「ジョブ型雇用」とは何か?を掘り下げる

 例えばデザイナー採用の場合

デザイナーやイラストレーターなど、クリエイティブな職種に就職すると、最初はアシスタントとして業務の一部やサポートを担うでしょう。

その後、仕事を覚えるにつれて、「ジョブ」毎に割り振られ、それをこなすことで仕事が進みます。

人によっても違うと思いますが、早い人なら初年度から、遅い人でも3年後くらいには、クライアントとの直接交渉が始まり、「ニーズ」や「作業意図」を会話によって聞き出すことが不可欠になります。

もちろん、作業には納期が設定されているので、それまでにどのようなスケジュールで進めるのかも基本的には自己管理しなければいけません。

つまり、一連の作業が担えるようになると、デザイナーやイラストレーターは独立を考えることになります。

もちろん、管理者として会社に残ることを選ぶ人もいますが、仕事内容は長く勤めても基本的に変わりません。

つまり、このような働き方を「ジョブ型雇用」と呼ぶのでしょう。

メリットもデメリットとも言えるのが、3年くらい勤務するとその先の成長は自己責任だということ。

作業に慣れたら、経理や予算管理にまで知識を広げて、独立することも考えないと仕事マンネリ化してしまいます。

例えば工場勤務でジョブ型雇用されたら!?

工場のような製造業で、ジョブ型雇用された場合、基本的に仕事は生産ラインになったり、資材管理になったり、採用段階で交わした業務内容で行います。

もしもそこに、予算管理や経理が含まれていなければ、正社員採用だったとしても、パート採用だったとしても、業務内容に大きな差はないでしょうし、今後も他分野の知識や経験を得るチャンスはなかなか巡って来ません。

このような採用での経験は、転職するときの職務経歴でも明らかにされ、しっかりとプランニングしなければ断片的な経験ばかり増えてしまうこともあるでしょう。

中高年の方々が転職する場合、年齢の壁と職歴の壁があって、年齢の壁は実際に働いて示すしかありませんが、職歴の壁は変えることができません。

つまり、一連の作業を熟知していないまま年を重ねてしまうと、「言われた作業をする」という働き方しかできなくなってしまい、その作業の単価は〇〇円と決められたら、それが限界になってしまいます。

また、若いこれからの労働者にとっても、幅広い知識を得るチャンスが失われ、中高年の管理者が旨味を吸い取るような構図にもなり兼ねません。

長く職場に定着しない風潮が進めば、さらに「日本製品」というブランド力も薄れ、長期的に見ても手放しで喜べる流れではないでしょう。

「仕事」が単なる「作業」ではなく、「市場からのニーズ」や「予算管理」「人材育成」にあるとするなら、ジョブ型雇用はこの先に二極化された働き方を生み出すでしょう。

さらに言えば、正社員、パートを問わず、自身で仕事を生み出すことがずっと求められ、全ての人が起業し、その中でジョブ型雇用者として一時的に働きというスタイルが一般化します。

成果給になれば、一部の人は今以上に儲けることができますが、それ以外の人は収益を落とします。

落とした収益を挽回するのは副業で、二足三足といくつもの働き口を見つけなければ、かつての収入にも届かないでしょう。

これの仕事探し

常々感じて来たことですが、何らかの方法で稼げる手段を手に入れた人はセールです。

しかしまだこみちのようにもがいている中高年の方々は、かなり焦った方が良さそうです。

なぜなら、ジョブ型雇用が浸透すれば、時間給ではなく成果給というケースも増えるかもしれません。

休むのも自由ですが有給休暇はなく、昇給も賞与もありません。

おまけに労働中の事故や怪我も自身で保険に加入するなど、会社からのサポートが薄まります。

つまり、「雇用」ではなく「委託」になって、会社は人件費を抑えるでしょうし、我々はさらに不安定な形で働かなければいけません。

目標とする次の展開でもある「自身で稼ぐ」というステージに到達できない可能性が高まります。

理由はこれまでの金額を稼ぐには拘束時間が長くなり、又は短時間で雇用をぶつ切りにされて思うように稼ぐことが出来ず、食べるので精一杯になるからです。

それでは次の展開も考えられず、経験不足のまま、年齢ばかり重ねてしまいます。