仕事を時間給で評価しない!?
例えば東京都内や神奈川県の最低賃金は約1040円。
つまり、時給1000円という求人はできません。
ちなみに、千葉県や埼玉県では約950円から。
「時給1000円」という金額は、昔とは違って、もう高額な報酬ではありません。
しかし、時間給600円代だった頃を知るこみちには、時給1000円は高嶺の花の金額です。
例えば介護士として働く場合、都内の介護施設で1200円くらいから募集があります。
ただ、入浴介助などは1時間の作業でも精神的にも肉体的にも疲労するので、正直なところ時給1200円くらいなら、異業種で1000円の方が気楽に感じます。
介護系の仕事はやりがいもありますが、身動きができない利用者の身体をストレッチャーと呼ばれる移動式のベッドに乗せて、頭から足先まで洗い、キズや肌疾患などの対応などを考えると、介護士としてやるべき仕事はかなり責任重大です。
こみちが勤務していた施設では、少数の利用者を担当する部署と大勢の利用者を大勢のスタッフで担当する部署に分かれていましたが、少数の場合には利用者を浴室に誘導し身体を洗ってまた居室に戻るまで基本一人の介護士が完了させます。
一方、大勢の利用者を担当する部署では、誘導するグループ、着衣の着脱グループ、浴室で洗浄するグループといくつかの役割に分かれて行われます。
未経験者やまだ経験が浅い介護士は、大勢のスタッフがいるグループで段階的に経験した方がいいでしょうし、早く入浴介助をマスターしたい人は全て任せてもらえる少数の担当になった方がいいでしょう。
こみちの場合、上司からの勧めで入浴介助を担当するようになりました。
その時点で、衣類の着脱や排泄介助、全身の清拭などを経験済みだったので、入浴介助では主に洗髪が加わった感じです。
介護施設によっては、自力で入浴できる利用者しかいない場合や、こみちのように要介護5という寝たきり状態の利用者を担当する場合など、入浴介助と言っても作業内容は差があります。
特に心身の強張りや麻痺と伴う利用者、ペースメーカーなどを装着している利用者など、一般的な入浴介助以上に注意しなければいけないケースもあります。
こみちは幸いにも入浴介助で事故などはありませんが、聞いた話ではストレッチャーからの転落や入浴中の挟み込みなど、ちょっとした気の緩みで大きな事故が発生します。
しっかりした技術者に対して、介護士を評価するようにしなければ、やはり時間給1200円では割に合わない業務だと感じます。
それでも、介護士の仕事ができれば、年齢を問わず雇用が期待できますし、収入源を確保する意味では有益です。
中高年の場合、安定した仕事を確保しつつ、利益率の高い仕事を開拓して行くことで、将来的にも長く働ける仕事を得られるでしょう。
介護士という仕事を経験してみるのは、無駄ではありません。