未経験者ほど知っておきたいポイントとは?
未経験に限らず、施設見学に訪れた訪問客に対して、親しげに話し掛けた介護士が、必ずしも仕事ができるとは限りません。
また、周囲の介護士からすれば、訪問客相手に時間を割くことができないこともあって、ゆっくりと話して居られるのは特別な事情でもないと難しかったりします。
つまり、未経験者はこれから勤めることになるかも知れない職場で、仕事ができる人ではなく、どちらかというと仕事が割り当てられない立場の人から施設そのものの印象を感じとってしまうかも知れないにです。
施設側にすれば人手不足もあって、どのような理由でも入職してくれたら嬉しいでしょう。
しかし、これから介護士として経験を重ね、スキルを身につけたいと思っているなら、最初が肝心なのです。
つまり、本当に仕事ができる「介護士」が働いている施設に身を置くことができれば、すぐではなくても何らかのチャンスで、「使える技術」が身につきます。
一方で、あるレベルに到達していない介護士から学べば、どこかの時点で「壁」を突破する意識が持てないと、いつまでも「介護の仕事」が浅いものになってしまいます。
そこで、職場経験が無くても、ココを見れば介護士のスキルが分かるポイントを紹介します。
それはズバリ、「配慮がある」かどうか。
利用者や同僚でも構いません。
誰かに対して話している姿を見た時に、「この人は気づかいができているなぁ」と思えれば先ずは合格です。
その際に、どこか「自分」が出てしまう人は、真面目な一面もありますが、相手に合わせて作業しなければいけない介護士という仕事では少し経験不足もあるでしょう。
つまり、一見してスムーズで、簡単そうにこなしているように見えたなら、それは列記とした技術と言え、もどかしい雰囲気がある人は勉強中の立場です。
すべての人がエキスパートでなくても、その人の周りで働くスタッフが、不慣れさもありながら相手の様子を伺う雰囲気があれば、勤める職場としては好条件です。
良い職場とは?
多分、とても明るい雰囲気でしょう。
ゲラゲラ笑っているということではなく、スタッフも利用者も笑顔で楽しそうなはずです。
それは介護士として一定レベル以上に到達しているから成せることで、未熟な支援では作業もままなりません。
つまりドタバタした雰囲気があり、笑顔だったとしてもそれはどこか嘘っぽく見えるでしょう。
「私が行きますよ!」
そんな感じで、すべてのスタッフが流動的に仕事を回せれば、仕事は確実に処理できますし、空いた時間でしっかり利用者に寄り添うこともできるからです。
というのも、作業ができる人でなければ、「寄り添い」もできません。
「寄り添い」を利用者の相手をすることを思う人もいるかもしれませんが、実際には到達したい目的があって、そのために支援があって、寄り添いもあります。
つまり、支援ができない人では寄り添いもできないことになります。
そこで、一定の作業を覚えた中級者が、その次に「寄り添い」に対して考えるのであって、作業もままならない初心者が寄り添いだけはできるなど、普通は考え難いことだからです。
仕事ができる介護士
あえて介護未経験者向けに、仕事ができる介護士を説明するとしたら、それは単純にケアプランを理解して、そこに示された目標に到達できるように利用者の意向や家族の希望を反映させるために働ける人と言えます。
そこで、例えば「歌が上手い」ということと「仕事ができる介護士」を重ねるとすれば、「歌が上手いとは何か?」から考える必要があります。
ある意味、アレンジを加えて個性を発揮するという方法もありますが、その前に重要なのは音源となる「音程」を聴き分けるスキルが不可欠です。
その上で、自身の声質や聴いた音に合わせて発声することが求められるのであって、何事も段階的にマスターしなければいけません。
介護士でも、いきなり「寄り添い」だけをマスターしようと思っても、いきなりトイレに行きたいと言い出すこともあれば、熱っぽくて気分が悪いと訴えられるかも知れません。
その度に別の介護士に担当を代わってもらうというのは、現場の現状を考えると最初から別の人が担当しても良いと言われるでしょう。
つまり、傾聴ボランティアとして活動するなら、とてもありがたいことなのですが、介護士としてはもう少しフォローもできたら嬉しいです。
無意識に歌った結果、100点満点を取れたとしても、それだけで「歌が上手い」とは判断できません。
大切なのは、その曲を理解した上で、目的を目指して望む結果を得ることだからです。
そのためには、介護士にとってケアプランが意味あるものでなければなりません。
何を支援するば良いのかさえ不明瞭な計画では動きようがないからです。
その意味では、ケアマネのスキルが伴わないと介護現場はとてもチグハグです。
それはある意味で当然の結果で、だからこそケアマネによって現場で働く介護士のやりがいも大きく変化します。
そんな中で、勝手な支援をしても、決して仕事ができるとは言えないように、その場の処理が上手くても、本来なら価値はありません。
つまり、「寄り添い」の目的が理解されないままで、利用者が笑顔になったから寄り添うのが上手いとは判断できないのです。
さまざまな支援をマスターし、支援の意味や目的に目を向けるようになって、初めて「寄り添い」方に工夫が必要なことを知るからです。
もしも、不穏な状態が続く利用者が、いつからか自然な笑顔で落ち着いた暮らしが送れるようになり、それを見た家族も満足しているような状態になれば、介護士としての関わる方が評価されたと言えるでしょう。
つまり、その場限りの支援は、それほど重要ではありませんし、継続的に支援をするのはとても大変です。
その意味では、週一勤務では補えない部分ですし、常勤としていろんな時間帯で働いてみなければ、分からないこともあります。
一部しか知らない状況では、そもそも「仕事ができる」のかも判断できないほど、介護士の評価は簡単ではありません。
それでもなお、「配慮」や「思いやり」を感じる人は、介護士としても評価されるでしょう。