おばさんが入所中の介護施設からの連絡が来る!?

 父親の妹の様子

記憶が間違えていなければ、父親の妹が入所して一年と数ヶ月が経過しました。

段々と一人で暮らすのは大変だと聞き、妹の生活をどうするのか話し合ったのも昔のことです。

父親の妹なので、血縁関係から考えると父親が面倒を見るかどうかという選択が迫り、実質的には母親にその協力意思があるのかが課題でした。

結果的には、妹を引き取ることが難しく、代わりに介護施設を探してそこで暮らしてもらえるようにという方向で決まった訳です。

以前の記事を読んだ方であればご存知かも知れませんが、父親に対してこみちが不信感を持ったのもこの一件が大きく影響しています。

もちろん父親に対してだけではなく、母親にも言えるのですが、「引き取らなかった」ことを責めているのではなく、頼る人が父親しかいないという状況で一歩も行動しなかったことがとても残念だったからです。

確かに、足が悪いという事実もありましたし、年齢的にも思うようには行動できなかったと弁解する余地はいくらでも見つかります。

しかし、「在宅の介護」という問題はできないことを挙げれば責任がなくなるということではなく、できない中でどこまでできるのかを問われます。

行政の窓口に自分から行こうとしたこともなく、それは母親も同様なのですが、大変お世話になった地域包括支援センターの担当者に対しても、菓子折りを持って挨拶に出向いたのはこみちと妻の二人でした。

ことが全て済んだ後で、「大変だった」とは口にしますが、その時に「いずれは自分たちの番になるんだからね!」という話も何も勉強にはなっていません。

夕方、当たり前のように夕飯を作るこみちですが、父親は夜みたい洋画のために仮眠をし、母親は食事前にシャワーを浴びてと、つまりは自分の都合だけで行動しているのです。

しかも、今朝、用意した食事は一食分がそのまま残り、さらに両親が買って来た出来合いも中途半端に残っています。

かと言って、それらを捨てるということもしないので、どこかのタイミングでこみちや妻が捨てるのです。

本音を言えば、最小限の料理だけを作り、あとは自分たちでと思うのですが、父親は受け身の姿勢で、母親はストレスが溜まり認知度の低下も気になります。

「上手くやってね!」だけではもうことが進まない状況で、ある意味で父親の妹の暮らしと変わらなくなって来ました。

介護施設からの連絡

どうやら父親の妹が施設内で転倒し、その連絡だったようです。

「父親に様子を見に行くのか?」と聞きましたが、「…」で自室に戻ってしまいました。

母親は聞くまでもなく拒否反応を示し、人の好き嫌いは自由だけど、今のこの家での状況も同じことなのだとは理解していないようです。

嫌なこと、煩わしいことからは避けて、自由で楽な方に行きたいのは誰しもで、でもそれができないし、場合によっては家族などの負担になることも理解するものですが、今の両親にはとてもそれを理解する気力も気持ちもなさそうです。

「心配だなぁ」と心の中では思っているのかも知れませんが、父親の言動を見て、そんな風に感じたことがありません。

「オレだって大変なんだ!」

そんな自分のことばかりで、介護するしかないこみちや妻の気持ちも知って欲しいです。

今、用意した夕飯を食べるために両親が準備を始めました。

その食卓で妹のことが一瞬でも話題になればいいですが、何もなかったように当たり前に腹を満たし、テレビを眺めているのかと思うと、まともに考えていたらこみちの精神が悪化してしまいます。

弱い人間はこの世にたくさんいて、こみちも父親もそんな弱い人間の一人ですが、でも同じ弱い人間に労わる気持ちを感じなくなったら終わります。

本当にそれしかしてあげられないのか。

きっと違うと思うから、こみちは両親を介護しながら、どこか寂しい気持ちにもなってしまうのです。