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第34回介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」を勉強する パート1

介護福祉士国家試験対策 「発達と老化の理解」について

今回からは、「発達と老化の理解」について学習していきます。

大項目としては、「人間の成長と発達の基礎理解」、「老年期の発達と熟成」、「老化に伴うこころとからだの変化と日常生活」「高齢者と健康」が挙げられます。

もう少し詳しく確認しましょう。

人間の成長と発達の基礎理解

人間の成長と発達

 

老年期の発達と熟成

老年期の定義

老年期の発達課題

人格と尊厳、老いの価値、喪失体験、セクシャリティ他

 

老化に伴うこころとからだの変化と日常生活

老化に伴う心身の変化の特徴

防衛反応、回復力、適応力の変化

老化に伴う心身機能の変化と日常生活への影響

 身体的機能の変化、知的・認知機能の変化、精神的機能の変化他

高齢者の心理

 老化、社会や家庭、障害、友達との別れ、経済的不安など

 

高齢者と健康

高齢者の疾病と生活上の留意点

高齢者の症状の現れ方、高齢者の体の不調の訴え

高齢者に多い病気とその日常生活上の留意点

保健医療職との連携 

以上が、このカテゴリで学習するべき項目です。 

まとめ

深掘りすると、とても幅広い内容になりそうなカテゴリなので、基本的な内容を優先して学習を進めたいと思います。

次回からは、大項目の4つを一つずつ確認していくことにしましょう。

 

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護過程」を勉強する パート3

第33回介護福祉士国家試験での「介護過程」での出題内容とは?

第33回の試験では、全125問中、8問の出題でした。

合格の目安が「75」点と言われているので、介護過程で全問正解ならおよそ1割を満たせることになります。

ではどのような問題が出題されたのか、改めて確認してみましょう。

問61 介護過程の目的とは?

介護過程は、介護保険制度に基づく介護サービスを受けるために行われるもの。

では、「介護サービス」を受ける理由とは何か?が問われた問題とも言えます。

他職種との作業分担や介護観の変容、家族の介護負担の軽減などではありません。

つまり、主体者は利用者なので、健康状態の改善又は生活の質の向上のどちらかになります。

結論としては、「生活の質」を向上させるためですので、5番が正解だと気づきます。

問62 介護福祉職の情報収集のポイントとは?

この問題に関してはそう悩むこともなく正解を選べるでしょう。

問63 介護過程におけるアセスメントの説明として適したものとは?

一般にテキストでは、アセスメントを「情報収集」と「課題の把握」と表記しています。

意味を覚える際にこの「情報収集」には注目しますが、「課題の把握」を意識することがありませんでした。

出題さらた各選択肢も、どこか身に覚えがない文面で、明らかに外せるものも含まれていますが、一見で答えることができません。

確実に正解するには、「キーワード」を覚えておくことが大切かもしれません。

アセスメントで言えば、「情報収集」と「課題の把握」です。

問64 「短期目標」の設定で最も適した項目は?

短期目標とは別に、長期目標というもう少し長い期間で達成したい設定がります。

つまり、短期目標ではここ3ヶ月程度のより近い期間で目指す目標を意味しているので、選択肢からその内容に合ったものを選ぶことになります。

問65 問題文を読み「再アセスメント」で大切なことを答える問題

予備知識がなくても、文章から判断するだけでも正解に辿りつけるでしょう。

問66 再アセスメントで見直された支援の方向性とは?

「浴室」と「安全な移動」が正解のポイントになることは当然です。

しかし、慌てて選択肢のワードだけで選ぶと、2と3で選択ミスをしてしまうかもしれません。

なぜなら、3も上記にあげたワードが用いられ、一見すると正解に思えるからです。

しかし、問題文を読み返すと、不安に感じたのは浴室を出ようとした時に足を滑られたことが発端となっていて、介護職からは「安全に入浴できるように浴室内を整えた」ことを伝えています。

またそれに対して「怖い」と答えていることもあり、「不安を取り除く」と「安全に移動」の文面の違いに着目できれば、しっかりと正解を選ぶことができたでしょう。

ここまでの感想として「介護過程」での出題は、とても寝られた問題が出されている印象です。

問67 問題文を読み主観的記録を選ぶ問題

確実に正解と確信できる根拠を探すのに、時間が掛かる問題です。

主観的記録を選ぶので、事実ではない想像を含んだ内容があるものを選べばいいのですが、「昼食時のむせ込みが多い」の「多い」についても誰との比較なのかと考えると「主観的」ではあります。

結論的には「帰宅願望」という問題文には書かれていない部分が含まれる選択肢2番が正解となります。

なかなか手の込んだ出題です。

問68 問67に引き続く問題

これも正解できる問題ではありますが、落ち着いて解答しなければミスしやすいでしょう。

まとめ

印象として、第33回の介護過程の出題では、内容よりも出題方法にとても特徴がありました。

オーソドックスな問いではなく、さらに一歩踏み込んだ内容や理解度を試すような内容で、意外と正解率が低かったかもしれません。

こみちの場合も8問中6問で、正解率としては75%とあまり高くありません。

というのも、8問中5問となると合格ラインギリギリの約62%になり、一問でかなり合否を分けてしまうのが想像できます。

学習内容をより掘り下げるというよりも、知識を確実に覚えることと問題文をしっかりと読み、問われている内容を理解することが重要になります。

次回からは次のカテゴリーへと進みます。

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護過程」を勉強する パート2

 前回に引き続き「介護過程」を掘り下げる!

公的な介護サービスと密接に関わる介護過程の役割を、出題範囲と比べながら確認していきます。

試験向け対策として、ある程度割り切った内容になっていますが、まずは基本的、基礎的な知識を確認したいと考えています。

「介護過程」とは?

平成23年10月28日付けで、厚生労働省社会援護局長から通知された実務者研修における介護過程の到達目標が定められました。

つまり、この後に紹介する内容が、ある意味で介護福祉士試験でも問われることになる部分とも言えます。

「介護過程」は、3つの段階に分かれています。

介護過程Ⅰでは、その目的や意義、展開等を理解していること

介護過程IIでは、情報収集、アセスメント、立案、実施、モニタリング、計画の見直しを行うことができること

介護過程Ⅲでは、介護過程IIにプラスして、知識や技術を修得し活用すること。加えて、安全や事故防止に対する意識、家族や他職種との連携なども求める。

日常生活を過ごしていた人が、加齢や障がいなどの理由で、これまでの生活に支障が生じることがあります。

その際に原則65歳を超えた人は介護保険制度に従った支援を行政から受けることが可能です。

そして、支援の根拠となるのが介護保険制度であり、実際の支援サービスを決定するのがケアプランであり、そこに至るまでの流れがここで再確認する介護過程です。

つまり、介護現場にいる介護士の趣味や思いつきで支援されるものではなく、あくまでもケアプランに示された内容によって支援は行います。

そして、そのベースとなる介護過程には、情報収集、課題の把握、計画の立案、実施、評価とサイクルが続き、支援を必要としている人を絶えずサポートします。

つまり、計画の立案の中心人物がケアマネであり、実施の中心人物が現場の介護士などというわけです。

また、介護士は日頃から利用者と接しているので、情報収集や課題の把握にも関わる存在です。

利用者が施設で暮らしている場合には、施設に所属する現場リーダーが個別の計画を立て、自宅で暮らしている場合には、サービス提供責任者が立てた個別サービス計画に基づいて提供されることになります。

