ざっくりでも知っておきたい高齢者疾病その1
白内障
白内障の原因は、水晶体そのものが濁ってしまうことで、視野が不鮮明になってしまう病気です。
老人性白内障は、水晶体の新陳代謝障害で、70代を過ぎた人の多くが患います。
ちなみに、外傷の他、薬による副作用、糖尿病などでも起こります。
緑内障
眼球は、強靭な外膜によって包まれているのですが、その内部には房水、水晶体、ブドウ膜があって、眼圧を生じさせています。
正常の眼圧は10〜21mmHgと言われていますが、21mmHgを超えると緑内障が疑われます。
状況によっては失明することもあります。
糖尿病網膜症
糖尿病になることで網膜が変質し、糖尿病網膜症を発症します。
糖尿病を起因して、白内障や緑内障などの障害に至ることもあります。
網膜の病変なので、血管の障害とも言えるでしょう。
眼球内の硝子体からの出血、変性により網膜剥離などを招くと失明に至ることもあります。
難聴
難聴は音が聞こえにくくなる病気ですが、その原因によって分類することができます。
そこで、耳について、鼓膜よりも外側を「外耳」とよび、内部を「中耳」または「内耳」と呼びます。
内耳には平衡感覚や音を聞き取る三半規管や蝸牛があります。
外耳および中耳に耳垢が溜まったり、炎症によって音を遮るなどが起こる場合、伝音性難聴と呼びます。
一方で、音を聞き取る能力に問題がある場合には、感音性難聴と呼びます。
メニエール病
内耳のリンパ液の内圧が高まることで起こります。
自律神経の障害やストレスを起因とするなど、高齢者以外にも発生します。
めまいや耳鳴り、難聴などの症状があります。(特に低い音が聞きづらい)
アレルギー性鼻炎
スギやハウスダストなどの抗体が原因で、体内では抗体反応が起こります。
その際に化学伝達物質であるヒスタミンが生成されます。
くしゃみや鼻水、痒みなどの症状が特徴です。
褥瘡
圧迫などによって起こる血液循環の低下から、皮膚にほっ赤、壊死が起こるものです。
介護施設でも寝たきりの利用者に対して、体位の変換を行うなどして気をつけているはずです。
疥癬
ヒゼンダニの皮膚角質内の寄生により発生します。
通常型とは異なり、より感染力が強力なノルウェー疥癬もあって、その場合には隔離するなどの対策が求められます。
高血圧
国内の基準値としては、最高血圧を140mmHg未満、最低血圧を90mmHg未満に維持することが求められています。
高血圧にもいくつかの種類がありますが、本態性高血圧はいわゆる成人の高血圧が該当します。
その他、二次性高血圧は腎疾患など明らかな疾患が原因で起こる高血圧を言います。
さらに、高齢者高血圧は、高齢者になって起こるもので、最低血圧の値は適切でも、最高血圧は140mmHg以上になるなどの特徴があります。
ほかに、早朝高血圧や食後低血圧などもあり、日常生活の中で注意が必要です。
糖尿病
糖尿病になると、排尿した液体にブドウ糖が含まれています。
また、血液100mlあたりのブドウ糖の量が健康な人なら70〜110mgですが、空腹時に126mg以上となると糖尿病と診断されます。
その特徴として、喉が乾きやすく、尿量が増え、進行すると体重の減少や腎臓の働きが落ち、また網膜に血栓ができるなどの視力低下が見られます。
脳卒中や心筋梗塞との関係するので、注意しなければいけません。
インスリンは、血液中のブドウ糖を分解するホルモンで、膵臓の分泌細胞から生成されます。
狭心症
虚血性心疾患とは、心臓の筋肉に栄養を供給している冠状動脈を流れる血液量の減少を起因する障害です。
そこで、狭心症とは、心筋への血液量が一時的に減少し、胸に違和感を感じる状態を指します。
左肩、手に痛みを感じることもあり、心拍数が増加し、その症状は数秒から15分も続くことがあります。
高血圧、精神的ストレス、糖尿病などによって起こります。
治療方法として発作が起こると舌下にニトログリセリンを入れる3分程度で効果が現れてきます。
心筋梗塞
狭心症同様に、冠状動脈の血流に関係しますが、血液の固まりが詰まった状態を作る点で異なります。
心筋へ酸素や栄養を送ることができないので、心臓の一部が壊死した状態になってしまいます。
痛みが30分以上も続くことも特徴でしょう。
心不全
心不全とは、心臓に備わる役割として身体中に送る血液が適切に行えない状態を指します。
心不全は、左心不全、右心不全、両心不全があります。
例えば、左心室には肺からの血流が戻る所なので、左心不全の場合には心臓へと戻ることができない血液が肺の中でうっ血した状態です。
肺は酸素を取り込む臓器ですが、そこに血液が充満していると呼吸困難にもなります。
不整脈
不整脈とは、脈が乱れて不規則になる状態を指します。
心臓の拍動が乱れた状態とも言え、動脈硬化、高血圧症との関係も密接です。
乱れ方として、一定のリズムに割って入る不規則な脈がある場合を期外収縮と呼び、心房細動では心房の一部で収縮が起こり(350回以上/分)、それが乱れた血流を生むことで、全体として不規則になることがあります。
心房細動の場合には、血栓ができやすく、脳血管疾患を招くなど注意が必要です。