「家族会議」中止のお知らせ

 本日予定していた「家族会議」は都合により中止

家族四人での夕飯ですが、あまり揃って食べることがありません。

鍋の時でさえ、ダイニングに降りていけば、すでに父親が黙々と食べています。

「ご飯?」

母親が、揃って降りてきたこみちたちに毎回同じセリフで話して来ます。

「見れば分かるでしょ?」

機嫌が良くない時は、本当に素っ気なく言ってしまうのですが、「そう、そろそろかと思って」と言える時はまだ気持ちに余裕があります。

こみちたちも席につき、一時的でも四人が同じテーブルを囲むのですが、今日は母親が「みんないるんだから…」と父親が一日中観ている洋画を別のチャンネルに変えるように促しました。

「聞こえてる? チャンネル!」

そう言った時です。

父親は急にテーブルに合ったリモコンを手にしてテレビを消してしまったのでした。

母親だけは「もう」とリアクションを取りましたが、こみちたちは何事もなかったかのように食事を始め、小声で会話していました。

怒ってしまった父親は、しばらくして席を立ち、そのまま自室へと行ってしまったのです。

「アララ」

苦笑いしている母親。驚くほど無関心な嫁。そしてこみちがテーブルを囲んでいます。

後になって、「家族会議は中止だね」と妻に言うと、「仕方ないね」とこれまた言葉少なく答えます。

もう深掘りは禁物で、洗い物をして、シンクを掃除し、生ごみをまとめて捨てた後に歯磨きを済ませて部屋へと戻りました。

薄々気づいてる「家族崩壊」のサイン

騒動を見ても、父親は何も分からない人のような態度で、目の前の出来事に一喜一憂しています。

もしもあのまま「お父さんは、もう働く気ないの?」と聞いても、「ない」と答えるでしょう。

そして、「介護が必要になったらどうやって生きて行くの? 貯金はあるの?」と質問しても答えられるはずもありません。

物忘れのことばかりを認知と考えがちですが、父親のように状況判断ができなくなっても、日常生活はかなり制限されてしまいます。

仕事をすると言っても、上司からあれこれと言われれば父親は怒って帰ってくるでしょう。

「仕事は?」

「辞めた!」

何より、仕事先に迷惑を掛けてしまいます。

例えば父親でも出来そうな内職を見つけても、家族の誰かが管理者となって、仕事の進捗を見ていないと、思わぬトラブルが起こります。

実際、母親から買い物を頼んで父親が店に行ったのは良いのですが、頼んでもいない品物も買ってしまい、金額が倍くらいになってしまうのです。

「一つ」と頼んでも何個も買ってしまうのは、男性に見られる「見栄」が関係していて、100円の商品を一個だけ買うことができません。

レジ打ちのお姉さんだって、そんな男性を見て「この人って小さい器ね」とは思わないでしょう。

でも、そこが男性の本質で、特に父親のようなタイプは変に格好つけてしまいます。

100円と300円でどれだけ違うのかと思いますが、そんなことで父親に買い物は頼めません。

結局、食事の後、家族はまたバラバラで、父親だけがリビングでテレビを見ています。

家族から受け入れられていないと気づきながら、そうやってテレビを見続けるのですから、父親は心の中で何を思っているのでしょうか。

ともかく、今日の家族会議は中止となりました。

お集まりいただきましたが、何も話せることはありません。