「ケアプラン」との違いは、ケアプランが指針を示すものだとするなら、各サービス計画は実質的なサービス提供のマニュアルに該当します。

例えば、運動機能維持のために身の回りを整理整頓を目標とするのがケアプランなら、実際にどんな手順で整理整頓するのかを決めるのがサービス計画の目的です。

介護過程の展開

支援して欲しい人に適したケアプランを立てるためにも、先ずは「ニーズ」を聞き出すことから始めます。

ニーズとは、今現在の問題解決とともに、これからの将来を見据えた予防策も含まれます。

これまで実際に施設などで働いている人であれば、利用者の求めるニーズがどのようなものであるかを知っているでしょう。

しかし介護過程におけるニーズでは、さらに掘り下げた視点から利用者の求めるニーズを見つけ出すことも大切です。

一方で、利用者も人間ですから、マズローの基本的欲求に示されるように、生理的欲求、安全欲求、所属欲求、自尊欲求、自己実現欲求と段階により高度な欲求が生まれます。

つまり、食べたいとか、寝たいとか、本能的に出てくる欲求をスタートとして、身の安全、社会への参加、自尊心、さらなる希望実現と求める内容が変化するのです。

介護過程においても、「どうしたいですか?」という質問に対し、もしかすると「何でもいい」としか答えてくれないかもしれません。

その理由は、言っても叶えてくれないとか、叶うはずがないとか、利用者自身の中で制限を掛けていることもあるからです。

もちろん、介護サービスが全ての要求に応じられるものではありませんが、それでも本音を聞き出すことができれば、より利用者の意図する内容に近いケアプランができるでしょう。

その意味では、アセスメントの部分で見える情報から気づくことで得た情報など、様々な手法を用いて、利用者の意図を知り、そこから短期的目標や長期的目標を立て、計画していくことが大切です。

介護過程とチームアプローチ

情報が集まってからも、その支援を叶えられるのが、介護士ばかりとは限りません。

時には医師の判断や、看護師の処置など、介護職には認められていない支援では、他職種による協力が不可欠です。

そうすることで、様々な視線から利用者を支えることができるます。

各専門職が集まり開かれるチームカンファレンスの他、ケアマネによって開催が義務化されるサービス担当者会議もあって、様々な立場の専門家によって利用者の生活が支えられています。

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護過程」を勉強する パート1

 介護福祉士の試験範囲に含まれる「介護過程」とは?

介護保険制度が導入されて、ケアマネ、ケアプランというトレンドワードが生まれました。

そして、そんな言葉を影で支えるのが、この「介護過程」です。

つまり、「介護過程」は、ケアマネが行う介護サービスの計画を立案する行程を学びものです。

第33回の試験では、8問出題されました。

少なくとは言えない問題数なので、先ずは基本的な問題を落とさないようにしましょう。

では実際の出題内容を確認していきましょう。

「介護過程」で問われるのは?

介護過程の意義

介護過程の意義と目的

介護過程の展開

アセスメント、課題の抽出、計画、実施、評価の各行程と流れ

介護過程の実践的展開

介護過程の展開を踏まえた実践編

介護過程とチームアプローチ

チームカンファレンス、サービス担当者会議等

 以上の4項目となります。

介護過程を始め学ぶ人にとっては、難しそうに思える記述が並んでいますが、実務者研修を受けた後、受験対策をしてさらに学ぶ人にとっては予想できる出題内容ではないでしょうか。

次回からは、各項目をもう少し掘り下げながら、学習していきたいと思います。

第34回介護福祉士国家試験対策 「生活支援技術」を勉強する パート4

第33回の試験で中に「生活支援技術」で何が問われたのでしょうか?

