「一対一」から「一対無限」に!?

 レジ打ちのスペシャリスト

例えば、レジ打ちが他の人よりも速いエキスパートがいて、通常の半分の時間で終えられたとしましょう。

つまり、一般的な人が10人の接客をしている間に、20人分できてしまいます。

そしてそんなエキスパートな人の給料を査定する時に、どれだけの価値を認めることができるでしょうか。

例えば一般的な時間給を1000円としたら、2倍できるので2000円という考えもできます。

でもレジ打ちだけが速いなら、他の業務も含めて、1500円くらいが妥当と判断することもできます。

もしくは、処理速度は2倍ですが、貢献度は3倍だと判断して、3000円の時間給に設定することもできます。

そして、仮にいくらの時間給になったとしても、5年後、10年後、そのエキスパートの能力はさらに高く評価されるのか、到達されてしまうのかも考えてみると、個人的にはレジ打ち業務という作業そのものが、スキャナーで読み込み、精算まで一括してできるようになると思うのです。

レジ打ちのスペシャリストが生き残るには?

精算まで一括してできるシステムを導入するにしても、その設備投資は安くありません。

段々と増えて行く流れですが、しばらくはその能力は貴重です。

しかし、今後ずっと活躍するには、そのままのスキルでは厳しいので、視点の見直しが求められます。

例えば、レジ打ちのスペシャリストが、プログラム言語を習得し、システム開発のメンバーに加わったらどうでしょうか。

数ある商品をいかに効率的に読み込むことができのか、またサービスとしての質を維持できるのかを経験として活かせれば、その早打ち技術は新たな価値を生み出します。

また、新人教育のエキスパートになり、人材育成事業に進むということもあるでしょう。

ない袖は振れませんが、仮に時代によって変化して行くものであっても、そこには順番があるので、しっかりと生き残る道を探せば役立てるはずです。

一対一から一対無限

ある人の仕事が、接客業だったとしましょう。

扱う価格を問わず、接客中は多くの場合に一対一です。

つまり、ある人が1時間接客して、その対価は相手の一人分になります。

売上の3割が利益だとして、売上が1000円なら300円、10万円で3万円稼いだということです。

しかし、一対一の原則は変えられないので、レジ打ち業務のように速くするとしても限界があります。

そこで、接客業を一対一から一対無限に変えるのです。

方法は大きく二つあって、その一つがネット業務のようにシステム化することです。

もう一つが、販売員を取りまとめる立場になることです。

つまり、管理者やオーナーのような立場になって、個々の販売員の売上から自身の売上を築き方法です。

本当に大切な知識とは?

少し運動したいなぁと思った時に、近所をランニングするというのも、人によっては恥ずかしいことだったりします。

じゃあ、スポーツジムに行くかと思っても、家から準備して出掛けるのは面倒です。

一方で、コンビニに行くくらいの気楽さで、利用できるスポーツジムがあれば便利でしょう。

しかも24時間いつでも使えるなら。

一方で、経営者として考えるのは、スポーツジムで5分でもしっかりと動けば、かなり汗だくです。

運動を終えて、そのまま帰るのも気持ちいいものではありません、

かといって、シャワー室を設置するためには、上下水道やボイラーなどの設備、必然的に鍵の掛かるロッカーや更衣室が必要です。

運動器具を置くエリア以外に、それらの設備が必要になると、やはり従来からあるスポーツジム同様のコストを見込まなければいけません。

その部分を常識として考えると、そのコストを賄うサービスに思考は移ります。

運動メニューの充実や専門知識を持ったスタッフの配置や育成。

考えるほど、コストが膨らみます。

では、「汗をかいてもシャワーは自宅でしてもらう!」と決めたらどうでしょうか。

女性客がふらっと来店して、一人で深夜に黙々と運動することってできるでしょうか。

まだ一人きりなら不安はありませんが、逆に男性客しかいない方が気になってしまうと思います。

ジムの広さにもよりますが、単純に24時間いつでも使えると言っても、専任スタッフがいないのは不安ですし、経験者からすると24時間ずっとスタッフを配置するのは人材不足を考えても避けたいでしょう。

何が言いたいのかというと、「完璧主義」になるとコストはかさみます。

利益が出なくなってしまいます。

これはレジ打ち業務とか接客業にも言えたことですが、「セオリー」のままでは厳しいのです。

だから、何を変えると価値が変わるのかを考えて、本気で運動したい客よりも、運動した気分になりたい客向けにサービスを展開しようと事業計画を立てるのです。

また、本格的なスポーツジムへの誘導としての展開も加えて、より運動効果を上げたい客には優先的にサービス提供するという方法もあるでしょう。

そして、そもそも地方自治体によっては、一回数百円程度の低価格でスポーツ器具などを自由に使える施設を設置していたりします。

それこそ、施設内に自販機で飲み物も買えるし、気軽に運動したい人にはおすすめの施設です。

つまり、同じようなサービスはあって、でもそれを知らなかったり、時間や曜日で使い難いと思う人がいて、そこに向けたサービスがヒットすれば、ビジネスとして成功します。

でも完璧ではありません。

だからこそ、売り方や宣伝の仕方が重要になります。

一対一ではなく、一対無限になる展開なのです。