設特有の介護を「介護」として覚えてしまう危険性もあります。

根本的な原因

介護業界の多くの施設は、介護保険制度に則り報酬を受けてスタッフへと還元しています。

施設それぞれがどのようなサービスを行おうとも、得られる報酬は条件が同じなら一律です。

そうなると考え方として「更なる理想的な介護」へと力を注ぐよりも、「いかに効率的な介護」に達するかを目指してしまいます。

具体的には、一人のベテラン介護士がいると、20名くらいの利用者を一人で賄ってしまいます。

もちろん、そのスタッフは大変ですし、動いてくれない他のスタッフを見て面白いとは思いません。

でも、動けないスタッフを育成するよりも、できるスタッフが回してくれた方が施設としては効率的なのです。

その結果、できるスタッフや理想を求めるスタッフほど、現状の介護に疑問や不満を感じるでしょう。

そのような流れは、介護業界の発展を妨げてしまうのです。

老後への理解

介護施設で実際に働いてみて、様々な生活上の支援方法が身につきます。

しかしながら、「老後への理解」が進むとは限りません。

ここでいう「老後への理解」とは、「働けなくなった自分」を想像することです。

人によっては「なぜ生きているのか?」と考えるかもしれません。別の人は依存することに慣れてしまうでしょう。

それだけ意識に開きがあるのですから、施設運営が容易ではないことも理解できます。

また、スタッフが支援者ではなく、世話焼き人になってしまう原因です。

現役世代の時から、自分が働けなくなり、誰かの世話になるしかなくなることを想像した時に、「今をどう生きるのか?」も決まります。

高い報酬を得ている仕事をしていて、老後も十分な年金を受けられる人だったとしても、それだけで本当に「老後は安心」でしょうか。

何より、介護業界が今のような課題を克服できないままということは、真摯に対応するスタッフに当たるか否かによって、何もできなくなってしまった自分の幸せも変化するでしょう。

つまり、動ける時にしっかりと動いておくことが、自分に選択できることなのです。

1日でも長く健康でいなければ、誰かの考えに依存するしかなくなります。


元介護士だから思う「勤めるべき施設」を見つけコツ

 仕事現場を見る

丸三年、介護士として働き、いろいろなことが経験でき、また課題なのかと気づきもありました。

中高年の方に「介護の仕事」をおすすめできるかどうかで言うと、こみちは「おすすめ」です。

理由は大きく分けて二つあって、一つ目が就職しやすいこと、もう一つが将来設計に役立つことです。

その意味で、例えば初めて介護の仕事を始めたい人におすすめしたいのは、それこそ求人募集に書かれている月収や時給、休みの日数以外にも、職場の雰囲気も絶対に確認するべきです。

いわゆる、病院のように慌ただしい雰囲気の施設もあれば、アットホームな感じの施設もあります。

注意したいのは、「今の自分に合っているのか?」に加えて、「しっかりとスキルが身につくのか?」ということです。

介護の仕事は二面性があり、現場経験に長けたスタッフは本当によく働きます。

一方で、実務経験や実務者研修など、定められた条件と国家試験を受けることで「介護福祉士」になれるのですが、取得して無駄にはなりません。

資格にも、その資格が無いとできない仕事(医師や弁護士、宅建士など)と、無くてもできますが名称として名乗れる資格があって、介護福祉士は後者(つまり、私は介護福祉士ですと言える)部類になります。

「じゃ、無くてもいいや」という人が多い原因になっていますが、最近の経験として、国は介護施設に様々な要件を伝え、それを満たした施設には「処遇改善手当て」という形で施設に対して追加の報酬を出してくれます。

何が言いたいのかというと、そもそも介護施設はその報酬を利益に運営されているケースが多く、施設とすれば細々といろんな項目を満たすように運営しなければいけません。

つまり、本来、自由度はそう高く無いのです。

でも、施設によって現場の雰囲気はかなり異なります。

なぜかというと、特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などなど、他にも種類はありますが、それぞれの運営条件や目的が異なっているからです。

具体的には、認知症の傾向があり、日常生活に不自由な人が利用するグループホームでは、利用者によってできることとできないことが異なります。

ある人は料理も洗濯もできるけれど、物忘れが多いとか、記憶に残らないので何となく自分の私物が勝手に移動しているように感じて、盗まれていると思いやすいとか、それぞれに特有のタイプがあります。

介護士として働く場合、「何もかもしてあげる」ことが求められていません。

一緒に料理をしたり、盗まれたと訴えられたら一緒に探したり、それぞれの不自由さに合わせて働きます。

一方で、一時的に施設を利用し、ゆくゆくは家に帰るという人は、介護老人保健施設を使います。

特徴としては、リハビリをしっかりしてくれることと、看護師や理学療法士、作業療法士など、介護士以外の人も多く働いていることです。

つまり、グループホームで働く時とは異なり、多職種が勤務しているので、相互に意思や連絡をする場面が多いということ。

例えば、看護師に連絡する場合、「〇〇さんが苦しんでいます」と見た目の症状を報告しても喜ばれません。

なぜなら、聞いた看護師は、その利用者を訪ねて、検温し数日前からの健康状態、直近の様子など、改めて確認しなければいけないからです。

「〇〇さんが目眩を訴えていて、熱発があり、胸の痛みもあります」

もちろん、これだけで十分ではありませんが、看護師が何を求めているのかを経験的に学習することが必要です。

同じ3年の現場経験でも、グループホームと老健、デイサービスなどで異なるということです。

自分が目指す「介護士」像を考える

こみちが最近の施設選びで「介護老人保健施設」を選んだ理由は、割とそれ以外の施設では看護師やその他のリハビリ職員と顔を合わせるこちが少ないからです。

つまり、介護の仕事を覚える中で、例えば不注意で服薬しなければいけない薬を床に落としてしまったという場面で、漢方薬を飲み忘れた場合と血圧の薬とでは一回の飲み忘れによる影響が異なります。

薬を落とすのを「落薬」と呼んでいて、それは「事故報告書」を作成しなければいけないほど、介護士として要注意のミスに挙げられます。

こみちは3年の勤務でそのミスはしませんでしたが、落ちている薬を発見したとか、利用者が拒絶し、差し出した薬を手で払って床にばら撒いたという場面を見たことがあります。

例えば看護師が常駐していないグループホームで起こった場合、施設によって対応方法は異なると思いますが、「落薬」の事後処理も看護師の役割が分かっていなければ、間違った方法になってしまうでしょう。

薬の種類によっては、誤飲や誤薬など、万が一の対応で「看護師」の役割を理解していることが重要だと思いました。

「なぜこうしなければいけないのか?」を考える意味では、他職種を知ることも大切です。

一方で、そこまで重く考えないなら、例えばデイサービスで働くのもアリでしょう。

デイサービスは、主に朝、利用者宅まで迎えに行き、昼食と入浴のほか、様々な催し事をして夕方に帰宅する施設です。

スタッフになると、食事の手助けや入浴のお世話に加えて、カラオケや体操、演劇などを利用者に見せたり一緒に楽しんだりします。

30名前後の人が集まって、また帰るので、実は荷物もたくさんあって、間違えないように預かり、持って帰ってもらうには、それなりのコツと管理方法があります。

「ハイ、こちらはAルートですよ!」

ハイエースなどが施設の前に横づけされて、帰る方向に合わせて決められた車に乗り込みます。

スタッフが運転して届ける施設もあれば、専属の運転手がいる場合もあります。

これはこれで、グループホームとも老健とも異なる役割があるでしょう。

まだ始めていない段階で、全てを確認することは難しいですが、同じ介護スタッフでも、施設の種類によっても目的や雰囲気が異なるのがわかっていただけたのではないでしょうか。

面白いのは、介護の仕事は「生活に場面」なので、例えばプロのミュージシャンを目指していた人が介護士に転身し、週に数回ある催しでギター演奏を披露し、利用者たちから喜ばれるということも珍しくありません。

歌を披露したり、習字をしたり、絵を描いたりと、様々な経験や趣味も、介護施設では必要で、異業種では考えられないことでも、楽しく働けるのが介護士という仕事でもあります。


今の介護施設を退職することが決定しました!

 もう一つの仕事があるけれど

3年ぶりにまたフリーに戻ったという感じです。

正直なところ、休職させてもらって、かなり精神的に回復した部分はありました。

ただ、決断のポイントは「今の職場を継続する意味」という部分。

もちろん、これまで未経験で何も分からないところからいろんな経験をさせてもらえたので、感謝したい気持ちはいっぱいあります。

一方で、このまま施設に残ったとして、「そこで何をして行きたいのか?」と自問した時に、明確な決意ができませんでした。

何よりも「介護」は本当に難しい仕事です。

なぜなら「これで十分」という限界も、目標も見いだせないので。

つまり、現状を分析して「今後はこうして行こう」という短いスパンの目標を掲げながら、少しずつ進むことはできます。

そのためには、スタッフの教育も必要ですし、個々の人生設計をどう担保するのかも課題でしょう。

正直なところ、こみち自身は自身の頑張りがどこに向かっているのか分からなくなっていたと思います。

ただ「介護福祉士」という資格を取得したかったので、そこに向けて頑張って来ましたが、施設全体の目指すものや、勤務して施設が老健でありながら、在宅復帰に至らないケースが増えていて、特養との違いや介護サービスの在り方に戸惑ってもいました。

もちろん、大人気ない話をするつもりはありません。

施設を運営するには、空き部屋を作らないようにしなければいけません。

とは言え、「ここは老健なので、在宅復帰に向けた意思確認は必要です」というスタートにしないと、利用者の支援を続けても、ADLが向上しても、その願いが叶わないのだとしたら、介護士としてどう利用者と関わるべきなのかに混乱してしまいます。

「勝手に動かないでください」

「今、トイレに行ったばかりでしょう!」

最近、スタッフのそんな呼び掛けに、疑問を感じていました。

「勝手」とは何か?

