現役介護士から見た「介護士という仕事」とは?

 辞職者が多いのも「介護士」の特徴!?

こみちが勤務している介護施設にも、新しいスタッフがいつの間にか増えていました。

基本、同じ配属でなければ、いつ誰が入って来たのかも公式に知らされることはありません。

こみちのように勤務回数も減らした窓際介護士は、更衣室などで居合わせた別部署のスタッフから教えてもらうことも珍しくないからです。

そこで噂話のように聞かされたのは、初日の新人スタッフに対する過度な要求をしている古株スタッフがいたという話。

初日だったり、介護スタッフ初めての人は、何をしていればいいのかも分からないもの。

そんな不安いっぱいの新人に、「トイレ誘導を1人でさせたり」「アレを持ってきて!」と頼んでレスポンスが悪いのは仕方ないこと。

でもそれに対して「使えない!」と面と向かっていうのは考えものです。

なぜ、介護士が辞書するのか。

いろいろ理由がありますが、仕事そのものよりも、人間関係からくるというのは、実際に働いてみて感じます。

良い職場と悪い職場の違い

この違いに至るまでいろんな出来事に直面し、二転三転しながら考え方も変わりました。

しかし、あえて良い職場と悪い職場の「違い」を挙げるなら、一緒に働く人のために動きたくなるか否かではないかと思います。

例えば、最近のこみちで言うと、一回の勤務でどれくらいの仕事をこなせるか分かります。

つまり、出勤から退勤までの各時間に行う仕事が、10分くらいの密度で決まっていて、それをこなしているという感覚です。

言い換えば、同じ時間帯に組むスタッフが誰だとしても、だいたいのスケジュールは事前に決まっています。

そんな働き方になってしまうと、良いか悪いかはもう関係なく、トラブルなく終えられるかがポイントです。

しかし、気づけば誰かが予定の仕事を終えていてくれたら嬉しいですし、誰も手伝ってくれなければ、1人でどうにかやり切るしかありません。

その意味では、もう「個人事業主」のような働き方で、それこそ、現状担当する仕事をワンパックにして「請負」にしてもらっても構わないくらいにパターン化されています。

介護士として考える「介護施設」の在り方

職場としての「介護施設」は、向上心が保たれているかがポイントで、例えば勉強会を開催した時に、講師役を務める人がいつも仕事ぶりを見ているスタッフではあまり意味が有りません。

できるなら外部から講師を招き、各介護士がスキルを学んでどんな未来像を描けるかまで示して欲しいからです。

それこそ、介護士には欠かせない「移乗」でも、単に安全であることでは不十分で、その技術が利用者を経て、どんな意味や役割を担っているかまで示して欲しいのです。

中高年のスタッフは、それこそ若い世代に比べて様々な社会経験もあり、また自身の老いも感じているので、介護技術にも別の意味や目的を見つけられるでしょう。

しかし、若い世代の場合には、基本的に身体は健康で、精神的にも充実しているでしょうから、高齢者の心理を理解することは根本的にはとても難しいはずです。

もっとも、技術は精神に依存しないものなので、しっかりとスキルを向上させれば、それだけ危険の少ない介護サービスになることは言うまでもありません。

利用者から見た良い介護施設と悪い介護施設の違い

最近、要介護3以上と診断された高齢者が、本当に在宅復帰まで見込めるのか考えるようになりました。

リハビリによって回復できる見込みがどの程度あって、その方の暮らしにどれだけ効果が担保できるのかがポイントです。

その意味では、理学療法士や作業療法士として働くようになって、リハビリの限界や回復時期の重要性に気づいた時に、要介護3という段階がどれだけの位置にあるのか気になります。

というのも、老健施設でリハビリは行われていますが、それこそ回復時期には限りもあって、まして在宅復帰という意味では年齢ややる気などの条件が整わないとかなり厳しいからです。

よく見ているのは段々と加齢によってADLが低下して行くケースが一般的で、分かりやすく言うなら3ヶ月以上の入所期間を跨いで在宅復帰までの回復を達成した例は0に近いからです。

そう考えた時に、施設でリハビリを実施する理由が、健康寿命が延ばされることや生き甲斐を作るということにならないと、要介護3以上の場合には大半が目標を持たないことにもなりかねません。

もっとも、リハビリそのものではなく、訓練士の方に会えることでリラックスできる利用者もいますから、その意味では日頃の介護士では補えない接し方を提供してもらえると、そこに大きな価値が出てきます。

極端な言い方をするなら、良い介護施設というよりも、当たり前の介護施設がポイントで、介護士は利用者の要望にできるだけ不安やストレスなく対応することが求められるのではないでしょうか。

ここまで出来たら介護士としては卒業!?

こみちが感じる一人前の介護士とは、まず介助全般が安全に行えることです。

さらに、各利用者のケアプランを熟知し、将来の展望や現在の健康状態を把握していること。

加えて、各利用者の性格に応じたアプローチができて、時には社会情勢や巷の噂話、家族や趣味などを話、一緒に有意義な時間を過ごせる知識や技術を身につけること。

概ね、その領域に到達できたら、特に介護現場で学ぶことはなくなってしまうでしょう。

その後はケアマネや社会福祉士のような存在へと移行し、利用者の対人援助ではなく、利用者家族を含めた調整に身を移していくことになります。

もしくは、現場経験を活かして、料理やレクリエーションなどの個々の技術の専門家になって行くという選択もあります。

特に介護施設を必要としない段階の高齢者に対して、より健康的な生活を提案できる仕事があると、そこでは介護士ではできなかったことがたくさん可能になります。

施設に入ってからではなく、施設に入る前にどれだけ自身の老化に向き合えるかが、どうやら介護のポイントで、そこに大きな役割があることも介護士として施設で働くことで気づきます。