自分のことは自分ではよく分からない!?
長所や短所を再確認することから仕事探しを始めるケースが一般的でしょう。
また、こみちのように好きなことを仕事にできないか模索することもあります。
しかし、本来なら長所であることに自身では気づいていないこともあり、また不得手なことを長所と勘違いして努力しているケースも無いとは言えません。
イメージとして、何に関しても「壁」というものが存在し、前に進むためにはその「壁」をどう乗り越えるかが避けられない課題となります。
例えば、「歌手」になりたい人がいて、だからボイトレを始めたとしましょう。
それ自体は悪いことでもありませんし、無駄なことでも無いはずです。
しかし、それだけを続けて本当に「歌手」になれる人は、周囲から多くの援助を受けられた限られた人です。
私たちが歌を聴いた時に「上手いなぁ」という感想を持つこともありますが、BGMとして気分を変えたい時などに歌を耳にするので、「声質」や「曲のイメージ」、さらには歌い手の人柄なども重要視されます。
つまり、単に歌が好きということだけでは越えられない「壁」を突破しなければ、歌手として活躍することはできません。
歌手になりたい人がボイトレを始めたとしても、それだけで歌手になれないことは想像できます。
そこで大切なのが、「壁」に気づかせてくれて、さらに越え方を教えてくれる「コーディネーター」の存在です。
職業としてばかりではなく、個人の性格や資質、さらに希望を把握し、目標設定から日々の過ごし方まで、ガイドを示してくれる存在がいれば、例えば「歌手」という夢も個人で試行錯誤するよりも遥かに実現できる可能が高まります。
ポイントは、努力しても実現できそうに無い時の理解です。
例えば、イラストのプロになるよりも、歌手という職業の方が難易度が高いはずです。
その理由は、努力によってカバーできる部分と、必須とされる条件が異なるからで、どんなに練習しても突破できない壁があるのは「歌手」の方だからです。
ここでは掘り下げませんが、ではイラストレーターなら練習次第でなれるのかというと、広い意味での「プロ」にはなれますが、生活できるくらい安定した収入を得て、イラスト一本で生きられるのかは、やはり「歌手」に似た「壁」があるでしょう。
ここで大切なのは、どんな職業にも「壁」があって、最初に大きな壁がある職業と、誰もがある程度できる職業があって、必ずしも大きな壁がある方が難しいとも限らないことです。
例えば「医師」になりたい人は、「医学部合格」が必須条件です。
学力もそうですが、学費を捻出する資金繰りも欠かせません。
個人で医師を目指す場合に、かなり大きな壁があることを想像できるでしょう。
しかし実際には、両親からの援助を受けて、塾や予備校を活用し、さらに学費面でも支援を受けられば、先に示した「壁」も多くが解決します。
逆に介護士などの職業は、年齢や性別を問わずに希望すれば採用される可能性が高いのですが、実際に働いてみるとすぐに簡単な仕事ではないと気付かされます。
事実、初出勤や数日の勤務で退職されるケースも多く、半年間続けることがなかなか大きな壁だったりします。
介護士は医師ほど大きな壁が最初からある訳ではありませんが、進むに連れて分かってくる壁に戸惑うのです。
その意味では、介護士もいきなり始めるより、初任者研修などを受講し、介護士の仕事を事前に理解しておけば直面する壁を克服できる可能性が高まります。
つまり、コーディネーターのようなガイドを「研修」を受けることで補えます。
ここで重要なのは、仕事探しもある程度の期間を過ぎたら、自分だけで解決しようとしないで、例えばハローワークのようなガイド役を積極的に活用することです。
職業訓練を紹介してくれるかもしれませんし、自身が探していない業界を教えてくれるかもしれません。
何よりきっかけを得ることで、目の前にある「壁」を克服できたら、それは大きな一歩となるでしょう。