介護保険制度をポイント制度にする!?

介護現場とは


介護現場は、その性質上、24時間365日継続的に運営されています。

つまり、大前提として介護支援が継続されるので、配置されるスタッフを一定数以上確保することになります。

現場は、3度の食事をベースに捉え、朝食前から夕食前まで、朝食後から夕食後まで、昼食前から夕食後まで、さらに夕食前から朝食後までと4パターンで24時間をカバーします。

時には、スタッフの急な休みも起こり、関わるメンバーが延長勤務をして補うこともあるでしょう。

その上で、介護は利用者の個性に合わせた支援が求められるますから、介護職に課せられる責務は自ずと重くなってしまいます。

それ故に、介護職は「キツい」や「安い」と言われるのです。

介護保険制度


介護業界の報酬源は、介護保険制度に従った「介護報酬」によるものです。

つまり、規定から大きくかけ離れていないことが「報酬」を得る条件で、より高いサービスだとしても、そのことでより多くの報酬を得ることはできません。

業界内で質の向上を目指す試みがあっても、介護現場の実情を考えれば、質よりも穴を開けない勤務体制が優先されるのです。

介護スタッフの現状


介護の仕事は、体力的にも精神的にも厳しい面があります。

好きだからこそできる仕事かも知れません。

つまり、介護の仕事をサービス一回いくらという考え方で捉えると、「介護報酬」だけでは十分な利益になっていないのです。

現職でもあるこみちの感覚では、介護技術が一定水準以上で、スピードと正確性が保たれる介護士なら、時給1500円くらいは求めても良いように感じます。

介護士に求められるのは、ある作業がとても上手であることよりも、どんな作業でも満遍なく熟せるオールマイティさがポイントです。

新米介護士は、排せつ業務から食事支援、さらに入浴支援と担当業務を広げて行きますが、この3つを熟せる前と後では評価を明確に分けるべきだと感じます。

介護リーダーに求められるもの


介護現場で働いてみると、3大介護ができる介護士でも手を抜くことを覚えてしまった人も少なくありません。

より高いサービスを目指すよりも、同じ時間帯のスタッフ次第では自分で介護しなくなる人が混じっていて、現場のサービスが一定水準を超えません。

その理由は、介護の仕事が項目立てされた業務をこなすことだと認識しているからでしょう。

何時にオムツ交換すればいいという風に、作業をすることが仕事になっているのです。

そこで、現場リーダーは支援方法のあり方を考える必要に迫られます。

その際、利用者が不満を抱いていないか、サービスに満足しているかがポイントです。

もちろん、介護スタッフの報酬も介護保険制度による報酬に基づく場合、スタッフの仕事すべてに対して報酬が支給されるわけではありません。

それだけに、現場スタッフの中には「仕事を選ぶ」風潮があるのです。

トイレ誘導は2時間単位、オムツ交換は1日4回など、サービスを固定化することで自身の負担を軽減した働き方になっています。

ある意味で、質の高いサービスはより高い報酬につながるのが一般論です。

しかし、介護の仕事は特殊な環境下にあります。

介護リーダーとしても、スタッフにどう目的を伝えて質の向上に繋げていくのかが課題です。

すべての介護士と介護施設をポイント制にする!?


1つの試みとして、現職職員と介護施設をポイント制にして、利用者や利用者家族から評価を仰ぐようなシステムを導入することはできないでしょうか。

加えて、施設サイドが介護士に与えるポイント制も取り入れます。

こうすることで、介護士は施設からの評価に加え、利用者やその家族からも評価される働きぶりが報酬に加算されます。

基本給が1000円だとしても、加算給でプラス100円とかになれば、スタッフのやりがいも変化するでしょう。

評価されやすい仕事ばかりがポイントになりやすいとの指摘もありますが、そこは施設サイドの評価も見込めますし、利用者家族はスタッフの働きぶりを意外と細かく見ています。

介護現場でシフトが薄い時にも運営できる介護士が不可欠で、動けることと作業できることには違いがあります。

ポイント制度は、そんな実践に適した介護士を評価し、手を抜く癖のある介護士を減らせる可能性も期待できるでしょう。