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第34回介護福祉士国家試験対策 「こころとからだのしくみ」を勉強する パート2

 「こころとからだのしくみ」でポイントを確認

「こころとからだのしくみ」は大きく2つのカテゴリに分けて学習します。

というのも、「こころのしくみ」と「からだのしくみ」を合わせた医療的な視点と身じたくを始めとする移乗などの介護業務とを分けた方が理解しやすいと思ったからです。

そこで、まずは医療的な学習から始めましょう。

「こころのしくみ」を理解するために

「基本的欲求」とは、人間なら誰しもが無意識に抱く感情で、生きていく中で欠かすことができません。

また「基本的欲求」は、本能的なもので個人差が少ないことも特徴です。

具体的には食欲や睡眠などの生理的欲求で、一次的欲求と呼ばれることもあります。

マズローの基本的欲求では、欲求を5段階に分けて捉えます。

最も根底にあるのが「基本的欲求」の中でも生理的欲求と呼ばれるもの。

この領域は誰もが無意識に求めるものです。

そこが満たされたと感じた時に、第二段階として「安全欲求」が芽生えます。

つまり、食べたり寝たりできると感じた時に、人は自身のいる場所が安全で安定した所であって欲しいと思い始めます。

安全面でもある程度の欲求が満たされると、今度は共存している仲間や家族とのより良い関係を築こうとします。

相手との信頼関係を感じられるようになれば、さらに自身の存在をより尊いものとなれるように成長を求めます。

そして、その自己実現に向けた追求へと欲求が向いて行きます。

このような考え方を「マズローの基本的欲求」と呼び、試験でも度々出題されます。

生理的欲求が芽生える理由として、ホメオスタシスが理由に挙げられます。

このホメオスタシスとは、恒常性とも呼ばれ、体温を始めとしたさまざま健康状態を維持する機能でもあります。

情動反応には、自律神経系統の交換神経系の活性化を伴います。

よく混同する話として、交換神経と副交感神経がありますが、日中の活発な時間帯に優位になるのが交換神経で、夜のリラックスした時に優位になるのが、副交感神経です。

意識が活発な時は、心拍数も上がれば、瞳孔も開き、膀胱などは閉じた状態になるとイメージもしやすいでしょう。

つまり、喜怒哀楽のような感情の表れによって情動反応が起こり、それは人間の交換神経に影響を与えるということです。

また、自己に対する理解や評価が高い人は、ストレスは低く情緒的にも落ち着いています。

エリクソンは、この「自己受容」の感覚を「自我同一性の獲得」と考えます。

記憶に関する掘り下げとして、短期記憶と呼ばれるのは会話や計算などで、一時的な記憶の貯蔵ではありません。

意味記憶は普遍的な事柄に関する情報で、エピソード記憶はこれまでの個人的な体験や思い出を指します。

駆け足とはなりますが、「こころとからだのしくみ」での学習は、基本事項を優先した学習にしたいと思います。

試験までの期間に合わせて、適宜確認するというような方法が良いと考えるからです。

第34回介護福祉士国家試験対策 「こころとからだのしくみ」を勉強する パート1

 「こころとからだのしくみ」で学ぶべきこととは?

「こころとからだのしくみ」は、介護に関する身体の構造や機能について修得していることを目指すカテゴリーです。

そのために、医療の専門用語などもたくさん出てくるので、学習するうえでは少し大変に感じる部分とも言えます。

深く知識を求め過ぎると完全に看護や医学レベルになってしまうので、学習期間と試験内容を理解して、必須な知識から学ぶ工夫も必要でしょう。

「こころとからだのしくみ」で問われる内容

こころのしくみの理解

人間の欲求の基本的理解

自己概念と尊厳

こころのしくみの基礎 

からだのしくみの理解

からだのしくみの基礎

身じたくに関連したこころとからだのしくみ

身じたくに関連したこころとからだの基礎知識

身じたくに関連したこころとからだのしくみ

 機能低下・障害が及ぼす整容行動への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携 

移動に関連したこころとからだのしくみ

移動に関連したこころとからだの基礎知識

移動に関連したこころとからだのしくみ

機能の低下・障害が及ぼす移動への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携 

食事に関連したこころとからだのしくみ

食事に関連したこころとからだの基礎知識

食べることに関連したこころとからだのしくみ

機能の低下・障害が及ぼす食事への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携  

入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみ

入浴、清潔保持に関連したこころとからだの基礎知識

清潔保持に関連したこころとからだのしくみ

機能の低下・障害が及ぼす入浴、清潔保持への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携 

排泄に関連したこころとからだのしくみ

排泄に関連したこころとからだの基礎知識

排泄に関連したこころとからだのしくみ

機能の低下・障害が及ぼす排泄への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携 

睡眠に関連したこころとからだのしくみ

睡眠に関連したこころとからだの基礎知識

睡眠に関連したこころとからだのしくみ

機能の低下・障害が及ぼす睡眠への影響

生活場面におけるこころとからだの変化の気づきと医療職との連携 

死にゆく人のこころとからだのしくみ

「死」の捉え方

終末期から危篤、死亡時のからだの理解

「死」に対するこころの理解

医療職との連携

大きな分類としては、以上のような内容を学習し試験に向けた準備が求められます。

これから数回に分け、「こころとからだのしくみ」について 学ぶことにします。


第34回介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」を勉強する パート5

 第33回の試験ではどんなことが問われたのか?

第33回の試験では、125問中10問が出題されました。

合格ラインが75点以上と考えると、この10問はそれなりに大きなウエイトになります。

では、第33回で問われた内容を確認してみましょう。

問87 ICFの社会モデルに基づく「障害」の捉え方

正解は3。

個人的な見解として「障害」は、定義によって異なるものだと考えます。

例えば、他人に真似できない特技で生計を立てられたら、それだけでも生きていけるでしょう。

一方的、さまざまなことが人並みにできたとしても、仕事で活かされる能力はその半分とか四分の一みたいにすべてではありません。

天職とは、個人の能力と求められる作業が高い確率で合致した状態ですから、苦もなく仕事ができて、しかも本人も楽しいはずです。

しかしながら、多くの人は自分に合わないと感じながら、そして苦労しながらも仕事をし、生活しています。

つまり「障害」とは、社会から求められるニーズに日常生活を含めて対応することができない状態を指します。

言い方を変えるなら、下手でも時間が掛かったとしても、どうにか対応できるなら「障害」ではありません。

「障害」とは、個人ではどうにもできない状態と考えるべきなのです。

そのように捉えると、正解は3しかありません。

問88 リハビリテーションに関する問題

正解は1。

この問題はサービス問題でしょう。

問89 「Nothing about us without us」の考えのもと、障害者が作成の段階から、関わり成立したものを問う問題

悩んだのは、2と5。

正解は5でした。

障害者に対する考え方を変えたという意味で、この二つの選択肢はなかなか識別できません。

できれば正解したい問題ですが、この二択からしっかりと5を選ぶにはもう少し深く障害者に関する歴史を理解しなければいけないでしょう。

問90 褥瘡ができやすい場所

正解は5。サービス問題でしょう。

問91 脊髄損傷と可動域の問題

正解は2です。

この類いも出題されやすいので、しっかりと損傷部分と可動域を暗記した方が得策です。

問92 筋ジストロフィーの病態を問う

正解は5。

知っていれば答えられる問題です。

問93 心理的虐待に該当する行為

正解は3。

選択肢を読めば、正解できたでしょう。

サービス問題です。

問94 心臓機能障害のある人に関する記述

しっかりと問題と選択肢を読めば、それほど難しい問題ではありません。

正解は2。サービス問題と言えるかもしれません。

問95 問題文に答える

「ペアレント・メンター」という言葉を知っていれば、正解できました。

ある意味、学習の進み具体を確認するような良問かもしれません。

ぜひ、間違えた人はこの機会に覚えておきたいワードでしょう。

問96 身体障害者がどこから情報を得ているのかを問う問題

1、4、5から選ぶことになります。

身体障害者とは、目や耳、肢体に不自由がある人なので、家族やテレビから情報を得ていると想像できるでしょう。

介護士の立場で思い返すと、会話から情報を伝えることが多く、1を選んでしまいます。

しかし、施設で生活する人よりも、在宅での生活を営む人の方が多いはずで、「日常的」と書かれた問題文から判断しても「テレビ」である4番を選ぶことになります。

こみちはどうだったか?

こみちの場合、今回の確認で10問中8問でした。

間違えたのは、「Nothing about us without us」の問題と最後のテレビでした。

学習を深めれば、さらに正解率も向上すると思いますが、合格ラインを6問以上と考えるなら、この辺で「障害者の理解」を一旦終えて、次のカテゴリーへと進みたいと思います。

第34回介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」を勉強する パート4

 障害者総合支援法の自立システムとは?