スタッフありきの介護をしていることに気づいていないのです。

でもそうしないと、夜勤帯の少人数で回せないと思ってしまうのも分からない話ではありません。

一方で、信頼関係ができると、利用者もスタッフに協力的です。

それによってこみちはとても助けられました。

夜間は、それこそ経験ないですが、夜間学校のような雰囲気で、静かになったステーションにフラッと利用者が現れて、「どうしたの? 眠れないの?」などと日中とは異なる雰囲気で会話をします。

「仕事、楽しい?」

「何で? どうしたの?」

興味深いことですが、利用者の多くはスタッフのちょっとした行動を見ていて、時に核心をつくようなひと言を言い放ったりします。

「別に。何か飲みたいなぁ」

「ホットミルクでも入れようか?」

そんなひと時を過ごしているいと、看護師が巡回に来て、「〇〇さん、どうしたの。早く部屋に戻って!!」と利用者を急かします。

「これ飲んだら…。ねぇ!」

そんなやり取りがあって、その利用者が部屋に戻って行くと、また少しして別の誰かがふらっとやって来ます。

「明日、何曜日?」

「金曜日。もう今日だけどね」

「風呂の用意していないよ」

「大丈夫だよ。午前中のスタッフがするから。心配無し!」

「あっそ。何しているの?」

「日報。みんなの様子を書いている。〇〇さんは元気?」

「エエ、元気じゃないよ。疲れた」

「じゃ寝た方がいいよ。もう(午前)4時だよ」

面白いもので、こみちが各部屋を回っていると、なぜか誰かがフロアに来て待ってくれる。

「〇〇さん、トイレはどう?」

「ああ、行くか!」

生活の場所ではあるけれど、やはり介護施設は家ではない。

どこか不思議な空間なのだ。

でも、こみちは一度、介護士としての立場を脱することに決めた。

正式にはまだ施設の職員だが、事務手続きをするために施設長とも話合い、結論を出した。

何より、新しいスタッフが入職する予定だそうで、今後も施設に明るい笑い声が聞こえることを願うばかりです。

ある障がい者の社会的トラブルから学ぶこと

 あえてトラブルについては具体的なことを何も書きません。

この事件を知ったのは、YouTube の「おすすめ」に出ていたからです。

介護の仕事をしていたので、様々な理由や原因から、思うようにできないという方々に関心がない訳ではありません。

最も身近な父親ですが、もしも施設の利用者の一人として出会っていたなら、全く問題ない業務だったでしょう。

ポイントは、「これくらいできるでしょう!」と他人が判断する難しさです。

公的な介護サービスの場合、利用者は必ず介護認定と呼ばれる「介護レベル」を調べられます。

介護認定を受けたからと言って、すぐに利用者になれる訳ではなく、逆を言えば利用したい人は介護認定を受けなければいけないという話です。

つまり、今は何か直面した不自由さはなくても、それが家族などの支えによるものであった場合、時に何か状況が変化して援助出来なくなるということもあり得ます。

そうなった時に、介護認定を取っているかいないかは大きな問題なのです。

父親場合は、申し訳をしたにも関わらず、勝手にキャンセルしてきました。

そして、そのまま自宅で3度の食事を家族が用意し、テレビを見て過ごしています。

「認定取らないなら、働いてくれない?」

家族の正直な気持ちです。

父親が一日中家にいることで、様々な制約が生まれ、家族に負担となっています。

そのことを家族会議で話したこともありますが、父親は最終的に理解できません。

次の日になると、全く覚えていないと言い出すからです。

「昨日の話だよ!?」

最初は驚きましたが、施設で関わってきた認知症の方々とは異なり、家族が見る「老い」とはこんなリアクションになります。

「お父さんはどうやって生きていくの?」

「働く」

「どこで?」

「前の職場」

「そこまでどうやって行くの?」

「馬鹿にするなぁ!」

と怒りますが、もう100メートルさえ歩けないレベルです。

おまけにリハビリの重要性をどんなに時間を掛けて説明しても、「忘れた」で振り出しです。

嘘だと思いたいですが、それが父親の実情です。

でも本人はまだまだ若いと思っていて、みんなとも対等です。

仕事で疲れて帰っても、テレビの前で居眠り中で、ようやくコーヒーでも飲んでいたなら「お父さんも飲もうかなぁ」と言い出します。

どうやって家族が稼ぎ、この家を回しているのか、どうも理解していないのか、考えたくないようです。

正直、こみちは父親との関係で頭がおかしくなりました。

もしも、父親と二人暮らしなら、将来を悲観したかもしれません。

施設に入ってくれるなら、入って欲しい。

そうでないと、こみち自身が壊れてしまうでしょう。

「介護疲れ」を発端としたニュースがあります。

何も知らない人には、どうにかなっただろうと思われるでしょう。

でも、解決策の大半が選択できなくなり、わずかに残された選択肢さえ、介護する家族はギリギリで毎日を乗り越えていたりします。

その意味では、助けに入る行政や地域の住民の初動次第では、問題をさらに悪化させることも珍しくありません。

だからと言って、放って置いては本人だけでなく、支える家族も潰れてしまいます。

それだけに、YouTube でたまたま見た動画は、ため息しか出ませんでした。

妻にも簡単に話を振ったのですが、周りの人がその状況を汲み取るのは難しいし、残念だけれど酷ではないかと。

これは、「ある事件」に対しての意見ではなく、悩みを抱える家族の問題を、近隣住民が察することができるのかに対して。

「おはようございます」とあいさつされれば、やはり元気そうだと思うでしょう。

まさか、その家庭で深刻な悩みがあるなんて思いもしません。

一方で、その事件を知った時、父親に対するアドバイスにも感じました。

「本人だって好きでしないんじゃない」

一見するとわがままや自分勝手に思う行動も、その背景が異なれば判断結果も別物になるでしょう。

思えば、昔から父親は厄介ごと嫌う人でした。

面倒だからと思っていましたが、例えば、物事が複雑になった時に、その状況を理解できないとどうなるでしょうか。

つまり、「嫌う」ではなく、「どうしていいのか分からない」のです。

誰かが横に付いて、「こっちとこっちとどっちがいい?」と順番に確認していけば、解決できるかもしれませんが、それこそ「明日までに結論出して!」では「言ったよね!?」となるのです。

諦めるのではなく、その人の状況を理解しようとすることが大切です。

現実的には、「なんでいつも楽ばかりしているの?」と思ってしまいますが、ここ数ヶ月の間で、父親という人間を今まで以上に観察し、分析し、様々な事例と照らして理解しようと頑張っているところです。

「老いてしまうのは仕方ない」という考え方は、施設では常識だったのかもしれませんが、家族として自宅で関わる時には、「なぜ老いてしまうのか?」さえも簡単に飲み込むことができません。

みなさんはいかがでしょうか。

今、介護施設では何が起こっているのか?

 介護施設に入所する理由は様々

こみちの勤務している介護施設の場合、要支援はもちろん、要介護1の割と軽度な利用者は入所されていません。

特別養護老人ホームには、要介護3以上の人しか入所できないことになってしますが、介護老人保健施設では要介護1でも入所できます。

ただ、その違いには入所目的の差があるからで、特別養護老人ホームは「終の住処」という目的があるとするなら、介護老人保健施設は医療処置を終えて在宅復帰までの期間を利用する施設だからです。

一般的な目安として、「要介護3」以上と認定される人は、生活のいろいろな場面で自分ひとりでは対応が難しいと判定される状態です。

分かりやすい目安を示すなら、「日常的に車イスを使った生活をされている人」をイメージするといいでしょうか。

例えば入所条件が緩いという意味で、特養ではなく老健を選んでも、申し訳の後すぐに入所できるとは限りません。

場合によっては3ヶ月程度、入所までブランクが生じます。

つまり、どこかの病院で治療を受け、退院の目処が立った時に、そのまま老健へとスムーズに移動できれば一番いいでしょう。

しかし場合によっては、退院日が先に訪れてしまうような場合、老健よりも入所しやすい「有料老人ホーム」を勧められることもあります。

特養や老健に比べて、有料老人ホームは設立条件が緩和されるなど、民間企業が母体のケースも多く、自由度が高いサービスを受けられる代わりに、コスト面では割高になりやすい傾向があります。

どうしても「この日までに」というような場合には、特養や老健以外にも「有料老人ホーム」も含めた広い情報収集が必要でしょう。

新型コロナウイルス対策

オミクロン株を中心に、新型コロナウイルスの感染リスクが深刻化しています。

ちなみに、こみちが勤務している介護施設でも「陽性者」が確認されたという情報が回ってきました。

ただ、発生時点での利用者並びにスタッフのPCR検査が実施され、配属されたエリア、棟に関しては全て「陰性」とのこと。

しかし、隣接している別棟で陽性反応があったのは事実なので、「ゾーニング」が今まで以上に強化されています。

「ゾーニング」とは、「ゾーン(=空間)を区分けすることで、安全性を確保する対策方法。

更衣場所や休憩室などを分離し、他部署との交流を遮断することで、不慮の感染を予防しています。

我々の日常生活でも

もしも、勤務している会社で大規模なコロナウイルスの感染(クラスター)が発生した場合、その陽性者は出勤ができなくなります。

また、その方と同居されている家族も濃厚接触者に該当すれば、一定期間の待機が命じられることになるでしょう。

現実問題として、新型コロナウイルスの発生が確認されると、我々の日常生活(特に収入面)での不安は頭が痛い話です。

この時期の仕事探しが、思いの外、困難になることもありそうです。

コロナ感染が発生した施設と知りながら、入職されるスタッフはそうそう居ません。

こみちのように元々は別の原因だとしても、離職者休職者が多い業界ゆえに、人材確保ができないと、施設全体が崩壊してしまう可能性もないとは言えません。

そうなると、入所中の利用者の行き先、家族の受け入れ状況など、さらに深刻な問題へと発展してしまいます。

こみちの仕事探し 介護系の仕事編

国家資格「介護福祉士」のポテンシャル

「介護福祉士」の資格を取得するには、国家試験に合格するだけでなく、例えば現場で働き始めた人なら、トータルで3年以上の在籍期間と出勤日数として540日以上の勤務が求められます。

つまり、多くの人は介護施設で試験日を含む期間も調整して受験することになり、例えば試験前日が夜勤明けで、翌日に試験ということもあり得ます。

その意味では万全の準備で当日を迎えられるとは限らないために、通常の試験にはない苦労もあります。

一方で、一般的に同じくらいの難易度とされる資格としては、電気工事士第2種や危険物取扱者乙四などで、未経験者から取得することが多いでしょう。

資格としての位置付けは、「未経験者からのステップアップ」ということになります。

例えば、介護施設で働くような場合、「介護福祉士」の資格がどのような形で表れるでしょうか。

「介護福祉士」という資格は、それが無いとできない業務がある「業務独占資格(医師や弁護士など)」とは異なり、「名称独占(介護福祉士ですと言える)」に過ぎません。

しかし、施設などでは給料の区分として、独自に資格手当てなどを支給している場合もあります。

常勤スタッフの場合、月額で1万円くらい資格手当てが支給されたりするそうですが、パートスタッフになるとさらに上限が厳しく、時給10円とか30円アップとか、勤務回数にも左右されますが月額換算で5000円アップするくらいでしょうか。

