「 介護士」の二面性
介護士が難しい職業である理由は、評価が二方面から受けることでしょう。
その一つが、事務職のような生真面目さが求められる部分。
「なぜなのか?」と疑問を持つことではなく、「決まったことをやり通す」ことが重視されます。
一見して、その手順が非効率だったり、効果に疑問があるような場合でも、「指示された通り」を守り抜くことを求められます。
もう一つは真逆で、「なぜなのか?」を感じて試行錯誤する想像力です。
この前の会議で、施設長の面白い発言を受けて、思わずこみちが質問をぶつけました。
「不躾ですが、施設長は承諾されているというお立場ですよね!?」
なぜ、そんな話を聞いたのかというと、それこそ単純に経営者でもある施設長の意向が全てだからです。
極端な話、我々従業員は賛同できなければ、辞職するしかありません。
その前に相談や打診はするとしても、最終的に決断するのは経営者だからです。
にも関わらず、会議での施設長は従業員に丸投げするかのような話だったのです。
もちろん、正解がある話ではありません。
ただ、経営者としての役割を考えるなら、「丸投げする」ことの意味を理解するべきでしょう。
特にコロナ禍で介護施設も経営が難しい局面ですから、考え抜いた一手を打たなければ、後々に足元を掬われてしまいます。
ホストや営業マンとの共通点
テレビで観た話ですが、例えば「ホスト」や「ホステス」といっても、郊外の飲食店で働く場合はもちろんですが、銀座や六本木、渋谷の街でも求められる「キャラ」は異なるそうです。
それはつまり、「人が楽しい」と感じるポイントが異なるからで、インテリが政治や経済のような話題を好むのだとすれば、おしゃれな人は流行無しでは話になりません。
車一つとっても、「移動手段」と考える人から、歴代名車を何時間も熱く語る人がいるでしょう。
一方で、フェラーリやポルシェといった高級車を好む人でも、その車の生い立ちなどには興味がなく、価格や乗りやすさと言ったライトユーザーが好みかもしれません。
それこそ、何が正解というものはなく、どれだけその好みに合わせていけるかがホストやホステスの腕でしょう。
営業マンにも2パターンいて、兎に角商品知識に詳しいタイプと、熱意や行動力で信頼を得るタイプに分かれます。
特にインターネットの普及を考えれば、商品知識は一般人でも豊富な人がたくさんいます。
もしもその分野で勝負するなら、さらに新しい、又は深い情報がないと有利に話を進められません。
また、熱意や行動力は、インターネットの時代でも無くなるものではなく、むしろ無理難題でもどうにかしてやり遂げることができれば、それはプロの仕事です。
結局のところ、ホストや営業マン、介護士も正解と言えるスタイルなど存在しません。
店や会社、施設が自分にあっているかがポイントです。
その意味では、面接官と会った印象は重要で、仲良くなれそうな人なら要検討ですが、何となく馬が合わない雰囲気を感じたら即決しないで持ち帰りにしてもいいでしょう。
コロナ禍の中で
ただ残念ながら今はコロナ禍で、働き方もかなり制限される時代。
その中で稼ぐとするなら、オーソドックスに考えるよりも、成功例を真似てできるだけ短期間で結果を出すこともポイントです。
今、自由に動かせる資金があって、それで勝負できるなら別ですが、先ずは今の生活費をどうにかしなければいけないなら、少し回り道でも「オーソドックスな手法」を外すべきではありません。
例えば中高年と呼ばれる年代になって、初めて介護士として働く場合、目の前の仕事を覚えるのが先決です。
しかし、介護士として未来を考えるなら、少なくとも介護士ではなく看護師と同等の医療知識えお持たないと、職場では意見や発言も通りません。
なぜなら、その意見や発言に根拠がないからです。
つまり、本気で介護士として介護業界で登り詰めるなら、まずは3年後に介護福祉士、さらに看護師の資格まで狙うか、経理関係の資格を目指して税理士を狙うくらいでないと難しいでしょう。
そうなってくると、中高年からでも採用されやすい介護士ですが、やはり奥に進むには困難も控えているのです。
結論になっていないかもしれませんが、最終的には自身が望む仕事を選び、そこで苦労を重ねて成長するのが理想です。
しかし、そこまで行く期間を考えると、例えば介護士として働けば報酬を得られます。
そして、経験も身につけられます。
数%しかないような夢を追うよりも、100%の勝算が得られる方法を取るのが仕事選びの基本でしょう。