下請けの辛い立場
ある意味で、下請けは弱い立場になりやすい。
というのも選んでもらう側になるからだ。
しかしそうなってしまうのも、現状をそのままに評価してもらおうとするからでもある。
つまり、選びたくなるような立場であれば、それこそ勝手に選ばれてしまうだろう。
こみちに関して言えば、下請けとして関わる今の取引先と、同じ業務で関係を持つだけなら、それこそ半年後には仕事を失うと思う。
それくらいの内容だと思うし、意思表示したことの余波も返ってくるからだ。
実際、少なからず以前とは雰囲気が違うように思う。
ビジネスでの関係で、信頼性は年単位でしか育たないが、警戒心や不信感は一瞬で作られる。
笑顔で接してくれたとしても、そこにどこか違いや違和感も潜んでいたりするものだ。
かと言って、何も言わなければ、非常に不利な立場を強いられるだろうし、言われて初めて相手だって警戒心と同時に下請け先を失う危機感も持つだろう。
「何を言っているだ!」と面倒な相手として認識されたら、その時点で取引は消滅するだろう。
「確かに言い過ぎたようだ」と都合の良い下請けとして誤認していたと感じてくれたなら、もしかすると双方にとっていい流れになるかもしれない。
しかし、今回の意思表示によって、こみち自身は社長から打診されていた新たな業務を請けたいとは思っていない。
つまり、今の仕事が何らかの理由で滞るなら、それはそれで終結してもいいと思う。