障害者総合支援法で対象となるのは、障害者と障害児(満18歳まで)です。

そして、支援の内容は、「介護給付」「訓練等給付」に加えて「地域生活支援事業」から成り立ちます。

「介護給付」には、高齢者介護同様に「訪問」や「施設」、「日中活動」が含まれます。

「訓練等給付」には、就労継続支援(A型B型)の他、就労移行支援、自立訓練などがあります。

「地域生活支援事業」には、市町村地域生活支援事業と都道府県地域生活支援事業のサービスがあり、地域社会への理解や参加、相談、権利擁護などを幅広く支える内容となっています。

介護保険サービスと障害福祉サービスの関係

障害ある人の場合、原則として64歳までは障害者総合支援法に基づきサービスを受けますが、65歳になると介護保険法に移行されます。

しかし、指定障害者支援施設の入所者は、場合によっては65歳になってからも障害者総合支援法に基づく支援を継続されることもあります。

つまり、障害福祉サービスと介護サービスの両方にあるサービスは、介護サービスが優先され、障害福祉サービスでしかサポートできない場合には障害福祉サービスが継続されます。

障害者の生活を理解する

まず、障害者が持つ「障害者手帳」には障害によって、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」があります。

約700万人の方が手帳を持っている計算で、国民の20人に1人が所有しています。

また、障害に至る原因としては、「病気」です。

その次に事故やけがなどが続きます。

興味深いのは、身体障害者になった年代で多いのは40代から64歳までが全体の約4割を占めるなど、もちろん生まれつきや未成年の時ということもありますが、中高年になってから障害を持つことが少ないことです。

身体障害者の定義

身体障害者とは、身体障害者福祉法に規定されていて、18歳以上の身体に障害があり、都道府県知事から障害者手帳を交付された人を指します。

そして、身体上の障害とは、視覚障害、聴覚・平衡機能の障害、音声・言語・咀嚼機能の障害、肢体不自由、心臓を含む7種類の臓器機能障害などです。

特に肢体不自由の場合、永続的という条件がつき、四肢の切断や欠損、関節の拘縮や変形、脳卒中や脳性まひなどの運動まひなどです。

視覚障害

人は視覚を含む様々な機能を使って、情報を収集しています。

そして、その中でも80%以上が視覚から得ていると言われます。

聴覚・平衡機能障害

平衡機能とは身体のバランスを保持する機能ですが、視覚、深部感覚、前庭感覚の3つが脳内で統合されます。

深部感覚とは、手足や関節、筋肉の状態を感覚として捉えることで得られるものです。

前庭感覚とは、内耳にある三半規管と耳石器により感じる機能です。

音声・言語・咀嚼機能障害

言語に障害が起こると、聞く話す読む書くなどが困難になります。

咀嚼機能障害とは、歯の欠損などにより、咀嚼が不完全になることで起こります。

また、脳梗塞などの後遺症で機能としての咀嚼を困難にしてしまうことがあります。

肢体不自由

手足が自由に使えない状態にあると、日常生活の様々なシーンで困難を感じるでしょう。

しかし、適切なサポートやリハビリなどを通じて、日常生活のQOLを向上させることは可能です。

内部障害

心臓、呼吸器、腎臓、膀胱又は直腸、小腸、免疫、肝臓の7つの機能障害を指します。

知的障害者の定義

知的障害とは、知的機能の障害が18歳までに現れることで日常生活に支障が生じるために社会的な支援が必要となることと考えます。

条件によって、その度合いが区分されますが、IQ70以下が障害に含まれます。

精神障害の定義

慢性的な精神疾患を抱え、同時に日常生活の面でも困難を抱えていることが条件です。

精神疾患は、青年期(14歳〜)から成人期にかけて発病するケースが多く、社会生活での経験を積む機会を失いやすく、自己評価が低い傾向にあります。

高次脳機能障害の定義

高次脳機能障害は、器質精神病として脳血管障害を起因し、失行、失認、失語などを含めた概念で考えられますが、以前はこの高次脳機能障害をどの障害として扱うのか明確ではありませんでした。

しかし、現在では精神障害の一つと考えられています。

発達機能障害の定義

発達障害は、脳機能の発達について生まれながらの障害によって適切に成長できない状態を指します。

発達障害には、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがあります。

広汎性発達障害には、自閉症やアスペルガー症候群、高機能自閉症が含まれます。

強度行動障害の定義

強度行動障害とは、精神医学の診断とは別で、さまざまな療育上の努力をしても、行動面の問題が継続している状態を指します。

難病患者の定義

2013年度から障害者総合支援法で、難病等の患者も対象に加えられました。

特殊な疾病による障害で、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける場合と定められています。

2015年時点で、約300の疾病が対象となっています。


第34回介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」を勉強する パート3

 障害概念の変遷と障害者福祉の歴史

障害の基本

1980年に国際保健機関(WHO)が示した国際障害分類(ICIDH)では、「障害」を「機能・形態障害」「能力障害」「社会的不利」の3つに分類できます。

また、2001年には新たに国際生活機能分類(ICF)を提唱し、「障害」を「生活機能」と「背景因子」の相互関係からとらえました。

高齢者介護の分野でも学んだICFですが、「健康状態」とは「生活機能」と「背景因子」の両面によって成立していると考えることが大きなポイントです。

つまり、日常動作として単純に食事ができることや歩く座ると言った動作だけでは、健康状態を推し量ることはできずに、「どのように」とか「どんな環境下で」ということが大切であると考えます。

ある時にある動作を行ったことが事実だとしても、それを行った人がどんな気持ちや思いで行えたかで、実は動作意味や目的が大きく変化し、評価も変わることを想像すれば、障害をICFに基づき理解するようになったことで、障害者福祉の概念も刷新されました。

障害者福祉施策の変遷

国内の障害者福祉制度が大きく変化したのは、1981年の国際障害者年でしょう。

国連が1975年に「障害者の権利宣言」を採択し、障害者の基本的な人権を確認するともに、その権利の保障を各国に求めました。

国際障害者年では、障害者の社会への適合を援助し、適切な訓練や指導を通じて雇用に結びつけ、公共物や公共機関の利用を身近なものに適合させる取り組みが主な内容です。

一方で、国内での「国際障害者年」に基づいた制度改革が行われたのは1984年の身体障害者福祉法の改正です。

ポイントは、「すべての身体障害者は…社会、経済、文化その他の活動に参加機会を与える」と条文に明記されたことでしょう。

福祉関係8法は、1990年に改正されました。

そもそも、福祉関係8法とは、児童福祉法、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法(現、知的障害者福祉法)、老人福祉法、母子及び寡婦福祉法、社会福祉事業法(現、社会福祉法)、老人保健法、社会福祉・医療事業団法を指します。

障害者基本法は1993年に施行されるのですが、精神障害者を障害者に加え、福祉サービスの論拠を提示しました。

障害者基本法が、国や地方自治体での責務や基本を示すもので、身体障害者だけでなく精神障害者についてもサービス提供が示されたことになります。

さらに、障害者基本法は2004にも改正されました。

新たに「何人も、障害者に対して、障害を理由とした差別や権利の侵害行為を禁止する」と定めたことで、障害者計画の義務化つながりました。

2003年には、障害者福祉制度が措置から支援費制度へ変更されました。

その背景には、障害者自立支援法が誕生し、措置制度から支援金制度へと変わったことでしょう。

2006年にはサービス提供者を市区町村に一元化しました。

2013年には、障害者自立支援法が障害者総合支援法に改められ、身体、知的、精神に「難病」も加わりました。


第34回介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」を勉強する パート2

「 障害の理解」をどう学ぶのか?

「障害の理解」を効率的に学ぶためには、障害者福祉の理念や経緯を知ることと、身体、知的、精神、発達障害、難病に分類し、大きな意味での障害が生活や心理行動にどのような影響を与えているのかを意識することがポイントです。

障害者福祉の理念とは?

障害者福祉の理念には、ノーマライゼーション、リハビリテーション、インクルージョンの3つを理解しなければいけません。

と言うのも、障害者の暮らしを彼ら単体で考えるべきではなく、一般の健常者たちと同じ環境下で社会生活が営まれるべきだと考えるからです。

そこで、障害者を社会の中でどのように受け入れるべきかから考えましょう。

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションとは、障害の有無に関わらず、社会の中で当たり前に暮らせる理念であり、我が国においての障害者福祉のベースとなっています。

ノーマライゼーションはデンマークのミケルセンによって提唱された理念ですが、障害者にも健常者と「同じ生活」が提供されるべきという基本理念「1959年法」がデンマークの法律に結実されました。

では具体的「同じ生活」とはなんでしょうか。

つまり、あらゆる障害があるからと言って、それだけで社会から阻害される理由はないということ。

人としての権利が保障される社会であることが望まれるというもの。

ここでポイントになるのは、「障害という状態」をノーマル(通常)とするものではなく、障害ある人の住居、教育、労働、余暇などの生活条件を可能な限り一般的な生活と同等に扱うものであるということ。

これにより、障害者だからと言って阻害される社会であってはいけないが、障害者だからと言って健常者以上に優遇される理由はなく、全ての人が可能な限りにおいて同等の生活を営むものだとノーマライゼーションは考えているのです。

