ざっくりでも知っておきたい高齢者疾病その2
肺炎
高齢者で問題視されることが多いのは、「誤嚥性肺炎」でしょう。
この「誤嚥性」には、本来なら食道へと導かれるはずの食べ物の他、唾液や雑菌などを誤って気管支の方へ送り込んでしまいます。
通常なら、咳込むなどの反射によって排出できるものが、低下することで肺炎を誘発させるのです。
その反射低下の理由としては、脳血管障害が疑われます。
予防策としては、食事中の姿勢や食べるペースなどに注意し、肺炎球菌のワクチン接種も有効です。
肺結核
毎年約3万人の感染者が罹患することに変わりありません。
また、結核菌を持っている人から吐き出された菌を吸い込むことで発症することもあり、施設などで体力の弱い高齢者がいる場合には集団感染などにも注意が必要です。
2週間以上咳が続き、たんが出るなどの症状があります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPDとは、気道が狭くなり、呼吸が困難になってしまう病気です。
肺気腫や慢性気管支炎とも呼ばれていました。
気管支喘息
気管支の内側にある粘膜が、ダニやハウスダストを吸い込んだことで刺激され、炎症が起こる病気です。
アレルギー反応と感染の両方が原因となります。
間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺胞の壁に炎症が起こる病気の中で、特に線維化を起こしやすいものを指します。
進行すると肺線維症と呼びます。
呼吸困難を招くので、酸素吸入が必要となります。
肺がん
日本人のガンによる死亡率が最も高い病気でもあります。
肺がんは、気管支の粘膜や肺胞の上皮細胞からできる悪性の腫瘍です。
危険因子としては喫煙が挙げられますが、アスベストなども注意が必要です。
男性の方が、女性に比べて3倍発生しやすいのも特徴でしょう。
胃・十二指腸潰瘍
加齢により、胃や十二指腸は萎縮します。
そのため、抵抗力も減少し、血管の動脈硬化や粘膜の血流も悪くなり、胃・十二指腸潰瘍に罹りやすくなります。
ピロリ菌によって感染することも分かってきました。
胃がん
胃の粘膜の細胞にできる悪性腫瘍が、胃がんです。
塩分の高い食事や喫煙によって発症しやすいとも言われ、男性の方が多い病気です。
食道がん
初期段階では、痛みも感じません。
しかし、食べ物が食道を通過する際に、チクチクした痛みを感じるようになります。
食べ物が喉に詰まる感覚が起こります。
大腸がん
大腸は消化吸収を行う臓器ですが、そこにできる悪性腫瘍が大腸がんです。
血便の他、残便感、下痢と便秘を繰り返すなどの特徴があります。
便秘症
高齢者に起こりやすい代表的な病気の一つです。
便秘には、大きく分けて2つのタイプがあります。
機能的便秘とは、腸内で起こる蠕動運動が何らかの理由で困難になり内容物を上手く送り出せなくなることを言います。
一方で、器質的便秘とは、がんなどの腫瘍や腸閉塞などで腸内が狭くなってしまうことを言います。
胆石症
胆汁は脂肪の乳化とタンパク質の分解に使われます。
作られるのは肝臓で、胆汁酸とコレステロールを原材料としています。
しかし、コレステロールが増え過ぎると結石を作り、それは胆石へと成長します。
ウイルス性肝疾患
一般的にA型B型C型肝炎が有名ですが、ワクチンが開発されているA型B型とは異なり、C型にはまだありません。
急性肝炎は、慢性肝炎、肝硬変、肝不全という形で進行します。
アルコール性肝炎
アルコールに含まれるアセトアルデヒドには毒性があり、過度の摂取で肝障害を招きます。
中性脂肪が蓄積した状態をアルコール性脂肪肝と呼び、さらに末期になるとアルコール性肝硬変へと変化します。