正社員に価値はあるのか?

就活中にこそ考えて欲しいこと


こみちは、NHKの「72時間」という番組を好んで観ています。

30分の放送時間ながら、取材先で丸3日(番組名の72時間の由来でもある)スタッフが張り込み人々にインタビューを行う番組です。

ある回の放送では、地方の娯楽施設が取材先に選ばれ、そこに訪れる年代も性別もバラバラの客にカメラとマイクを向けて話を聞きます。

その中で、ある若者が大学を中途大学したと教えてくれました。

そして、「正社員になってまで「人生を犠牲」にしたくないと」も…。

番組を観ていたこみちにすれば、まだ若い青年には多くの可能性が残されていると感じます。

一方で、学生時代まで「自由を満喫したこと」で、社会人になることや正社員になることの意義を見出せない気持ちも分かる気がします。

さらに、「大学で何を学んだのですか?」と問われて、たとえ満足に答えられなかったとしても、そこに不思議はないでしょう。

なぜなら、そこに「大学進学」にこそ価値があるからです。

もしも、中学生の頃に明確な人生設計が立てられている人がいたら、そのまま進み続ければ良いとこみちなら思います。

しかし、挫折もあれば、進路変更もあるので、人はいつの時でも迷うのです。

その意味では、大学進学で学べることを完全に理解している人よりも、決められない人生だからこそ「進学」を選んだということも有効な選択肢です。

さらにいえば、正社員という立場のデメリットを連想する人もいれば、正社員にしか味わえない醍醐味を想像し、目標に掲げる人もいます。

つまり、「正社員=自分を犠牲にする」も間違いとは言えない答えですが、正社員になって叶うこともたくさんあるでしょう。

特に中高年になった人は、できることなら労働条件に優れた正社員でと思う人の割合が増えるように感じます。

パートやアルバイトという立場で得られるメリットよりも、仕事をしたいからこそ感じるデメリットが多く感じるからです。

とは言え、正社員になりたくないという若者を否定する気持ちにはなれません。

それだけ、働くことの面白さを我々中高年が伝えていなかったのだと思います。

実際、中高年と呼ばれる年代になると、定年までの年数も多くはありません。

正社員になり、会社に属しながら何か成長させてもらうには残された年数が少ないようにも思えます。

一方で、正社員となり、現場を仕切り、成果をあげることができる喜びも忘れた訳ではありません。

時間給で労働の質を測ろうとすると、正社員で感じられた「充実感」は計測の範囲外となってしまうことも多いでしょう。

辛いこと、面倒なこと。

何かとマイナス面を先に見てしまいがちですが、実はその年代だからこそ得られる価値には計ることのできない大きな魅力があります。

そして、インタビュー中に気になった言葉が「現場維持」。

間違いなく年齢を重ねるごとで、個人としての可能性は失われます。

それは若者だって、いつかは中高年になってしまうからです。

実は、「現場維持」を満たすには、かなりの成長を伴ってこそなのです。

20代の若者すべてが得られる健康や集中力は、中高年になると半分くらいになるでしょう。

感覚的に言えば、その日にできたことが2日も3日も掛かる計算です。

つまり、経験にカウントされない働き方を若い頃にしてしまうと、中高年を迎えた時に苦労となって自分自身に戻ってきます。

アルバイトやパートという選択肢を選ぶには、それを続けるに値するだけの物を見つける覚悟も必要です。

例えば介護現場でも


若い介護士の中には、福祉系の大学で4年間学び卒業した人もいます。

すでに介護福祉士を持っていたり、社会福祉士の受験要件を満たす人もいるほどです。

介護未経験から転職した中高年が同じことをしようとすれば、大学や養成校の学費やその期間中の生活費、さらには卒業後の就活など、幾つものハードルを想定して行動に移すことになります。

つまり、例えば介護現場が好きだとしても、活躍の幅を広げるためには努力や可能性を無駄にするべきではなく、若いうちに手に入れたスキルは中高年になった自身を助けてくれます。

「ケアマネになっても…」

大卒の若者に聞けば、多く場合にケアマネの苦労を語り始めます。

確かにケアマネは苦労を伴う面もあるでしょう。

しかし、その立場になってみないと分からないことの方が多いのも事実です。

先輩から大変だと教えられたとしても、当の本人はその環境が心地良かったりするかもしれません。

ある意味で、巷に溢れた「情報」が自分自身の選択に影響を与え、可能性を失わせてしまってしまうことがあります。

その点では、中高年がこれから介護を選ぶことも同じことが言えるかも知れません。

「介護の仕事は大変だ!」

まだ実際に何も知らない段階で、選択肢から除外していませんか?

少なくとも介護の仕事はさまざまで、利用者の生活支援を行う介護士以外にも、相談業務を担うケースワーカーなどもあります。

また、利用者の自宅と施設を行き来するバスの運転手も介護現場を支える大切な存在です。

中高年の方に介護の仕事を勧める理由


現場経験を3年以上重ねたら介護福祉士になって、介護を通じて仕事を作り出せる存在に繋げて欲しいのです。

今後も高齢者にとって介護は不可欠です。

介護福祉士を得ることで、幅広く介護現場で活躍できることでしょう。

さらに、他職種との連携を使えば、もっと幅広い支援が可能です。

ところが、介護現場の経験も知識もなければ、せっかくのアイデアも活かされないままになってしまいます。

その意味でも、介護保険制度に従った「介護福祉士」になることに大きな価値があるのです。

いつも言いますが、介護の仕事以外でも自分を活かせる場所があるなら、その道を迷うことなく進めばいいでしょう。

きっと介護以外に進んでも、同じような壁に出会い経験を経て、新しいことへ挑戦するはずです。

賛同してくれる人が背中を押してくれたり、考え方の不一致から問題の改善に取り組んだりとさまざまな発展が起こります。

役割を持って働くこと(それが正社員だとすれば)で、得られる幸せもあるのです。

これからの可能性を広げる手段としても、介護の仕事で中高年の活躍を後押ししたいと思います。