リハビリテーション

リハビリテーションとは、ラテン語で再生+適した状態を意味から成り立ちます。

現在のリハビリテーション治療では、単純に「身体機能の回復」という目的だけでなく、人が「人間らしく生きる権利」の回復をも目的としています。

つまり、身体的、精神的、社会的な意味での再生を目指すものです。

1960年代のリハビリは、ADL(日常生活動作)の向上を目的としていました。

しかし70年代を過ぎて、QOL(生活の質)を尊重するようになります。

つまり、「何かができる」という能力の向上ではなく、「どのような暮らしが営めるか」に目的が変化し、リハビリもまたそれに応じた手法へと変化していったのです。

インクルージョン

インクルージョンとは「包み込む」を意味する言葉です。

障害者が社会から排除されないように、社会全体で「包み込む」という考え方になります。

学校教育の分野で、インクルージョン教育という言葉が使われますが、児童はそれぞれに異なる個別性を持つことが前提とされます。

つまり、統合教育とは異なる形で、個々の児童に合わせた教育ニーズを提供することもインクルージョンの持つ役割なのです。


第34回介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」を勉強する パート1

 介護福祉士国家試験対策 「障害の理解」について

今回からは、「障害の理解」について試験対策を立ててみたいと思います。

「障害の理解」は、4つの大項目から成り立ちます。

具体的には、障害の基礎的理解、障害の医学的側面の基礎的知識、連携と協働、家族への支援です。

認知症の理解でも同じでしたが、後半には利用者家族の支援や地域、社会的なサポートも含まれます。

ではもう少し、「障害の理解」を大項目ごとに確認してみましょう。

障害の基礎的理解

障害の概念

障害の捉え方、ICIDHからICF へ

障害者福祉の基本理念

ノーマライゼーション、リハビリテーション、国際障害者年の理念 

障害の医学的側面の基礎的知識

身体障害

視覚障害の種類と原因と特性、聴覚障害、言語障害、肢体不自由の種類と原因、内部障害の種類と原因

精神障害

精神障害の種類と原因、高次脳機能障害の種類と原因  

知的障害

知的障害の種類と原因 

発達障害

発達障害の種類と原因 

難病

難病の種類と原因 

障害のある人の心理

障害が及ぼす心理的影響 、障害の受容、適応と適応機制

障害に伴う機能の変化と日常生活への影響 

障害ある人へのアセスメント 

連携と協働

地域におけるサポート

行政・関係機関との連携、 障害者総合支援法における協議会との連携

チームアプローチ

他の福祉職種との連携、保健医療職種との連携 

家族への支援

家族への支援

 家族の障害の受容過程、家族の介護力の評価、家族のレスパイト

大項目 にふら下がる形で、中小の項目を列記しました。

次回からは、以上の学習内容を踏まえて、「障害の理解」に向けた対策を一緒にしましょう。

第34回介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」を勉強する パート5

 第33回の国試で「認知症の理解」のカテゴリーでは何が問われたのか?

問77 認知症の特徴

認知症に似た症状として、せん妄やうつがありますが、問題ではうつによる仮性認知症との違いを問われました。

こみち自身は少し問題面食らった感じで、とても1と3で悩みました。

正解は、1番の判断障害がみられることが多いでした。

問78 最も多いアルツハイマー型の次に多いのは?

試験問題では血管性認知症が正解となっていますが、別のサイトではレビー小体型認知症の方が多いとも言われていて、受験生としてはどちらが正解なのか困惑します。

ただ、試験対策としては血管性認知症が2番目に多いということで良さそうです。

問79 アルツハイマー型認知症の男女比

認知症の問題としては、基本知識でしょう。

ぜひ正解したい問題です。

問80 認知症初期集中支援チームに関する説明

チームケアが必要とされる認知症の支援を考えても、チーム員会議の開催が重要です。

問81 クロイツフェルト・ヤコブ病に関する記述

正直、プロオン病を知りませんでした。

この病気は、感染病ということや感染後の致死率も高いと言われています。

また不随意運動も認められます。

個人的には、かなり細かい知識を問われていると感じ、問題のレベルも高いと思います。

問82 レビー小体型認知症について

レビー小体型認知症は、パーキンソン病との関連性が強く、筋肉のコントロール(ここでは嚥下)についても苦手となり、誤嚥性肺炎に結びつきます。

幻視幻聴のような特徴もありますが、ここでも問題のレベルは高いと言えます。

問83 問題文に答える

問題文の意図をしっかりと読み取れれば正解できたのではないでしょうか。

問84 慢性硬膜下血腫の検査方法

CTを使っての検査が有効でしょう。

問85 認知症に伴う注意障害に関する記述

比較的基本問題です。

他の問題が難しいので、基本問題は確実に正解したいものです。

問86 死が極めて近い時のケア

何かをするというよりも、どれだけ穏やかに過ごせるかを意識した介護になるでしょう。

以上10問となります。

こみちの場合、正解率は70〜80%でした。

特にポイントは問78の血管性認知症が2番目ということでしょうか。

また、レビー小体型認知症とパーキンソン病の関係性も改めて知っておくといいでしょう。

「認知症の理解」は全体的に難しい問題が多かったという印象です。

これまでの学習で深められた知識もありますが、あらゆる問題に対応できるほどの豊富な知識は身についていなかったです。

次回からは「障害の理解」へと進むことにしましょう。


第34回介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」を勉強する パート4

 認知症の理解をさらに深めるために その2

認知症の治療

国内における代表的な認知症の種類を「パート3」で確認しましたが、今回は認知症の治療をアルツハイマー型認知症と血管性認知症を例に確認します。

治療法としては、主に薬物療法と非薬物療法に分かれます。

薬物療法

アルツハイマー型認知症の場合

国内で認可されている治療薬は、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4種類です。

アルツハイマー型認知症は、海馬の病変により、記憶障害としてエピソード記憶など日常の出来事を忘れてしまうことから症状が始まります。

その後は側頭葉や頭頂葉へと神経変性が拡大します。

側頭葉には聴覚、言語、頭頂葉には知覚、認知の神経組織があるので、BPSD(行動、心理症状)として現れるでしょう。

例えば、アルツハイマー型認知症と診断された脳内では、アセチルコリンが低下しています。

アセチルコリンとは、神経伝達物質であることから、アルツハイマー型認知症になった脳内での伝達経路が低下しているとも言えます。

そこで、治療薬の1つ、ドネペジルは国内最初に臨床されましたが、低下したアセチルコリンを賦活(ふかつ、活力を与える)させ、服薬開始直後には食欲不振、下痢、便秘、焦燥感、易怒性(イラつく)などの副作用が見られます。

血管性認知症は、脳卒中で起こった脳内の障害が原因となり、前頭葉の変性から運動機能障害を招きます。

そして、血管性認知症の中核症状に効果が期待できる国内での治療薬はまだありません。

しかし、食欲不振やせん妄、めまいなどの症状に対して、個別的に服薬する対処療法が行われます。

非薬物療法

まず認知症が中核症状と呼ばれる根源とそこから発生する行動、心理症状とに分けられます。

薬物療法が中核症状に対するもので、非薬物療法は行動、心理症状に対するものです。

つまり、認知症ゆえに現れる不穏や攻撃的行動ごとに対策を講じます。

心理療法も非薬物療法の1つですが、対話や訓練などを介して症状の緩和につなげるものです。

認知症に限らず、高齢者の心理学的支援方法としてポピュラーなものとして回想法があります。

過去の記憶を振り返ることで、記憶や思い出を呼び起こし、自身の人生を整理し直すことで、主体的になれるというものです。

他には音楽療法もあります。

アクティヴィティケアとは、残存機能を活かした生活を心がけ、主体的に生活できるように支援するものです。

ふさぎ込みやすいなどの生活習慣を改善することにもつながります。

認知症の人に対するアセスメント(情報収集、課題把握)方法

先に結論から触れるとすれば、認知症の人だからと言って特別な対処法がある訳ではありません。

むしろ、原理原則に戻り、「高齢者福祉における介護とは何か?」を再確認することでしょう。

つまり、介護保険制度が定められた背景に立ち返れば、個人の尊重や自立支援という目的を目指した介護サービスを介護士は理解し、進んでいくことになるのです。

その意味では、認知症の人にもまた発症前の暮らしや生き方、生きる目的があったはずです。

しかし、発症によって困難なことも増え、生きる上での取捨選択を強いられてきた部分もあったことでしょう。

そこで、アセスメントを行う場合には、先入観を持ち過ぎないことも大切ですし、認知症の症状に応じたポイントを新たに追加します。

具体的には、肉体的精神的な苦痛感じないこと、コミュニケーションが維持されていること、日常生活において自立できるように取り組んでいること、環境に馴染み安全で安心を感じていること、本人にとっての高い生活の質や意思を尊重した権利擁護が果たされていること、家族の健康や社会的な意味での介護環境が整備されていることなどが挙げられます。

また、認知症による中核症状やBPSDばかりに着目せずに、例えば本人の生活歴を知ることで、現状だけでは気づかなかった事実の裏づけができることもあります。

さらには、その支援の輪を介護施設のような限られた環境だけに留めずに、社会との結びつきの中からも得られる工夫が不可欠です。

そこで、例えば地域包括支援センターでは、第一号介護予防支援事業の他にも、総合的な相談支援、権利擁護、ケアマネジメント在宅医療・介護、認知症総合支援と幅広い業務を担っています。

「地域ケア会議」という発想

地域ケア会議とは、地域に住む人々がその地で住み続けられるように、生活面で起こった問題やその予防策などを地域包括支援センター役目自治体が主催者となって、各関係者と意見交換を行うものです。

