「介護福祉士」になった後の未来計画を立てる話

 「介護福祉士」になって

若い人の中には、福祉系の学校で経験を重ねて「介護福祉士」になる方もいるでしょう。

しかし、中高年の多くは介護施設などで実際に3年以上勤務して受験資格を満たし、「介護福祉士」の有資格者になるパターンではないでしょうか。

こみちの場合、最初に実務者研修という福祉系の学校に通って認定資格をいただきました。

そこを卒業した後、介護施設に勤務して国家試験に合格し有資格者になっています。

例えば、30代、40代、50代の方で、何か健康不安を感じるような出来事に遭遇した場合、若い頃とは異なる人生観になることがあります。

昨日、今日の次に「明日」ということが当たり前ではないと気づくからです。

こみちのように幸いにして大きな病いになっていない方の中には、まだまだ無理をしても健康でいられると思われる方もいるでしょう。

しかし、例えば介護施設を利用される高齢者との関わりは、自身にもいつか訪れる未来を教えてくれます。

老けることは「これまで欲張ったね」ということ。

だから「悔い」だけは残さない生き方をしなければいけないことを気付かされます。

あと20年とか30年とか。

若い人が考える将来とはまた異なり、中高年の我々は「今世」で「何をしたかったのか?」を考えるタイミングを迎えています。

もちろん絶対に考える必要があるということではありませんが、介護施設でお世話させてももらうと、それぞれの方に人生があって、ここに来るまでもいろんなことがあったはずで、彼らが同じ「おじさん」「おばあさん」ではありません。

つまり、個々には全く異なる人生ですが、時の流れによって迎えることになるステージには共通点もあって、我々中高年が自身の人生を振り返るタイミングだとするなら、彼らはもう少し先を進んでいます。

施設内で「お迎え」が来る方もいれば、家庭の事情で別の施設へと移られる方もいたりして、実際にこみちの担当ではなかった利用者の方が、わざわざ挨拶に来て「今までお世話なりました。これからもお元気で」と握手させていただいたことは強く印象に残る出来事です。

「ケアマネ」だけが選択肢ではない?

介護スタッフとして勤務してみると、施設を利用される高齢者と実際に対面し、お世話が始まります。

その方の性格や健康状態、何より「どう生きたいのか?」を踏まえて作られる「ケアプラン」は、我々スタッフにとって彼らとの接し方を決める手引きです。

そんな計画書を作成するのがケアマネで、現行の規定では介護福祉士取得後5年以上の経験を経て受験できます。

現時点で介護業界未経験の方であれば、最短でもケアマネになるまで8年掛かり、最初からケアマネを最終的な仕事と考えにはなかなか先の長い話かも知れません。

こみちの場合も、3年で取得できる介護福祉士と、それから5年が必要になるケアマネでは、目指す意欲に差がありました。

時は前後しますが、初めて介護の仕事を知る機会になった実務者研修を受講していた時に、講師を勤めていた方々は偶然にもみんな元ケアマネで、そこから施設運営側に回ったり、保育士、理美容士、看護士などへと進まれたり、様々な経緯を経て「講師」をなられています。

ケアマネとして勤務されなかった理由は様々だと思いますが、例えば在宅で通いながら施設を利用される高齢者のケアプランを一人のケアマネが担当するのは最大で35名で、毎日、一人の利用者宅を回っても1ヶ月では回り切れないことになります。

それだけ体力も気も使う仕事だということが想像できるでしょう。

さらに、施設内でケアマネとして働く場合は、100名まで担当でき、しかもこみちが勤務していた時のケアマネはケアマネ業務の他に、介護スタッフとしても現場に立ち、夜勤までされています。

通常業務の他、スタッフ間のトラブルなどにも関わることがある施設ケアマネもまた、体力も気力も求められる仕事でしょう。

介護業界では人材を求めている?

未経験の方も、介護福祉士の方も介護業界では人材を求めています。

それだけ利用される方が増えて、今いるスタッフだけでは大変だからです。

年齢や経験不問で仕事を始められることが多く、中高年の方にとって仕事探しで検討して欲しい業界でもあります。

また、単に仕事探しという視点ではなく、自身の未来を考えるためにも介護スタッフとして働くことが意義あるものになると思うからです。