「生活支援技術」のカテゴリーで問われるのは、介護職員として働く時に求められる知識や技術です。

実際に2020年の試験で問われた内容を確認してみましょう。

介護福祉士試験で問われるのは、全125問です。

その上で、この「生活支援技術」のカテゴリーでは26問が出題されています。

通常、合格ラインが75問以上の正解とされるので、その内の26問という配分がどれだけ重みあるか理解できるでしょう。

では一問ずつ再確認します。

問35 古い家に住む高齢者のヒートショック防止策を問う。

「ヒートショック」言葉の意味を知っていれば、ほぼ100%正解できる問題でした。

問36 高齢者にとって安全で使いやすい扉の工夫を問う

素直に考えると正解できるでしょう。

しかし、深読みすると、別の選択肢もあり得ると思うかもしれません。

必ず全ての選択肢に目を通すことが大切です。

問37 下肢筋力の低下した高齢者の靴選びのポイント

つまずく原因となるのは、足の運びと指先を上に外らせること。

そう考えると、重い靴や硬い靴、指を動かせない靴も、つまずきやすくなるはずです。

消去法で選ぶことができます。

問38 口腔ケアに関する出題

後屈さした姿勢は、そのまま液体が体内へと流れ込むのでNG。

クラスプ部分は汚れやすいのでしっかりと洗浄する。

これも、現役介護士なら、正解できたのではないでしょうか。

問39 口腔内が乾燥している人へのアドバイス

最も適切という意味で、唾液腺マッサージが有効だと気づくでしょう。

問40 体位変換のポイント確認

これもサービス問題です。

問41 車イスでの移動

テキストなどで車イスの扱い方を再確認しておけば、答えられる問題です。

問42 第6胸髄節の損傷で起こる障がいの度合い

これは知らないと確実に正解できない問題です。

ただ、イメージとして首を損傷すると生命や四肢のすべてが使えないこともあり、それが胸、腰と下がるにつれて損傷も部分的になります。

頸椎でも、胸椎に近いと麻痺は残るが筋力低下は避けられる。その意味では、胸椎の損傷では苦労はあるが手足が使えない状況ではないのだろう。

その知識元に、正解である5を選択できたかどうか。

この部分は試験前にもう少し掘り下げておくとより確率を上げられそうだ。

問43 飲み込みにくさの改善方法

原因が加齢による機能低下という設定なので、これが咀嚼力の低下なら刻み食材の提供も考えられる。

しかし、飲み込みと咀嚼は別の機能で、その意味では嚥下体操を行い、飲み込みの筋力を維持向上させる取り組みが求められる。

問44 慢性閉塞性肺疾患のある利用者に対する食事

慢性とは、急速に良くも悪くもならない状態。

閉塞性とは詰まっているということ。

呼吸によって新鮮な空気を取り込む「肺」がそのような状態になれば、息苦しいことは想像できます。

少なくとも、呼吸などに関わる記述が正解なので、食事量の調整や回数に見直しが必要だと気づくでしょう。

問45 入浴時の身体への作用

浮力による効果として、通常よりも弱い力で動かせるはずです。

静水圧作用によって、肌表面に通常よりも圧力が掛かっています。

それらの前提知識を踏まえると、関節の運動に適していると気づくでしょう。

問46 四肢麻痺の利用者の手浴

最初、手浴と入浴を読み違えてしまい、仰臥位ではいけない理由に戸惑いました。

手浴と気づいて、逆に仰臥位でなければいけない理由を考えた時に、正解に辿りつけました。

問47 清潔保持について

人工透析を行うと、ヘモグロビンの増加などで色素沈着が起こり、肌が黒くなってしまうことや、かゆみに悩まされることもあるそうです。

皮膚表面の汗腺等が収縮し、十分な脂分を供給できないことで乾燥肌になりやすいとか。

問48 問題文に対する答えを見つける

問題文を読めば、正解できるでしょう。

問49 自己導尿を行う利用者への対応

状況をイメージすると、正解できました。

自己導尿とは、自力で排尿できない時の対策で、使用するカテーテルを清潔にしなければ感染症を誘発すると思われます。

つまり、滅菌されない水道水で洗うというのは危険ですし、尿の観察や導尿中の見守りも最適とは言えない選択肢でしょう。

問50 下肢筋力低下でも立位保持がトイレで排せつする時の介助

動作をイメージすると、迷うことなく正解を選べるでしょう。

問51 洗濯記号の意味

まず、前提として洗濯記号は「限界」を表記しています。

つまり、「以上」という記載よりも、「まで」という意味で使われるので、4または5が正解と予測できます。

さらに、洗濯機の場合、標準又は弱いが一般的で、それよりも優しい洗いでは「手洗い」を使っています。

問52 衣類についたバターのシミ取り

油分の塊であるバターなので、水や乾燥させる、冷やすなどでは解決できません。

歯磨き粉という選択肢は、どうだろうと思いましたが、洗剤を染み込ませて、布を被せて叩くことでバターそのものを移しとることができるはずです。

問53 食中毒予防

正解以外の選択肢が間違いと分かるものばかりなので、正解できたでしょう。

問54 喘息のある利用者宅の掃除

喘息のある利用者なので、「埃」が立たないように注意しなければいけません。

その意識で各選択肢を見比べれば、正解できたでしょう。

問55 ベッドと床敷き布団の違い

正解できる問題です。

問56 睡眠環境を整える問題

正解できる問題です。

問57 問題文に答える問題

これも状況をイメージすると、正解できるでしょう。

問58 問題文に答える問題

これも状況から正解に辿りつけるでしょう。

問59 死期が迫っている時のケア

前提として回復の見込みがないとされるので、苦痛の緩和が優先されます。

これも正解できる問題でしょう。

問60 デスカンファレンスの目的

デスカンファレンスの目的は、ターミナルケアを行ったスタッフ間の精神ケアです。

つまり、責任を追求したり、ミスを責め合う場ではありません。

また、自身の気持ちを隠すべきでもないことを踏まえれば、正解できる問題でしょう。

まとめ

「生活支援技術」で扱われる範囲はとても広く感じます。

ただ、昨年の33回の出題内容では、基本的な問題も多く、6割を超える正解が可能に思えます。

また、こみちの場合、人工透析の問題で不正解だったものの、それ以外では正解できていたので、基本という部分で一度学習を終えて、次のカテゴリーに入りたいと思っています。


第34回介護福祉士国家試験対策 「生活支援技術」を勉強する パート3

 次回のパート2に引き続き、「生活支援技術」について掘り下げます!

自立に向けた居住環境の整備

施設に比べて、個人宅では、介護に向けた環境が整っていないこともあります。

そこで、必要に応じて住宅改修工事が必要です。

例えば、日常的に使用するトイレまでの導線に、手すりを設置するなども、歩行能力の低下が見られる場合に有効です。

さらには、浴室や浴槽周辺にも手すりを設置すれば、より安全に入浴できるでしょう。

自立に向けた身じたくの介護

介護士とって求められることが多い衣類の着脱ですが、「脱健着患」を守り行います。

浴衣を使う場合、襟元は「ソ」になるように行いましょう。

目元を拭くような場合、目頭から目尻に向かって行います。

自立に向けた移動の介護

我々のライフスタイルを考えた時に、様々な形や手段で「移動」が使われています。

逆を言えば、移動範囲が狭く、その距離が短くなってしまうと、それだけ日常生活にも変化が現れます。

そこで、介護現場では「移動」を重んじた介助を安全に行わなければいけません。

介護現場で行うのは、ベッドに臥床した利用者をベッド脇に座らせて、そこから車イスへと移乗させるケースでしょう。

その際にも、パート2で触れたようにボディメカニクスが活躍し、支持基底面をいかに小さく、利用者自身をコンパクトにさせられるかが問われます。

その時、実際の介護現場では、利用者に麻痺や拘縮、脊髄の損傷など、配慮するべきポイントが多く、時には安全を考えて複数名のスタッフで対応することも含まれます。

ベッド脇に腰掛けた状態を端座位と呼びますが、そこから車イスへと移乗させる介助では、重心の位置や移動、介護士は支持基底面を広く確保することなどがポイントです。

経験を経ると、移乗介助を見ただけでも、その介護士のレベルが確認できるほどで、実に様々なポイントが含まれています。

試験では、移動の意味で「杖を使った歩行」が問われたりもします。

杖を持つのは健側で、目安は肘が150度開く位置。

平地を移動する際の順番は、杖、患側、健側となります。

つまり、杖も持っている方の足が最後に追いつきます。

また、階段の登り降りでは、「患側が健側よりも低い位置にある」と覚えておきましょう。

つまり、登る時には健側が先に、降りる時には患側が先になります。

自立に向けた食事の介護

「食事」についても、この人らしさが如実に表れる部分です。

成人の身体が約60%。高齢者でも50%が水分で構成されています。

脱水症状に陥らないためにも、1日1500ccの水分を摂取しなければいけません。

また、ベッド上で食事を行う場合には、約30度ギャッチアップをし、顎を引くような姿勢が望ましいとされます。

自立に向けた入浴・清潔保持の介護

片まひがある利用者の場合、介護士はマヒ側に立ちます。

また、浴槽やシャワーを掛ける際には、健側から行います。

脱衣場や浴室は、22から25度程度、湯温は39度から40度を基本とします。

心臓に疾患や喘息がある場合には、ぬるめの湯温で半身浴にすると負担が軽減されます。

洗うのは、末梢から中枢へと外側から行います。

自立に向けた排泄の介護

自立に向けた排泄を目指すなら、オムツを装着している利用者であっても、可能であればトイレ誘導を行うべきです。

介護現場では、どうしても効率を考えて、トイレ誘導とオムツ交換を個別に捉えてしまいがちですが、利用者の中にはトイレ誘導を望む方もいます。

自立に向けた取り組みとして、できる限り利用者の意向に沿った介助を心掛けましょう。

自立に向けた家事の介護

住宅改修などと合わせて、炊事や洗濯などの動作が負担なく行えるような工夫も必要です。

火災など、火の元の安全やドラム式洗濯機の導入など、生活の支障に応じて、環境整備を行いましょう。

自立に向けた睡眠の介護

快適な睡眠を維持するために、夏場は25度から28度、冬場は18度程度を基準とします。

また、夏場の湿度は50から60%程度に設定しましょう。

終末期の介護

看取りケアはとても難しい問題です。

そのために個人の意思を尊重した対応が不可欠です。

また、それには本人の意思、家族の意向などを確認し、身体的な苦痛にも配慮しなければいけません。

高齢者に見られる予兆として、嚥下機能の低下があります。

栄養や水分量が低下し、低栄養状態になります。

嚥下しやすい形状のミキサー食などに変更し、それでも困難な場合には経管栄養を行うかを検討します。

さらに進行すると、免疫力の低下や発熱を繰り返し、やがて血液循環の低下も始まると低体温になってしまいます。

手足の浮腫やチアノーゼが表れます。

手足を毛布などで包み保温することもおすすめです。

死後、残された家族の精神的なケア、グリーフケアも大切になります。

まとめ


かなりざっくりですが、「生活支援技術」を再確認してみました。

介護士として働いている方であれば、業務中の体験も活かせるでしょう。

先ずは基本的な内容を確認してみました。

第34回介護福祉士国家試験対策 「生活支援技術」を勉強する パート2

 「生活支援技術」の分野で学ぶべきことを掘り下げましょう!

まず確認するべきポイントは、我々が行なっている「生活」に関すること。

というのも、「生活」とか「ライフスタイル」とか、さらに言えば「生き方」まで広げれば、個人の好みや価値観、現時点での経済事情や生活環境など、挙げればキリがないくらい個々の生活は千差万別です。

生活支援

このカテゴリーでは、「生活」とは何かを考えることから始まります。

先にも触れましたが、理想的な暮らしがあったとしても、そのような生活をすべての人が望んでいるとは限りません。

どのような食事を誰とどこで行うのかさえ、人によって考え方が異なりますし、それこそプロの料理人に作ってもらう食事を望む人もいれば、家族や親しみ人と家で済ませる人、または多忙なスケジュールで短時間で済ませてしまいたい人もいます。

どれが一番正しいではなく、介護の仕事としては「ニーズ」を知り、どう応えていくのかが支援のポイントです。

ただし、利用者の生命や健康を害する恐れがある場合には、必ずしも利用者の意向に沿えないこともあるでしょう。

一方で、試験の出題範囲には、ICF (国際生活機能分類)の理解を求めていて、その視点に立った介助を行う必要があります。

ICFとは何か?