もらえないよりはもらえた方が嬉しいので、介護福祉士になって昇給できるのはポイントです。

しかしながら、実務者研修の受講や介護福祉士試験のテキスト、受験代などを含めると、約10万円は用意したいところなので、その手間があるのか検討しなければいけません。

介護施設で働く人の中でも、介護福祉士試験を受けない人の中にはメリットが少ないことを理由にされる方もいます。

「介護福祉士」を別の方法で活かすために

「介護福祉士」という資格は、ケアマネの受験資格の要件となる「資格取得後5年以上」に関わります。

つまり、介護施設で働くスタイルから、利用者と施設、介護サービスを結ぶ担い手として働く「ケアマネ」になりたいなら、介護福祉士の資格が有効です。

単純にケアマネになるだけなら、看護師など別の資格でも十分ですが、介護福祉士になってどんな未来像が描けるのかという意味では、「ケアマネ」になるなら「介護福祉士」は必須です。

もう一つは、「講師」や「教師」という方向です。

ここでいう教師等は、福祉系の学校で介護士として働きたい人に指導する仕事を言います。

ただ、ケアマネもそうですが、介護福祉士になってから5年以上というような条件があるので、それこそ介護福祉士試験に合格してすぐに進路が開かれる訳ではありません。

その意味では、中高年の方が未経験から介護施設で働き始めて、「介護福祉士」になったとしても、年数が必要になります。

「介護福祉士」資格にプラスする

介護福祉士でなくても可能ですが、第二種自動車免許をプラスして介護タクシーや高齢者向けのバスなど運転手として活躍するのはどうでしょうか。

また、介護施設の入所先を決めるのは意外と大変で、例えば地域包括支援センターのような機関と連携し、条件に合った施設探しのお手伝いをする介護系営業マンという働き方もあります。

さらに、介護福祉士の資格を取得すると、その資格には福祉用具のアドバイスも行うことができるので、大手ショッピングセンターなどに設けられた福祉用具の売り場で、まだ公的介護サービスを受けていない一般層向けに介護相談やアドバイスなどを行いながら、介護に関わる働き方もできます。

意外とパートタイムで勤務するような場合には、介護施設で働くよりも待遇が良かったりもします。

最後におすすめなのが、「介護系ライター」でしょう。

いわゆる介護施設の種類や役割のような一般知識ではなく、現場経験を経たからこその情報や知識を伝える人として活躍するのです。

介護福祉士に上書きするなら

実際に介護施設で働いて思うのは、介護福祉士よりも、看護師、理学療法士、作業療法士の方が長く安定して稼ぐことができます。

ただ、これらの資格を取得するには、3年以上の専門教育機関で学ぶ必要があり、その学費としてざっと300万円以上必要です。

また、その間の生活費まで見据えれば、500万円、600万円くらいは準備しなければいけません。

中高年の方の場合、その費用分を今後の報酬で回収できるのかと試算すると、定年まで10年を残したいので、余裕をみて40代までにそれらの資格を取得したいところです。

同じ中高年でも40歳なら狙えますが、50歳に近くなっていたり、50代以降ならメリットは少ないでしょう。



「ケアマネ」が無くなるってホントなの?

「ケアマネ」の役割

先に簡単に紹介しておきますと、「ケアマネ」とは介護支援専門員とも言われ、高齢者の公的な介護サービスに欠かせない「ケアプラン」と呼ばれる計画に携わるメンバーです。

その役割から、ケアマネとなるまでに定めた条件があり、例えば未経験者なら介護施設に3年以上勤務し、介護福祉士の試験をパスしてさらに5年以上の勤務を経て初めてケアマネ試験が受けられます。

つまり、未経験から最速でも8年掛かる計算で、異業種なら新卒で入社し現場経験も積んだ中堅と呼ばれるポジションでしょう。

介護業界へ高卒や大卒ですぐに入った人なら、やはり30歳前後でケアマネになることが可能です。

しかし、現実としては、ケアマネ資格よりも看護師資格や理学、作業療法士などの専門職の方が稼げるでしょうし、仕事上のストレスややり甲斐などをトータルで判断した時に、やはり魅力的です。

ではなぜケアマネ資格なのでしょうか。

一つには今の公的介護サービスの制度で要となるポジションがケアマネで、利用する本人はもちろん、施設サイドのスタッフとの連携や医療関係者、行政、もちろん利用者の家族など、多岐にわたる間で調整求められます。

当然ながら、営業マン的側面もあるので、施設内で内勤ばかりとはいきませんし、各家庭訪問したり、関連する機関に顔を出して繋がり持ちことも必要です。

そんな仕事が好きで楽しいという人にとってはとても魅力的でしょう。

また、例えば社会福祉士の資格を持っていると、いわゆるソーシャルワーカーとして相談業務に携われます。

業務内容としては、介護関連の場合、施設入所や入所後の相談など、それこそケアマネとは異なる立場で利用者や家族の抱える問題に乗ることもできます。

ケアマネと社会福祉士の違いは、仕事面にもありますが、何よりもそこまでのプロセスで、社会福祉士は国家資格であり、3年以上の専門的な学習が求められます。

つまり、働きながらでも可能ですが、取得するまでの期間、収入面でも負担が大きく、中高年から目指すにはケアマネ以上にハードルが高いのです。

看護師とケアマネのダブル資格者の話では、稼ぐのが目的なら看護師一本の方が良いらしく、実は介護士と比較してもケアマネになって大きく収入がアップするわけではありません。

介護職が夜勤手当てで稼いでいるので、その手当てが少ないケアマネはどうしても年収、月収ベースでは大きなメリットは少ないでしょう。

ある意味、人助け的に仕事が好きで、困っている人の笑顔を生き甲斐にできるような人こそケアマネを目指すべきなのでしょう。

介護保険制度の見直し

2018年から、ケアマネの受験資格が現行の条件に変更されました。

最も重要なのは、経験年数のカウントで、以前は介護経験年数でしたが、変更後は介護福祉士になってからカウントされます。

つまり、既に介護現場で3年以上の経験があるこみちの場合、以前の計算方法なら2年後にケアマネ資格を受けられました。

それが、介護福祉士になってからに変更されたので、合格していない間はずっとカウントが始まりません。

つまり、今年合格していれば、そこから5年のカウントです。

介護施設で初任者研修だけで働いているような人は、ケアマネになることができないので、それだけ介護福祉士の資格やケアマネ資格を価値あるものとした形です。

人助けの精神も大切ですが、仕事として目指すならケアマネという仕事でどれくらい稼げたら魅力的でしょうか、

介護業界としては、ケアマネを価値ある資格にしたいのかもしれませんが、介護という仕事を踏まえてみて、ケアマネで大きく稼ぐのは他業種との関係も考えて難しいでしょう。

合格率も2021年に開催された試験で23%ですが、それ以前は10%台と宅建の合格率15〜18%と比較しても、受験までに介護福祉士を取得したり、トータルで8年の経験を求められていることを踏まえると、決して簡単に得られる試験とは言えません。

ただケアマネ資格を取得することで独立し、新たに事務所を構えることもできます。

しかし、一人のケアマネが担当できる人数に制限が設けられていて、どんなに頑張っても売上げ額に上限があります。

しかも、今は移行期ですが、2027年からは「主任ケアマネ」の資格がないと独立もできないらしく、その要件も一例としてケアマネとして5年以上の経験を求めています。

未経験から主任ケアマネまで、最短でも13年。

しかも独立しても異業種ほど稼げる優遇措置もないとなると、こみち個人として検討するべきは介護現場で働き続けるか、異業種の資格を取得し介護業界から距離を置くのかです。

もう若くないこみちのような中高年にとって、仮に介護福祉士になってもその先のビジョンは見えません。

需要は期待できる業界なので、負担なく細々でも関われれば良いかなぁという感覚です。

結論としては、ケアマネという名称が変わっても、ケアマネの立ち位置で動いてくれる人材は必要です。

ただその成り手を厳しくし過ぎると、仕事として稼げるとは言えない現状を踏まえると、なかなか勉強して試験を受けたいとは思いません。

しかも現役のケアマネを見て大変そうにしか見えないのも事実としてあります。

有難い存在ですが、ケアマネになると勧めることもできませんし、仮に要件を引き下げたとしても、きっと志願する人は変わりませんし、実際にケアマネとして活躍してくれる人材はどんなに困難でも志願して頑張るタイプなのでしょう。

なぜって、実際になってからの方が調整などで大変そうに見えるからです。

介護士として働くなら「良い介護施設の選び方」

 しっかりとした介護奉仕を語ってくれるか?

例えば、介護未経験者が初めて介護施設で働こうと思った時に、こみちもそうでしたが「介護士って何をするの?」から分かりません。

つまり、施設が何を働く人に求めているのかさえ分からないのが当然のスタートです。

実際に現場で3年の経験を経て思うのは「当施設の介護とは…」と、面接官が分かりやすい言葉で求職者に話せるかがポイントに思います。

というのも、「当施設の介護サービスは…」という話は面接の時だけでなく、入所を希望する利用者やその家族に向けても幾度も繰り返されることで、それがしっかりと伝えられない人事担当者が現場を仕切っている施設は、働きに難く、スタッフとしてのスキルも向上できない可能性があります。

言葉による表現は様々ですが、介護施設の種類や設立目的から考えて、施設で人生の最期を過ごしてもらうのか、リハビリや医療ケアを施しまた在宅復帰を目指すのか、さらには加齢などで困難になった生活の一部を安全に快適にフォローして行くのかに分かれると思いますが、例えば「人生の最期を過ごす」というのであれば、高齢者になってどんなことを思い、いつか来るであろう「お迎え」まで健康的に生活したいかを介護施設やスタッフは理解しないと始まりません。

本来なら、スタッフとして働く人にも、「自分はどんな介護士になりたいのか?」を聞きたいところですし、施設だけが説明しなければいけないものでもないのですが、少なくとも施設はこのような原則的な課題に答えることができていない場合、その施設が提供できるサービスもスタッフ依存型になってしまうでしょう。

管理されていない施設は、自由度が高く、働きやすいイメージを持つかもしれませんが、介護は命や健康に関わる部分も多く、場合によってはスタッフの不注意で利用者に対してリカバリーできない事態を招くこともあります。

そのような重大なことさえも現場責任にしてしまう施設での労働は、事故トラブルになってから互いに嫌な思いをします。

基本は「介護福祉士」にあり!?