話合わせる内容によって、会議のメンバーも調整しながら、高齢者になっても必要な支援を受けて住みなれた場所で暮らし続けられるようにと取り組みます。

さらには、インフォーマルサポートやチームケアを活かします。

家族や近隣住民、友人知人、民生委員、ボランティアなどのインフォーマルサポートによって、公的なサービスでは補いきれない細かな部分にまで触れながら、高齢者福祉をチームとして支えます。

以上をもって、認知症の理解に関する学習を終えることにしましょう。


第34回介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」を勉強する パート3

 認知症の理解をさらに深めるために その1

認知症とは、これまでに確立した知識が後天的で器質的な原因で低下してしまう状態を指します。

そこで、認知症の診断記述としては、以下の4項目に該当することで診断されます。

1、記憶に障害がある

2、失語、失行、失認、実行機能のいずれかに障害がある。

3、せん妄ではない。

4、ほかの精神疾患からでは説明できないこと

失語とは、言葉がスムーズに出て来ないなどの障害ですが、運動失語と感覚失語があります。

運動失語とは、 主に自分の想いを言語に置き換えることが難しくなる失語です。

感覚失語とは、話し方そのものは特に違和感を感じさせませんが、その際に使っている言葉が別の言葉や異なる文字に置き換わってしまう失語です。

超皮質性感覚失語とは、感覚失語の中でも特に復唱能力に長けています。

失行とは、日常動作がスムーズに行えない状況を指します。

失認とは、感覚機能に問題がないにも関わらず、認識することができない状態を言います。

実行機能の障害とは、衣類の着脱などのような場合に手順に沿って行うことができない状態です。

せん妄とは、環境の変化などで夜間などに不穏となり、また幻覚や錯覚を感じている状態を指します。

認知症の種類を再確認

神経変性疾患

アルツハイマー型認知症

非アルツハイマー型認知症

レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病による認知症

脳血管障害

血管性認知症

脳梗塞、脳出血など

アルツハイマー型認知症とは

現時点で、アルツハイマー型認知症の明確な原因は特定されていません。

神経原線維変化と老人斑、大量の神経線維の脱落が特徴と言われます。

症状の進行段階としては、健忘期と呼ばれる初期段階では海馬病変に対応し記憶障害が起こります。

海馬が大脳の側頭葉の内部にあり、エピソード記憶などを深く関わります。

つまり、海馬が病変してしまうことで、エピソード記憶(日常の出来事)を認識し記憶することが困難になるのでしょう。

中期には、側頭葉、頭頂葉の病変に移り、失語、失行、失認の症状が現れます。

末期になると大脳皮質にまで及び、人格変化まで起こります。

比較的、女性に見られることが多いと言われます。

血管性認知症とは

アルツハイマー型認知症と並んで認知症として代表的な病症です。

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などを原因とした脳血管の出血により発症します。

CT、MRIで深部灰白質や白質の多発性小硬塞と前頭葉白質を中心に不全軟化が見られます。

前頭葉の機能障害が見られるので、運動の神経中枢と運動性言語中枢があり、さらに先端部になると思考や判断を司ります。

そこで、血管性認知症では、運動まひや歩行障害が起こります。

感情失禁も特徴ですが、感情のコントロールが不得手になり、少しのことで笑ったり怒ったりと情緒が不安定になりがちです。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、レビー小体という構造物が脳内に出現することで発症します。

それにより、脳神経の変異が始まると神経細胞が欠落するのです。

特徴としては、具体性のある人物や動物などの幻視があったり、パーキンソン症状(ドーパミン神経の変性(運動機能の低下、振戦などの特徴がある))が加わるなどの症状が見られます。

アルツハイマー型認知症が女性に多いとされますが、レビー小体型認知症は男性に多いと言われます。

一説ではレビー小体型認知症が増加傾向にあり、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。

前頭側頭型認知症とは

前頭側頭型認知症の代表的な疾患はピック病ですが、大脳の前頭葉、側頭葉を中心に神経変性が生じることで発症します。

血管性認知症も前頭葉付近に変性が生じ、運動機能などに変化が現れます。

しかし、脳卒中の発作によって段階的に進行していく血管性認知症とは異なり、前頭側頭型認知症は初期段階から脱抑制、食行動異常、衝動性、常同行為などの行動異常が見られます。

中期、末期に進むにつれて、さらに行動異常は増し、側頭葉(言語、聴覚などの機能)の萎縮が進めば異食や性的行動の亢進が見られ、失外套症候群になって行きます。

若年性認知症とは

若年性認知症とは、65歳未満に起こる認知症の総称で、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、さらには頭部外傷後遺症やアルコール性認知症なども含まれます。



第34回介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」を勉強する パート2

 「認知症の理解」を学習するために

認知症は、介護保険法5条の2には「脳血管疾患、アルツハイマー病、その他の要因に基づく脳の器質的な変化により日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能及びその他の認知機能が低下した状態」と定められています。

余談ですが、「便秘」の種類でも機能性便秘が水分不足などで蠕動運動が不足するのに対し、器質性便秘では腫瘍などの原因から腸そのものが変化してしまうことで起こると説明されます。

つまり、認知症についても、脳で起こる血管の損傷やアルツハイマー(脳神経が変性する)などによって、発症前の状態とは異なる器質的変化が起こり、それが原因で日常生活に支障するほどの認知機能が低下してしまうことと解釈できます。

さらに言えば、中高年になると物忘れが増えますが、器質的変化を伴わない場合で日常生活の支障に至らない程度であれば、認知症ではないということでしょう。

認知症ケアの基本

ウェルズの介護原則に従うなら、先ずは残存機能と喪失機能の部類が不可欠とされます。

その上で、回復見込みがある機能については回復へのアプローチで、すでに喪失された機能についてはその使用を抑え、さらに残存機能については積極的に活用しながらケアを継続させます。

というのも、廃用性萎縮や廃用性症候群などは、日常的に活用されないことで喪失していく機能を指し、筋力や関節などの機能低下から、褥瘡や拘縮などの問題に発展しないことが必要だからです。

認知症の基本

認知症は現時点で回復の見込みがない病気として位置づけられています。

当初は認知機能の低下が招く問題の克服が主たるテーマとされてきましたが、そこから認知機能が低下した本人を主体とし、彼らを取り巻く背景を理解したケアへと変化してきました。

パーソン・センタード・ケアの役割

そもそもの話として、物事の理解や把握は個人によって異なります。

ある情報を得た時に、単なる一情報として理解する人もいれば、関連する情報と照らすことでさらなる意味や価値を見出すこともあるからです。

つまり、視野の広さや経験値、認識に対する理解度などが複合的に関わり、我々自身もまた日常生活で得た情報を活かしながら生きています。

その意味では、認知機能の低下によって何らかの部分で以前とは異なることが起こり、時にはそれが一般的には理解し難い行動に思えたりするかもしれません。

しかしながら、当の本人にすれば、与えられた情報を残された機能を活かして処理した結果、その行動に到ったわけです。

つまり、介護士が頭ごなしに「それは違います!」と制しても、認知症の利用者にはただただ困惑招く行動にしか見えません。

その意味で、「誰にとって正しい行動なのか?」を考え、最終的には利用者本人のQOLに反映させられることが必要です。

覚えておきたい認識症の種類

アルツハイマー型認識症

血管性認知症

レビー小体型認知症

前頭側頭型認知症

以上四つを四大認知症と呼びます。

認知症の特徴的な心理と行動

認知症と診断される人は、幾つかの特徴的な心理状態を持ち合わせています。

そのいくつかを紹介すると、不快感、焦燥感、不安感、被害感、混乱、感情の変化、自発性の低下と言われます。

必ずしも全ての人に同じような特徴が見られるとは限りませんが、脳の機能の一部が使得ない状態になった時に、それらの感情が芽生えやすいということです。

作話といって、認知機能が低下した利用者の中には、いろいろな作り話をする人がいます。

その内容は様々ですが、作り話をしてしまう背景もまた認知機能の低下から起こる影響が含まれていると考えられるでしょう。

どのような記憶から失われてしまうのか?

