一度やってできないことは
しっかりと準備した実感もあって、もうこれ以上は頑張れないという気持ちになって、でも結果的に「失敗」したのなら、進退は個人の気持ちで判断すればいいでしょう。
しかし、父親の場合、昨日の転倒はこれまでの生活習慣が大きく影響したもので、何度もそれでは不十分だと説明したことも聞き入れない結果です。
これがもしも母親と二人だけで暮らしていたなら、父親が簡単にできないと言ってしまうと、それは全て母親の役割になってしまいます。
家事もちょっと気ままにすることはできても、曜日を決めて担当することができない父親は、結局、やってくれたらラッキーで、していなかったら代わりに誰かがするしかないという関係です。
「もう行かない!」
そう言う父親は、表でまた転んで、近所の人に見られたりすることが恥ずかしいのかも知れません。
しかし、それを恥ずかしがって家に篭ってしまうと、脚力はどんどん落ちて、それこそ今以上に表を歩くことができなくなるはずです。
しかも介護の経験から判断すると、足が悪くなるとトイレが難しくなり、やがて家族の負担からオムツをつけるようになります。
こうなって来ると、在宅での介護が一気に難易度を上げるので、これまでの生活スタイルが一変します。
つまり、歩くということは高齢者にとってもとても大切です。
転んでしまうなら、デイサービスなどを利用し、誰かが見守ってくれる環境下でできるだけ歩くことを続ける方がいいでしょう。
それを恥ずかしがって家にいると、一年後では今と同じような歩行力には戻りません。
できることしかしないということではやはり不十分で、苦手なことも無理しない程度には挑戦することが大切です。