元介護職員が介護業界に戻りたいと思うのかって話

 これでも介護福祉士なんです!?

まず介護福祉士が国家資格なのを知っているでしょうか。

国内にはいろんな資格と名のつくものがありますが、「国家資格」に属するものは、多くが命や健康、財産などに大きく影響を与える役割を担うものに課せられています。

医師や弁護士などを筆頭に、国家資格はあるんです。

もう一つ別の見方をすると、その資格が試験に「合格すること」以上に、一定期間の「専門教育を受けること」を追加していたりします。

医師になるには、大学の医学部を卒業すると言う条件もそうでしょう。

弁護士はどうでしょうか。

昔は、一次試験が学力テストで、大卒者などは免除されて、二次試験からでした。

そんな風に、大卒や専門学校などに在籍していなければ、試験だけ合格しても資格がもらえないですね。

じゃあ、介護福祉士ってどうなのか。

よく試験の難易度を偏差値などで紹介しているサイトってありますよね。

「簡単」とか「普通に対策すれば合格できる」とか。

でも、もっと大切なことが、その「受験資格」です。

介護福祉士の場合、以前は専門学校などを卒業すると「もらえる資格」でした。

なぜなら、卒業するくらい学習していたら、間違いなく試験に合格できたからでしょう。

しかしある時から、「卒業」は「実務経験」と言う尺度に変わり、卒業していない人は介護施設で3年以上勤務することで受験資格を得られます。

言い換えると、「介護福祉士です!」と名乗る人は、どこかの専門学校を出たか、施設で3年以上働いていた人ということです。

試験の難易度については、若い人や記憶力に不安がない人であれば、集中すれば1ヶ月でも十分に合格できるでしょう。

一方で、こみちが来年の試験でも確実に合格できると思えるには、半年くらいの期間が欲しいです。

というのも、試験を終えて、結果的に合格していたというレベルならもう少し期間は短くても大丈夫だと思います。

でも100回受けて100回合格できるくらい確実となると、それくらい準備しておきたいということです。

介護職員という仕事

まだ一回も介護職員として働いたことがないという人は、介護の仕事がどのようなものかイメージできないかもしれません。

事実、こみち自身がそうでした。

とは言え、こみちは仕事に就く前に、実務者研修という介護福祉士を受験するために必須の講習を済ませていて、主に知識として介護業界がどう進もうとしているのかを学んでいました。

