「ケアマネ」が無くなるってホントなの?

「ケアマネ」の役割

先に簡単に紹介しておきますと、「ケアマネ」とは介護支援専門員とも言われ、高齢者の公的な介護サービスに欠かせない「ケアプラン」と呼ばれる計画に携わるメンバーです。

その役割から、ケアマネとなるまでに定めた条件があり、例えば未経験者なら介護施設に3年以上勤務し、介護福祉士の試験をパスしてさらに5年以上の勤務を経て初めてケアマネ試験が受けられます。

つまり、未経験から最速でも8年掛かる計算で、異業種なら新卒で入社し現場経験も積んだ中堅と呼ばれるポジションでしょう。

介護業界へ高卒や大卒ですぐに入った人なら、やはり30歳前後でケアマネになることが可能です。

しかし、現実としては、ケアマネ資格よりも看護師資格や理学、作業療法士などの専門職の方が稼げるでしょうし、仕事上のストレスややり甲斐などをトータルで判断した時に、やはり魅力的です。

ではなぜケアマネ資格なのでしょうか。

一つには今の公的介護サービスの制度で要となるポジションがケアマネで、利用する本人はもちろん、施設サイドのスタッフとの連携や医療関係者、行政、もちろん利用者の家族など、多岐にわたる間で調整求められます。

当然ながら、営業マン的側面もあるので、施設内で内勤ばかりとはいきませんし、各家庭訪問したり、関連する機関に顔を出して繋がり持ちことも必要です。

そんな仕事が好きで楽しいという人にとってはとても魅力的でしょう。

また、例えば社会福祉士の資格を持っていると、いわゆるソーシャルワーカーとして相談業務に携われます。

業務内容としては、介護関連の場合、施設入所や入所後の相談など、それこそケアマネとは異なる立場で利用者や家族の抱える問題に乗ることもできます。

ケアマネと社会福祉士の違いは、仕事面にもありますが、何よりもそこまでのプロセスで、社会福祉士は国家資格であり、3年以上の専門的な学習が求められます。

つまり、働きながらでも可能ですが、取得するまでの期間、収入面でも負担が大きく、中高年から目指すにはケアマネ以上にハードルが高いのです。

看護師とケアマネのダブル資格者の話では、稼ぐのが目的なら看護師一本の方が良いらしく、実は介護士と比較してもケアマネになって大きく収入がアップするわけではありません。

介護職が夜勤手当てで稼いでいるので、その手当てが少ないケアマネはどうしても年収、月収ベースでは大きなメリットは少ないでしょう。

ある意味、人助け的に仕事が好きで、困っている人の笑顔を生き甲斐にできるような人こそケアマネを目指すべきなのでしょう。

介護保険制度の見直し

2018年から、ケアマネの受験資格が現行の条件に変更されました。

最も重要なのは、経験年数のカウントで、以前は介護経験年数でしたが、変更後は介護福祉士になってからカウントされます。

つまり、既に介護現場で3年以上の経験があるこみちの場合、以前の計算方法なら2年後にケアマネ資格を受けられました。

それが、介護福祉士になってからに変更されたので、合格していない間はずっとカウントが始まりません。

つまり、今年合格していれば、そこから5年のカウントです。

介護施設で初任者研修だけで働いているような人は、ケアマネになることができないので、それだけ介護福祉士の資格やケアマネ資格を価値あるものとした形です。

人助けの精神も大切ですが、仕事として目指すならケアマネという仕事でどれくらい稼げたら魅力的でしょうか、

介護業界としては、ケアマネを価値ある資格にしたいのかもしれませんが、介護という仕事を踏まえてみて、ケアマネで大きく稼ぐのは他業種との関係も考えて難しいでしょう。

合格率も2021年に開催された試験で23%ですが、それ以前は10%台と宅建の合格率15〜18%と比較しても、受験までに介護福祉士を取得したり、トータルで8年の経験を求められていることを踏まえると、決して簡単に得られる試験とは言えません。

ただケアマネ資格を取得することで独立し、新たに事務所を構えることもできます。

しかし、一人のケアマネが担当できる人数に制限が設けられていて、どんなに頑張っても売上げ額に上限があります。

しかも、今は移行期ですが、2027年からは「主任ケアマネ」の資格がないと独立もできないらしく、その要件も一例としてケアマネとして5年以上の経験を求めています。

未経験から主任ケアマネまで、最短でも13年。

しかも独立しても異業種ほど稼げる優遇措置もないとなると、こみち個人として検討するべきは介護現場で働き続けるか、異業種の資格を取得し介護業界から距離を置くのかです。

もう若くないこみちのような中高年にとって、仮に介護福祉士になってもその先のビジョンは見えません。

需要は期待できる業界なので、負担なく細々でも関われれば良いかなぁという感覚です。

結論としては、ケアマネという名称が変わっても、ケアマネの立ち位置で動いてくれる人材は必要です。

ただその成り手を厳しくし過ぎると、仕事として稼げるとは言えない現状を踏まえると、なかなか勉強して試験を受けたいとは思いません。

しかも現役のケアマネを見て大変そうにしか見えないのも事実としてあります。

有難い存在ですが、ケアマネになると勧めることもできませんし、仮に要件を引き下げたとしても、きっと志願する人は変わりませんし、実際にケアマネとして活躍してくれる人材はどんなに困難でも志願して頑張るタイプなのでしょう。

なぜって、実際になってからの方が調整などで大変そうに見えるからです。