介護福祉士とは、介護系の国家資格です。

資格を説明する時によく用いる「業務独占資格」と「名称独占資格」があって、介護福祉士は「名称独占」に過ぎません。

つまり、持っていなくても介護スタッフとして働くことができるので、実際の介護施設でもその取得率は100%ではありません。

しかし、例えば初任者研修と呼ばれる介護系研修の一つでも、現場でしっかりと知識をつければ、1年も勤めれば業務的に困ることはないでしょう。

そこで、中高年の方などでは、この「初任者研修」を受けて施設で働き始める人も少なくありません。

ただ、介護福祉士との違いがあるとするなら「介護ケアとしてどうして行ったのか?」の根拠の部分でしょう。

「お腹が空いたら、何か食べたい」というのは人間の基本的な欲求ですが、健康維持や体力維持の視点から、「何をどう提供するべきか?」を判断するには栄養学や高齢者の人体について理解が必要ですし、医療ケアの部分では看護師からのアドバイスを受けることも有益です。

その意味では、介護スタッフが学ぶべきことは、オムツ交換や食事介助、入浴介助を代表としたそれに付随する業務ですが、「できる」ではなく「どうすればいいのか?」と考えて行動できるレベルになって初めて介護スタッフとして一人前になれるのでしょう。

そのためには、業務で関わることを熟せるだけでは不十分で、介護福祉士になる際に求めるられる知識や経験が、ある意味での境界線となります。

資格を取得していないスタッフ中にも素晴らしい人がいて、また有資格者の中にも人間的にどうかと思える人もいるので、介護福祉士の資格だけで判断するべきではありませんが、一つの目標として考えるべきです。

例えば勤続5年目のスタッフの現状とは?

施設を見学し、面接という段階になった時に、「5年目のスタッフはどのようなひとですか?」と質問してみましょう。

その質問の意図は、自身がこれからその施設で5年間勤務して、どのような介護士になれるのかを具体的イメージするためです。

役職があるならその説明や、5年間で期待できる昇給の目安、さらに同期で入ったスタッフがどれくらい残っているのかを知りたいからです。

例えば、未経験者でいきなり月給30万円の報酬を提示するのは困難です。

むしろそれを餌に人を集めている施設は、入ってから思うほど成長できないでしょう。

それよりも、未経験者の内は低めの金額だけれど、技術や知識が付きて、幅広い業務に携われるようになったら、しっかりと待遇面で交渉できる方が魅力的です。

つまり、そのためには入職時の研修制度や定期的な勉強会の実施など、施設がスキル向上に対してどのように取り組んでいるのかにも質問を投げてみましょう。

小さな施設では仕方ない部分もありますが、ある程度の施設で一部のスタッフだけが評価されているのは不自然なことで、組織としてスタッフが体系づけられていないことになります。

例えば、入職すると1週間は各フロアを巡りながら業務を見学してもらい、その後1週間は初歩的な業務を担当してもらいながら、同時に介護スタッフとして不可欠な移乗などの業務を習得する「初心者研修」なども受けてもらいます。

本来ならこの研修はスタッフが受講料を支払ってもいいくらいで、無料ではないとか、施設が当たり前に提供するものと考えるべきではありません。

というのも、介護業界では、技術が身についていないスタッフも多く、その人と技術を身につけたスタッフとの仕事量に格差が大きいことも問題で、しかも多くの施設で資格手当て等の区別はあっても、仕事量での評価給は期待できないからです。

つまり、何も知らない段階から評価を求めるよりも、施設側が期待するレベルに到達することで、段階的に評価給がアップするようなシステムを導入している施設の方が、3年後、5年後を見据えると良い施設だと感じます。

知識や技術を見つければ、さらにしっかりと稼げるなら、スタッフとしても本気で学ぼうと思うはずですし、それができない人は早々に介護士として働くことを見切るべきです。

理想は4週8休!?

月収の金額に目が行きますが、4週8休の施設が基本です。

中には4週7休で、不足した1日を有給休暇で補う施設もあります。

しかし、それだけ年間休日で考えると休みが少ないことになるからです。

年間休日で考えると、105日以上なければ週2日が達成できていないことになり、介護スタッフの場合、年末年始や大型連休も確実に休める訳ではないので、休めるかのポイントは月給の金額以上に重視するべきでしょう。

できれば、年間休日で110日以上を目標としたいところです。

ちなみに、大手企業の場合、120日以上も多く、中には130日を超える会社もあります。

それでいて月収が同額かそれ以上と考えれば、単価としての評価がかなり異なることに気づくでしょう。

事前に理解しておくべきですが、介護の仕事は忙しい割に稼げないのが現状です。

段々と処遇改善などで見直されていますが、それでも異業種と比較すると改善途中です。

しかし、その理由もあって、その一つが介護業界全体の停滞にあると感じます。

というのも、介護スタッフとして一定の実力がつくと、それ以上の進歩を評価するには管理者になるしかありません。

それは、業務を単純に効率的するだけでは介護サービスは目的を果たせないからでもあります。

つまり、エキスパートが10名いても、その分高い報酬を出せるとは限りません。

その意味では業界10年を超えたスタッフのその後をどう評価して行くべきかが問われます。

中高年の場合には、雇用先を確保し、安定的に働ける場所を見つける意味もありますが、業界的にはその部分でも課題でしょう。

つまり、介護士の月収で50万円を提示することは不可能に近く、それを可能にするには施設長や副施設長のような肩書き、又は講師のような立場で教える側になり、稼ぐことが必要です。

こみちの場合、時間給で1000円以上になればいいと思っていて、それ以上を介護現場の仕事で稼ごうとも考えていません。

しかし、それだけ抑えた金額でも、介護施設の待遇や人材育成の不足など、入職して分かる発展途中の課題がたくさん残っています。

これから介護スタッフとして働こうと思うなら、どんな施設を選べばいいのか、給料面ばかりではなく、3年後、5年後も考えて選んでみるのもおすすめです。

最低限の介護サービスが提供できていない!?

 介護業界の人手不足って何だ!?

未経験から介護業界に入り、3年を経て「基本」の大切さに気づいた。

それこそ、イラスト制作やプログラミングの仕事をするよりも、介護の仕事は「基本」が見え難い。

例えば、オムツ交換を習得したいのなら、最初に見学でもいいので実際の現場を見ることだろう。

そうすれば、オムツ交換でどんなことが起こっているのか肌で感じられるし、それを見て自分には無理だと思ったら、介護の仕事を早く見切ることができる。

今、こみちと同じスタッフの中で、2割くらいの人は全ての仕事が許可されていない。

中には、話し相手とお茶くみだけというスタッフもいて、オムツ交換は難しいだろうと教えることもしていない。

ただ、そんなスタッフが増えてしまっても、現場の負担は残されたスタッフ担うので、正直なところ出勤する時にスタッフが何名いるのかではなく、動けるスタッフが入っているかが気になる。

今日、一人の常勤スタッフが急きょ休みとなり、現場にこみちともう一人のスタッフが主力となった。

しかし、そのスタッフもある利用者から拒否が出ていて、同じ仕事でもできないことが出て来る。

拒否された理由はとても簡単で、利用者が嫌がることを無許可で強行したからだ。

そして拒否されて改めるというのではなく、できないからと振る体制ができている。

正直、今日のような働き方では、施設の信用を損ねてしまうだろう。

今日は事故などは起きなかったが、それでもいつかは誰かが事故を起こすだろう。

思うに、そんな状況なら訓練された派遣スタッフを雇うべきで、その間に人材育成に本腰を入れることだ。

個別ケアに努めるユニット型は、限られた人数の利用者に対し、幅広い業務を行う介護士が担当することで成り立つ。

オムツ交換や食事介助、入浴介助などは基本的ケアで、その個人に合わせて寄り添うことがポイントになるだろう。

その意味では、例えば大部屋などを管理する大所帯の施設なら、それぞれの専門スタッフを特化して準備することも不可能ではない。

例えば、まだ慣れない間はお茶配りやトイレへの誘導を中心に担当し、食事介助からオムツ交換、入浴介助へと業務を広げていけばいい。

その意味では、精神疾患を患う利用者に対応することもあるユニット型では、より踏み込んだ心の理解が不可欠になる。

例えば、そんなユニット型介護で、何か説明もしないで介護士が利用者をコントロールするようになってしまうと、もうユニット型を名乗る理由がなくなる。

実際、食事の時間に一人の介護士が、複数名の食事介助と口腔ケア、トイレ誘導やベッドへの誘導を30分で10名分を担当するのは難しいのではないだろうか。

現役の介護士なら分かると思うが、裏ワザというものがあって、それこそスピード最優先で辻褄合わせをする介護もある。

その時は人員の関係で仕方なかったという説明もできるが、入所している利用者にすれば、1日は1日で、どんな1日も粗末にされるべきではない。

最近、ある夜勤者の後、利用者のオムツが粗末な付け方になっている。

正しくつけられていないので、ズボンを脱がせようとすると、それだけでオムツも一緒にずり落ちてしまう。

そればかりか、中心線がズレているために、左右が均等ではないままに装着されていたりして、それだけ適切な介護サービスが提供されていないと感じる。

しっかりとした教育システムがなければ、ある一部の介護士は成長できるかもしれないが、残りのスタッフは十分な技術が身につかないことで、担当を避けたり、任せることができなかったりする状況が生まれる。

その意味では、介護業界の人手不足も、しっかりとした教育システムが確立できていない裏返しではないだろうか。

そして、一定水準以上のスキルが認められたスタッフの報酬は、見習い期間の時とはしっかり区分して欲しい。

それにしても、今勤務している介護施設で学ぶことも少なくなった。

より踏み込んだ介護サービスを体験したいのであれば、サービスに自信を持っている施設を探してもいいだろう。

介護業界の問題点 現役介護士が自身の今後を考える指針にするために

 介護事業で儲けるには

その秘訣はたった一つで、「手間を惜しむ」こと。

「惜しまない」のではなく、「惜しむ」ことだ。

それに基づいた介護施設の運営では、アピールポイントを立地の利便性や施設の設備面でアピールし、入所者を集めることだろう。

また、介護スタッフの募集に於いては、年収ベースの報酬で魅力をアピールすることだ。

例えば年収400万円以上、年間休日120日以上という条件は介護職ならかなり魅力的に感じる。

しかし、異業種の大手企業なら、正直なところそれほど高待遇という印象は受けない。

完全週休2日に、年末年始、大型連休、お盆休み、さらに有給休暇を加えれば、120日以上は確実に超えてしまう。

しかも、昇給の有る無しやボーナスの金額を考えると、年収400万円という数字が労働に見合うのかは、介護職しか知らない人と知っている人とでは感覚が違うだろう。

大手企業の正社員を目指すなら、知名度のある大学を卒業しなければいけないだろうし、入社試験を受けるにしても年齢制限があるはずだ。

中高年から選択できる方法ではないので、介護職と単純に待遇面を比較しても意味がない。

ただ、中高年からの仕事探しという意味でも、仕事での経験を活かしていけるのかはとても重要で、難易度の高い、手間の掛かる仕事を覚えても昇給しないのなら段々とモチベーションが下がってしまう。

