障害者総合支援法の自立システムとは?
障害者総合支援法で対象となるのは、障害者と障害児(満18歳まで)です。
そして、支援の内容は、「介護給付」「訓練等給付」に加えて「地域生活支援事業」から成り立ちます。
「介護給付」には、高齢者介護同様に「訪問」や「施設」、「日中活動」が含まれます。
「訓練等給付」には、就労継続支援(A型B型)の他、就労移行支援、自立訓練などがあります。
「地域生活支援事業」には、市町村地域生活支援事業と都道府県地域生活支援事業のサービスがあり、地域社会への理解や参加、相談、権利擁護などを幅広く支える内容となっています。
介護保険サービスと障害福祉サービスの関係
障害ある人の場合、原則として64歳までは障害者総合支援法に基づきサービスを受けますが、65歳になると介護保険法に移行されます。
しかし、指定障害者支援施設の入所者は、場合によっては65歳になってからも障害者総合支援法に基づく支援を継続されることもあります。
つまり、障害福祉サービスと介護サービスの両方にあるサービスは、介護サービスが優先され、障害福祉サービスでしかサポートできない場合には障害福祉サービスが継続されます。
障害者の生活を理解する
まず、障害者が持つ「障害者手帳」には障害によって、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」があります。
約700万人の方が手帳を持っている計算で、国民の20人に1人が所有しています。
また、障害に至る原因としては、「病気」です。
その次に事故やけがなどが続きます。
興味深いのは、身体障害者になった年代で多いのは40代から64歳までが全体の約4割を占めるなど、もちろん生まれつきや未成年の時ということもありますが、中高年になってから障害を持つことが少ないことです。
身体障害者の定義
身体障害者とは、身体障害者福祉法に規定されていて、18歳以上の身体に障害があり、都道府県知事から障害者手帳を交付された人を指します。
そして、身体上の障害とは、視覚障害、聴覚・平衡機能の障害、音声・言語・咀嚼機能の障害、肢体不自由、心臓を含む7種類の臓器機能障害などです。
特に肢体不自由の場合、永続的という条件がつき、四肢の切断や欠損、関節の拘縮や変形、脳卒中や脳性まひなどの運動まひなどです。
視覚障害
人は視覚を含む様々な機能を使って、情報を収集しています。
そして、その中でも80%以上が視覚から得ていると言われます。
聴覚・平衡機能障害
平衡機能とは身体のバランスを保持する機能ですが、視覚、深部感覚、前庭感覚の3つが脳内で統合されます。
深部感覚とは、手足や関節、筋肉の状態を感覚として捉えることで得られるものです。
前庭感覚とは、内耳にある三半規管と耳石器により感じる機能です。
音声・言語・咀嚼機能障害
言語に障害が起こると、聞く話す読む書くなどが困難になります。
咀嚼機能障害とは、歯の欠損などにより、咀嚼が不完全になることで起こります。
また、脳梗塞などの後遺症で機能としての咀嚼を困難にしてしまうことがあります。
肢体不自由
手足が自由に使えない状態にあると、日常生活の様々なシーンで困難を感じるでしょう。
しかし、適切なサポートやリハビリなどを通じて、日常生活のQOLを向上させることは可能です。
内部障害
心臓、呼吸器、腎臓、膀胱又は直腸、小腸、免疫、肝臓の7つの機能障害を指します。
知的障害者の定義
知的障害とは、知的機能の障害が18歳までに現れることで日常生活に支障が生じるために社会的な支援が必要となることと考えます。
条件によって、その度合いが区分されますが、IQ70以下が障害に含まれます。
精神障害の定義
慢性的な精神疾患を抱え、同時に日常生活の面でも困難を抱えていることが条件です。
精神疾患は、青年期(14歳〜)から成人期にかけて発病するケースが多く、社会生活での経験を積む機会を失いやすく、自己評価が低い傾向にあります。
高次脳機能障害の定義
高次脳機能障害は、器質精神病として脳血管障害を起因し、失行、失認、失語などを含めた概念で考えられますが、以前はこの高次脳機能障害をどの障害として扱うのか明確ではありませんでした。
しかし、現在では精神障害の一つと考えられています。
発達機能障害の定義
発達障害は、脳機能の発達について生まれながらの障害によって適切に成長できない状態を指します。
発達障害には、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などがあります。
広汎性発達障害には、自閉症やアスペルガー症候群、高機能自閉症が含まれます。
強度行動障害の定義
強度行動障害とは、精神医学の診断とは別で、さまざまな療育上の努力をしても、行動面の問題が継続している状態を指します。
難病患者の定義
2013年度から障害者総合支援法で、難病等の患者も対象に加えられました。
特殊な疾病による障害で、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける場合と定められています。
2015年時点で、約300の疾病が対象となっています。