いつものように
今朝も5時ごろにキッチンに立ち、家族の朝食や弁当を作ります。
廊下の電気がついて、誰かが起きて来たと気づきました。
ちらっと見れば父親だったので、トイレに入ったんだと理解しました。
しばらくは料理のことを意識していて、ふと「どうしたかな?」と思ってトイレの方に視線を配りました。
トイレを出た廊下の壁に両手をついたまま動かない父親が見えました。
そっと近づき、その後ろ姿を見たのですが、小さな震えもあって、今にも腰から崩れそうです。
その時には父親の腰辺りに腕を伸ばし、転倒時に頭部をぶつけないようにと支えるポジションに入りました。
「大丈夫? ゆっくりでいいよ」
「嗚呼…」
返事を聞き、意識はしっかりしていたので、突発的な脳のトラブルではないと思いました。
ただそれでも立っているのが大変そうで、動きたくてもスッとは動けない感じです。
足もほとんど上がらなくなっていて、最近は摺り足で歩くレベルです。
「体が痛いの?」
「左足に力が入らない」
元々加齢が原因で膝関節を傷めていて、またここのところ寝てばかりで筋力も激しく低下しているので、余計に歩行力が下がっています。
糖尿病の影響もあってか、寝たきりでもないのに褥瘡が腰にできていて、再三話して来た運動や食生活の見直しをしなかった結果が出ているようです。
とりあえずは転倒もなく自室まで行けたのですが、朝になって母親に事情を説明しましたが、説明を試みましたが何をしなければいけないのかを理解できません。
実際、確かに体の大きく重い男性を女性が支えるのは簡単ではありません。
転倒を完全に防ぐことは難しく、でも頭部を壁や床にぶつけない予防策は試みられるでしょう。
一方で、夜間は別々に寝ている両親なので、場合によってはトイレに間に合わないこともあるでしょう。
羞恥心もあるし、まだ大丈夫と言う気持ちも強いので、いきなりオムツや尿取りパットと言うのも難しく、自分からつけたいと言えば別ですが、数回くらいは失敗してから「どうかな?」で使用を検討したいと考えています。
実は昨夜も家族はそれぞれが自室に戻って、父親だけがリビングでテレビを観ていました。
こみちも部屋に戻っていたのですが、たまたまイヤホンもつけていなくて、一階から聞こえた物音に気づきました。
ちょうど妻が下にいたタイミングで、様子を見るつもりで階段を降りて行くと、「大丈夫ですか?」と言う妻の声がしてリビングに急ぎました。
するとこそに四つん這いの父親がいて、起きあがろうとしてその姿勢から動けなかったみたいです。
とりあえず声掛けして近くにあるイスに腰掛けてもらい、「どうしたの?」と話し掛けましたが、父親の表情を見ていると老けたなぁと思いました。
それも事なく済んだのですが、気になったのは部屋にいた母親が全く気づいていないこと。
老々介護なら、父親はそこから動かずに数時間そのままと言うことにもなりかねません。
こんなことがあると一人での入浴も難しいそうなら、デイサービスの方で入浴させてもらうことももう検討する時期です。
身動きできない様子を見て現実を理解した一方で、やはり老いる両親に寂しさも感じます。
今まで使わないと拒んでいた杖を今朝は使い始めて、それだけ転倒する危険性を父親自身も感じているのでしょう。