介護の仕事は、繰り返しが多いから、自分から進んで取り組むというシステムを作らない限り、スタッフは手間を掛けたりはしない。

施設が儲けるには、手間を掛けないことだと言った。

しかし、それは「施設」の話であって、従業員にどれだけ手間を掛けさせるのかで施設の評判も上げることができる。

例えば、月収25万円の固定給として、ボーナスは夏と冬で50万円ずつとした場合、年収は400万円になる。

しかし、基本給20万円に皆勤賞5万円とすれば、従業員は覚悟して休みを取るしかない。

さらに、基本給15万円、皆勤賞5万円、研修参加加点2万円、役職手当て2万円、資格手当て1万円といった具合に、基本給をできるだけ低くして、ノルマを達成すると加点されるシステムにすれば、同じ月収だとしても従業員は見えない内にコントロールされてしまう。

その意味では、求人募集する施設がどのような名目で振り分けているのかを見るだけでも、意図や狙いが分かる。

一方で、そんなシステムを逆手に取れば、施設が求める人材に近づければ、よりしっかりと稼げるとも言える。

ちなみに、こみちが勤務している施設で、毎月提出が義務付けられているレポートを集計し、金賞をはじめ、様々な賞を企画しているという。

金賞が一万円だとして、年間で12回のレポートを自宅で制作するとしたら、時給換算でいくらになるだろうか。

でも、金賞を取れば「一万円」もらえるとなれば、何か得した気分にならないだろうか。

介護現場で、対応がとても困難な利用者の排せつ介助をしたとしよう。

そんな利用者を10人担当したからと言っても、施設から評価されることはない。

なぜなら、できるかできないかで言えば、「できる」からだ。

実際には大変でも、「できる」と思われていることは評価されるポイントにはならない。

例えば、異業種のサラリーマンで、今回新たなプロジェクトを立ち上げることになり、そのスケジュール管理を担当するような場合、会社は管理の大変さを理解していない。

つまり、実際にはそれほどではなくても、アピール次第ではとても難しいことを成し遂げたようにも写る。

ところが、介護現場の仕事で、初めての仕事を介護スタッフが担当するのはほとんどなく、だからこそ介護職が高く評価されることは稀なのだ。

実際、介護スタッフの中には、上司や看護師などにアピールしやすい仕事だけを選り好みして担当する強者さえいる。

そして、その人が、ボーナスの査定がとても良いことを後から知って驚いた。

その意味では、利用者のニーズを掘り起こして対応する介護職は、利用者から支持されてもそこに評価システムが無ければ、報酬アップには繋がらない。

頑張るスタッフを評価する施設は良い施設なのか?

正直、良い施設とは、条件的に受け入れが困難な利用者も積極的に受け止めてくれるところだろう。

例えば、ヤル気や向上心のあるスタッフを評価するシステムを導入し、昇給制度を取り入れても収益を圧迫してしまう。

そこが異業種との大きな差とも言える。

自ずと、施設経営では、高い収益に繋がる利用者を受け入れ、それをサポートしてくれる介護スタッフを確保することだ。

大きな事故やトラブルを起こさないで、利用者やその家族から価値ある存在となることを目指せばいい。

一方で、スタッフの立場では、常勤スタッフを目指すべきか、パートスタッフを選ぶかがポイントになる。

最近の雇用制度から、多くのスタッフは社会保険に加入できる。

両者の違いで大きなものは、ボーナスではないだろうか。

常勤スタッフで例えば一回の支給が20万くらいだとして、パートスタッフになると3万円とか5万円となる。

一方で、休みの日を指定できたり、夜勤を拒否することもできるのがパートスタッフのメリットで、例えば日中の勤務だけということもできる。

一年間、月当たり3日は指定できても、残り5日は施設側から指定されるという働き方を選ぶ代わりに、年間でボーナスがトータル40万円支払われるとしたら納得できるだろうか。

そもそも稼ぐために働くなら、介護職なのかという疑問もある。

年収400万円を支払ってくれる介護職は都市部にはあっても、地方都市ではそうはいかない。

それは、異業種の平均年収との開きも関係してくるだろう。

中高年の場合には採用されるかがポイントだが、介護職として早朝から夜、又は深夜まで働くことを考えると、他に割の良い仕事はあるはずだ。

それくらい介護職は楽では無いし、稼ぎやすいシステムだとは思わない。

ただ、今になれば慣れているので、新たに別の会社で勤めるのも大変だと思ってしまう。

身動きが取れなくなる前に、自分の望む方向を見つけることを忘れてはいけないだろう。

「地域包括支援センター」の役割ってなんだ? 実践編

 介護福祉士試験対策として

2000年から動き始めた介護保険制度も、社会構造の変化に合わせて3年毎に見直されています。

そして、2005年の法改正では独居高齢者や認知症高齢者の増加、在宅支援、介護と医療の連携という課題に対応する形で、「地域包括支援センター」は創設されました。

それにより「地域包括支援センター」だけではなく、「地域密着型サービス」なども動き出し、例えばこれまで在宅ケアか施設ケアかという二択だった支援方法が、両者を流動的に活用するような、そして介護に頼らない予防策に対しても目が行き届くようになったのです。

地域包括支援センターは、地域の中学校の設置数同様に約2〜3万人程度の人口をカバーするエリア毎に設置しています。

設置者となるのは、市町村とそれらから委託された者と定められていて、4つの大きな課題に対応します。

その4つとは、介護予防、介護保険制度外を含む高齢者の生活相談と支援、虐待や権利擁護、ケアマネへの支援です。

地域包括支援センターの実情を考える!?

在宅と施設の流動的サービスを踏まえた時に、在宅には居宅系ケアマネが、施設には施設系ケアマネをケアプランの担い手として立てることになる現行の介護保険制度では、どうしても両者をシームレスに移動したような連携に支障が生じます。

そこで、地域包括支援センターという両者を統括するようなポジションを創設することで、両ケアマネへの支援も容易になると考えられるでしょう。

また、利用者の立場で考えれば、介護保険制度では利用者の自立支援や個人の尊厳などを重んじることもあり、受動的なサービスではなく能動的に受けられるサービスを目指していて、それはつまり、高齢になっても「どう生きたいか?」を利用者自らが選択できる環境を整えています。

そして、地域包括支援センターの役割は単純な介護保険制度の運営者ではなく、保険外となるような高齢者の相談や支援も含み、具体的には独居で暮らす高齢者の生活サポートや支援策の提示などにも及ぶでしょう。

しかし、考えてみれば、ひとりの地域包括支援センターのスタッフが日に5人の相談に応じたとしても、月に関われる相談件数は150人程度でしかありません。

また、一回の相談で解決するような問題もあれば、預貯金の少ない生活困難者などの入所先を探すような問題になれば、かなりの仕事量を割かなければいけません。

つまり、現状65歳以上の高齢者は総人口の30%近くいるので、各地域包括支援センターが支える高齢者も計算上は8000人とか1万人規模に及びます。

もちろん、同時に全ての高齢者が支援の対象になる訳ではありませんが、慢性的な人材不足の中で地域包括支援センターが稼働していることに変わりはないでしょう。

一般的な介護サービスを提供する介護スタッフのように、ある程度決まった作業を繰り返すのとは異なり、権利擁護のような法的問題になれば、高齢者の人生を大きく左右するような分岐点を迎えます。

また、高齢者支援では、遠方の家族との連絡や調整も起こり得るので、一方的に事務的な処理が難しいという側面も含まれるでしょう。

まとめ

こみち自身も実務者研修を受講した時に、「地域包括支援センター」の存在を初めて知りました。

そして、テキストで読んだ時には分からなかった「役割」について、ケアマネや介護施設の種類と目的、さらに高齢者の日常や老化といった複合的な理解が深まるに連れて、「地域包括支援センター」に託された課題にも気付かされました。

さらには、支援センターのスタッフが、保健師や社会福祉士、主任ケアマネなど、医療や介護、社会(行政)のエキスパート集団で、何より課題が複雑な個々の事案を懸命に対処してくれる存在であることも理解できます。

膨らみ続ける医療、介護費用を抑えながら、行き場を無くした高齢者が社会からこぼれ落ちないように支える難しさは、言葉では言い表せないでしょう。

しかし、今はまだ家族と共に暮らして居る中高年の方々も、いずれは老いて配偶者を先に失い、独居高齢者となるかもしれません。

そんな時には、地域包括支援センターのスタッフがいてくれることで助かることも多く、また地域との付き合いや社会との関係を含めて、介護士ではなくても考えるべき社会問題と言えるでしょう。

介護士に向いている人いない人

 介護士」になるための適正とは?

学習系企業が運営している有料老人ホームの口コミを閲覧していて、幅広い研修とスキル向上に期待ができる一方で、施設サイドから求められるマニュアルも多いという声が聴こえてきました。

なぜそのような声が多いのでしょうか。

例えば、20代の時に感じる心地よさと70代、80代ではかなり差があります。

時間への感覚や心地よいペース、こだわりや好みが同じ人でも年齢を重ねて変化するからです。

その違いを若い世代が理解するには、どうして目の前の介護スキルを熟るようになった先に、スタッフの管理や施設運営の基本、時には資産運用や法律、医学知識など、介護にまつわる様々な知識や経験を一周した先に見つけられるとも言えます。

中高年のこみちからすれば、二十代前半から介護業界に身を置き、そこで3年くらい現場経験を重ねた後が大きな課題ではないかと感じます。

というのも、「介護」をオムツ交換などの作業として考えれば、どの年代から始めても3年くらいである程度の作業が覚えられるはずです。

しかし、その先には同じ作業の繰り返しと考えるか、それとも老いてからの生きがいにどう歩みよるのかで大きな分岐点を迎えることになるからです。

その意味は、特養や老健などの社会福祉法人系の介護施設と、有料老人ホームのような株式会社系では運営方針にそもそもの違いがあり、求められるスタッフの資質も異なります。

例えば、大手介護施設を運営している企業であるなら、不動産物件に詳しく、地域による利便性や広告、収益性などを分析できる人材もまた有望視されるでしょう。

それは現場スタッフとは明らかに異なる資質で、例えば大学で経営や経済を学び、今後の高齢化社会を踏まえた介護施設運営に興味を持ち、大手介護企業でその運営ノウハウを学ぶために現場スタッフを志望した人であるなら、多彩な研修やそのレポート制作も有益な経験ですし、統一されたマニュアルの目的や意図にも共感できるでしょう。

少なくとも、統一された目的と改革案の可能性にも理解があるでしょうから、現場経験から学ぶべきこととして一度は受け入れ、その後のキャリア構成としてマニュアルの改革や変更プランに改めて進むはずです。

若い現場スタッフが離職してしまう原因として、「マニュアル作業の多さ」や「研修、レポートの多さ」をあげているのだとしたら、それは株式会社として運営している介護系企業としては頭が痛い問題でしょう。

もちろん、現場スキルも重要ですが、高齢者の心地よさ住まい環境の提供を考えた場合に、学んで欲しい知識や経験はまだまだたくさんあるからです。

例えば、ある介護企業の入社し、現場経験が3年以上になると社会人枠で大学の経済や経営、法律などの分野で4年間学び、その後再び企業戻り、新規開拓事業や各施設での育成プログラムに関わるようなキャリアパスがあれば、若い世代にもやりがいが生まれるのではないでしょうか。

最近では大卒の介護スタッフも増えているので、大学といっても大学院で学び、特に異業種に興味関心のある人材と交流する中で、今後の介護企業や介護市場の行く末を思い描くのも面白い経験です。

介護士としては入職後3年で頭打ち!?