一番最初に疑われる記憶は、エピソード機能と呼ばれるものです。

つまり、日常生活に起こった出来事が無かったものとして失われるもので、昨夜のおかずのメニューということもあれば、夕飯そのものということもあります。

介護施設でも、湯上がりの利用者に「お風呂から出て来たんですか?」と尋ねて、「入っていない」と答えることも珍しくありません。

次に失われてしまうのが、意味記憶と呼ばれる一般的には「知識」とも言われる内容です。

九九の計算だったり、漢字だったりします。

最後に忘れてしまうのが、手続き記憶と呼ばれる動作の手順に関する記憶です。

箸が持てないとか、ドアノブを回して開けられないとか、以前ならできた手順も忘れてしまいます。

その他の特徴「見当識障害」

見当識障害とは、生活におけるポジションのことです。

例えば、今いる場所やおおよその時間、対面した相手など、正確ではないにしても大体の感覚として認識しているものを指します。

この見当識障害も認知機能の低下によって顕著に見られる特徴です。

実際の介護現場では、「2時にお願いします」と言っただけでは利用者が理解できません。

なぜなら、今が何時なのか、2時間経過するとはどこで確認できるのかと、なってしまうからです。

認知症といえば「中核症状」

見当識障害をはじめとした記憶障害や失語などの機能障害を中核症状と呼びます。

また、BPSDとも呼ばれる心理症状には認知症の人が抱く感情(不快感や不安感など)や行動を指します。

つまり、根底には中核症状があって、それに関連してBPSD(心理症状)が横たわります。

妄想や幻覚、精神不安が結びつけば、物取られのような特有の特徴が現れるのかもしれません。

また、誤認することで焦ってしまう場合には、介護者による声掛けによって穏やかに暮らせることもあるでしょう。


第34回介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」を勉強する パート1

 介護福祉士国家試験対策 「認知症の理解」について

ここからは、認知症の理解で示されている試験範囲の確認から始めましょう。

ざっくりと認知症の理解で取り扱うのは、5つの大項目からなりたちます。

認知症の理解

認知症を取り巻く状況

認知症ケアの歴史と理念、さらにげんじょと今後の展望、行政の方針と施策

医学的側面から見た認知症の基礎

認知症に伴う障害

 記憶障害、見当識障害、失語、失行、失認その他

認知症と間違えやすい症状

うつ病、せん妄

認知症の原因となる主な病気 

アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型、クロイツフェルト・ヤコブ病、その他(慢性硬膜下血腫等) 

 若年性認知症

病院で行う検査、治療の実際

検査、治療、予防 

認知症伴うこころとからだの変化と日常生活

認知症の人の特徴的な心理と行動

認知症に伴う機能の変化と日常生活への理解 

連携と協働

地域サポート

 地域包括支援センターの役割と機能

チームサポート 

多職種協働の継続的ケア 

家族への支援

家族への支援

家族による認知症の受容の過程での援助他 

最後に 

大まかではありますが、出題範囲で学習したいポイントが分かると思います。 

まだまだ学習するべきカテゴリーが残されているので、最後まで一緒に頑張りましょう。

第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート9

 第33回の介護福祉士国家試験では何が問われていたのか?

「発達と老化の理解」では、8問が出題されました。

それでは、各問題を改めて確認していきましょう。

問69 文章問題を読んで答えるもの

自閉症とは乳幼児期に見られる発達障害で、言語、対人、社会的関係での特徴が見られる。

愛着障害とは、「愛着」の感情が正常に発達していない状態

注意失陥多動性障害とは、年齢に合わない不注意さや好きなことしかしないなどの特徴がある

学習障害とは、読み書き、計算などにおける集中力に欠けている状態

知的障害とは、知的発達に遅れが見られる状態

この問題は、各言葉の意味を知っていればより高い確率で正解できます。

しかし、使われている漢字と問題文を照らして見れば、「学習障害」を選べたのではないでしょうか。

問70 医療、福祉の法律で年齢に関する問題

後期高齢者医療制度は、75歳から始まります。

老人福祉施設に入所できる年齢は、介護保険制度の対象者であると考えれば、特定疾患による対象者とされる40歳からになるでしょう。

介護保険の第一号被保険者が65歳から。

介護保険の第二号被保険者が40歳から。

医療保険の前期高齢者は65歳から。

介護福祉士国家試験での出題としては基本問題でしょう。

問71 高齢者の喪失体験に関する問題

正解は3番。

高齢者に起こる喪失体験とは、それまで築いてきた日常生活が「加齢による変化」も伴って起こります。

具体的には、肉親との死別なのでしょう。

その意味では、同じ加齢でも肉体の機能的なものではありません。

また、病的な悲観を克服するために、その対象をあえて別のものへと向けることは望ましいとは言えません。

問72 加齢による味覚の変化

高齢者が濃い味付けを好むことを知っていれば、確実に正解できたでしょう。

問73 意欲が低下した高齢者の動機付け

落ち着いて考えれば、多くの人が正解できた問題でしょう。

問74 高齢者の便秘について

便秘の種類に機能性便秘と器質性便秘があって、機能性が蠕動運動の低下であるのに対し、器質性は閉塞などの理由で便秘になることと言える。

弛緩性便秘とは、機能性便秘をさらに分類した言葉ですが、割と多い便秘です。

直腸性便秘とは、直腸まで到達しても便意を催すことが点しい便秘。

問75 高齢者の転倒について

割と定番の言葉と知識が織り交ぜられた問題でしょう。

しかし、基本知識があれば、ほとんど人が正解できたのではないでしょうか。

問76 高齢者の糖尿病

低血糖状態になると、冷や汗や動悸、痙攣などの症状が見られます。

しかし、高齢者になるとその症状と意識に差が生じやすいのもポイントです。

まとめ

完全とは言えませんが、残りの分野を考えて、先に学習を進めたいと思います。

ちなみに、今の段階では8問中7問の正解でした。



第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート8

ざっくりでも知っておきたい高齢者疾病その3

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中のコレステロール、中性脂肪などの脂質が異常値を示す病気です。

血液中には、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、中性脂肪がありますが、LDLコレステロールは動脈硬化を助長させる働きがあって、HDLコレステロールには逆に動脈硬化を抑える働きがあります。

脂質異常症はサイレントキラーと呼ばれ、自覚症状がほとんどないことでも知られています。

動脈硬化がさらに進めば、心筋梗塞、脳梗塞などを招く可能性も高まります。

痛風、高尿酸血症

血液中の尿酸値の値が「7mg/dL」以上を、高尿酸血症と呼びます。

ビールに含まれる「プリン体」が尿酸に変化し、関節に付着することで起こります。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌や働きの低下を起因とする疾患です。

喉仏周辺に位置する甲状腺ですが、それ自体が原因である場合と下垂体、視床下部の場合があります。

多くは、橋下病による原発性甲状腺機能低下症と言われます。

寒さ敏感になったり、便秘、体重の増加、疲れやすくなることもあり、中年以降の女性で物忘れが気になる場合にはこの病気ではないか診察します。

甲状腺機能亢進症

亢進とは、なんらかの理由でホルモンバランスが崩れて、必要以上に活発になってしまうことを指します。

亢進症の多くが、バセドウ病とも言われます。

脳血管疾患

脳血管疾患には、脳梗塞など見られる虚血性と脳出血やくも膜下出血などの出血性があります。

虚血とは、血流が悪くなったり詰まってしまうことを指します。

そのために脳梗塞などでは、必要な血液が不足し、結果として脳細胞を失わせます。

出血性の場合、加齢や高血圧などで脆くなった血管が脳内で破れると脳神経にダメージを与えます。

出血性の一つ、くも膜下出血では、脳内の三層の髄膜の二層目、三層目に当たるくも膜と軟膜の間で出血した状態を指します。

結果的に、運動障害、嚥下障害、高次脳機能障害などが起こります。

また、左脳(言語を司る)で出血した場合には、失語症を招きます。

脳血管症では、後遺症も問題になります。

高次脳機能障害では、様々な行為が発症後に困難なってしまいます。

失行症とは、手足などの機能的には問題がないのに、また本人としても何をしたいのか理解していても、実際には上手くできない状態を指します。

構成障害とは、手順に従って行うような動作が難しく、例えば衣類の着脱などが困難になってしまいます。

失認症とは、視力の問題ではなく、見えたものをしっかりと認識することができないために、起こる障害です。半側空間無視のようなケースがあります。

失語症とは、言語を司る左脳に障害が起こることで、話すことや聞くことなど、様々なケースで言語が上手く扱えなくなります。

注意障害とは、何かに集中し、注意を払うことが難しくなることで起こる障害です。

その他にも、遂行機能障害や情緒の障害などがあり、全体を通じて機能には問題がないのに、結果的に上手く行えないという問題が発生します。

パーキンソン病

介護保険の特定疾病の一つにも数えられるパーキンソン病は、50代から60代で発症する神経変性疾患です。

パーキンソン病の特徴は、安静時に見られる「振戦」「固縮」「無動」でしょう。

振戦とは、力を入れていない時に起こる震えです。

固縮とは、本人は力を入れていないつもりでも、誰かが関節を動かそうとした時に固まっているように感じてしまう筋肉の緊張状態を言います。

無動とは、寡動ともいい、身体の動きが少なくなることを指します。

歩行時にも特徴があり、小股でちょこちょこ歩いているように見えます。

その後は段々と歩行スピードがコントロールできない状態になって、転倒することも増えます。

発症後、10年くらいで介助が必要となり、15年を過ぎる頃には全介助になります。

中脳(いわゆる脳と言われる部分の中央にある)の黒質にあるドーパミン生産細胞が脱落し、レビー小体が蓄積することで発症します。

ドーパミンは、脳内で情報伝達を担う物資です。

つまり、そんなドーパミンの生産が滞れば、適切な情報が伝達されなくない、歩行時などの筋肉運動さえも困難になるでしょう。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症とは、脊髄と脳の運動神経細胞が減少し、進行的に筋力の低下と萎縮していく疾患です。