初めて実務者研修でICFに触れた時、その意味する内容を理解するまで時間が掛かりました。

これが正解というつもりはありませんが、こみちなりの解釈を紹介するとしたら、「困難に直面した利用者をどう支援できるのか?」を考える「マップ」となるでしょう。

そして、ICFをより理解するためには、ICIDHがあったことを知っておく必要があります。

このICIDH(国際障害分類)は、1980年に世界保健機構(WHO)にて採択された困難に直面した利用者の支援方法を考える方法で、「困難」になっている原因を克服する支援方法です。

つまり、右手が動かないなら、その手をどうすれば動くようにできるのかと問題にして、対応策を練っていきます。

そのような考え方に問題点があるとするなら、例えば加齢による機能の低下に対して、困難の克服を目的に過度なトレーニングが効果的なのかと言えることでしょう。

実際、施設で利用者に接していると、中高年になった我々以上に体力面や機能面で配慮が必要だと気づきます。

つまり、「我々ができるから」という発想で考えると、時に利用者は望んでいない試練を無理にかされてしまうでしょう。

そこで、2001年の改訂により、ICFへと考え方が改められました。

大きな改訂のポイントは、「今できることや出来そうなこと」から困難に対応しようとする考え方です。

つまり、望んでもいないことを利用者に無理矢理に押し付けたりせず、できるだけ現状を活かしつつ解決に繋げようとしていることでしょう。

その意味で、ICFには6つのテーマが作られ、その一つずつをベースに先ずは書き出してみることから始め、出来そうなことに気づける情報を整理します。

では6つのテーマとはなんでしょうか。

健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子の6テーマです。

試験問題としてもこの6つの名称や役割と問われることもあるので、名称以外にもどのような項目が入るのかも覚えておくといいでしょう。

ざっと紹介するなら…

健康状態

簡単に言えば、既往歴のようなものが該当します。これまでの病歴などをまとめことで、どんな健康状態にあるのか分かりやすくなるでしょう。

心身機能・身体構造

健康状態に似ていますが、ここには肉体的または精神的なトラブルや懸念、考慮されるべき情報を集めます。

具体的には、視野や聴覚などの違和感などもここに含まれます。

活動

ここには、今している生活上の習慣やできることを記載します。

具体的には、トイレに一人で行って用を足すことができるというような内容が記されます。

参加

ここには、今している仕事や趣味、社会参加に関わること、またこれから始められそうなことを集めます。

よくサンプルである、「自治会長などの活動」も「参加」に入ります。

環境因子

環境因子には、物理的側面、人的側面、社会的側面などがあります。

具体的には、車イスの使用など物理的側面になり、近くに子どもたちが住んでいるなどが人的側面、そしてサービスや制度を利用している場合には社会的側面として記載されます。

個人因子

年齢や性別、生活感や価値観など、その人の様子を表す情報が入ります。

このように、ICFに落とし込むことで、利用者の状況をより詳しく把握できると共に、例えば多職種で情報共有する場合にも効率的です。

その上で、支援方法へと議論が深まります。

ボディメカニクスの原則


生活支援を行ううえで、介護士がマスターしておく技術に「ボディメカニクス」があります。

このボディメカニクスの効用は、利用者の負担軽減と安全性、さらに介助を行う介護士のケガ防止でもあります。

ではどのような原則なのでしょうか。

ボディメカニクスの7原則


支持基底面を広く

重心位置を下げる

重心移動のスムーズさ

重心位置の接近

テコの原理を活用

利用者の身体をコンパクトに

大きな筋群を使う

の7項目です。

実際にとても介助時に有効な原則で、また試験でも再三出題されています。

介護現場での介助のベースとなる原則でもあり、介護士によく起こる「腰痛」予防にも一役買うでしょう。

第34回介護福祉士国家試験対策 「生活支援技術」を勉強する パート1

 「生活支援技術」で学ぶべきポイントとは?

「生活支援技術」で学ぶ項目は、実際に介護士として働く時に不可欠な知識や技術です。

そのため、とても範囲が広く、効率的、また実際の勤務を思い出して比較しながら学習した方がいいでしょう。

具体的に試験の出題範囲を確認します。

生活支援

「生活」の定義、ICFの視点に基づくアセスメントなど

自立に向けた居住環境の整備

「住まい」の意義、ICFに基づくアセスメント、住宅改修、ユニットケアなど

自立に向けた身じたくの介護

「身じたく」の意義、ICFに基づくアセスメント、整容、衣類の着脱、介助の留意点など

自立に向けた移動の介護

「移動」の意義、ICFに基づくアセスメント、介護の工夫、移動・移乗の介助など

自立に向けた食事の介護

「食事」の意義、ICFに基づくアセスメント、食事の姿勢、留意点など

自立に向けた入浴・清潔保持の介護

「入浴」の意義、ICFに基づくアセスメント、入浴、留意点など

自立に向けた排泄の介護

「排泄」の意義、ICFに基づくアセスメント、介助の工夫、留意点など

自立に向けた家事の介護

「家事」の意義、介助の工夫、留意点など

自立に向けた睡眠の介護

「睡眠」の意義、ICFに基づくアセスメント、安眠の工夫、留意点など

終末期の介護

終末期の介護の意義、ICFに基づくアセスメント、看取りのための制度、多職種連携、終末期の人と家族支援、臨終時の対応、グリーフケアなど

まとめ

このように、各項目の意義や目的を知り、そのためのアセスメント、介助時の工夫や留意点を学びます。

日頃の業務と比べることで、本来の目的を再確認したいカテゴリーとも言えます。

第34回介護福祉士国家試験対策 「コミュニケーション技術」を勉強する 〜第33回で出題されたのは?〜

 「コミュニケーション技術」でどんなことが実際に出題されたのか?

第33回介護福祉士国家試験では、問27から問34までの8題が出題されています。

実際にはどのような知識が問われたのでしょうか。

問27では?

介護士が利用者との信頼関係を構築するコミュニケーションが問われました。

「そもそも「互いの信頼」がどのように築かれるのか?」と考えた時に、どちらだけの意見が尊重される関係は好ましくありません。

介護士として利用者を想うあまり、押し付けの介護サービスでは利用者の幸福には繋がらないからです。

ざっと選択肢に目を通した時に、2から4までの選択肢は外れると感じました。

では1か5になるにですが、こみち的には少し判断に迷いました。

それでも1では「賛成できなくても」という一方だけの価値を尊重したフレーズがあったことで、5を選んだのですが、「介護士の心の動きも意識する」とは何を示しているのかが不明瞭に思えたからです。

少し細かいことですが、「介護福祉職自身の感情の動きも」ではなく「介護福祉職は自身の感情の動きも」と「は」を加えるだけで明確に選べたはずです。

問28では?

問題文を読んだうえで、その後の設問に答える問題です。

認知症があり、介護施設を利用することになった家族に対する介護士のコミュニケーション技術が問われました。

1、3、4の選択肢は、「信頼関係」を構築するという意味から正解ではないと判断できるでしょう。

コミュニケーションには言語的な手法以外に非言語(表情や仕草など)があり、スキンシップも信頼関係を構築する手法ですから5番も候補に入るでしょう。

一方で2番の選択肢が、相手のペースに合わせて表情を確認しながらと記され、コミュニケーションの理想的な手法であることが分かります。

こみちはそんな意味から「2番」を選びましたが、実際の正解も「2番」でした。

問29では?