成長のスピードに違いがあるものの、現場での経験だけでは多くの人が3年くらいでマンネリ化を感じるのではないでしょうか。

こみちの場合、最初の半年、その後は半年、一年毎に変わらない現場経験とその中にも新たな発見とがあって3年を迎えます。

ちなみに、こみちが二十代の頃に介護施設を人生の目的に不可欠なものとして考えたことはありませんでした。

当然ですが、介護士になろうと思ったこともありません。

ある意味、中高年になって仕事探しを迫られて、介護士ならまだ採用してもらえるという話を聞き、初めて介護士という仕事が自分にもできるのか検討したという感じでした。

そもそも、他人様の下の世話をできるとは思っていませんでしたし、それは自分自身に対しても、される高齢者の立場になっても、想像するだけでは解決できない問題です。

例えば、施設の方針としては、男性スタッフにも女性入浴介助を配置したがります。

理由は女性スタッフに制限するとスケジュール管理が難しく、時に無理ある配置になるからです。

しかし、こみちが女性利用者なら、男性に身体を洗われるのは抵抗がありますし、それを受け入れるしかないと思ってしまう現実に何か切ないものを感じます。

だからこそ、施設運営では非効率だとしても女性利用者には女性スタッフを原則として欲しいと思うのです。

その意味で、男性であるこみちが利用者の下の世話をするとなった時に、相手が嫌ではないかと考えると、若い頃に介護士になろうとは思えませんでした。

例えば、大きな介護事故を起こさなければ、高齢になった利用者は段々と老けていきます。

歩くことができた人も車椅子となり、寝たきりになるという流れです。

しかし、それが本当にそうなのかというと、そこまで単純な話ではなくて、しっかりとしたリハビリを経て在宅復帰できるケースも少なくありません。

そのためには施設内にリハビリの専門スタッフがいて、介護スタッフと連携していなければ可能性は生まれません。

つまり、施設内のスタッフの大半が介護スタッフという場合、そこで提供できる介護サービスは安全性を主体とした「老いる」ことを前提とした運営です。

それはそれで在宅復帰が難しい利用者やその家族の都合などもあるので、現実的な話ではありますが、本来ならそれ一択ではありません。

これはあくまでも経験的な話ですが、現場スタッフの中で介護をよく知っている介護系の学校を出たスタッフほど、一択に対して疑問を持っていないように思います。

もちろん、在宅復帰して家族が看られないケースも目立ちますが、現場スタッフとしての経験だけが増えるとそこに違和感さえ持たなくなってしまいます。

もしも、介護スキル以外に、経営や行政の知識、建築などの分野に長けていれば、施設ではそもそも補えないような生きがいを提供できるかもしれません。

つまり、介護士としての適正とは、どこまでを見据えるかでも大きく異なり、それこそ中高年の場合には現場スタッフとして任される作業を安全にこなすことが大切になります。

その意味では「年齢不問」も可能で、各作業の手順を覚えて行くことができれば十分でしょう。

しかし同時に、賃金として介護士がなかなか昇給できないのも、そこに理解があるはずです。

中高年としては、就職先の確保として「介護士経験」は今後も役立ちます。

しかし、体力を求められる作業も多く、いろいろと考えることで稼ぐというよりも、決められた作業を継続させるということで稼ぐイメージです。

それゆえに、若い世代ならもっと割のいい仕事がある一方で、中高年になると介護スタッフなら採用されやすいというメリットに惹かれてしまうのでしょう。

事実、中高年でも離職される人は多く、その中には現場スタッフとの齟齬も少なくありません。

異業種経験者は、違和感を感じるかもしれませんが、現場スタッフはそれが常識だったりして、なかなか馴染めないこともあるからです。

しかし、大元まで理解を深めることができれば、そこには表面的な違いがあっても、先ではかならず合致する部分があって、そこに至るまで介護に踏み込めることができれば、それこそ介護スキルだけでは超えられない現実も理解できるでしょう。

介護士は誰にでもできる仕事である一方で、なるのが難しい仕事でもあります。

その意味では資質を考えるよりも、やってできるかがポイントなのでしょう。

「ユニットケア」は本当に高価なのか?

 「ユニットケア」って何だ?

「ユニットケア」とは、従来型と呼ばれていたケアと異なる介護方法です。

その違いは建物の内部構造にあり、「ユニット型」の場合には中央の大きなフロアを囲むように個室が配置されています。

その配置によって、入所者は自身の居室とフロアを行き来することが簡単にできます。

一方、従来型の場合、例えば個室だとしても、その個室は他の居室同様に廊下に出ることに変わりがなく、例えるならホテルの客室のようなイメージです。

介護スタッフ側から見たユニット型と従来型の違いは、ユニット型が10名程度のグループを構成し、個々の性格や抱えているケアの方針に従って柔軟にきめ細やかな対応が可能になります。

当然ですが、従来型が60名や80名、時には100名にも及ぶ大所帯を多くのスタッフが一斉に介護するのに比べて、ユニット型では少数のスタッフがありとあらゆるケアを限られた人数で応対しなければいけません。

そのために、従来型なら「オムツ交換」のグループや入浴担当」のグループなど、限られた介護スキルだけに特化しやすい反面、ユニット型では何でもこなせるスタッフを配置する必要があります。

月額の利用料金として、ユニット型の場合、従来型よりも3万円くらいの差がありますが、入所者にすれば、馴染みのスタッフに対応してもらえますし、些細な注文にも応じてくれることを考えると、決して割高とは言えないでしょう。

具体的に

ある利用者が、別エリアにある棟から移動して来ました。

暴言や暴力行為が見られ、そのエリアでは応対が難しいと判断されたからです。

こみちが勤務しているのは「ユニット型」エリアで、10名の利用者を担当します。

10名しかいませんから、個々の性格や好み、生活習慣などもそれだけ深く熟知しています。

さらに言えば、施設としても利用料金が高い「ユニット型」を優先的に受け入れることもあり、空き部屋がなかなかないのも特徴です。

新たに入所された人がいた居室も、前日まで別の方が使用していました。

家族との連携で、自宅での介護に挑戦することが決まり、退所となったのです。

現役介護士の立場から判断すると、利用者の状態は「オムツの着用」や「自力での食事」など、生活レベル(ADLとも言いますが)がどこまで可能かが重要です。

入所された時に少なくとも歩くことができた利用者が、入所後の生活で車椅子や寝たきりになっていたら、一概には言えないものの、その施設でのケアが十分に機能していないとも考えられるでしょう。

事実、暴言や暴力があるとされた利用者ですが、今は大人しく、とても穏やかな表情で過ごされています。

最も、人の性格は、入所した数日では判断が難しく、そのでの暮らしに馴染んだ頃になって新たに分かることも多いのです。

例外がないとは言えませんが、大勢の利用者を大勢のスタッフで担当する場合、スタッフは決められた作業をいかに効率的に熟せるかを気にしています。

担当している作業以外のことを利用者から訴えられても、本音としては応じる時間的な余裕がありません。

特に経験の浅いスタッフの場合、先輩たちからの目もあって、持ち分を消化させることにどうしてもこだわるからです。

一方、ユニット型のスタッフは、同時に数種類の作業を抱えることも多く、オムツ交換を終えたら、すぐにレクリエーションの担当になったり、配膳やゴミ捨て、物品の補充、そして利用者からの要望などなどをこなします。

例えば、こみち場合、食事の準備から食事介助、口腔ケア、寝かせ、体位変換、排せつ、ゴミ捨て、レクリエーション、体操、掃除、物品補充、リネン交換、目薬や爪切り、入浴介助、記録、ざっと思いつくだけでもいろんなことを担います。

ただこれらは項目を挙げたに過ぎず、実際には個々の利用者のこだわりや癖、性格に合わせて例えばトイレ誘導にしても声掛けの仕方から手順まで同じケアはありません。

そこがユニットケアのやりがいでもあり、肉体的にも精神的にも疲労しやすい大変な部分です。

従来型のイメージは立ち食いそば!?