発症後、数年で呼吸筋力も低下するので、人工呼吸器が必要になります。

大腿骨頸部骨折

大腿骨頸部とは、太ももの付け根、股関節部分の部位を指します。

高齢者は骨粗鬆症になりやすく、転倒をきっかけに骨折しやすい部分です。

変形性膝関節症

加齢による関節の変形により、痛みや可動域に制限が現れます。

椎間板ヘルニア

背骨は椎骨で構成され、骨の間が椎間板があります。

その椎間板の中には軟骨様の髄核があり、この髄核が飛び出すことで椎間板ヘルニアとなります。

骨粗鬆症

骨の密度が低下することで、外部からの圧力などにより骨折するなどの障害が発生します。

腎不全

腎臓の機能低下によって、体内の老廃物を排泄出来なくなります。

その結果、尿毒症症状を招き、血中に尿に含まれる毒素が溜まることで、貧血や高血圧、むくみなどを招きます。

運動を制限するなどに加えて、透析を行うことで毒素を取り除くことが必要となります。

まとめ

他にも、注目するべき疾患はありますが、主な病気を試験対策としてピックアップしてみました。

次回は、過去問題を再確認して、このカテゴリの学習ももう少しです。


第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート7

 ざっくりでも知っておきたい高齢者疾病その2

肺炎

高齢者で問題視されることが多いのは、「誤嚥性肺炎」でしょう。

この「誤嚥性」には、本来なら食道へと導かれるはずの食べ物の他、唾液や雑菌などを誤って気管支の方へ送り込んでしまいます。

通常なら、咳込むなどの反射によって排出できるものが、低下することで肺炎を誘発させるのです。

その反射低下の理由としては、脳血管障害が疑われます。

予防策としては、食事中の姿勢や食べるペースなどに注意し、肺炎球菌のワクチン接種も有効です。

肺結核

毎年約3万人の感染者が罹患することに変わりありません。

また、結核菌を持っている人から吐き出された菌を吸い込むことで発症することもあり、施設などで体力の弱い高齢者がいる場合には集団感染などにも注意が必要です。

2週間以上咳が続き、たんが出るなどの症状があります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは、気道が狭くなり、呼吸が困難になってしまう病気です。

肺気腫や慢性気管支炎とも呼ばれていました。

気管支喘息

気管支の内側にある粘膜が、ダニやハウスダストを吸い込んだことで刺激され、炎症が起こる病気です。

アレルギー反応と感染の両方が原因となります。

間質性肺炎

間質性肺炎とは、肺胞の壁に炎症が起こる病気の中で、特に線維化を起こしやすいものを指します。

進行すると肺線維症と呼びます。

呼吸困難を招くので、酸素吸入が必要となります。

肺がん

日本人のガンによる死亡率が最も高い病気でもあります。

肺がんは、気管支の粘膜や肺胞の上皮細胞からできる悪性の腫瘍です。

危険因子としては喫煙が挙げられますが、アスベストなども注意が必要です。

男性の方が、女性に比べて3倍発生しやすいのも特徴でしょう。

胃・十二指腸潰瘍

加齢により、胃や十二指腸は萎縮します。

そのため、抵抗力も減少し、血管の動脈硬化や粘膜の血流も悪くなり、胃・十二指腸潰瘍に罹りやすくなります。

ピロリ菌によって感染することも分かってきました。

胃がん

胃の粘膜の細胞にできる悪性腫瘍が、胃がんです。

塩分の高い食事や喫煙によって発症しやすいとも言われ、男性の方が多い病気です。

食道がん

初期段階では、痛みも感じません。

しかし、食べ物が食道を通過する際に、チクチクした痛みを感じるようになります。

食べ物が喉に詰まる感覚が起こります。

大腸がん

大腸は消化吸収を行う臓器ですが、そこにできる悪性腫瘍が大腸がんです。

血便の他、残便感、下痢と便秘を繰り返すなどの特徴があります。

便秘症

高齢者に起こりやすい代表的な病気の一つです。

便秘には、大きく分けて2つのタイプがあります。

機能的便秘とは、腸内で起こる蠕動運動が何らかの理由で困難になり内容物を上手く送り出せなくなることを言います。

一方で、器質的便秘とは、がんなどの腫瘍や腸閉塞などで腸内が狭くなってしまうことを言います。

胆石症

胆汁は脂肪の乳化とタンパク質の分解に使われます。

作られるのは肝臓で、胆汁酸とコレステロールを原材料としています。

しかし、コレステロールが増え過ぎると結石を作り、それは胆石へと成長します。

ウイルス性肝疾患

一般的にA型B型C型肝炎が有名ですが、ワクチンが開発されているA型B型とは異なり、C型にはまだありません。

急性肝炎は、慢性肝炎、肝硬変、肝不全という形で進行します。

アルコール性肝炎

アルコールに含まれるアセトアルデヒドには毒性があり、過度の摂取で肝障害を招きます。

中性脂肪が蓄積した状態をアルコール性脂肪肝と呼び、さらに末期になるとアルコール性肝硬変へと変化します。



第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート6

 ざっくりでも知っておきたい高齢者疾病その1

白内障

白内障の原因は、水晶体そのものが濁ってしまうことで、視野が不鮮明になってしまう病気です。

老人性白内障は、水晶体の新陳代謝障害で、70代を過ぎた人の多くが患います。

ちなみに、外傷の他、薬による副作用、糖尿病などでも起こります。

緑内障

眼球は、強靭な外膜によって包まれているのですが、その内部には房水、水晶体、ブドウ膜があって、眼圧を生じさせています。

正常の眼圧は10〜21mmHgと言われていますが、21mmHgを超えると緑内障が疑われます。

状況によっては失明することもあります。

糖尿病網膜症

糖尿病になることで網膜が変質し、糖尿病網膜症を発症します。

糖尿病を起因して、白内障や緑内障などの障害に至ることもあります。

網膜の病変なので、血管の障害とも言えるでしょう。

眼球内の硝子体からの出血、変性により網膜剥離などを招くと失明に至ることもあります。

難聴

難聴は音が聞こえにくくなる病気ですが、その原因によって分類することができます。

そこで、耳について、鼓膜よりも外側を「外耳」とよび、内部を「中耳」または「内耳」と呼びます。

内耳には平衡感覚や音を聞き取る三半規管や蝸牛があります。

外耳および中耳に耳垢が溜まったり、炎症によって音を遮るなどが起こる場合、伝音性難聴と呼びます。

一方で、音を聞き取る能力に問題がある場合には、感音性難聴と呼びます。

メニエール病

内耳のリンパ液の内圧が高まることで起こります。

自律神経の障害やストレスを起因とするなど、高齢者以外にも発生します。

めまいや耳鳴り、難聴などの症状があります。(特に低い音が聞きづらい)

アレルギー性鼻炎

スギやハウスダストなどの抗体が原因で、体内では抗体反応が起こります。

その際に化学伝達物質であるヒスタミンが生成されます。

くしゃみや鼻水、痒みなどの症状が特徴です。

褥瘡

圧迫などによって起こる血液循環の低下から、皮膚にほっ赤、壊死が起こるものです。

介護施設でも寝たきりの利用者に対して、体位の変換を行うなどして気をつけているはずです。

疥癬

ヒゼンダニの皮膚角質内の寄生により発生します。

通常型とは異なり、より感染力が強力なノルウェー疥癬もあって、その場合には隔離するなどの対策が求められます。

高血圧

国内の基準値としては、最高血圧を140mmHg未満、最低血圧を90mmHg未満に維持することが求められています。

高血圧にもいくつかの種類がありますが、本態性高血圧はいわゆる成人の高血圧が該当します。

その他、二次性高血圧は腎疾患など明らかな疾患が原因で起こる高血圧を言います。

さらに、高齢者高血圧は、高齢者になって起こるもので、最低血圧の値は適切でも、最高血圧は140mmHg以上になるなどの特徴があります。

ほかに、早朝高血圧や食後低血圧などもあり、日常生活の中で注意が必要です。

糖尿病

糖尿病になると、排尿した液体にブドウ糖が含まれています。

また、血液100mlあたりのブドウ糖の量が健康な人なら70〜110mgですが、空腹時に126mg以上となると糖尿病と診断されます。

その特徴として、喉が乾きやすく、尿量が増え、進行すると体重の減少や腎臓の働きが落ち、また網膜に血栓ができるなどの視力低下が見られます。

脳卒中や心筋梗塞との関係するので、注意しなければいけません。

インスリンは、血液中のブドウ糖を分解するホルモンで、膵臓の分泌細胞から生成されます。

狭心症

虚血性心疾患とは、心臓の筋肉に栄養を供給している冠状動脈を流れる血液量の減少を起因する障害です。

そこで、狭心症とは、心筋への血液量が一時的に減少し、胸に違和感を感じる状態を指します。

左肩、手に痛みを感じることもあり、心拍数が増加し、その症状は数秒から15分も続くことがあります。

高血圧、精神的ストレス、糖尿病などによって起こります。

治療方法として発作が起こると舌下にニトログリセリンを入れる3分程度で効果が現れてきます。

心筋梗塞

狭心症同様に、冠状動脈の血流に関係しますが、血液の固まりが詰まった状態を作る点で異なります。

心筋へ酸素や栄養を送ることができないので、心臓の一部が壊死した状態になってしまいます。

痛みが30分以上も続くことも特徴でしょう。

心不全

心不全とは、心臓に備わる役割として身体中に送る血液が適切に行えない状態を指します。

心不全は、左心不全、右心不全、両心不全があります。

例えば、左心室には肺からの血流が戻る所なので、左心不全の場合には心臓へと戻ることができない血液が肺の中でうっ血した状態です。

肺は酸素を取り込む臓器ですが、そこに血液が充満していると呼吸困難にもなります。

不整脈

不整脈とは、脈が乱れて不規則になる状態を指します。

心臓の拍動が乱れた状態とも言え、動脈硬化、高血圧症との関係も密接です。

乱れ方として、一定のリズムに割って入る不規則な脈がある場合を期外収縮と呼び、心房細動では心房の一部で収縮が起こり(350回以上/分)、それが乱れた血流を生むことで、全体として不規則になることがあります。

