グラップリングとは?
グラップリングはスポーツの一つで、似た競技に柔術があります。
大きな違いは、柔術では柔道のような道着を着ますが、グラップリングでは肌に密着したようなシャツとパンツスタイルです。
同じ格闘技ではありますが、ボクシングのように相手を殴るような打撃はなく、相手の手足などの関節を上手く極めることを目的としています。
そのため、運動神経の良し悪しが成長に大きく影響する打撃系競技に比べて、とてもロジカルな一面も特徴として挙げられるでしょう。
つまり、力が強い若い人であっても、経験豊富な中高年のベテラン選手に負けてしまうことがあります。
その意味では格闘技に分類されますが、安全に長く技を磨ける点で、グラップリングが老若男女から支持されるのも分かるでしょう。
北米でグラップリングが人気!?
あるYouTube 動画から知りました。
その中で、プロだけでなく、初心者やキッズなど、それぞれのレベルに合わせて大会が開催されているようで、楽しみながらも自身の熟練度を試合形式で確かめられるのもポイントです。
さらに、技について「オープンソース」になっているのも北米流行の一因でしょう。
「オープンソース」とは、技を秘密にするのではなく、知りたいと思う人には公開するスタイルです。
対局にあるのは「秘伝」のような扱いで、ある限られた人だけが知っているというような方法です。
「オープンソース」にすることで、技を防御する対策もすぐに確立されるでしょう。
その意味では、長く同じ技だけで勝つことができません。
そのことを消極的に考えると、技を公開しない方が良いようにも思えます。
しかし、同じ食材とレシピでも、出来上がる料理にバラツキがあって、その差は思いの外、わずかではありません。
また同じ教室で勉強しても、100点を取る生徒がいて、50点の生徒があることからも分かるように、同じ情報もどう理解すれば良いのかで、結果が変わります。
つまり、「情報」ではなく、「理解するプロセス」の方が遥かに大切で重要なのです。
だからこそ「オープンソース」にすることで、「情報」そのものへのアクセスは誰に対してもオープンにし、そこから学ぶべき部分で個性や得意を織り込めばいいというのが今の北米スタイルということです。
実際、夕方から夜のクラスに参加しているのは、日中は仕事をしているサラリーマンたちで、練習中もノートに技術的な気づきをメモしながら練習していました。
勢いだけでがむしゃらに練習するスタイルではなく、技と技の繋がりにどう重心や体重、体制を使うべきなのか、グラップリングならではのポイントを細かく記載しているのは、興味深いポイントでした。
北米スタイルから学ぶべきこと
例えば、叶えたい「夢」があったとします。
こみちならイラストレーターになりたいとしましょう。
そこで、毎日欠かさず「イラストを描く」ことを自分に課して練習を続けることにしました。
でもそれだけでプロのイラストレーターになれるでしょうか。
一方でオープンソース形式では、プロのイラストレーターを講師として招き、プロが身につける技を先ずは自分の目で確認します。
ある分野ではプロと比較しても十分にレベルが認められるけれど、別の分野では数段階技術力が不足していることが理解できたとします。
その上で、得意と苦手を明確にし、得意はさらに向上させ、苦手分野は克服できる対策を具体的に構築します。
すると、ただ毎日絵を描いてイラストレーターを目指している人と、ピンポイントで対策している人とでは、改めて課題に取り組んだ時にはっきりとした実力の差が確認できます。
何より、オープンソース形式では、圧倒的に苦手分野が少なく、穴のない技術力が身につくからです。
グラップリングで言えば、「負けない強さ」が得られるでしょう。
特に北米スタイルがオープンソース形式なのは、優れたトップ選手がオープンソース形式を実現するのではなく、同じクラスの選手同士間でもそれを保つ点です。
「さっきの技はどうやっていたの?」
技の対策が十分ではなかった選手は、すぐに相手選手からレクチャーを受けられます。
「じゃ、このタイミングでどうするべきだったんだろう」
対策を見出したい選手が反復練習している中で、実は相手選手もまた技の精度や対策の更なる対抗策を考えることができます。
「こうすれば…」
「じゃこうするよ」
「それはどうなっているんだ?」
グラップリングがロジカルな面を持っているので、どんどんその深みにハマってしまうのでしょう。
練習することで新たな発見をし、さらに対策と対抗策が生まれて、また原点に戻ってくるような面白さ。
その意味では、オープンソース形式を拒んだスタイルで評判の選手では、圧倒的な開発力に付いていけません。
秘伝の技ですら、公開したと同時にありとあらゆる場所で対策が生まれます。
いずれにしても、オープンソース形式に対抗するためには、同じスタイルの中で精度とタイミングをより高い技量で習得するしかありません。
グラップリングの世界でそれが起こっているのですから、別の業界でも同じような流れが起こり、まだそこに否定的なスタンスでいると、どうしても時代錯誤になってしまうでしょう。
つまり、知識や情報を取得することが最重要項目ではなく、それをどう活かしているかがこれからは強く問われます。
それは、練習時間や努力の量ではなく、どれだけ効率的に効果あるトレーニングをしているかがポイントということです。
グローバルな考え方がオープンソース形式であるなら、我々もまた同じスタイルで学ぶ必要がありそうです。