ユニット型のスタッフから見ると、従来型の利用者はいつも「立ち食いそば」で食事している感覚です。

実際、詳しくユニット型と従来型での食材が異なるのか比較したことはありませんが、ユニット型での食事を提供する場合、「お待たせいたしました」とか「〇〇でございます」など、利用者の名前に加えてひと言を添えて配膳します。

冷めたお茶を取り替えることはもちろんですが、体質的に問題がなければ、事前に持参された飲み物を提供することも珍しくありません。

また、配膳された料理が冷たく感じた時など、必要があればレンジで再加熱することもあります。

特に夏場などは、冷たい麦茶や温かい緑茶など、利用者の好みに応じて提供します。

その点が月額数万円の価格差として現れ、従来型の場合には決められたお茶の提供しかありません。

ささっと手軽に空腹を満たすことができる「立ち食いそば」を例に挙げたのは、従来型ケアの画一されたサービスを表したかったからです。

例えば、ユニット型を利用する場合、月額15万円から20万円だとして、同じ内容が従来型なら10万円から12万円までで受けられるので有れば、確かに経済的負担を抑えたい事情があれば嬉しいポイントです。

しかし、特養と有料老人ホームとの金額構成が、「家賃の有無」によって生じているのとは異なり、ユニット型と従来型では明らかにスタッフのサービスは異なります。

仮に従来型配属のスタッフがユニット型同様のサービスを担うとしたら、それこそ無尽蔵な体力と卓越された介護スキル、さらに熱意が無ければ継続させることが難しいでしょう。


中高年の人が「介護スタッフ募集」に応募する時に考えるべきこと

 社会から見た「中高年の人」の期待値

「中高年だから」というネガティブな評価はありません。

しかし、若者と比較して、体力的に、記憶力的にとどうしても年齢を感じる部分が見え隠れします。

特に40代の後半になれば、無理できないと感じることも多くなり、若者に負けないようにと頑張るのも限界があるでしょう。

そんな年頃を迎える中高年の人が介護スタッフを就職先の1つに加える理由は様々ですが、その一つとして就職のしやすさがあげられます。

しかし、ここにも落とし穴があって、例えばこみちが勤務している介護施設の場合、3ヶ月以内に退職するスタッフは少なくありません。

その原因はいくつか考えられますが、初めて介護スタッフとして仕事をして分かる苦労に気づくこともあるでしょう。

というのも、時間給だけを比較すれば、一般的なアルバイトと大差ない金額で募集されているので、「わざわざ介護スタッフでなくてもいいのではないか?」と感じる人も多いからです。

しかし、冒頭でも触れましたが、無資格や未経験、さらに中高年という年齢を加味して、就職先を決めるのは容易ではありませんから、介護スタッフとしてのやりがいを評価する以前に、収入源を得られる方法として考える必要もあるでしょう。

実際、介護に特別なこだわりも持たないスタッフも多く、業務として淡々と仕事をしている姿も少なくありません。

もしも、そんな風な気持ちで働きたいなら、大勢のスタッフが一緒に働いている大きな施設を選ぶといいでしょう。

一方で、利用者個人に合わせた踏み込んだ介護に興味があるなら、ユニットケアとかグループホームのように、利用者との関係密になった施設を探しましょう。

現役介護士が思う介護スタッフの限界値

中高年から、しかも未経験で介護スタッフになる場合、普通に考えると管理職にはなれないでしょう。

ここでいう管理職とは、フロアリーダーのような役職ではなく、施設における介護部長のようなポジション指しています。

というのも、もしもそのポジションが狙えるだけの経験者なら、異業種でも十分に可能性があるはずで、介護スタッフを選ぶ利点が感じられません。

あくまでも、中高年で未経験者という場合に限って、介護スタッフなら苦労もあるけれど、就職先が決まりやすいという話だからです。

具体的には、年収500万円を超えるのは難しく、都内の介護施設で夜勤もしっかりこなして、450万円くらいが頭打ちではないでしょうか。

例えば、サービス付き高齢者住宅のように、比較的小規模な施設の施設長に任命されれば、その後の運営実績次第で自身の年収を伸ばすこともできるかもしれません。

しかし、それだけに「数字」にはシビアでしょうし、現場スタッフへの期待や教育もしっかりこなさないといけません。

思うに、その方向性には無理も多く、そもそもどんな利用者やその家族が頼ってくるのかを考えると、売り上げ優先では補えない介護サービスの難しさと葛藤するはずです。

その意味でも、年収400万円後半あたりが、介護スタッフとして得られる限界値ではないかと思います。

とはいえ、多くの介護スタッフは、そんな金額に届いていません。

年収300万円前後で、夜勤もこなしているスタッフも都市部以外ではたくさんいるでしょう。

つまり、ボーナス無しで月収25万円、ボーナス有りなら月収20万円くらいのスタッフが多いということです。

それを知った上で介護スタッフを目指すなら

介護スタッフと言っても、そのポテンシャルはかなりバラツキがあります。

看護師志望から介護スタッフになった人もいれば、異業から未経験で参入する人など、その経歴は本当に様々です。

中には、介護スタッフを経験後、看護師資格を目指して休職する人もいたりして、介護スタッフが最終形とは限りません。

それでも、現段階で介護スタッフとして就活するなら、資格としては「介護福祉士」を、実務スキルとしては排せつ介助や入浴介助が安全に正確にできるようになっていれば有望です。

現場経験で考えると、介護福祉士の試験は3年後ですから、その3年間で現場経験をできるだけ多く経験し、場合によっては資格取得後にさらに待遇の良い条件で仕事を探してもいいでしょう。

特に、都市部に近いエリアで働いている人なら、再就職することで年収が数十万円も変わることだって十分にあり得ます。

そのためには、施設側から求める介護スタッフの希望を汲み取り、また自身のやりがいや目標を理解してもらうような就活ができれば、希望年収に応えてもらえるかもしれません。

そのためには、最初の3年間でどこまで経験できるかがポイントで、オムツ交換という作業を単純にオムツやパットの交換と思っていてはいけません。

高齢者の場合、褥瘡やかぶれ、剥離なども珍しくなく、それはベッド上での寝姿に問題があって、安楽の姿勢やクッションを用いたポジションニングに対する理解も不可欠です。

体位変換の必要性や、体調管理へと目を向ければ、食事の方法や形状、咀嚼力など、介護スキルは自ずと広範囲になります。

こみちの場合、老健を最初の職場に選んだのは、医療的処置をしっかりと見たかったからです。

例えば、いきなり介護スタッフだけの職場に入ると、その作業は現場仕事になりやすく、時に医療的には疑問が残るような方法も、それが正解と思ってしまうでしょう。

そう考えると、幅広い経験が出来そうな施設を選ぶことで、同じ期間の勤務でも、得られる経験値に差が生じます。

いずれにしても、次の展開を考えるなら介護スタッフになって最初の3年が大きなポイントでしょう。



介護施設の現状 月額込み込み15万円のサービスとは?

施設選びを始めると

意外と施設選びは簡単ではありません。

例えば、老健と呼ばれる施設は、いろいろとメリットが多いのに、「3ヶ月しか居られない!?」という理由で初期段階から候補として外していませんか。

老健は、特養を始め、有料、その他の介護施設と比べて、「医療機関」に近い存在です。

医師が常駐していたり、看護師も24時間、誰かいるからです。

また、リハビリを行う理学療法士や作業療法士もいるはずで、入所すればそれだけ手厚い医療サービスを含めたサービスが期待できます。

一方で、老健の立場としては、入院した利用者のADLを向上させて日常生活動作を増やそうとしています。

言い換えれば、最初から「在宅復帰を望まない」「ずっと施設で暮らして欲しい」と願っている場合には入所の検討もシビアでしょう。

ただ、老健の多くは、在宅復帰を掲げているからと言って、再入所を拒んでいる訳ではありません。

というのは、どうしても建物内だけでの生活は単調になりやすく、利用者の生きる希望をどう維持向上させるのかが難しいからです。

そこで、しっかりと老健でリハビリをして在宅復帰し、また自宅での生活が困難になればまた入所してを繰り返し、利用者ができるだけ生きる喜びを感じながらゆっくりと老後を過ごすことを目指しているのでしょう。

一方で、最初から在宅復帰が困難という場合、老健を選ぶことよりも、特養が理想ですし、入所の幅を広げるなら有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅なども介護施設として候補になります。

月額15万円の介護施設とは?

実は介護施設の利用料金にはいくつもの設定があります。

特養や老健には、収入に応じた減額制度もあって、年金受給者や低額収入の人などは、条件によっては正規料金から減額させる制度も利用可能です。

考えてみれば当たり前ですが、どんな人でも歳を重ねれば老いていきます。

そして、昨日までできていたことが出来なくなるということも起こります。

裕福な人なら、手厚いサービスを受けられる方法もあるでしょうが、同時にそうではない人をどのように支えるのかも大切です。

その領域は、介護という枠を超えて、社会保障や国、各自治体との関係にも影響を与えます。

結論を言えば、月額15万円と言っても、有料老人ホームでは住居代や食事代、さらに介護サービス代や雑費までも含めた金額で考えなければいけません。

一方で、特養や老健といった場合には、収入によっては半分以下の料金で住居や食事が提供されるケースもあります。

そのあたりの情報に長けているのが社会福祉士の方ではないかと思います。

つまり、住まいのある役所の福祉課で相談し、減額制度についてのざっくりとした説明や、その制度受けられる介護施設の種類を確認し、例えば地域包括支援センターを訪ねてみてもいいでしょう。

というのも、有料老人ホームの中から見つけるのは最も簡単です。

なぜなら、減額制度の適応範囲が少なく、結果的に金額が膨らむ傾向にあるからです。

感覚としては、都内などでは月額20万円以上の利用料と入所時の保証金などで同額以上を求められるケースが多いはずです。

都心部を離れて、例えば千葉県内や埼玉県内でもその金額が大きく安くはなりません。

なぜなら、減額が期待できるのは「家賃」に相当する住居費部分だからです。

言い換えれば、近隣のマンションやアパートの家賃が安い地域でないと、有料老人ホームの低額化は望めません。

個人的に調べた時も群馬県県内でやっと15万円代の有料老人ホームを見つけることができました。

しかし、入所金は必要で30万円くらいは求められます。

つまり、都心部を離れたとしても、有料老人ホームに入所するには安くとも月額15万円以上、さらに入所金別途という条件だと考えて良さそうです。

特養や老健の魅力

つまり、特養や老健は、有料老人ホームで当たり前の住居費や食費などで、減額させる人がいて、その意味では収入に限りがあっても入所できる金額になるということ。

その目安が、比較的高額になるユニットではなく、4人部屋などの利用で月額約10万円くらいではないでしょうか。

もちろんそれでも様々な条件があるので、その金額通りではありません。

しかし、有料老人ホームとの比較を考えた時に、「減額制度」の有無が月額料金に大きな影響を与えているのです。

有料老人ホームの魅力

特養や老健と同じサービスを望むなら、有料老人ホームを選び理由は限られます。

つまり、特養や老健が空いていないなどの場合に、金額さえ支払えれば比較的早く入所できるのも有料老人ホームの魅力です。

同時に、特養や老健では難しいサービスが、「オプション化されたサービス」でしょう。

例えば、介護施設を利用しながら、まだ健康な内は家庭菜園を楽しみたいとか、みんなでサークル活動したいとか、趣味の音楽や料理、読書なども自由に楽しみたいと言った希望に応えてくれるのも有料老人ホームならではです。

どうしても、特養や老健では決まったスケジュールがあって、その運行にスタッフも割り振られています。

スタッフ自身の担当が決まっているので、それ以外の仕事までできないでしょう。

つまり、入所者からすれば、「もう少し対応して欲しい」という部分が特養や老健ではどうしても発生します。

その部分をしっかりと叶えてくれるのが有料老人ホームの魅力で、それはつまり余剰のスタッフを配置することにもなり、料金として跳ね返ってしまう部分でもあります。

まとめ

月額15万円のサービスという意味では、どこの施設を選んでも大差はありません。

もちろん人当たりなどの違いはありますが、それも個人差のレベルでしょう。

それ以上に、施設選びでは、「生き方」を考えてみることが大切です。

施設でずっと暮らすなら、有料老人ホームや特養ですし、施設と自宅を行き来しながら必要に応じた介護サービスを受けるという場合、ある期間だけ先ずはリハビリしたいなら老健ですし、在宅で暮らしながら必要なサービスを受ける場合にはデイサービスなどを上手に活用すればいいからです。

その意味ではいきなり介護施設を探すというよりも、段々と必要性を感じて、その段階に応じて自治体などに相談し、必要なサービスの受け方をアドバイスしてもらう方がいいでしょう。

在宅であれば、介護サービス代だけで月額15万円はかなり高額で、食費や住居費をカットできるのでもっと低額で必要なサービスが受けられます。

介護施設に不可欠なサービスとは何か?