心房細動の場合には、血栓ができやすく、脳血管疾患を招くなど注意が必要です。

第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート5

 高齢者と健康

医療、介護ともに高齢者の健康を確認する方法として「バイタルサイン」が使われます。

具体的には、体温、脈拍、血圧、呼吸が挙げられます。

脈拍は、運動状態やストレス状態などでも変化するので、安静時に測らなければいけません。

測定場所は、手のひら側の手首部分にある橈骨動脈です。

目安となる正常値は60〜100回/分で、60回以下を徐脈、100回以上を頻脈と呼びます。

頻脈の場合には、脱水症状や大量の出血などが考えられ、徐脈の場合には心機能の低下が疑われます。

また、規則正しく脈打つ場合を整脈といい、不規則な場合を不整脈と呼びます。

血圧の場合、正常値の目安として、最高血圧120〜130mmHg、最低血圧70〜80mmHgと言われています。

体温については、個人や測定時間帯でも変化します。

多くの人は、35〜36度台でしょう。

また、朝方は低く、夕方には高くなる傾向があります。

通常、脇の下で測定する「腋窩検温法」で行います。

呼吸については、目安として12〜16回/分で、22回を超えると過呼吸と呼ばれます。

健康状態の確認では、チアノーゼの有無、呼吸の深さが均一か、下顎呼吸の有無にも注意して観察します。

具体的な身体のチェックポイント21

1)発熱

高齢者の場合、風邪や肺炎になっても発熱があるとは限りません。

しかし、いつもよりも熱があり、元気がなかったり、食欲不振などがみられる時は、肺炎を疑います。

また発熱で汗をかく場合には、水分の補給が大切です。

2)寒気・冷え

寒気や冷えも若い頃に比べて高齢者は訴えることが多くなります。

それは、温度調節を行う機能が低下することが原因です。

ポイントとして、足の甲にある足背動脈がしっかりと確認できるのかにも注意しましょう。

なぜなら、寒気の訴えが血行不良から生じている場合などは、四肢の末端部分まで血液が十分に循環していなかったりするからです。

3)ほてり

主な原因は、血管の収縮を管理する自立神経がうまく働いていないことです。

生活リズムを整えるために、適度な運動を取り入れるなどの対策が有効です。

4)倦怠感

高齢者の場合、疲れや寝不足にって倦怠感を感じる他、貧血や肝臓疾患、腎疾患、うつ、甲状腺疾患、加齢などの理由もあります。

5)頭痛

高齢者に多い病症です。

緊張型、偏頭痛というのも多い。

6)意識障害

意識障害が見られる場合には、生命にも直結するので、状況に応じて判断します。

脳疾患、糖尿病、肝機能障害、てんかんなどについては早急な対応が求められます。

必要に応じて3ー3ー9度方式を使い、意識レベルを数値化します。

7)めまい、立ちくらみ

一般的に回転性のめまいは脳神経外科の診察、非回転系のめまいは内科で診察されます。

高齢者のめまいでは、耳石に位置が変わることで起こり、内耳の奥にある病気ではメニエール病、脳循環障害などが考えられます。

血圧異常、動脈硬化の場合には、めまいが治まっても、めまいを繰り返したりします。

8)咳や痰

咳は、気道における粘液の過剰分泌を排出する時に起こります。

気管支炎、肺炎、結核などが疑われます。

9)呼吸困難

心臓や肺に関する病気を疑います。

具体的には、心不全、狭心症、心筋梗塞、肺炎、気管支炎などの疑いが想像されます。

10)胸痛

胸痛は高齢者に多い症状です。

時期、頻度、持続時間などを確認します。

11)動悸、息切れ

動悸とは、心臓の拍動が強く意識できる状況を言います。

息切れとは、呼吸が困難に感じたり、息をするのが大変に思う状況です。

12)むくみ

むくみとは、血管の内部と外部にある細胞外液のバランスが崩れて、血管の外部に水分が蓄積した状況を言います。

13)口の渇き

加齢により褐中枢機能は低下します。

また、高齢者は脱水症状が起こりやすくもなります。

14)喉の異常

喉の飲み込みに異常が生じると、食べ物を喉から食道に送り出せません。

咳き込みやすい理由にもつながります。

15)腹痛

痛みの状態や部位、さらには持続時間などから判断します。

高齢者の場合には、胆石症や胆のう炎などが疑われます。

16)排便異常

高齢者の場合、腸の動きが鈍くなり、摂取する水分量も低下しやすいことで、便秘症状になりやすいと言われます。

そこで、積極的な水分摂取を意識しましょう。

17)排尿障害

尿失禁の他、頻尿、尿閉などが疑われます。

18)視覚の変化

加齢により、視力の低下、視界も狭まるなどの症状が現れます。

また、白内障なども起こります。

19)聴覚障害

加齢により、高音から聞き取りづらくなります。

20)皮膚の異常

高齢者に多い皮膚の異常として、掻痒症、接触性皮膚炎などがあります。

また、カンジダ症や疥癬、帯状疱疹、白癬菌、皮膚がんなどが起こりやすくなります。

21)手足の痺れ

手足がふるえることがあり、筋肉疲労などから起こります。

手足が強張る場合には、関節リウマチが疑われます。

歩行や関節痛なども多くなります。


第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート4

 加齢による変化

加齢により、前方の上部の視界が狭くなる「視野狭窄」が起こることで、信号の見落としなど高齢者の特徴的な交通事故も発生しやすくなります。

また、夜間時の知覚も鈍りやすく、光の刺激を強く受けた後などは、転倒、衝突の危険にも注意しなければいけません。

聴力に関しては、高音域から聞き取りにくくなり、中音、低音へと広がっていきます。

50代を過ぎたあたりからは、老人性難聴が始まり、男性の方が多いとも考えられています。

一般的、選択的知覚と言って、聞きたい音だけを意図的に聞き取ることができるのですが、年齢を重ねるに従い、その機能も低下してくると、全ての音が騒音となって感じられます。

そこで、介護士として話しかける際には、ゆっくりと明瞭な声で聞き取りやすくなる工夫も必要です。

嗅覚の低下は、一般的加齢による影響が緩やかです。

とは言え、60代を過ぎたあたりから段々と機能低下が起こり始めます。

味覚といえば、食べ物の味を感じる機能ですが、甘味、塩味、酸味、苦味に分けることができます。

それを感じる機能は舌にある「味蕾」と呼ばれる部分です。

もともと、高齢者は唾液の分泌量が低下しやすく、義歯にっても口腔内が乾燥しやすいので、咀嚼にも影響を与えます。

これは触覚にも言えることですが、加齢によって刺激に対する反応が鈍化しやすく、味覚では味付けが濃くなるなどの傾向も鈍化が原因と言えるでしょう。

発達を理解する

エリクソンの発達段階が有名です。

乳児、幼児期初期、遊戯期、学童期、青年期、前成人期、成人期、老年期の8段階となります。

高齢者暮らしでは、社会的に「孤立」しやすく、また自身も「孤独」を感じやすいことも特徴でしょう。

発達段階も終盤に差し掛かると、「老性自覚」と呼ばれる自ら老いを自覚する状況がめぐってきます。

それは、身体的、精神的、社会的な要素から感じられるものですが、その前段階をさらに「老性兆候」と呼んだりもします。

高齢期に入ると、半数以上の人が病院に通っていて、経済的、精神的な不安要素ともなります。

65歳以上の住人がいる世帯は約4割で、内3割が夫婦のみ、2割が単身世帯といわれます。

精神的にも経済的にも厳しい状況にあると言えるでしょう。

また、活動範囲が狭まることもあり、引きこもりなりやすいのも特徴です。

高齢者の生活機能を評価する代表的なものとして「ロートン」の提唱する考え方が有名でしょう。

彼は、「生命の維持」「機能的な健康」「知覚、認知」「身体的自立」「手段的自立」「状況対応」「社会的役割」を軸とした評価機能を生み出しました。

サクセスフル・エイジングを目指して

サクセスフル・エイジングとは、高齢者になった時にどれだけ幸福な老いを満たすのかということ。

そのためには、肉体的、精神的、経済的、社会的に満たされることが必要です。

しかしながら、全ての人がその条件を目指すことも困難でしょう。

つまり、理想としてではなく、現実的なサクセスフル・エイジングを考えるべきでもあるのです。

ハヴィガーストらは「活動理論」を導き出し、老いてからも現役時代同様に社会的な活動量を維持することが必要だと訴えました。

とは言え、健康でなければ働くこともできませんから、社会的な充実とは結局のところ四つの条件で優先項目を示したものの、どれかを外しているとは言えないでしょう。

その後、カミングらによって提唱されたのが「離脱理論」です。

そこでは、老後は現役時代よりも社会的に経済的に活動量は抑えられるものとし、肉体的精神的に満たされることが大切だと訴えました。

その考え方を尊重するなら、社会保障の充実やリタイヤ後の経済的不安を解消する策を行政や個人が準備しなければいけません。

さらに、ニューガーデンらは「連続性理論」を掲げ、四つのいずれかに順番を付けるのではなく、現役世代からの老後という部分に着目し、各個人がこれまでの生き方を維持できることに価値を見出そうとしました。

