「フェーズ」という考え方

 こんな経験はないだろうか?

「今さら、何を言っているの?」

つまり、この言葉を発した人には、状況が変わっているという認識があります。

腑に落ちないようなことを無理に押し付けられて、文句もあれば納得もできていない。

でも、頭や心の中で感情がぐるぐると巡り、時間だけが経過してしまう。

「先の話ですが…」

意を決して、納得できない思いを相手に伝える場面。

「何の話?」

つまりフェーズはもう完全に変わっています。

不条理な話なら、どんなに時間が経っていても、受け入れられるものではありません。

だからこそ、よくよく考えて、思いをぶつけようと決心したのでしょう。

しかしながら、相手を含めた状況が既に変わってしまっていると、「あのぉ〜」という話を切り出した人はちょっとだけ肩身の狭さを感じます。

何か今さらって雰囲気出してくる…

正しいことを言おうとしているだけなのに、タイミングが違うだけで何か悪いことでもしているように扱われてしまう。

そうなんです。

フェーズが変わるまでが一区切りで、それを跨いでしまうと状況も一変します。

無理難題を相手から頼まれた時に、黙ってその場を流してしまうと、それはフェーズの終わりを意味します。

つまり、どんな無理難題だとしても、それが「認められた」で終わったのです。

だから後になってどんなにそれが無理な話だと説明しても、印象としては「今さら」になってしまいます。

フェーズを終わらせないためには、「また冗談でしょ? できる訳ないでしょ。あははは」が必要です。

つまり、「無理難題が認められてはいない」でその場を終えるのです。

実際、後になって「先の件だけど」となった時に、「何の話でしたか?」と言える場合、無理難題は通らないまま終わったということ。

逆に「頼んだ件じゃないか?」と言われてしまうと、無理難題を断れていないかったということになります。

「そう言う話ですか。余裕があればもう一度聞きますね」と言えば、難題を受け取ってはいないけれど、放棄もしていないという「保留」になります。

そう言っておけば、「思っていた以上に手が回らなくて」とも言えますし、「もう一度、教えてくれませんか?」と無理難題に向き合うこともできます。

無理難題を無効化する

東京と北海道、二つの場所で同時に居ることは技術的にも不可能です。

それが無理難題。

でも、「どっちが優先ですか?」と判断できれば、解決の糸口が見つかります。

または、「もう一人誘いましょう」ということで、一人ではできない困難をチームとして解決できるかもしれません。

つまり、予算を立てるとか、人数を集めるとか、見えない結論見える方に整えるとか、無理難題を解決できる形にはめ込むのです。

そうすることで、無理難題なことも解決できるかもしれません。