第34回介護福祉士国家試験対策 「こころとからだのしくみ」を勉強する パート2

 「こころとからだのしくみ」でポイントを確認

「こころとからだのしくみ」は大きく2つのカテゴリに分けて学習します。

というのも、「こころのしくみ」と「からだのしくみ」を合わせた医療的な視点と身じたくを始めとする移乗などの介護業務とを分けた方が理解しやすいと思ったからです。

そこで、まずは医療的な学習から始めましょう。

「こころのしくみ」を理解するために

「基本的欲求」とは、人間なら誰しもが無意識に抱く感情で、生きていく中で欠かすことができません。

また「基本的欲求」は、本能的なもので個人差が少ないことも特徴です。

具体的には食欲や睡眠などの生理的欲求で、一次的欲求と呼ばれることもあります。

マズローの基本的欲求では、欲求を5段階に分けて捉えます。

最も根底にあるのが「基本的欲求」の中でも生理的欲求と呼ばれるもの。

この領域は誰もが無意識に求めるものです。

そこが満たされたと感じた時に、第二段階として「安全欲求」が芽生えます。

つまり、食べたり寝たりできると感じた時に、人は自身のいる場所が安全で安定した所であって欲しいと思い始めます。

安全面でもある程度の欲求が満たされると、今度は共存している仲間や家族とのより良い関係を築こうとします。

相手との信頼関係を感じられるようになれば、さらに自身の存在をより尊いものとなれるように成長を求めます。

そして、その自己実現に向けた追求へと欲求が向いて行きます。

このような考え方を「マズローの基本的欲求」と呼び、試験でも度々出題されます。

生理的欲求が芽生える理由として、ホメオスタシスが理由に挙げられます。

このホメオスタシスとは、恒常性とも呼ばれ、体温を始めとしたさまざま健康状態を維持する機能でもあります。

情動反応には、自律神経系統の交換神経系の活性化を伴います。

よく混同する話として、交換神経と副交感神経がありますが、日中の活発な時間帯に優位になるのが交換神経で、夜のリラックスした時に優位になるのが、副交感神経です。

意識が活発な時は、心拍数も上がれば、瞳孔も開き、膀胱などは閉じた状態になるとイメージもしやすいでしょう。

つまり、喜怒哀楽のような感情の表れによって情動反応が起こり、それは人間の交換神経に影響を与えるということです。

また、自己に対する理解や評価が高い人は、ストレスは低く情緒的にも落ち着いています。

エリクソンは、この「自己受容」の感覚を「自我同一性の獲得」と考えます。

記憶に関する掘り下げとして、短期記憶と呼ばれるのは会話や計算などで、一時的な記憶の貯蔵ではありません。

意味記憶は普遍的な事柄に関する情報で、エピソード記憶はこれまでの個人的な体験や思い出を指します。

駆け足とはなりますが、「こころとからだのしくみ」での学習は、基本事項を優先した学習にしたいと思います。

試験までの期間に合わせて、適宜確認するというような方法が良いと考えるからです。