また、ロートンは、幸福感を主観的なものとし、「主観的幸福感」を示します。

物事に対し楽天的であることやポジションな思考、現実を肯定的に受け入れることなどを示し、自身の感じる幸福感を損なわないことがポイントだと訴えました。

最期を迎える覚悟

ニューマンらは、エリクソンの提唱した「成長の8段階」をベースに、それぞれの段階で始まるものでし、8段階の1つ「成年期」での成熟度合いによって、人生の最期もまた受け止めることができると考えます。

キューブラー・ロスは、「死の受容」として最期を迎える覚悟を示しました。

「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5段階を掲げ、これらの行程を行き来しながらも段々と受容へと向かうとしています。




第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート3

加齢と老化

高齢者介護を考える際に、加齢と老化についてもう少し掘り下げておきましょう。

加齢が年を重ねていくことだとするなら、老化は心身機能の低下を意味します。

また、老化を遺伝子に予め組み込まれたものと考える学説もあれば、生きることで蓄積された障がいがもたらすと考える学説もあります。

高齢者の場合、ホメオスタシス(恒常性)を保つことが苦手であり、肉体的精神的に必要なきっかけに応じる準備段階で以前よりも時間が掛かります。

人体の成り立ちを理解する

人体には約60兆個の細胞と液体物によって構成されています。

細胞の種類としては200から300種におよび、それらが集まり集合体になると組織化されてます。

人体には、上皮組織、支持組織、結合組織、液状組織、筋組織、神経組織の5つで構成されます。

一方で、器官としては、運動器系、循環器系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、内分泌系、脳神経系、感覚器系、皮膚器官があります。

器官系をさらに掘り下げる

運動器系とは、骨格系、筋系に分類され、運動動作に関わります。

人体にある約200個の骨が連結し、骨格になります。

骨中にある「骨髄」は、造血機能があります。

高齢者の場合、骨密度の低下から骨粗鬆症や、関節のすり減りによる関節炎、変形性膝関節症にも注意しなければいけません。

また、老化による影響として、円背(猫背)なども特徴です。

循環器系をさらに掘り下げる

循環器系とは、血管系、リンパ系に分類できます。

心臓と血管による血液循環を血管系が司るなら、生体防御、免疫機能を担うのがリンパ系になるのでしょう。

骨の中にある骨髄が造血機能の担うので、身体中に送る酸素が少なくなると倦怠感や疲労感が低下します。

リンパ液には白血球があり、異物を攻撃する免疫機能が発揮されます。

呼吸器系をさらに掘り下げる

呼吸器系の役割は、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を排出する器官です。

肺内部にある肺胞では血液と組織間で酸素と二酸化炭素を交換します。

高齢者になると、血中の酸素濃度が低下することもあって、効率的なガス交換ができません。

そのため、息切れしやすくなります。

また、肺機能の低下は呼吸器系感染症も心配で、喉頭蓋反応も低下しやすく嚥下のむせこみ、誤嚥性肺炎などにも注意が必要です。

消化器系をさらに掘り下げる

消化器系とは、食料を摂取してエネルギーに変換する器官です。

腸壁の蠕動運動により消化された食物を排せつに向かわせますが、機能の低下のより便秘や下痢が起こりやすくなります。

肝機能も年齢とともに低下しやすく、薬剤の副作用も増加します。

泌尿器系をさらに掘り下げる

泌尿器系の役割は、体内に蓄積された老廃物を排除することです。

また、体内の水分、塩分、phなどの調節も担うので、機能低下により頻尿、多尿が高齢者に増える理由でしょう。

生殖器系をさらに掘り下げる

生殖器系は、子孫を残すためにある器官系です。

男性では、前立腺肥大による排尿の困難を招くことも注意しなければいけません。

内分泌系をさらに掘り下げる

内分泌系の役割は、ホルモンを分泌して、体内のホメオスタシス(恒常性)を維持させます。

具体的には、体温、血糖、免疫、血中カルシウムの4つを平衡します。

そして、高齢者の睡眠の特徴でもある浅い眠りは、内分泌である脳の松果体で分泌されるメラトニンの減少が影響しています。

脳神経系をさらに掘り下げる

脳神経系の役割は、身体のコントロールを司る器官です。

感覚器系をさらに掘り下げる

感覚器系の役割は、外部からの刺激を受けた時に脳神経系へと情報伝達することです。

身体の平衡感覚は内耳の三半規管によって保たれ、目を閉じていても感覚的に身体の位置や向きを感じ取れるのは深部感覚によるものです。

また、五感とは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚を指します。

皮膚器官をさらに掘り下げる

身体の表面を覆う皮膚器官には、複数の役割があります。

外部からの刺激に対し身体を保護すること、発汗や皮脂からの分泌で新陳代謝による老廃物の排出、触覚や圧覚、痛覚、冷覚、温覚などの感覚機能も担います。

加齢により、発汗、皮脂分泌の機能低下、肌内部の水分量低下による痒み、シワ、たるみが現れます。

各器官系を掘り下げる目的と学習の指針

身体の機能を分類して、理解することができます。

ただ、医療系の資格者とは異なり、介護系の場合には苦手意識もあるでしょう。

資格試験でも、医療系の問題は簡単な基本問題が出される一方で、かなり踏み込んだ難問も出たりするので、まずは6割の正解率を目指した学習を意識し、さらに時間に余裕があればさらに踏み込んだ学習を目指してもいいでしょう。




第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート2

 発達の老化の理解

人間の成長と発達についての特徴に目を向けると、感情と並んで記憶にも目を向けましょう。

瞬間的な記憶(感覚記憶)、数秒から数十秒の記憶(短期記憶)を合わせて一次記憶とも呼ばれ、それよりも長い期間(長期記憶)を二次記憶と呼んだりもする。

感覚記憶が加齢による影響を受けにくいのに対して、短期、長期記憶は加齢による影響を受ける。

記憶の種類と加齢の影響

エピソード記憶

個人的な出来事の記憶(加齢による影響大。段々と話の内容が変化されていく)

意味記憶

学習、経験による記憶(影響を受けにくい)

手続き記憶

身体で覚えている記憶(影響を受けにくい)

顕在記憶

自発的に思い出せる記憶(影響を受けやすい)

潜在的記憶

無意識にでもできてしまう記憶(影響を受けやすい)

知能と加齢の変化

結晶記性知能

学習や体験を通じて「獲得」によって得られた知能(高齢になっても影響を受けにくい)

流動性知能

適応によって発揮される知能(高齢になると影響を受けやすい)

高齢者の性格

 加齢に伴い、若い頃とは肉体的にも精神的にも変化が見られます。

そして、その変化が影響を与える場合には、高齢者特有の性格となるでしょう。

過去と現実を区別し、今の生活を積極的に受け入れるタイプがいる一方で、現役時代の責任などから解放されて今を悠々自適に生きるタイプ、また老いることに逆らおうと努力することで不安から逃れようとするタイプなどがあります。

それらの根底には、「老いる」ことに伴う変化とどのように向き合うのかがポイントで、介護する側もその変化を理解して、高齢者特有の性格を察することが大切です。

年齢と共に増加する身体的な疾患の影響もあり、健康意識が高まる傾向があり、中には病気をきっかけに性格までも大きく変化する方もいます。

若い頃のように、治療や休息によって健康面が回復するという楽観的な感覚が薄れることも多い高齢者の場合には、それだけ喪失体験を通じ、迫ってくる恐怖心も強くなるのでしょう。

高齢者の精神的な変化

高齢者特有の精神疾患の1つとして、抑うつ状態があります。

気持ちの落ち込みを指しますが、気分的なものもあれば、家族や友人など、これまでの生活が変化する中で蓄積された「老い」のネガティブな感覚が時に現れます。

また、そのような感覚を、自分自身で受け止めることが難しい場合には、せん妄状態に陥るなどして意識障害を招くこともあります。

さらに、快適な睡眠を得るために、メラトニンの分泌が欠かせませんが、高齢になるとその分泌量も減少し、夜間に何度も起きてしまうなどの現象が起こります。

眠剤の投与や運動習慣など健康的な生活を維持し、昼夜逆転にならないように注意しなければいけません。

 加齢と老化

「老化」による変化を、変化に対応する準備力の低下として捉えることもできます。

ホメオスタシス(恒常性)とも言いますが、変化に適応する安定感を保つことは、老化現象の発生を抑えることにも繋がります。