介護現場で求められる「課題」
介護現場では、さまざまことが起こります。
小さなことから大きなことまで、本当に驚くほどです。
しかし、大きな問題にならないのは、現場にいた介護士の誰かが「予測・予見」し、対応したからでしょう。
「オムツの補充をお願いします!」
「済みましたよ」
「Mサイズの袋が開いていなかったですよ!」
こみちにも、気の合わない先輩介護士がいます。
例えば、そんな会話があったなら、「袋くらい開けてくれたら良いのに…」と思うのです。
わざわざ、できたかどうか確認して、「気の回らなかった部分」を指摘する必要があるのだろうかと感じます。
「了解しました!」
袋を開けるのは、時間にして20秒。
そのために移動するのは、ちょっと勿体ないなと思います。
介護現場の質は、介護士のチームワークで決まります。
個々の能力差もチームワークで十分に補えるからです。
つまり、不備に気づく人は、仕事の流れを予測して他の介護士を上手に動かさないといけません。
さらには、自分で現場の質を上げる意識を高めることも必要です。
例えば、水分補給を行う場合、とりあえず規定量が注がれたコップを利用者に配ればいいわけです。
しかし、冷たい方が良いのか、温かい方が良いのかは、個人によっても気分によっても異なります。
さらには、お茶でも緑茶が良いのか、ほうじ茶や玄米茶が良いのかも関係してくるでしょう。
施設側で用意されているのなら、利用者の細かなニーズに対応できればより質の高いサービスになります。
一方で、そこまでできないと決めてしまえば、それ以上のサービスは提供されません。
60点と80点と99点の違い
最低限のサービスを60点だとすると、80点のサービスはひと手間が加わったことになります。
そもそも、60点のサービスは、基本的な条件を満たしているので、意外と時間も手間も掛かっています。
場合によっては、初めての人なら60点さえ取れないかも知れません。
しかし、この60点のサービスは、したか、していないかの違いであって、良かったか悪かったかの違いではありません。
お茶を入れる話だとすれば、とりあえずコップにお茶が入っているというレベルです。
お茶を美味しく飲むには、正しい手順でお茶を注がなければいけません。
ポットから熱湯を注ぎ、そのままコップに移しても美味しいとはなりません。
80点のサービスは、そんなことにも気づかって「ひと手間」を掛けることになります。
それだけ、作業に時間が掛かりますし、場合によっては別の作業まで手が回らないこともあるでしょう。
現場スタッフの仕事の進み具合に応じて「ひと手間」を掛けることもできますし、時間に追われていれば「60点の介護」でどうにか凌ぐしかありません。
まして、99点のサービスを提供するには、現場スタッフが互いの仕事を把握してフォローもしないと上手く回らないでしょう。
この作業はできない。あの作業は嫌だと選り好みすれば、それだけ現場の質は低下します。
冒頭で、オムツの袋を開ける話をしました。
こみちにしてみれば、オムツ室の袋が開いていなかったり、補充されていなくと段ボールから運搬したことも一度や二度ではありません。
作業が込み合う時間帯であれば、「何だよ!」と不満もでます。
しかし、それでも袋を開けて、次の作業に進むでしょう。
ところが、「袋を開けてください」という指示に、戸惑いを感じます。
「その指示を出す時間、別の作業をして欲しいと。
チームワークが悪いと、目の前の作業さえも目的やゴールが分かりません。
時間が過ぎれば、問題は大半は解決しています。
しかし、その解決でよかったか否かは、これからの課題でしょう。
チームワークを築くリーダーというポジションを、他の介護士に職務を与えることだと解釈している人は、何から何まで手間を掛けさせたがります。
一方で、リーダーが細々した作業を一手に引き受け、メイン職務を他の介護士に譲ったりもします。
それだけに、リーダーとなった介護士の経験値次第で、現場支援の質が変化します。
チームワークを考えた支援のために必要となるものを意識することが不可欠です。