問28での問題文の続きで心配している家族に共感する言葉を見つける問題。

ここでは「共感」の意味が問われました。

つまり、「相手の立場や心情の察して、寄り添った対応」とも言えます。

もう少し付け加えるなら、相手を否定したり、自身の価値観を伝えることではありません。

その上で選択肢を眺めると、2番と5番が有力な候補です。

試験の緊張した状況では、2番の「私も同じ」に早合点した人もいるでしょう。

ただ、「同意」と「共感」の違いは、主体のポジションで、「誰が」の部分を指します。

設問で言えば、同意は介護士が行う意思表示に主体があり、共感は家族の気持ちに寄り添う介護士の対応に主体があって、混同しやすい部分ですが異なる心情です。

実際、5番の「寂しくなりますね」の声掛けは、家族の気持ちを察して介護士が寄り添うことで発した言葉と言えます。

なんだか、学生時代の元国のような内容で、分かる人には簡単で、疑問に思うと違いが分からない人もいるでしょう。

問30では?

新たな問題文を読んだうえで、設問に答える問題です。

一見すると、なぜそうしたいのか理解できない状況を相手からどう聞き出せばいいのかが問われました。

並んだのは、「開かれた質問」を始めとした5つの選択肢です。

その前提として、理解できない状況での介護士が憶測で判断したり、「はい」「いいえ」だけで答える聞き方では、相手の気持ちを知ることができません。

できるだけ自由に気持ちを語ってもらう中で、心情の奥底を理解することが必要になるからです。

つまり、選択肢1番の「開かれた質問」には、自由は発言ができますから、聞き方として理想的でしょう。

問31では?

利用者とその家族で意見が異なる場合に、介護士の立ち位置を問う問題です。

考えるべきは、介護士の役割でしょう。

少なくとも、介護保険制度の導入で自立支援が介護サービスの命題となりました。

それはつまり、サービスを利用する利用者の利用目的を尊重することでもあります。

その考えた時に、介護士が考え方を押し付けるような振る舞いは望まれていません。

一方で、当事者の問題として全く意見や存在を示さないことが良いのとも考えるでしょう。

さて、選択肢に並ぶのは、関与しない、どちらかの意見を尊重、他職種にも相談しない、両者の意見を聞くのいずれか。

つまり、両者の意見に耳を傾けて、双方の希望を踏まえて会話が求められる介護士の立ち位置になります。

問32では?

運動性失語症を抱える利用者とのコミュニケーション技術

運動性失語症を知らなくても、「失語症」が言葉を発する際に困難を感じることは想像できるでしょう。

そして、言葉を発したい時に感じる困難として思いつくのは、言いたい内容に適した「言葉」が思いつかないなどが挙げられます。

そこで選択肢を眺めると、絵や写真を使う、大きな声で話しかける、手話を使う、ひらがな表を使う、閉ざされた質問を避けるのいずれかから選びます。

正解は1番だと分かりますが、その理由は絵や写真を使い「発語」につなげたい意図からです。

そして介護士が「〇〇のことですか?」と言葉を使えば、さらに会話が深まるでしょう。

大きな声や手話、ひらがな表を用いても、思い出せない「言葉」は浮かんできません。

そして閉ざされた質問を避けるとは開かれた質問を指し、より自由に話してもらおうとする手法ですが、そもそも話せない状況では有効とは言えません。

問33では?

介護記録の記載の仕方について

介護記録は信頼できる記載が信条です。

いわば、新聞記事に似ていて、常に「根拠」が問われ、もしも記載者の意見であるならそのことを明確に示すべきです。

それらを踏まえると、記憶が曖昧になる後日は避けるべきですし、客観的と主観的を区別しないのも好ましくありません。

また、憶測や自身の意見や見解を中心にした記録も理想的とは言えません。

問34では?

「報・連・相」に関する問題

報告する人と聞き手で、話の内容が誤解されない工夫を問われました。

意味が不明瞭な部分を確認しながら聞くという選択肢4番が正解だと分かります。

まとめ

第34回での出題を総論すると、落ち着いて解答できれば、8問すべて正解も十分に可能な出題です。

こみちの場合、7問もしくは8問の正解でした。

合格ラインが6割とするなら、5問以上の正解が求められますが、合格するためにはクリアしたいでしょう。

コミュニケーション技術のカテゴリーで5問以上が困難な場合、まずは介護保険制度が導入された目的が増加する高齢者福祉のコスト緩和にあり、自立支援を目指すことで、介護予防にも力を注ぐ国の姿勢を理解しましょう。

その上で、高齢者福祉に関わる介護士には、利用者となる高齢者の気持ちに寄り添う姿勢が求められます。

それはつまり、介護士の「正しい」を押し付けることではなく、契約によって「ケアプラン」が結ばれ、その内容に沿ったサービスを適切に提供することが介護士の使命です。

その際には介護記録や報連相なども不可欠となり、客観的な事実を中心に、主観的な内容は誰によるものなのかを明示するなど、特定の介護士だけではなく、関わる多職種全体で情報共有できる運営が求められていることを理解しましょう。

それだけを理解できれば、34回で出題された内容も、正解をより高い確率で選べたはずです。

こみちとしては、この「コミュニケーション技術」についての学習を中断し、次のカテゴリーに進みたいと思います。




第34回介護福祉士国家試験対策 「コミュニケーション技術」を勉強する パート2

「コミュニケーション技術」をもう少し深掘りしてみよう

介護福祉士の試験では、コミュニケーションの意義や目的、役割が出題範囲に含まれています。

コミュニケーションの意義は、他者との情報交換を通じた相互理解と言えるでしょう。

介護の現場でも、頻繁に利用者と接し、コミュニケーションをはかります。

それだけに「コミュニケーション」の意義を知り、介護現場での情報交換に活躍したいものです。

では具体的にコミュニケーションの理想的な環境をどのように作ればいいのでしょうか。

そこには、話し手と聞き手、伝えるべき情報、その手段、環境が複合的に絡み合っています。

例えば、話し手が義歯を使っていて不鮮明な発声だったり、聞き手の聴力が低下しているような場合には、コミュニケーションもスムーズに行えないこともあります。

また、伝える情報にバックボーンとなる知識や背景が求められる場合、コミュニケーションが効果的に行えないことも起こります。

そこで、言葉だけではなく、仕草や動作、さらには紙などを使って、コミュニケーションを

利用者とその家族との関係作り

介護職は利用者のケアにあたりますが、利用者の後ろには家族がいることも忘れてはいけません。

さまざまな事情によって、利用者は家族と共に暮らしていたライフスタイルから施設のサービスを授受する生活に変わります。

つまり、介護職は直接的には利用者との関わりですが、家族にとって大切で掛け替えない存在でもあります。

しかし、家族が介護者として家庭の中で支える暮らしは、必ずしも幸福な結果を招くとは限りません。

例えば、アンビバレントな感情が芽生え、介護しなければいけない苦労と老いる様を見ることで芽生える愛憎の感覚なども起こります。

介護に疲れることで、社会との関わりが減少し、孤立や孤独感を感じることもあります。

つまり、親しい間柄ゆえに起こる感情があって、ストレスの他にも、QOLの向上や分かち合えある仲間、経済的負担の軽減なども悩みとして抱えたりします。

高齢者を介護する世帯の中で、約半数は老老介護という現実にも着目しなければいけません。

死の受容過程

ドイツの精神科医エリザベス・キュープラー・ロスが提唱した「死への心理の5段階」では、否認の隔離、怒り、取引、抑うつ、受容の五段階を辿るとされる。

しかし、時には途中で停滞したり、飛び越えてしまったりもする。

家族介護者の心理にも同様のステップがあって、その段階は戸惑い、混乱、あきらめ、受容があると考えられる。

介護現場では

介護職が目指すべきは、「聞き上手」になること。

そのためには、利用者が話やすい状況を作ることもポイントになります。

コミュニケーションとしての手段は、「言葉」を使う言語的コミュニケーション以外に、「言葉」そのものを使わない非言語的コミュニケーションも重要です。

具体的には、会話の途中で行う「相づち」や「ジェスチャー」なども非言語的コミュニケーションになります。

一般的に、言葉による伝達よりも、非言語的な表現の方が伝えるとも言われ、コミュニケーションには目線や表情、声のトーンやスピードなど、さまざま要素が組み合わさっています。

