ある人の行動
ふとぼんやり、人の行動を眺めていると、前と後ろを行ったり来たりして見える。
「ちょっと聞いてよ!」
そんな時に聞かされる話の多くは、結論が欲しいのではなく、話すことでストレス発散したいだけだったりする。
前に行って、また戻って。
ストレス発散という目的でそう話しているならいいのだけれど、そうではない時でもふとよく観察すると似たような行動になってしまう。
以前、母親の買い物の特徴を紹介したけれど、ほうれん草を食べないのに、小松菜と交互に買い続けている。
こみちは、味噌汁の具に入れると食べられない人が出てしまうから、多くは胡麻和えにして食卓に並べる。
でも、みんな食べない。
だからこみちがどこかのタイミングで一気に食べてしまう。
この前は、味覇と塩コショウ、ニンニク、それにベーコンも一緒に炒めておいた。
父親も母親もそれは食べてくれた。
上手い作れば、また食べたいと思って買って来る。
食べられない人がいるから、ほうれん草の料理は家族の一品ではなく、個別の一品にしかならない。
何度説明しても、時には翌日に「ほうれん草」を買って来る。
ミニトマト、にんじん、ピーマン、きゅうり、しめじ。
昨日も今日も、明日も買って来る。
ピーマンが3袋。にんじんが10本。
野菜室にいつの間にか入れられていて、あれこれと料理に使って消費した。
「やっと無くなった!」
しかし母親の意識は「早く買って来ないと!」。
そして、次の日にはやっと消費した野菜たちが、また購入されている。
つまり、その繰り返し。
少しでも状況を確認する意識があったら、今の生活を変えることができる。
でも、両親の行動が改善されたことは1ミリもない。
言ってしまえば、両親も悪気があってのことではなく、単純に「記憶力の低下」が関係していて、「このタイミングって」と気づけるのは終わった後だ。
買い物で同じものを買わないようにしたいなら、「買うものをメモ」すれば解決する。
でも「メモをする」が習慣化できなくて、何となく買い物に行って、「何があったかなぁ?」と思い、何となく買って来て重複したいることにやっと気づく。
「このパターンではダメなんだ」
そう意識しないと、生活は何も変わらないのに、同じ失敗を何度も繰り返してしまう。
つまり、前と後ろだけを行き来しても上手く行かないので、横にも意識を向けること。
そして横の意識とは、買い物なら事前にメモするようなもので、いつもの行動とは違う意識をさす。
それができるだけで、上手く動き出していく。