中高年の闇 「ハローワークに行って来た」けれど

 中高年にとっての「ハローワーク」

正直、中高年になって訪れた「ハローワーク」は、30代の時とは印象が異なります。

具体的に何が違うのかというと、職探しを目的とするハローワークですから、「中高年は定年まで何年働けるのか?」がかなりシビアになったと感じたからです。

こみちの場合、今年の受験で介護福祉士に合格できました。

実際、条件を選ばなければ、ハローワークでもかなり案件を紹介してもらえます。

しかも、国家資格である「介護福祉士」なので、その点では年齢の壁もかなりカバーできるという印象でした。

一方で、介護職以外となるとどうでしょうか。

例えば、こみちが「イラストレーターを目指しています」とハローワークの職業相談で話したとしましょう。

もちろん例外もあれば、こみちだからという個人的な事情も含まれていますが、印象として「まだそんなことをいいますか?」と相談員は思うはずです。

ここで言いたいのは、「イラストレーター」という職業が特別な仕事だと言う話ではなく、「なりたいならなっていませんか?」と言われてしまうということ。

思うにハローワークで仕事を紹介してもらうことは、「全面的に求職者の未来をバックアップすること」ではなく、「働ける場を提供すること」にあるからです。

つまり、「介護職なら募集が多い」ということなら、「介護職はどうですか?」と提案されて、「具体的に仕事内容が分からない」と悩む人には、「初任者研修」や「介護福祉士を含めた研修」まで、職業訓練などを含めて相談できるという運びです。

その意味では雇用保険に上限となる年齢設定が無くなったこともあり、「就労者」という条件を満たす限りはハローワークでの支援を受けることができるそうです。

ただ、中高年になって段々と「良い仕事はありませんか?」とこれまでの経歴で探すのではなく、待遇や労働条件だけで選ぶような方法では「先が無い」と感じます。

「介護の資格をお持ちですよね!?」

相談員にそう指摘された時に、その意図としてハローワークでの相談とは「そう言うこと」ですよと言われているように感じました。

待っている間にハローワークの館内に設置された広告を眺めていると、職業訓練の募集がたくさんあって、例えば「大型自動車免許」や「保育士」、もちろん「介護福祉士」もありますし、「フォークリフト」「電気工事士」「ファイナンシャルプランナー」「宅建士」など、どれも中高年なら検討してもいいような資格が並んでいました。

ちなみに、相談員に応募が可能か訊ねたところ、「募集期間に間に合えば応募できる」ということでした。

職業訓練の扱いになれば、訓練期間中にも収入が期待できるので、手に職をつけたい人にとっては積極的に利用してほしい制度です。

しかしながら、こみちの場合、介護福祉士という資格があって、それを使わずに「大型自動車免許なのか?」と思います。

実際、こみちにすれば、介護の仕事は精神的にもハードで、生きてはいけるけれど、ギリギリの生活という感じが拭えません。

夜勤を含めて、早朝や遅番、シフトに合わせてライススタイルを維持するのが、段々と厳しくなったからです。

職業訓練という制度の有り難さを感じますし、でもこみちの場合はもう自力で切り拓くべきなのかもと感じます。

ハローワークで見た人

待っている間のことでした。

年齢は見た目30代くらいの女性です。

他の方よりも身なりに気をつかっている感じで、少し違和感もありました。

しばらくしてその方が相談員と話始めたのですが、声が大きくて話の内容まで漏れ聞こえています。

きっと、待っていた全員が彼女の話を聞いていたでしょう。

なぜなら、「前回時間給1100円の仕事を紹介された」と言い、「子どももいて、借金もあって、暮らしていけない」と怒っています。

さらに、「接客に向いていないからバックヤードに回されて、それもダメで在宅ワークを言われた」と。

面白いなぁと思ったのはここからで、「ワードやエクセルが使えるくらいでは仕事にならない。SEとかプログラマーとか、専門性がないと」とも言い出します。

時給の安さ。待遇の悪さ。そして自身のスキルの低さ。

悩んでいますが、きっと相談員も「だったら、自分でスキルアップすれば良いのに!」と言いたいでしょう。

今のこみちなら、在宅ワークで1100円も提示されたら、ホイホイと付いて行ってしまいそうです。

まだ若いからなのか。

「1100円」を提示するする雇用者側の気持ちも考えて欲しい気がします。

若々しい見た目は、スキルの一つと言える大切な武器。

でも年齢を重ねれば、その魅力も変化させていかないといけません。

そこには知性とか品格のようなものが不可欠で、それを身につけるためには様々な経験との出会いも重要です。

オッサンのこみちは、若くてカッコいい男性を見て、それだけで羨ましく、彼なら何でもできるだろうと思ってしまいます。

でも段々と年齢を重ねて、できなくなっていくのが常です。

いろんな考えや人がいるから、人生は面白いのかもしれません。

こみちも頑張らないとなぁと思いましたよ。

父親や母親のことをあれこれ言っている場合ではありません。

折角残された時間があるのだから、もっと有意義に使わないといけません。

ハローワークに行ってみて、いろいろ考えることができました。