場面に応じたコミュニケーション

アスペルガーや失語症など、コミュニケーションをはかる上で特有の癖を持った人がいます。

基本的な特徴を知ることで、介護職としてコミュニケーションを工夫しましょう。

チームとして

介護現場では、24時間稼働している施設も多い。
シフト勤務を採用していて、スタッフ同士が顔を合わせることがなかったりすることもあって、情報を共有させることが大事である。

そして、情報の共有はスタッフ間のみならず、利用者やその家族にも及ぶ。

特に事故やアクシデントが発生した場合、その原因がどこになったのかを確認する意味でも事の時系列が記載されていることが我々介護士の潔白を証明してくれたりもする。

出題範囲にも含まれている「ICT」の活用では、パソコンだけでなくスマホやタブレット端末など、インターネット回線などを活用したコミュニケーションを十二分に活かすことも必要とされる。

その他、報告や会議を通じた手段も活用し、介護職同士、上司と部下、利用者やその家族など、複合的なグループ同士でも速やかに適切な情報共有を行うことが求められる。


第34回介護福祉士国家試験対策 「コミュニケーション技術」を勉強する パート1

「 コミュニケーション技術」の分野で学ぶべきポイント

介護職の仕事では、利用者との、同僚スタッフとの、他職種との、様々な形でコミュニケーションが求められます。

そこで、「コミュニケーション技術」の分野では、系統としてのコミュニケーションを学ぶことになります。

基本

介護におけるコミュニケーションの意義、目的、役割

利用者とその家族との関係作り

介護現場では

話の聞き方、表現方法を察する技法、納得と同意、相談・助言・指導、意欲の引き出し方、意向確認

場面に応じたコミュニケーション

チームとして

介護記録の情報共有化

ICT(情報通信技術)の活用

報告の意義と目的

報告・連絡・相談の方法

会議の意義と目的

会議の意義と目的

以上が介護福祉士試験で出題範囲となっている主な内容です。

チームケアなどが重視される介護現場では、コミュニケーション技術の向上が進んでいるのも頷けます。

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する 〜第33回で出題されたのは?〜

 第33回介護福祉士試験「介護の基本」で出題されたのは?

第33回の国家試験で「介護の基本」から出題されたのは、問17から問26までの10問でした。

問われた内容を対策として学んだ1から10でどこまでカバーできているかを確認しました。

どんな知識が問われたのか?

問17では、同居する介護者の悩みやストレス。

内容的には事前の学習というよりも、出題の意図から推測する問題です。

問18では、「価値ある社会的役割の獲得」を提唱したのは?

選択肢1のミケルセンはノーマライゼーションの提唱者。

しかし、残り4名については学習できていません。

正解率は25%となってしまいます。

問19では、ICF(国際生活機能分類)の環境因子を問う問題。

正解できる問題です。

あえて言うなら、「町内会の会長」という「参加」と悩む人がいたかも知れません。

問20では、「見守り的援助」に該当する項目を選ぶ問題。

これも事前の学習よりも、問題文から憶測し正解を導く問題。

落ち着いて考えれば、正解できる問題です。

問21では、高齢者のリハビリテーションについてを問う問題。

この問題は事前の学習よりも、これまでの経験を踏まえて導き出す内容です。

問22では、施設での多様な生活を問う問題

この問題も事前の学習ではなく、問題文から導き出せるでしょう。

問23では、介護医療院に関する正誤

過去に一度解いているので正解できましたが、選択肢4と悩むかも知れません。

ただ介護医療院が、医療的なケアを必要とした利用者を長期的に支援する施設と考えれば、老健よりも床面積が広いことも想像できたかも知れません。

この問題に関しては、50%くらいの正解率でしょうか。

問24では、文章を踏まえて答える問題。

知っていれば答えられる問題でした。

ただ、ケアマネの役割から、利用者の自立支援の意図、さらに社会福祉協議会の役割などを複合的に問う良問でしょう。

問25では、プライバシー保護を問う問題

これはサービス問題でしょう。

問26では、ハインリッヒの法則を問う問題

別名ヒヤリハットですから、正解できたでしょう。

選択肢5はバイスティックの7原則です。

事前の学習で勉強した知識でした。

これが第33回の国家試験で問われた内容ですが、事前に出題範囲を踏まえた学習で、7問以上は正解できるはずです。

まとめ

合格ラインが6割ということを考えれば、「介護の基本」で身につける学習レベルに最低限の水準には達していると言えそうです。


第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート10 〜安全と感染予防〜

 介護サービスのリスクとは?

実際に介護サービスを提供している介護士として、サービスがリスクと背中合わせであると感じことがあります。

言い換えれば、リスクを回避することは利用者の自立を回避することにもつながり、ADL向上に努めるほど、時にリスクも伴うからです。

そこで介護福祉士の試験範囲でも、安全確保が不可欠であるとして問われているのでしょう。

より安全性に配慮された介護サービスを提供するには、利用者に関する情報収集が不可欠です。

例えば、実際に介護を行うスタッフから担当ケアマネに情報が伝達されれば、それによってケアプランの見直しも行えます。

リスクマネジメント

リスクマネジメントとは、危険に対する準備と事後の対策に分けられます。

例えば、事故には至らなかったものの、危険性を感じたような場合、インシデント(ヒヤリハット)があったことになります。

つまり、このような事故の予兆を収集し、スタッフ間で共有できれば、それだけ同様の事故を回避できます。

また、POCAサイクルでは、計画、実行、評価、改善という過程を繰り返すことで、より危険性を抑えた安全性の高いサービス提供に繋げます。

感染予防

ここ数年、日本国内でも「コロナウイルス」のニュースがたくさん流れています。

ウイルスは細菌同様に、肉眼で見ることができませんが、細菌よりもさらに小さな微生物です。

我々の身体には常在菌で覆われています。

例えば、腸の中では消化吸収に活躍してくれます。

感染経路

手などの接触を介した「接触感染」「飛沫感染」、咳などによる「空気感染」、輸血などによる「血液感染」があります。

スタンダード・プリコーション(予防策)を考えることは有益です。

対象となるのは、血液、体液、分泌液、嘔吐物、排せつ物、皮膚、粘膜です。

特に、介護業務では、体液や分泌液、嘔吐物、排せつ物を扱うことが多く、その際には素手で触れないずに手袋を使うことが大切です。

また、触れてしまった時には、すぐに手を洗いましょう。

介護士として気をつけるべきことは、外部からの感染に止まりません。

我々は誰もが常在菌を持っていて、それらは環境によって感染症を引き起こします。

これを内因性感染症と言います。

よく耳にしている「誤嚥性肺炎」も、食べ物ばかりが原因とは限りません。

というのも、唾液には多くの常在菌が存在し、場合によっては誤って気管へと流れ込んでしまうことがあるからです。

つまり、誤嚥性肺炎も、内因性感染症の一種と言えるのです。

そう考えると、利用者の口腔ケアがとても大切であることに気付かされます。


第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート9 〜チームアプローチ〜

チームアプローチの重要性

医療におけるチームアプローチ同様に、介護サービスでもチームアプローチの考え方が当たり前になりました。

具体的には、個々の介護士が個別に働き掛けるのではなく、ケアプランを核として、そこに様々な役割を担う担当者が連携を保ちながら支援します。

その意味では、地域においてもチームアプローチの考え方を導入し、行政、保健所、住民、地域包括支援センターが連携することが求められています。

チームアプローチを行う効果としては、利用者の複合的な支援に対応することが挙げられる一方で、スタッフがバーンアウト(意欲を失ってしまう状態)に陥らないための対策にもなります。

