「10年前の自分」を見つけた話

 約10年前の動画を見つけて

まだ介護士という仕事にさえ興味がなかった頃の動画に、休日に庭先でゴルフスイングをしているこみちが映っていました。

季節は冬で、ダウンを着たまま、ちゃんとカメラに映っているのか気にしながら、得意げになってゴルフスイングを撮影しています。

当時、先輩の勧めもあって始めたゴルフで、ルールやらグッツやら、何もかもがゴルフに結びつけとくなるほど、面白くて仕方がなった頃です。

運動そのものは、人並みに楽しむくらいで、でも学生時代に視力が低下し、瞬時にボールが見えなくなって、野球とかサッカー、バレーボールなどは思うように楽しめなくなりました。

動画を観た印象は、「下手」です。

当時は先輩のアドバイスに応えたくもあって、できるようになった自分を見せたくて、きっと動画を撮影しようと思ったのでしょう。

もしかすると、この動画に映る自分の姿に「まんざらでもない」と思っていたのかもしれません。

でも10年の時を経て観た印象は、「全然、できていない」という感じです。

あの頃以来、ゴルフ熱も冷めていき、転職を機に介護施設で働くようになったりして、当時よりもゴルフの知識が増えた訳ではありません。

でも、「タメ」を作るためにしていたはずの捻転が、かなり早く解けてしまっているので、映像に映るスイングでいいはずはないでしょう。

こみちが言うことなんて知れている!?

嘘や脚色を意図的にしているつもりはありません。

でも、こみち自身もそんなものなんです。

だって、何もかもパッパとできるなら、もっと有名人になっているでしょうし、結果的に目立つようになってしまうはず。

でもこんなにひっそりと暮らしているのは、やはりどこかで大したことを全うしていないからです。

「つもり」になっていることが多いと思った訳です。

一方で、この10年でいろんなことがあったと感じます。

まさか自分が福祉の分野に進むとは思っていませんでしたし、介護士として貴重な体験をさせてもらえたのも、多くの温かい利用者に出会えたからだと思います。

今でも時々、当時のことを振り返ると、経験したか否かで、この先の生き方が大きく変わったと思いますし、人様の最期まで寄り添うことができて感謝もできます。

今でも迷うことはたくさんありますし、中高年特有の喪失感に浸ってしまうことも珍しくありません。

でもそれが人生なんだと思いますし、どう生きるのかも自分です。

「昔に戻りたいなぁ」という気持ちになることはありますが、当時の映像を見て思ったのは、やはり未熟だった気がします。

頑張っているつもり、できたつもり。

「なぜ結果が出ないんだ?」と。

これから10年先に、今がそうならないように少しでも成長できる自分を目指して、少しだけ頑張ってみよう思います。