家族でしたクリスマスパーティーですが…って話。

 妻の休みがイブだったので

12月23日の仕事を終えた妻ですが、いろいろあってとても疲れていました。

帰宅後も彼女なりの予定が残っていて、いつものように忙しいみたいです。

そんな23日の夜だったので、こみちが先に寝たのですが、深夜に目を覚ました時もまだパソコンを開いて何か作業しているようでした。

その後、3時から4時に目を覚まして、キッチンへと降りるのですが、流石に妻も寝ていたので安心しました。

いつもの朝食作りを終えて、再び自室に戻ったのが6時頃。

もちろん妻は寝ています。

それからこみちは起こさないようにしながら、文章を書き、絵を描き、妻が目覚めるのを待つことにしました。

結局、起きたのは8時頃で、目覚めて時計で時間を確認して「ハァ〜」とため息を漏らします。

最近はあえてそんな時にも「どうしたの?」とは聞かず、そっとしておきようになりました。

親と同居する熟年夫婦のクリスマスイブって…

夫婦だけでも、温泉旅行に行けたとは思えません。

でも、妻のために何か手料理を作るとか、外食に行った可能性はあります。

そんなこみち夫婦ですが、妻の休みにしかできない用事もあって、賑やかな街に出たものの、仕事に使うものや支払いなどをするためにいろんな所に立ち寄りました。

加えて、24日の夕飯に家族でのクリスマスパーティーをするのも何となく決まっていました。

こみち夫婦がクリスマスケーキを予約し、それを準備することになっていたのですが、予定を済ませて帰る時になって「お寿司は?」と妻が聞きます。

「親たちで用意するよ」と伝えると、「お母さんでしょう?」と妻がいい、「こっちで買って行こうよ」と提案してきました。

結局、母親にそれを電話で伝えると「甘えちゃおうかな」と喜んでいます。

「嬉しいだった」とだけ報告したのですが、その時にちょっと嫌な予感はしていました。

そもそもなぜ妻が寿司を買うと言ったのでしょう。

理由は簡単で、体裁を整えるだけの寿司を買って来る母親を見抜いていたからです。

近くの鮮魚店に行くと、そこには同じ目的で多くの客が集まっています。

こみちたちも寿司売り場に向かい、松竹梅と値段の違う寿司を見つけて価格を確認しました。

「この辺ならいいよね?」

妻が最初に指差したのは、一人前1800円の寿司です。

つまり、4人なら7200円。

「いいよ。もっと安いので」

ここでみなさんにはお伝えします。

「甘えちゃおうかな」と言った母親は、「買って来てもらう」ではなく「奢ってもらう」つもりです。

こみちがケチなのかもしれません。

でも、出掛ける時もテレビの前で居眠りしている父親は相変わらずです。

そんな中で疲れた妻が外出し、しかもどうでもいいクリスマスパーティーの準備に付き合ってくれています。

こみちがもっと安い物を探していると、妻が袖口を掴み、「私が出すよ!」と購入を促します。

「親たちはお金を出さないよ」

「安いの買って美味しくない方が嫌だ!」

妻の言いたいこともわかります。

以前、すし飯もはっきりしない、海鮮も乗っていないちらし寿司を母親が買って来て、妻が落ち込んだことがありました。

「自分で買って来たかった」と。

それ以外にもピザなども買って帰ったのですが、午後5時過ぎになって母親も帰宅し、問題が起こります。

「お父さんが食べたいみたい」

やっと帰宅して妻も残していた自身の予定を再開した所で、母親からの連絡にこみちも驚きました。

「まだ6時にもなっていないよ?」

「ううん。食べているの」

「ハア?」

妻に事情を話ました。

妻が奮発してくれた寿司を見て、我慢できなくなったのでしょう。

みんなが揃うのも待たずに、一人で食べ始めてしまったのです。

正確には母親がそんな父親の行動を制することもしないで、寿司以外にも与えていたのです。

「お父さんは…」

口ではそう言いながら、母親にとっては今でも一家の大黒柱の父親。

妻にもお礼を言わずに、当たり前のように食べている父親にもう呆れることもありません。

結局、半分以上食べている父親に合わせて、一応の乾杯をして、残り3人も何となく寿司やピザ、チキンなどを食べたのです。

「混んでた?」

「大変だったでしょう?」

そんな質問はするのに、「ありがとう」とも言わず、当たり前のように食べている両親に情けなくなってしまいます。

「ボーナスが出るといいよね?」

めざとく値段を確認しているはずの母親なのに、一度もお金を出すとは言いませんでした。

隣の父親もおかしくて、「食べていいんだぞ!」とこみちに勧めます。

「要らないよ!」

こみちだけが怒っていました。

いつもこんな感じです。

お金だけでなく、時間も苦労もして、詰まらないクリスマスパーティーでした。

妻に「寿司代を出すよ!」と伝えると、「後片付けして欲しい」と言われて、妻は自室に戻り、こみちが残って洗い物をすることになりました。

もちろん満足した父親は、テレビの前です。

ある意味、妻の漢気で本当に親孝行していると思います。

でも寿司を買うことにする前、本当は妻にピアスを買ってあげる予定でした。

その予定を変更して、鮮魚店に行ったという裏話もあります。

今日、妻は仕事なので、密かにそのピアスを買ってプレゼントしようと思っているのは妻には内緒です。