バイスティックの7原則

バイスティックの7原則には、

個別化の原則(一人の権利として)

受容の原則(頭ごなしに否定しない)

意図的な感情表現の原則(感情表現の自由)

統制された情緒関与の原則(利用者の感情に飲み込まれない)

非審判的態度の原則(善悪を判断しない)

自己決定の原則(利用者の決断で)

秘密保持原則(個人情報を保つ)

の7項目があります。

アメリカのケースワーカーだったフェリックス・バイスティックによって提唱された行動規範で、今でも介護支援の場面で活用されています。

高齢者のリハビリテーション

「しているADL」が「できるADL」よりも大切なことは、実際の介護現場でも感じることです。

その意味では、チームケアが無ければ、介護リハビリの効果も果たせないでしょう。

効果を発揮する関係機関の役割についても確認しておきました。

地域リハビリテーションを叶える重要な役割をになっています。

例えば、家族、友人や同僚、ボランティア、などのインフォーマルな人々の他、行政や企業を含めたフォーマルな機関にも着目しなければいけません。

これらの人々が様々な形で関わり合うことで、高齢者のリハビリテーションが実現します。

相談業務を行う機関は、高齢者が社会的に受ける広い意味でのリハビリテーションの担い手です。

具体的には福祉事務所で、社会福祉全般の相談を担う行政機関です。

都道府県、特別区を含んだ市に、設置義務があります。

一方で、町村に関しては「設置可」となっています。

保健所については、地域保健法に基づき、地域の保健と公衆衛生の拠点として活躍します。

都道府県、指定都市、中核市、その他政令で定める市、特別区に設置されます。

さらには、各市町村にも研修や指導などを行います。

地域包括支援センターは、2005年の制度改正で創設された総合相談とケアマネジメントを行う機関です。

すべての市町村(概ね人口3万人に対し設置)の生活域にあります。

その役割は、第一号介護予防支援事業、総合相談支援、権利擁護、ケアマネジメント支援と幅広く担っています。

社会福祉士、主任ケアマネ、保健師がチームアプローチを行うことで、これらの幅広い業務が可能になります。

そして、地域住民が介護相談を地域包括支援センターに依頼すると、必要に応じて要介護認定の実施に話が進み、その後は担当ケアマネを決定しなければいけません。

その担当ケアマネが在籍しているのが、居宅介護支援事業所です。

地域包括支援センターが行政機関であるのに対し、居宅介護支援事業所は民間機関ということもポイントでしょう。





第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート8 〜障がい者の生活〜

 障がいのある人の気持ち

障がいを持つ人には、3つの要因があります。

それが、障がい関連、個人的要因、環境的要因になります。

つまり、障がい者に心理を理解するには、これらの3つが複合的に関わり合うことが踏まえることが不可欠です。

障がいある人には、QOLの向上を目指した援助が必要です。

QOLとは何かの部分で、内的側面と環境的側面に分類されるとし、内的側面には自己実現や将来における安心感、社会的な孤立などを指し、社会的側面には住居や収入、余暇、交友関係などが含まれます。

試験センターによる試験範囲にも、この「QOL(生活の質)」の考え方が項目になっています。

障がい者、高齢者支援での課題とは?

事故や病気、加齢などを起因とした支援面での「課題」として、「課題」の受容が挙げられます。

ドイツの心理学者、ゴールドシュタインによれば、残存機能を最大限に活かす取り組みを見出し、「自己実現」と命名しました。

思考のポイントとして、「課題」を誤魔化すのではなく、一度、受け入れる(受容する)ことからスタートし、できることを増やして行くことになります。

これはICFの根底にある思考とも共通するもので、残存機能を活かすために、個人的要因や環境、経験などを組み合わせていこうとする考え方とも同じです。

もう少し掘り下げると、課題が起こる原因にも着目します。

冒頭では事故や病気、加齢と表現しましたが、自己の起こることばかりではなく、例えば近親者との別れなども生き甲斐を失うことにつながります。

このことを「対象喪失」と言いますが、他にも住み慣れた地域、自分自身のプライドや誇りなども、その人らしさを構成する要素になり得ます。

つまり、障がいを受容するということは、これまでになかった価値観を再構築するとも言え、実際に「価値転換理論」では見方や視野を拡大することで新しい生き甲斐に繋げる模索も行われます。

受容の段階とは?

障がいの受容には、一定の段階があり、それを「段階説」と呼びます。

通常、ショック期、否認期、混乱期、解決への努力期、受容期と続きます。

時系列に進むものとは限りません。

個人差によって展開までの時間や、逆戻りが起こるからです。


第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート7 〜高齢者の生活〜

「高齢者の生活の理解」 を駆け足で確認

「介護の基本」で出題されるポイントの1つが、高齢者の生活を理解することです。

そこで、身体面での変化を確認すると、感覚(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚)が鈍化します。

聴覚では高い音や小さな音が聞こえにくくなっていきます。

言い換えれば、介護する時には、意識的に低く大きな声を利用者に話し掛けることが必要でしょう。

知能に於いては、R.B.キャッテル(イギリスの心理学者)が示した結晶性知能は低下しにくく、流動性知能は低下しやすいこともポイントです。

記憶については、いくつかの分類があります。

記憶されている時間では、一瞬だけの「感覚記憶」、数分程度の「短期記憶」、長く記憶される「長期記憶」です。

また、長期記憶の中には、一般的な知識に当たる「意味記憶」や手順などの「手続き記憶」、未来の予定等の「展望記憶」は比較的忘れ難いとされています。




高齢者のパーソナリティ

ドイツの心理学者「E.H.エリクソン」は、生涯にわたるパーソナリティを8段階に区部し、「アイデンティティ」の概念を提唱した。

他にも、R.J.ハヴィガーストは、それぞれの発達段階に対応した課題を取り入れ、高齢者における課題を掲げています。


第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート6 〜ICFをおさらいする?〜

 ICFとは何か?

介護保険制度が導入され、介護支援が契約による「介護サービス」として位置付けられました。

当然ですが、利用者となる支援を必要としている人が主体者であり、介護施設や介護士はその手助けをする要員です。

そして、利用者が主体になるのは当然としても、自身にとってどのようなサービスが必要になるのかは、適切なアドバイスがあると便利でしょう。

流れとして、「公的なサービスを受けることってできないのだろうか?」と漠然的に考えた人は、まず、お住まいの地域にある市役所などを訪れて、介護保険制度の手続きを紹介してもらいましょう。

介護保険制度を利用するには、「要介護認定」の申込が必要です。

要介護認定とは、サービス利用者自身の様子やお住まいの生活環境を確認し、その状況に応じた「ランク」を介護認定審議会で判断します。

この「ランク」が示すものは、介護保険制度で定められた公的なサービスを受けられる量でもあります。

というのも、認定調査で決まったランクは、要支援1、2、要介護1〜5までの7段階に振り分けられ、要支援の場合には地域包括センターで、要介護の場合には居宅介護支援事業所で、今後利用するサービスの計画書(ケアプラン)を立てます。

