地域包括支援センターに期待すること

 地域包括支援センターとは?

詳しいことは自分で確認してもらうとして、大まかには介護予防、権利擁護、総合的な相談が思いつきます。

自治体が主体となり、保健師、主任ケアマネ、社会福祉士がチームとなってそれらの問題に関わるのですが、高齢者福祉の要望はとても複雑です。

例えば、法的な争いを相談する「弁護士」の場合、彼らは相談者からの話を聞き、それを法的な根拠に置き換えて、さらには過去の事例と照らし、ある意味で「落とし所」を見極めて答えを伝えます。

なので、「あの人、嫌い!」と言われても、そこに法的な根拠がなければ、いわゆる傾聴しかできません。

一方で、地域包括支援センターが担おうとしてのは、弁護士のような法的根拠ではなく、もっと家庭内の疑問や悩みに踏み込んだ話です。

保健師は、看護師資格も持っていて、主任ケアマネは要介護認定された人に寄り添うケアマネを指導する立場、さらに社会福祉士は社会的な相談のプロというスタンスなので、知識だけでなく経験や情報、人脈なども問われます。

というのも、ある相談を受けて、「それは〇〇です」という答えを期待されているのではなく、どこにどんなサービスを提供する会社があって、その担当者が誰で、いつどんな手順で依頼すれば良いのかを情報として、知識として、人脈として知っていて、それを繋げることが求められます。

例えば、主任ケアマネという肩書きをもらうのに、介護施設や訪問介護の実務経験は問われません。

介護士として働き、介護福祉士となり、その後、ケアマネとなった人が主任ケアマネになる場合であれば、過去に施設勤務も経験していますが、看護師資格を持つ人も主任ケアマネになれます。

つまり、医療スタッフとして介護現場を目にしていても、介護職が担う日常的な介護を起こった経験があるとは限りません。

何が言いたいのかという、「経験がない」という部分ではなく、そもそも地域包括支援センターはとても大きな役割なので、そこに配属された人が全て網羅しているとは限らないことです。

段々と老いて行く両親との在宅介護

実は最近、地域包括支援センターの担当者が家を訪れ、父親の様子を確認してくれました。

テレビばかり観て暮らす父親を、週に1回でもいいので、デイケアのような作業療法士がいる施設に通わせたいと相談したからです。

訪問されたスタッフは、ぱっと見、20代後半か30代前半のとても若い人でした。

その方は、介護保険制度の話をして、デイケアの役割を父親に説明してくれます。

しかし、「知識」を求めているのではありません。

事前に電話で訪問日時を相談した時にも、依頼したい理由や大まかな状況を伝えていました。

なので、決定ではないにしても、どこにどんな施設があって、現状であればこんな感じで利用できるという話が聞きたかったのです。

しかも父親はいつも以上によく喋り、それを見て次回の更新時には介護認定は降りないかもしれないと言いました。

正直、「ん?」という気分で、次回は認定がされないということは、現状でも公的介護サービスを受けるほどではないという意味なのかと…。

「念の為、利用出来そうなサービスや施設を教えてくれませんか?」と伝え、それは後日に連絡してくれることになりました。

しかし、正直なところ、今回の訪問でその情報を聞きたかったですし、在宅介護を続ける難しさをくみ取ってくれていないようにも感じます。

直感的に「頼れない」と思いました。

ポイントは父親の会話のどこを見ているのかなのです。

冒頭でお伝えした弁護士が法的な根拠を探しているように、父親が話す内容を理解することが大切なのではなく、認知機能が衰えている両親とそれを支える家族の切迫した実情を見て欲しいのです。

父親は作話することが増えて、一見するととても明瞭に聞こえる話をします。

しかし、実際にはお願いした買い物を買って来ることができません。

まだお金を払うという認識はありますが、「2リットルサイズのペットボトル」と伝えても、500mlサイズを買って来てしまいます。

つまり、好きな物を買い物するのはできますが、家族として何か役立つお願いはできません。

それは母親にも言えて、昨日の朝、こみちがポテトサラダを作りました。

そして夕方に買い物して来た中に、同じサラダがあったのです。

「なんで朝食べたのに?」

そう思いますが、厳しくいいい過ぎると母親も買い物できなくなるので、重複してしまう時もある程度はスルーしています。

しかも、こみちがポテトサラダを作った理由は、じゃがいもがたくさん家にあるからで、少しでも消費させたいと思ったからです。

しかし、何が家にあるのかを理解できていないので、出来合いのポテトサラダを買って来てしまいます。

そんな状況が今後はさらに悪化する訳で、だからこそのデイケアだったりします。

でも「更新では降りないかもしれません」と先の不安な材料だけは口にしてしまう対応に、こみちが思うイメージとはかけ離れてしまいます。

この感じだと、両親二人を同時に在宅介護することにもなりかねません。

まだこみちが介護福祉士の有資格者で、ある程度の介護保険制度の理解がありますが、何も知らない人がそんな対応を受けたら、もう頼ることができなくなってしまうでしょう。