「エンターテイメント」が注目される訳
「エンターテイメント」は、誰もが楽しめる娯楽を指す言葉。
テレビでも「エンターテイメント」というお笑い番組がありますよね。
しかし昨今の規制強化もあって、テレビ番組は「万能性」を尊重する一方で、「娯楽性」は薄まったように感じます。
そんなテレビ番組の変化に伴い、YouTube では「〇〇してみた」のようなリメイク的な動画が増え、既に実績あるコンテンツの良いところだけを再構築する流れが主流になってきました。
例えば、ボクシングやプロレス、今の時代ならライジンなども格闘技として幅広く浸透しています。
一方で、「ブレイクダウン」という格闘家で人気YouTuber でもある朝倉未来選手が立ち上げたコンテンツは、それまでの格闘技なら必須とされた「強さ」だけでなく、「エンターテイメント」としての魅力を余すことなく加えています。
そうすることで、参加選手の裾野も広がり、個性豊かなキャラクターが登場しました。
今の時代、「「格闘技」とは何か?」と考えた時に、従来の強さだけで興行として多くのファンから支持されるだろうかと想像すると、そこにはアメリカで開催される世界最大の格闘技団体「UFC」のように、負傷した選手のケアに至るまでしっかりケアできる体制まで含めた方針が理想なのは言うまでもありません。
そのためには、「エンターテイメント」としても裾野を広げるためには選手も並外れた「魅力」を備えた選手たちでなければいけないのです。
一方で、そんな「UFC」を目指した格闘技団体は世界にいくつもあって、例えば国内の「ライジン」も目標としているはずです。
しかし、コロナ禍もあって、参加する選手をどう集めるかも問題で、どうしても「UFC」のように豊富な選手層から厳選されたマッチメイクを組むことができない実状もあるでしょう。
なぜなら、従来、テレビなどで観ていた格闘技の試合は、マイクタイソンのような一般人が真似できない選手で、圧倒的なスピードやパワーで視聴者を魅力しました。
そんなダイナミックさを盛り込むのは容易ではありません。
実際には人並み外れたパワーだとしても、テレビなどで感じるには、どうしても見劣り感が出てしまいます。
そこで、より圧倒的なパワーを目指すのが不可能だとするなら、「エンターテイメント」として何が必要かを再考することが必要になってきました。
つまり、人気コンテンツ「ブレイクダウン」を観ると、そこに登場する選手たちは必ずしもプロとは限りません。
しかし、コンテンツとして「試合」だけを見どころとするのではなく、選手の様子や普段の様子など、さまざまな仕掛けを盛り込み、「エンターテイメント」化されています。
「コンビニ店の商品を全部買ったら?」というコンテンツ
例えば、中高年の方なら、「コンビニ店の商品を全部買う」という発想はあるでしょうか。
その金額が気になるものの、300万円とか500万円という総額を聞いて、これからの人生に役立つとは限りません。
しかし「エンターテイメント」としては重要で、「コンビニ店の商品を全部買ったらいくらだと思う?」と誰かに話題として振れます。
何より、天気のような話題と同じで、予備知識や誰かを傷つける要素は皆無で、どんな世代の人とでも話せる内容です。
「何か目的が無いといけない」という感覚を無意識に探してしまいますが、逆に「エンターテイメント」ではそんな要素を必須とはしていません。
むしろ、消費される話題だとしても、その瞬間に楽しめることがポイントです。
今、何かと大変な時期で、みんなが笑える時間を持ちにくいと言えます。
「自分には無理だなぁ」とため息をつくより、「アハハ」と単純に笑顔になれるコンテンツが必要です。
「エンターテイメント」が求められるのは、今の時代を反映しているとも言えるでしょう。