では、どんな風に計画を立てればいいのでしょうか。

歩きにくそうな高齢者が現れ、その人のケアプランを作るとしても、名前や年齢は確認しておきたいでしょう。

それ以外では、不便に感じていることや、その時にどのような状況で行なっているのかも気になります。

また、必要となる頻度や時間帯も確認しておきたいはずです。

そして、聞き取りだけでなく、利用希望者からは直接的に訴えがない場合でも、介護支援として必要になるサービスがあるかもしれません。

このように、利用者から感じ取り必要な介護サービスと結び付ける行程を「アセスメント」と呼びます。

施設で働く介護スタッフから、「最近は〇〇するのが大変そうだ」という情報もアセスメントとして活かせます。

そして、集まったアセスメントを体系的に分類し、1つのシートとしてまとめたものがICFで、

別名「国際生活機能分類」と言います。

利用者に関する情報を、ワンシーンに落とし込むことで、利用者はもちろん、アセスメントした時担当者もまた気づかなかった本当に求められるサービスを導き手助けとして活用するのです。

ICFをもう少し掘り下げると

ICFには、事前に定められている6つのファクターがあります。

健康状態、心身機能、活動、参加、個人因子、環境因子を視点とし、それぞれの生活や自身の特徴を分類していきます。

健康状態に含まれるのは、脳梗塞や白内障などの病歴、腰痛などの身体的な困りごとが集められます。

心身機能に含まれるのは、身体の動きに関する、例えば歩行の状態や視力聴力などの数値や感覚、精神状態などです。

活動に含まれるのは、日ごろ生活習慣が入ります。

家事の様子やご近所付き合い、入浴やトイレの使用状況など、活動に関する記載をまとめています。

参加に含まれるのは、社会活動や外出の行き先ys頻度、趣味の集まりなどをまとめます。

個人因子に含まれるのは、性別や年齢、性格や経歴などを扱います。

環境因子に含まれるのは、生活している場所の様子や手すりのある無しなどもポイントになります。

また、家族の情報も記載されます。

このように、多岐にわたる項目に分類してみることで、利用者が抱えている困難の本質を分析するのが、ICF導入の大きな理由でしょう。


第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート5 〜ノーマライゼーションとは?〜

 ノーマライゼーションって何?

加齢や障がいが起因となって、これまでの生活スタイルを継続させられないことが社会的にも

問題となっています。

特に初期段階に於いては、その生活の全てでサポートが必要ではなく、一部または見守りが行われることでも継続できる場合も少なくありません。

そのような状況で、人が社会に対して支援を求めることができれば、さらに自分らしい暮らしを続けることができます。

そこで、「ノーマライゼーション」というデンマークで生まれた考え方で、ニルス エリック バンクミケルセンによって考え出されたもので、日本国内の介護支援の面でも取り入れられ、社会的な弱者となっても、社会中で他の人同様に生活し、活動できることが理想とされるようになりました。

ここからは、こみち自身の見解ですが、老いることや障がいを背負うことで、社会との関わり方に「変化を見出すべきか?」を考えました。

介護施設には、老いた高齢者だけではなく、障がい者として暮らして来た人が65歳を迎えて介護保険制度の適応を受けることに伴い、入所されるケースもあります。

事実、知的障がいや身体障がいを持つ人が、脳梗塞等で半身のマヒを発症した人と、施設ないで生活されています。

確かに、我々介護士の支援を必要としていますが、それ以外の部分では多くの人と同じように自身の望む暮らしを希望しているのです。

1%の問題で、残り99%までも犠牲にするべきではないように、社会的に支援を受けられれば今まで同様に暮らせるなら、それを継続することも個々に認められるべきという考え方が「ノーマライゼーション」なのでしょう。

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート4 〜福祉8法って?〜

福祉8法とは?

介護系医療系の勉強をすると、「福祉〇法」と言うワードが出てきます。

そこで、完璧ではないものの、まぁまぁ分かっているレベルにしましょう。

実は、福祉8法の前に、福祉3法と福祉6法もあることを知っているでしょうか。

福祉8法もですが、福祉3法、福祉6法も戦後に登場した法律です。

そして、登場したのは、福祉3法→福祉6法→福祉8法の順番だったりします。

ここからは裏付けのないストーリーとして読み進めてください。

戦後と言うと、敗戦した日本はどこでも混沌した状況です。

時には身体に負傷している人もいたでしょう。

また、親と逸れた子どももいたかもしれません。

さらに、仕事を無くし生活に困窮していたということも考えられます。

そこで、福祉3法には、身体障害者福祉法、児童福祉法、生活保護法が創設されました。

いずれも昭和22年から25年の話で、終戦が昭和20年ということを考えると、戦後の混乱期に求められたと想像できます。

では、福祉6法ではどうなったのかというと、実は福祉3法の法律はそのままで、新たに3法が追加されました。

そしてこの追加された3法とは、知的障害者福祉法、老人福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法なのです。

福祉3法の一つ、身体障害者福祉法ですが、いわゆる「外見上の」という意味。

しかし、例えば脳の障がいによって支援を必要としている場合には適用されません。

だからこそ、知的障害者福祉法が必要だったのです。

同様に、戦後の混乱状態では福祉3法が必要だったとしても、加齢によって支援を求める高齢者向けの法律、高齢者福祉法が求められたのでしょう。

そして、子どもの支援としては児童福祉法が担うとしても、両親の離婚などで生活苦になった子どもにも救済の手が届くべきです。

それが、母子及び父子並びに寡婦福祉法となります。

順序立てて確認すると、時代背景に合わせて法律が登場していると気づきます。

最後に福祉8法なのですが、何故か生活保護法が外されて、新たに3法追加されることになります。

その3法が、老人保健法、社会福祉法、社会福祉・医療事業団法です。

老人福祉法と老人保健法と名前がとても似ていますが、老人福祉法が老人の福祉に関する原理を示した法律だったことに対し、老人保健法は新たな老人の医療制度を定めた法律となります。

また、老人保健法になっても、かさむ医療費を賄いきれず、高齢者の医療の確保に考える法律へと変化しています。

社会福祉法が、社会福祉制度の基本を扱い、生活保護法や児童福祉法、老人福祉法などの役割を定めます。

社会福祉・医療事業団法では、社会福祉事業施設並びに病院などの施設に必要な資金の融通を行うなど、社会福祉の増進を対象としています。

いずれにしても、福祉に関わる法律を時代やその時々の情勢に合わせて設立された法律を3法、6法、8法とまとめたものだと分かります。

ざっくりですが、これで「福祉8法とは?」と聞かれたら、どのような法律を指しているのかも答えられるでしょう。

第34回介護福祉士国家試験対策 「介護の基本」を勉強する パート3

実務者研修「介護の基本I・ II」ではどう解説しているか?

 「介護サービス」

ケアプランの作成を行うケアマネですが、それらの根底には「介護保険制度」があります。

算定基準なども含めて、ケアプランの役割を理解しましょう。

「介護実践における連携」

介護サービスは、様々な視点から総合的に行われます。

そこで、介護職だけでなく、多職種が一丸となって行うことが大切です。

医師や看護師などの医療アプローチの他、病院、介護施設、行政、保健所なども加わることで、利用者を中心としたケアが可能となります。

「介護従事者の倫理」

「介護における安全の確保とリスクマネジメント」

インシデント(ヒヤリハット等)の発生からPDCAサイクル過程が求められます。

安全性の確立を目指し、立案、実践、評価、改善を巡り、リスク回避へと繋げます。

コロナ禍もあるので、感染対策に関する知識が問われるかもしれません。

細菌とウイルスの違いや、感染経路の確認、防止策も理解します。

「介護従事者の安全」

健康管理、感染予防、ストレス、腰痛なども問題視されるので、理解を深めておくと安心です。

これらは、「介護の基本」に含まれる10個の後半5つになります。

特に貢献した学者もいますので、メジャーな人から記憶してもいいでしょうか