最低限の介護サービスが提供できていない!?

 介護業界の人手不足って何だ!?

未経験から介護業界に入り、3年を経て「基本」の大切さに気づいた。

それこそ、イラスト制作やプログラミングの仕事をするよりも、介護の仕事は「基本」が見え難い。

例えば、オムツ交換を習得したいのなら、最初に見学でもいいので実際の現場を見ることだろう。

そうすれば、オムツ交換でどんなことが起こっているのか肌で感じられるし、それを見て自分には無理だと思ったら、介護の仕事を早く見切ることができる。

今、こみちと同じスタッフの中で、2割くらいの人は全ての仕事が許可されていない。

中には、話し相手とお茶くみだけというスタッフもいて、オムツ交換は難しいだろうと教えることもしていない。

ただ、そんなスタッフが増えてしまっても、現場の負担は残されたスタッフ担うので、正直なところ出勤する時にスタッフが何名いるのかではなく、動けるスタッフが入っているかが気になる。

今日、一人の常勤スタッフが急きょ休みとなり、現場にこみちともう一人のスタッフが主力となった。

しかし、そのスタッフもある利用者から拒否が出ていて、同じ仕事でもできないことが出て来る。

拒否された理由はとても簡単で、利用者が嫌がることを無許可で強行したからだ。

そして拒否されて改めるというのではなく、できないからと振る体制ができている。

正直、今日のような働き方では、施設の信用を損ねてしまうだろう。

今日は事故などは起きなかったが、それでもいつかは誰かが事故を起こすだろう。

思うに、そんな状況なら訓練された派遣スタッフを雇うべきで、その間に人材育成に本腰を入れることだ。

個別ケアに努めるユニット型は、限られた人数の利用者に対し、幅広い業務を行う介護士が担当することで成り立つ。

オムツ交換や食事介助、入浴介助などは基本的ケアで、その個人に合わせて寄り添うことがポイントになるだろう。

その意味では、例えば大部屋などを管理する大所帯の施設なら、それぞれの専門スタッフを特化して準備することも不可能ではない。

例えば、まだ慣れない間はお茶配りやトイレへの誘導を中心に担当し、食事介助からオムツ交換、入浴介助へと業務を広げていけばいい。

その意味では、精神疾患を患う利用者に対応することもあるユニット型では、より踏み込んだ心の理解が不可欠になる。

例えば、そんなユニット型介護で、何か説明もしないで介護士が利用者をコントロールするようになってしまうと、もうユニット型を名乗る理由がなくなる。

実際、食事の時間に一人の介護士が、複数名の食事介助と口腔ケア、トイレ誘導やベッドへの誘導を30分で10名分を担当するのは難しいのではないだろうか。

現役の介護士なら分かると思うが、裏ワザというものがあって、それこそスピード最優先で辻褄合わせをする介護もある。

その時は人員の関係で仕方なかったという説明もできるが、入所している利用者にすれば、1日は1日で、どんな1日も粗末にされるべきではない。

最近、ある夜勤者の後、利用者のオムツが粗末な付け方になっている。

正しくつけられていないので、ズボンを脱がせようとすると、それだけでオムツも一緒にずり落ちてしまう。

そればかりか、中心線がズレているために、左右が均等ではないままに装着されていたりして、それだけ適切な介護サービスが提供されていないと感じる。

しっかりとした教育システムがなければ、ある一部の介護士は成長できるかもしれないが、残りのスタッフは十分な技術が身につかないことで、担当を避けたり、任せることができなかったりする状況が生まれる。

その意味では、介護業界の人手不足も、しっかりとした教育システムが確立できていない裏返しではないだろうか。

そして、一定水準以上のスキルが認められたスタッフの報酬は、見習い期間の時とはしっかり区分して欲しい。

それにしても、今勤務している介護施設で学ぶことも少なくなった。

より踏み込んだ介護サービスを体験したいのであれば、サービスに自信を持っている施設を探してもいいだろう。