少し言えば、ケアマネがケアプランと呼ばれる計画書を作り、そこには医師や看護師の意見、もちろん本人や家族の思いなども聞き、今後の活動を計画書として作ります。

例えば、介護施設でお世話になっても「のんびりと暮らしたい」と思いを託すこともできるのです。

一方で、リハビリを頑張って家に戻れる生活を目指すということもケアプランに盛り込めます。

ということは、現場で働く介護職員は、個々の方のケアプランを理解し、それ沿ってスタッフとして動かなければいけません。

「今日はお風呂に入りたくない」と言った人にどう接すればいいのでしょうか。

「ダメです!」なのか、「やめておきますか? 次回は二日後ですけど…」なのか。

施設にもいろんなタイプがあって、計画通りに利用者がメニューをこなすことを重視する場合もあれば、利用者の心地よさを尊重して一歩下がって接する場合もあります。

その違いはどこにあるのかというと、もちろん施設長の考えもありますが、こみちが経験として思うのはスタッフの人数と利用者の人数の割合が大きく影響しています。

当然ながら、利益を考えるとスタッフの人数は多過ぎないことが重要です。

夜間、スタッフ一人で利用者20人から30人くらいを担当することも珍しくありません。

一人の体調が急変した場合は、まだマニュアルに沿って対応可能ですが、二人三人となれば、お手上げです。

そんな場合、いくつかのグループがあって、応援を頼んでしのぐのですが、夜間勤務が回ってくると別グループの夜勤担当者が誰なのか気になるのも事実です。

場合によれば、助けを求められないことも起こり得るからです。

つまり、スタッフとしては個々の意向に応じる余裕がそもそもありません。

朝、別のスタッフが出勤するまで、どうかみんな無事でいてくださいと思うのが本音です。

では日中の時間帯はどうでしょうか。

朝昼晩と提供される食事の時間を、利用者の好みで選べたら嬉しいですが、あっちでは食事でこっちでは別のことをしているという状況にスタッフの手が回るのかということ。

もちろん人件費を高く設定し、利用者に請求される金額をアップすれば、それこそ自由気ままでも十分に対応できます。

ざっくりとした目安を挙げるなら、施設選びは利用金額の他、提供される食事の内容、さらにそこで働くスタッフの人数もポイントになります。

3度の食事を弁当形式にすれば、弁当を配るだけで仕事は済みます。

一方で、食事をスタッフが担当するなら、調理の技量も必要ですし、大人数の食事を作る経験も問われます。

味付けも同様で、塩分濃度が高いのは避けたいなど、いろんな制約の中で対応するのはまた経験を要します。

弁当形式なら一人でもできますが、やっぱり調理までとなると簡単な味噌汁だけという場合でも調理開始から後片付けまで含めて15分で作るのはかなりの慣れが必要でしょう。

はっきりと言ってしまえば、弁当形式でも調理形式でも、介護スタッフの受け取る単価給はほとんど変わりません。

やりがいを求めて、それこそいろんな経験ができる施設で働くのもありなら、決まった作業だけをする働き方も同じ介護職員です。

こみちの場合は、限られた人数の利用者により細やかなサービスを提供する部署で、一般的な介護サービスはもちろんですが、少人数ゆえに個々の性格も熟知できて、家族に近い感覚で持て成すことができました。

3年の勤務期間中に、何人かとのお別れもしましたが、その意味では家族にもしっかりと報告できるだけの仕事を全うできたと思います。

現場仕事が多忙すぎると、気になっていてもスケジュールによって組み込まれた業務があるので、様子を見に行くことも簡単にはできない施設もあるでしょう。

その意味では、スタッフが連携し、しっかりと役割を果たせるだけのやりがいもありました。

しかし、異業種の相場と比較すれば、介護職員の給料はまだまだ十分とは言えません。

年末年始も大型連休も、自由に取れたりはしないので、スタッフ間でやりくりして休みをもらうというのが本音です。

年末年始で言えば、正月を休みにするなら、大晦日は出勤でしょうし、その二日を休むなら、前後は連勤しなければバランスが取れません。

しかも大晦日に夜勤担当し、よく正月の午前中まで働く人が毎年何人かいます。

去年役目を果たせば、今年は外れ、来年はまた担当が回ってくるという感じで、介護スタッフとして働くと、一般的な仕事以上にプライベートが他人と合わせ難くなりなります。

また同じ職場で働く人と時間を合わせるのも大変で、日勤だけというような働き方をするなら不可能ではありませんが、早番から遅番、夜勤までを担当すると、誰かと出掛ける約束をしたいなら翌月分で合わせるくらいでないと難しいのが本音です。

年齢不問という募集要項

中高年の方々で、これまでいろんな社会経験をしている方は、年齢不問の介護職員などいかがでしょうか。

正社員(常勤スタッフ)以外にもパート勤務などを設定している施設も多く、何より年齢や経験を問わないことも多いので、介護スタッフとして働くことは割とできるでしょう。

さらに、友だちと遊びに行くというような予定が頻繁ではないなら、時間帯が勤務ごとに変わっても対応できるのはポイントです。

未経験で働き始めると、国家資格ではありませんが初任者研修という研修を無料で受講できたりもするので、介護福祉士同様の知識までは問われませんが、方向性が掴めるので3年頑張って介護福祉士まで取得を目指してみるのも目標としてありです。

今だから介護業界に戻りたい!?

現役の時に担当させていただいた利用者を思い出すと、貴重な時間を過ごさせてもらえたと改めて思います。

しかし、そんな方々の多くを送り出して、また介護業界に戻り、時には当時とは異なる方法で介護サービスを行う職場に入りたいかと自問すると、もう一度とは簡単に言い出せません。

週に一回、しかも日勤帯の長くない勤務ならまだしもですが、たくさんあるスケジュールを漏れなく処理するのは簡単ではありません。

いい施設に巡り会えれば、スタッフ同士も仲良くできますし、利用者との関係も友好的です。

個人的な働きたいという段階では、そこまでの巡り合わせが分からないので、とにかく施設見学をして、雰囲気を実際に確かめてみることです。

こみちも当時、何軒か施設を回りいろんな比較をして決めました。

中にはスタッフ同士の派閥で、殺伐としている施設もあったりで、見学して通り一遍のことを話して断ったケースもあります。

自身の老後を考える意味でも、介護スタッフとして働いてみるのはとても有益な経験にもなります。

興味はあるけど、未経験でも大丈夫かなぁと思っている人は、一度施設見学をしてみるといいですよ。

今日は介護業界に戻りたいのかというテーマで好き勝手なことを話してみました。