家族としてできること
家族が在宅介護をするのは限界があります。
つまり、できるだけ管轄の福祉課や地域包括支援センターなど公共機関と繋がることで、公的なサービスや支援が受けられます。
実際、デイサービスに行かない父親を担当ケアマネが訪問し、様子を見てくれることになりました。
日々の在宅介護は、高齢化すればどこの家でも家族の問題になります。
例えば、トイレが一人で行けなくなる段階になると、施設のような広さがない住宅のトイレでは車イスから便座までの移動も容易ではありません。
手すりを使えば、壁伝いに移動することもできますが、活動量の低下がさらに進めば、その方法もいずれは使えなくなります。
何より転倒で頭をぶつけるとまた別の問題が発生しますし、移乗などで家族の腰を傷めることもあります。
老々介護のような場合、歩行力の低下が確認できた段階から、トイレの使用が難しくなる段階をターニングポイントと考えて、それこそ管轄の福祉課への相談や介護認定申請などを経て、ケアマネに担当してもらうことです。
初めて福祉課に相談する場合、窓口の担当者が「介護」のエキスパートとは限りません。
もちろん事務手続きには熟知された方だと思いますが、家族に介護が必要だと説明しても「みなさん、それぞれで頑張っていますよ」という対応だって無くはありません。
「確かに今はトイレも使えている」と思うと、まだ申請や相談は必要ないのかもと相談を諦めてしまうかもしれません。
しかし、介護申請をして明日に来てくれるようなものでは無くて、何ヶ月も待たされることも珍しくありません。
ということは、トイレに間に合わずお漏らししてしまったということが起きたとしても、何らかの対策が講じられるのは数ヶ月後ということもあります。
つまり、それまでは家族で対応するしかなくなり、尿取りパットなどを使うなど、試行錯誤が始まります。
しかも全く介護に触れていなければ、何から始めていいのかも分かりませんし、公的なサービスにも気づかないでしょう。
店舗の介護売り場で相談しても、やはりその方が専門家とは限りません。
それがまた頼れない不安さにも繋がります。
そこで早めに公的な専門家と繋がっておくことが大切で、実際に相談をしてケアマネが決まって、デイサービスに数回休んだことで、様子見に来てくれることになりました。
親身に相談に乗って、段々と老いていくことに父親も母親も専門家から聞かされることで、分かることも多いはずです。
オムツ交換も手順は難しくありません。
しかし、やはり臭いは部屋に定着してしまうので、独特な悪臭が部屋に入ると鼻につきます。
できないかというとできないことはありませんが、一気に難易度が上がるので、やはりトイレに行けない段階を機会に介護方針は転換期だと思います。
その辺りの認識が専門家間で同じではないとしても、ケアマネがいれば両親にも説明してもらえるので、やはり家族としても助かります。
今、リビングを見に行ったら、いつもは敷きっぱなしの布団も移動されて、父親もテレビの前で寝転んでいませんでした。
どことなく部屋を片付けてあって、ぱっと見、きちんと暮らしているような雰囲気に見てもらおうとしているのでしょう。
キッチン用のゴミ箱まで移動させていて驚きました。
そこまでして、父親も母親も他人から「良い人」に思われたいタイプなんです。
いつも場当たり的な取り繕いをしていますが、そんなことも事前にケアマネには伝えあって、「見たままを信じないでください」と告げてあるんです。
そうでないとそこにケアマネが気づけないければ「まだ大丈夫」と思われてしまうので。
頑張るところが違うんですよね。
散歩するとか習慣化して、歩行力が大切なんだと理解していればいいだけですが、それをしないで見た目ばかりを気にする。
問題を隠蔽して、結局は家族の負担を増やしてしまうので、両親だけでできる時はどうぞご自由に構わないのですが、出来なくなって来たら介護する家族のためにも習慣を直して欲しいのです。
でもこれまで全くしてくれないから、家族は深いため息なんです。
そんなこともあって、両親を「ナルシスト」と思ってしまう理由なんですが。