約束ができない!
今日も夕飯を作るためにキッチンへ向かいました。
キッチン前に来て、「今日はアレを作って、コレも作って」と少ないレパートリーながら飽きないように考えています。
昨晩が冷やし中華だったので、今日はトンカツ。
しかも厚切り肉ではなく、スライス肉を重ねて使うことで高齢者でも食べやすい工夫もしています。
ところがキッチン前に立って、「ハ?」なのです。
先ず、シンクには桶が置かれて、朝から放置されていた食器が水に浸かったままなのです。
そのままになりそうな予感もあって、コレに関しては覚悟もしていました。
そして、冷蔵庫を開けてまたため息。
解凍してある豚肉の場所が移動されて、冷凍庫に戻されています。
代わりに母親が買って来たベーコンのパックが置いてありました。
母親の心理としては、「料理」と言う発想はもうありません。
夕方になれば自動的に作られてテーブルに置いてある物認識されているのです。
なので、「どんな材料を使う」という考えも飛んでしまい、「コレ、邪魔!」と思えば解凍中の肉も別の場所に移動してしまいます。
皆さんはそんなことが起こったら、感情的になって怒ってしまわないでしょうか?
でも認知機能の低下がもたらす影響は、怒っても直すことができません。
もう数年同じことを繰り返していますが、同居後に両親がルールとして覚えたことは一つもないのです。
「コレ、お願いね!」
そんな約束も、その日か翌日まではまだ記憶に残っていることもありますが、その次になると完全にリセットされてしまいます。
「冷蔵庫の食材はいじらないでね!」
理由も説明していますが、そもそも「言われた」と言う記憶から抜けてしまうので、結局はその瞬間に自分が想像したことで決断します。
つまり、「アレとコレを買って来てね!」。
メモまで渡しても、その夕方に買って来るのは、冷蔵庫にまだ残っている食材たちです。
糖尿病の父親は、マンジャロを使っていましたが、母親に監督しないとダメだよと言ってましたが、母親は「自分にことは自分でするもの」と言う考えが根底にあって、監督する意味を理解できませんでした。
結果的に、一人でしていた父親は、服用方法を間違えてしまい、担当医に相談したところ、薬を替えられてしまいました。
マンジャロをやめて、それまで順調に体重も落ちていたのですが、今は食欲旺盛で甘いものも好んで食べます。
父親に頼まれて母親もコーラやジュースを冷蔵庫に並べて、父親が糖尿病で家族としてどうするべきか理解しているのか心配になります。
ただ、無理やり制限することが介護的なケアではないので、リスクを踏まえて行なっているならまわりで否定するのも違います。
しかし、糖尿病は合併症があり、腎臓疾患になれば「塩分、水分の制限」も加わるので、当事者はさらに苦労します。
そんな話もして来ましたが、先に触れた通り、何も守ってくれません。
実際に何か大きなことが起こって、その時に悩むのが両親の生き方です。
こみちが料理を作りはじめたのも、栄養管理とは言えませんが、出来合いのおかずばかりでは糖尿病に悪影響も考えられるので、できることはしたいと言う家族の意向を汲んでのものでした。
ですが、そもそもとして先のことを見据えて両親は生きていないので、料理を作る話も単純に楽をしたいと言うもので、でも全面的に主婦であることを失いたくないので今でも勝手にいろんなものを買ったり、冷蔵庫を整理してみたりをやめられないのでしょう。
整理しても、それに何の理由があるのかが分からないもので、いきなり似た食材をまとめてみたり、2つに分けてみたり。
結局は整理ではなく、イジりたいだけのようです。
だから「勝手にイジらないで!」と頼むのですが、先にも紹介したように、「自分らしさ」を死守するためにも、他人からの頼みごとを守る気持ちがないようです。
でも、放置されたら何もできないから厄介です。
できないのに、プライドだけは主張してしまう時期なので、本人たちはフォローされているとも思っていないのがとても家族としては苦しい気持ちになるのです。