親との同居のために「高齢者」を理解する話

 「高齢者」とは何か?

介護保険制度上、「高齢者」は65歳以上の方々となっている。

しかし、「65歳」でいきなり高齢者になってしまう訳ではない。

20歳過ぎると歳を重ねる中で、「去年よりも…」と心や体の変化を感じるタイミングがある。

中年と言われる40歳以降、「徹夜」がとても大きな負担になる。

つまり、工場や介護施設などで夜勤があると、日勤の時よりも疲労感が残ってしまう。

同じ労働時間だとしても、疲れ方が変わってしまう。

例えば、家族旅行を企画した時、格安チケットが早朝や夜間帯に離発着するような場合、「安さ」と「疲労感」の比較が若い頃とは違って来る。

少しコストが掛かっても、全部を回らなくても、そんな風に一気にやり退ける気力が減ってしまう。

潜在的な集中力やスタミナが低下するからで、日常生活の家事など、毎日繰り返されることほど、簡単に済ませるようにしておかないと、疲労感が強い毎日になってしまう。

若い頃であれば、洗濯機で洗って、ベランダで干すという動作が苦もなくできたのに、その途中で小さな休憩を作らないと一気にやり退けることが負担になるのだ。

高齢者の住まいで、部屋を見渡すと「もの」がたくさん見えている。

クローゼットのような見えない収納もあるけれど、「見えるところ」ものを置きたくなってしまう。

そうなる理由はシンプルで、記憶力の低下と片付ける手間を減らしたいからだ。

こみち家でも、父親や母親の部屋はもの凄くものがある。

父親がほとんどの時間を過ごすリビングまわりも、リモコンから新聞、お菓子やメガネが片付けられることもなく出しっぱなしのままだ。

以前は「片付ければ?」とも言ったけれど、結局、片付けると言っても、こっちにあるものをあっちに置くだけで、整理整頓したり、要らないものを捨てるような行動はしない。

「もったいない」という気持ちが強く、それはものを大切にしたいという気持ちの他、判断することがとてもスタミナを使う行為なので、結論を先送りしたがる所が多い。

親の介護で注意するべきポイント

高齢者の特徴を紹介してきた。

つまり、高齢者にあたる両親をこれから介護するとなったら、子どもの立場で何を注意するべきか。

それは「判断」を要することを早目に決定しまうということだ。

ここで言う「判断」を要するとは、経済的、住まい、生き方、の3つで、老いてしまってから修正するのは大変になるので、介護が始まる前のまだ両親が現役の時に、子どもとして関わり方を確認しておこう。

例えば、経済的な部分で、年金との兼ね合いで、両親の年金だけで二人が生活できるのか、医療費や介護費が増加することも踏まえて確認しておきたい。

加入している保険や老後の就労など、加齢が進めば一般的な労働は難しくなるので、その辺りの収益をどう補っていけるのかも後になって慌てないためだろう。