「生活支援技術」の分野で学ぶべきことを掘り下げましょう!
まず確認するべきポイントは、我々が行なっている「生活」に関すること。
というのも、「生活」とか「ライフスタイル」とか、さらに言えば「生き方」まで広げれば、個人の好みや価値観、現時点での経済事情や生活環境など、挙げればキリがないくらい個々の生活は千差万別です。
生活支援
このカテゴリーでは、「生活」とは何かを考えることから始まります。
先にも触れましたが、理想的な暮らしがあったとしても、そのような生活をすべての人が望んでいるとは限りません。
どのような食事を誰とどこで行うのかさえ、人によって考え方が異なりますし、それこそプロの料理人に作ってもらう食事を望む人もいれば、家族や親しみ人と家で済ませる人、または多忙なスケジュールで短時間で済ませてしまいたい人もいます。
どれが一番正しいではなく、介護の仕事としては「ニーズ」を知り、どう応えていくのかが支援のポイントです。
ただし、利用者の生命や健康を害する恐れがある場合には、必ずしも利用者の意向に沿えないこともあるでしょう。
一方で、試験の出題範囲には、ICF (国際生活機能分類)の理解を求めていて、その視点に立った介助を行う必要があります。
ICFとは何か?
初めて実務者研修でICFに触れた時、その意味する内容を理解するまで時間が掛かりました。
これが正解というつもりはありませんが、こみちなりの解釈を紹介するとしたら、「困難に直面した利用者をどう支援できるのか?」を考える「マップ」となるでしょう。
そして、ICFをより理解するためには、ICIDHがあったことを知っておく必要があります。
このICIDH(国際障害分類)は、1980年に世界保健機構(WHO)にて採択された困難に直面した利用者の支援方法を考える方法で、「困難」になっている原因を克服する支援方法です。
つまり、右手が動かないなら、その手をどうすれば動くようにできるのかと問題にして、対応策を練っていきます。
そのような考え方に問題点があるとするなら、例えば加齢による機能の低下に対して、困難の克服を目的に過度なトレーニングが効果的なのかと言えることでしょう。
実際、施設で利用者に接していると、中高年になった我々以上に体力面や機能面で配慮が必要だと気づきます。
つまり、「我々ができるから」という発想で考えると、時に利用者は望んでいない試練を無理にかされてしまうでしょう。
そこで、2001年の改訂により、ICFへと考え方が改められました。
大きな改訂のポイントは、「今できることや出来そうなこと」から困難に対応しようとする考え方です。
つまり、望んでもいないことを利用者に無理矢理に押し付けたりせず、できるだけ現状を活かしつつ解決に繋げようとしていることでしょう。
その意味で、ICFには6つのテーマが作られ、その一つずつをベースに先ずは書き出してみることから始め、出来そうなことに気づける情報を整理します。
では6つのテーマとはなんでしょうか。
健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子の6テーマです。
試験問題としてもこの6つの名称や役割と問われることもあるので、名称以外にもどのような項目が入るのかも覚えておくといいでしょう。
ざっと紹介するなら…
健康状態
簡単に言えば、既往歴のようなものが該当します。これまでの病歴などをまとめことで、どんな健康状態にあるのか分かりやすくなるでしょう。
心身機能・身体構造
健康状態に似ていますが、ここには肉体的または精神的なトラブルや懸念、考慮されるべき情報を集めます。
具体的には、視野や聴覚などの違和感などもここに含まれます。
活動
ここには、今している生活上の習慣やできることを記載します。
具体的には、トイレに一人で行って用を足すことができるというような内容が記されます。
参加
ここには、今している仕事や趣味、社会参加に関わること、またこれから始められそうなことを集めます。
よくサンプルである、「自治会長などの活動」も「参加」に入ります。
環境因子
環境因子には、物理的側面、人的側面、社会的側面などがあります。
具体的には、車イスの使用など物理的側面になり、近くに子どもたちが住んでいるなどが人的側面、そしてサービスや制度を利用している場合には社会的側面として記載されます。
個人因子
年齢や性別、生活感や価値観など、その人の様子を表す情報が入ります。
このように、ICFに落とし込むことで、利用者の状況をより詳しく把握できると共に、例えば多職種で情報共有する場合にも効率的です。
その上で、支援方法へと議論が深まります。
ボディメカニクスの原則
生活支援を行ううえで、介護士がマスターしておく技術に「ボディメカニクス」があります。
このボディメカニクスの効用は、利用者の負担軽減と安全性、さらに介助を行う介護士のケガ防止でもあります。
ではどのような原則なのでしょうか。
ボディメカニクスの7原則
支持基底面を広く重心位置を下げる重心移動のスムーズさ重心位置の接近テコの原理を活用利用者の身体をコンパクトに大きな筋群を使う
の7項目です。
実際にとても介助時に有効な原則で、また試験でも再三出題されています。
介護現場での介助のベースとなる原則でもあり、介護士によく起こる「腰痛」予防にも一役買うでしょう。