中高年の未来 「老後の資金」を心配している人へ

 2000万円とも3000万円とも言われる老後の資金

中高年の方々で、例えばまだ住宅ローンを返済中という方もいるでしょう。

まとまった預貯金が100万円以下という方もいるでしょう。

そこで、介護福祉士となったこみちがどう考えているのかを紹介したいと思います。

これが唯一という話ではなく、あくまでもこみち個人の考えであることをお伝えした上で、先ずは生涯現役で働ける「仕事」を見つけることです。

なぜなら、加齢によって身体的変化が起こりますが、同時に社会との繋がりも変化し、それが認知機能とも深く関わるために、想像以上に生活そのものが困難になります。

そうなってしまうと、自身では「いつも通り」の生活が、周囲からは奇行に見えたりします。

テレビなどで高速道路を逆走してしまう高齢者がいますが、わざとしている人はほとんどいません。

多くは、何かしなければ、行かなけれいけない場所があって、でもこそがどこなのか、どう行けば良いのか分からなくなって、気づいたら「逆走」していたという思考が働いています。

介護を知らない人は嘘と思うかもしれませんが、トイレに入ってズボンを脱ぐことができない高齢者もいるのです。

なので介護士は、「〇〇さん、ズボンを脱ぎましょう」と声掛けします。

それでできる人もいれば、実際に少しだけズボンを下げてあげることで方法を思い出せる場合もあって、認知機能の低下度合いによって介助するべき量も変化します。

先に言っておくと、地頭の良さや学歴、社会的地位などとは無関係なので、誰が認知症になるのかは、それこそ予測できません。

その意味では現役時代に健康的な生活を送るように心がけるしかないのです。

つまり、介護が必要になってしまうと、それこそ「お金」がどんなにたくさんあっても、このサービスが良いとか、悪いとか、本人では判断できないでしょう。

それこそ、家族がどこまで介護に時間を割いて、自分の時間を使ってくれるかにかかっています。

現役世代にとって、「週に一度の休日」も予定は埋まっているでしょう。

そんな中で、時間をかけて介護施設に出向き、そこの担当者から親の様子を聞き、また洗濯物の受け渡しなどをするだけでも、案外大変なことです。

もしもこの負担を全面的介護施設で行うなら、それだけ割り増し料金になる訳です。

洗濯物だけなら月額でおおよそ4000円くらいの増加でしょうか。

年間で約5万。10年なら50万円という計算です。

それとは別に、介護施設を利用する場合、いろんな種類の介護施設があるのですが、先ずは月額15万円を基準にしましょう。

都内なら地価も高く、利用料金もできれば20万円くらい欲しいところです。

一方で、関東の場合、群馬県や栃木県まで移動すれば、利用料金も10万円に近づきます。

多くの試算では、月額利用料金を12倍して年間コストを出すのですが、話はもう少し複雑です。

というのも、すべての人が、年金を月額15万円以上も貰えていませんし、我々中高年の世代や、さらに若い世代となれば、それを現役時代の内に貯めるためには住宅購入や出産などをセーブして、老後の資金を貯めるしかないように思うでしょう。

タイトルにあるように、一人あたり2000万円の資金が必要だとしても、早い段階で介護施設に入る場合や、入退院を繰り返し、医療費が嵩むなど、一概にどれくらいあれば十分なのかはあまりに幅が広過ぎる話です。

同様に、住宅を所有している人と借家住まいとでもコストは違いますし、定年後の仕事があるかないかでも預貯金の持ち出しは大きく変わります。

割と質素で倹約した生活を夫婦で送る場合に、月額で約20万円くらいを目安にするなら、年間で240万円くらいは必要です。

それこそ10年、20年を預貯金から賄うつもりなら、生活費だけでも一人あたり数千万円になるでしょう。

一方で、生涯現役で働ければ、その分だけ出費も抑えられますし、何より健康的に働けるので介護施設の世話にもならないでしょう。

つまり、仮に10億円の預貯金があってもお金を使うだけの自由気ままな生活をしていればそれだけ健康を損ねる可能性があり、ある程度のストレスを感じながら生きられることが大切です。

趣味や生きがいを見つけることも、健康的に生活する上で欠かせません。

趣味を見つけられない人ほど、負担にならない楽しめる仕事があると、収入にもなって健康的に生きられるので、一石二鳥なのです。

個人的には数年くらい生活できる預貯金があるなら、生涯現役を続けられる仕事を手に入れることです。

さらに言えば、介護保険制度や高額医療制度、各種保険の利点をある程度学ぶことでしょう。

すべてを人任せにしたいなら、それこそ2000万円の預貯金でも心もとない金額ですが、健康的に生きることができたらそれだけ預貯金の金額ばかりが重要ではありません。

何より、見ず知らずの介護士に「ズボンを脱ぎましょう」と言われてトイレに行きたいでしょうか。

正直、介護士も人それぞれです。

いい介護士もいれば、そうではない介護士もいます。

それは社会でいる時と同じで、避けることができません。

できる限り自分のことは自分でする生き方にしないとダメなのです。

配偶者任せもダメですし、お節介に世話を焼きすぎてもいけません。