 究極の介護施設を作るために

介護施設に求められるサービスとは、安全で健康的な暮らしを継続できる環境づくりでしょう。

そんな風にいうと、安全や健康的な暮らしなど当然すぎるとお叱りを受けそうですが、実際には介護する場面では危険と背中合わせも少なくありません。

例えば、夜間帯のスタッフは圧倒的に配員が少なく、どうしても最低限で回しているために、偶発的だとしてもその危険リスクは避けられません。

つまり、介護施設として運営される限り、100%の安全を確保することは不可能です。

その意味では「究極」を名乗ることは、そもそも介護施設の場合、簡単ではありません。

高品質の介護施設を作るには

高品質の介護施設を名乗るには、徹底したスタッフの教育が不可欠です。

しかしながら、一般的な企業とはことなり、介護施設の場合、一定の年代層だけが吐出しているよりも、バランス良く幅広い年代のスタッフが在籍していると、同じサービスでも印象や雰囲気に違いが見られ、利用者に応じて合わせることも可能です。

思うに、30代から40代のメインスタッフに、20代の若手や50代以降のシニアスタッフを加えることで、同じサービスにいろいろな手法が加わり、施設として多彩なサービスが可能です。

というのも、20代に感じる「幸福」と50代以降に感じる「幸福」が異なることも多く、それだけに同年代が偏って多い施設よりも、幅広い年代のスタッフが働いていることで、介護サービスに対する万能さがあります。

しかし、ただ20代から50代以降も在籍していればいい訳ではありません。

それこそ「徹底した教育」があってこそでしょう。

平均点な介護施設でも欲しいサービス

平均点と評する施設になるには、日常スケジュールのサービスが卒なくこなせることが必要です。

しかし、それだけだとどうしても効率優先の作業になってしまうので、利用者からの満足度が高くなるとは限りません。

よく見かけるのは、一部のスタッフがあれこれと頑張っていて、別のスタッフはどこかサボって見えるというような印象を受けるでしょう。

そして、一部の熱心に取り組むスタッフがいることで、利用者から安心感や満足感を得ることができています。

ただ、スタッフ教育が行き届いた高品質な介護施設とは異なり、一部のスタッフによる熱量が支えとなっていて、どこかサービスの本質にバラつきが見られます。

この部分をしっかりと体系化できるかで、今以上の評価を受けられる施設へと成長できるのでしょう。

おすすめできない介護施設とは?

「介護」に対する寄り添いに力を注いでいない施設でしょう。

具体的には、情緒不安定になった利用者に対して、しっかりと寄り添うことができるかがポイントです。

つまり、ある意味では介護福祉士が多く、しっかりと資格保有を後押ししている施設かでも分かります。

もちろん、介護福祉士の有資格者でも介護に対する熱力があるとは限りません。

それでも無資格のままで働くスタッフが多い施設よりも、利用者の自立支援や尊重を理解しているスタッフが多いと、自ずとスタッフのサービスも品質に反映します。

その意味では、1人のスタッフがどれくらいの人数を担当しているのかでも目安となるでしょう。


叔母の施設探しはどうなったのか?

 行政の方針

想像していた通り、行政も地域包括も、血縁者が動いている限り、施設探しの「課題」を受け取ってはくれません。

実際、区役所で踏み込んだ相談を持ちかけ、対応できない管轄については別の窓口をと思っていても、そんな風に応じてはくれずに、地域包括を訪ねて「ケアマネ」を立てる方がいいとアドバイスされました。

しかし、地域包括に行けば、まだ入院中の場合にはケアマネを立てられないと言われ、あくまでも血縁者の努力を強いてきます。

そこで、一旦は叔母のサポートを辞退させてもらい、行政による支援を働き掛けると、地域包括でやっと行政との調整に動いてくれる運びとなりました。

そこまでくるまでに、提示された施設は大半が予算オーバーで、中には月額5万円程度の負担と洗濯などのサポート等等を継続するしかない有り様です。

それでも、病院からの連絡を間に受けて、退院までに我々が負担するしかないと思い込んできました。

ところが、流石に毎月負担は厳しいものがあり、「支援を断る」ことも必要だと感じました。

そして、一旦、叔母に関する我々の支援を撤退させ、行政に主体的なポジションを譲ることにしたのです。

なぜなら、そうでもいなければ、入所以外の負担を含めて50万円をゆうに超える金額を負担しなければいけません。

老いている両親を抱えた状況では、流石にイイ返事はできません。

何より、我々ができないと意思表示することで、施設探しも病院と行政、地域包括間で調整してくれます。

そんな訳で、行政からの判断をまって、行き場の限られる叔母の施設探しも決まるでしょう。

「ケアマネ」という仕事は中高年からでも目指す価値があるのか!?

 「ケアマネ」って何だ?

介護施設などで働いている人なら、「ケアマネ」と呼ばれる職種を知っているでしょう。

そして、ケアマネの報酬額が一般的な介護スタッフと相違ないことに驚いた人も少なくないはずです。

このブログは、こみちのように中高年と呼ばれる年代になった人が、定年退職する頃になるまでに「生涯続けられる仕事」を探すために開設したものです。

こみち現職の介護スタッフであることもあり、その上位職種とも呼べる「ケアマネ」の仕事を改めて評価し直してみようという企画になります。

一般的な説明としては、ケアマネは介護支援専門員とも呼ばれ、介護保険制度で中核的な役割果たす「ケアプラン」の作成者でもあります。

ケアプランをもう少し掘り下げるなら、アルファベット表記ではcare planで、「お世話する計画」と和訳できるでしょう。

つまり、ケアプランの出来次第で、利用者の医療的、介護的支援計画が決定されてしまいます。

それだけにこのケアプランを作成するケアマネの重責を考えると、多岐に渡る知識と経験、さらに奉仕の心が不可欠です。

最近になって思うのは、仮にケアマネとしてケアプランを作る立場になって、「使える介護施設」をどう確保するのかが大きな問題となります。

なぜなら、ある利用者に対して必要とされるサービスが確認できていても、そのサービスを提供できる介護事業所がなければそもそも成立しません。

つまり、ケアマネの評価というのは、単純にその人の能力だけではなく、周辺の設備や環境の大きく左右されるのです。

介護事業所が密接している地域であれば、市場心理も働き、自ずとサービスの質が向上されるはずです。

しかし、比較的人口密度も低く、施設同士の競争心理も働かなければ、サービスの向上は施設独自の取り組みに頼るしかありません。

その意味では、同じ「ケアマネ」という職種を評価するにしても、地域やタイミングによっても大きく異なる可能性があるでしょう。

こみちも知らなかった「ケアマネ」の業務

「ケアマネがケアプランを作る」というのは、割と関係者なら誰もが知っています。

しかし、入院中の高齢者が病棟にいる段階で介護認定を取り、介護度をもらうというケースがあって、その段階ですでに担当者となるケアマネを立てることができます。

ここで大きなポイントなのですが、こみちも最近まで知らなかったこととして、入院中にお願いしたケアマネに「退院後の調整」をケアプラン作成の範囲で依頼することができるのです。

もう少し具体的に触れるなら、高齢者でADLの低下が見られる入院患者がそのままスムーズに在宅生活を行えるようにケアプランを立ててもらうのです。

となった時に、リハビリの継続や食事、入浴などの支援にも配慮しなければいけません。

仮に急な坂道や長い階段がある住まいに戻るような場面では、施設入所も検討項目となるでしょう。

よくある話として、退院期日を迫られているような場合に、家族は少し割高でも有料老人ホームのような施設が探してしまいます。

しかしそれでは、家族も経済的に負担が大きく、共倒れになり兼ねません。

そうやって、段々と家族も追いやられてしまいます。

ケアマネを立てることは、公的な介護サービス受ける必須条件ではありません。

しかし、家族が利用したい施設を探して、その担当者から空き情報を聞き出し、各種サービスの説明や入所までのやり取りを調整するには、本業の片手間では荷が重い作業です。

特に、条件が少ないことで、選択肢を誤れば、望んでもいない施設に申し込むことになるかもしれません。

事実、こみち家も有料老人ホームを検討していて、「ギリギリこの予算なら」と別用途で蓄えていた預貯金を入所金に回すのか悩んでいます。

しかし、こんな負担は誰にでもできることではなく、例えば叔母のように独身のまま高齢者となり、家族や頼れる親戚がいないことケースもあるはずです。

父親が直系血族の兄妹だといても、それだけの理由で今の父親に介護負担を強いることは難しく、結局は我々こみち夫婦の援助になってしまいます。

仕事が休みの日には、叔母の件であちこちをめぐり、必要な時には嫌がる父親を説得して連れ出し、ことを進めるのもかなりストレスです。

こみちはそれでも解決に尽力するしかないと思ってきましたが、これでは家族全員が潰れてしまいそうなので、「ケアマネをつけてもらう」という手段に出るのと、改めてケアマネが担ってくれる社会的な役割に気付かされました。

因みにケアマネは儲かるのか?

ケアマネと言っても、実際には居宅系と施設系があり、特に居宅系になると担当するのは介護保険制度を詳しく知らない一般の家族や当事者です。

当然ですが、ケアマネに求められる知識は増えますし、抱える案件毎に課題も違ってくるでしょう。

時には無理難題を押し付けるケースもあって、ケアマネに対する期待はますます膨らみます。

仕事としてのやりがいは、十二分にあるでしょう。

ただし、その報酬額となると必ずしも十分とは言えません。

施設に勤務する介護スタッフや社会福祉士などとも異なる形で、介護に接する職種が今回紹介した「ケアマネ」になります。

介護福祉士の資格取得から実務経験5年以上で受験できるので、該当する人は挑戦してみるのもアリではないでしょうか。