仕事をいつ辞めるべきか?
こみちの場合、正確には記憶していませんが、「介護の仕事」だけでは精神的に持ちそうにありませんでした。
その打開策が「ダブルワーク」でした。
同時に、介護職の専業から副業を始めたという形です。
一つには介護の仕事を辞めた時にも「副業」が生活費を稼ぐ手助けをしてくれます。
その意味では、稼ぐ方法をいくつか確保することも現代社会では重要です。
今、介護という仕事を振り返った時、いろいろなことが考えに浮かびます。
この3年間でまだ十分な経験とは言えませんが、それでも少しは「介護」の本質に触れたと思うからです。
介護を考える時、「ケア」の方法を想像するかもしれません。
特に施設での介護だけを経験した場合、どうしてもそんな方向から介護へアプローチするでしょう。
こみちの場合も叔母の件があるまでは、「オムツ交換」など、よく耳にするような介護職の仕事をいかにこなせるかがポイントだと感じていました。
しかし、介護施設に入るのは「高齢者」ではありません。
それまで我々同様にこの社会の中で働き生活してこられた方々です。
施設に入るのだから、「その場所のルールに従うのは当然」と言い切ってしまうと介護保険制度が目指す「自立支援」や「個人の尊重」は絵に描いた餅になってしまいます。
もちろん、ルールがないと現場は収拾がつきません。
しかし、「当たり前」と事実にしてしまうか否かのギリギリが正に「介護」の難しさです。
とは言え、3名のスタッフで100名の利用者を世話するとなれば、全員のトイレや食事の介助を担うことは体力的にも時間的にも厳しいでしょう。
つまり、どのくらいの「質」で介護するのかは、スタッフの人数とそのレベルが大前提なのです。
ということは、施設が「人材育成」に力を入れていないと、どんなに人をかき集めても思うような介護は実現しません。
また、仕事する環境に最低限の配慮がなければ、やはり効率は格段に低下します。
今、考えて思うのは、放置されたスタッフ育成ではなく、ある程度の管理が行われた育成の実施です。
そして、施設が求めた作業や技術、知識が身につけば、それをしっかりと待遇として評価して欲しいとも感じます。
例えば、こみちと別のスタッフでは、時間給で10円とか20円の差しかありません。
オムツ交換を含め、衣類が汚染された場合の清拭や着替えまで行う立場とお茶だしや誘導しか担当しない立場では、精神的にも肉体的にも疲労度が違います。
この例は見た目の部分ですが、利用者の様子や表情を確認し、時に声掛けをするなど、その方の気持ちに寄り添えることなども介護では重要視されるでしょう。
それまでの話とは別に、例えば老健という在宅復帰に主眼を置いた施設と終の住処と考える特養では、介護の目的や方法、声掛けの質も変わって当然です。
その前提はケアプランにありますし、現在の介護保険制度が目指す内容をある程度理解していないと、スタッフにとっても「介護」の意味や目的が理解できません。
冒頭で触れたようにオムツ交換だけができても、それはここで求める「介護」ではなく、単なるスキルに過ぎないということです。
その意味では、例えば初任者研修で働き始めたら、3年以内に実務者研修を受けるべきですし、5年くらいの内には介護福祉士の受験にも挑戦する方が望ましいと思います。
例えば、介護福祉士に向けた勉強をしたことで、少しは医療、身体の働き、介護保険制度や行政を含むフォーマルサービス、さらにはインフォーマルサービスなど、「介護」を中心にそこで関係する様々な現実に意識が向くからです。
ある意味、介護施設での仕事はその一部に過ぎません。
そして働くスタッフはさらにその一端を担っている訳です。
事実、スタッフからすると、職場環境や施設の対応など、不満に感じることもあるでしょう。
しかし、「介護」の一部分に過ぎない施設やそこで働くスタッフは、どうしても現実を忘れて、目の前の事実だけで判断してしまうことも出てきます。
そうならないためにも、知識や技術、経験を重ねて「介護」を少しでも正しく理解するべきなのでしょう。
そんな風に介護を考えた時に、こみちは今の施設で働き続ける自信が持てません。
それは、「このままでいい」と現実を疑わない施設の姿勢や方針、また異議を唱えて改善したいと立ち上がる気持ちになれないからです。
なぜ、有望なスタッフが辞めて行ったのか?
その事実に何の疑問も感じない時点で、施設運営が疑われます。
事実、今年になって特に現場で提供している介護サービスが、スタッフとして満足できるサービスではなくなりました。
「ごめんね。今、スタッフがいないんです」
その時間帯に勤務していたスタッフたちがいくつかのグループに分かれて作業するようになった時、あるグループにも数名のスタッフが配置されていても、その全てが同じ作業を担当できるとは限りません。
つまり、育成していない怠慢が、こんな場面で現れます。
その度に決まったスタッフだけが懸命にノルマをこなして過度に動き回るというアンバランスな環境が作られます。
介護の仕事をして「やり甲斐感じますか?」と思うのです。
こみちとしては、別の施設で働けるかどうかということよりも、介護業界の素朴な問題に関心はありますし、今働いている施設と同じレベルの運営なら、もう十分に体験したと思ってしまいます。
その意味では、こみちが今の施設で働き続ける意味があるとしたら、それはコロナ禍で改めて就活しないで済む現状と、当面の生活費を得られるということでしょう。
仕事を通じて発見や経験が見込めるとは思っていません。
もう十分に経験させてもらえたと感じます。
ただ辞めるだけに終わらせないために
これまで何回か転職経験がある人で、辞めたはいいけれどまた求職活動をしていると感じませんか。
こみちが介護業界に進もうと考えた約3年前、一つの狙いがありました。
それが「介護福祉士」の資格を取得することです。
世間的にも、実は「看護師資格を持っている」とか、「理美容師の資格者だ」という人がその資格を使っていないケースも多いと聞きます。
介護福祉士についても同様で、取得はしたものの、今は介護施設などで働いていない人もかなりいるようです。
一般的には「ブランク」が長いと、改めて即戦力として活躍できる自信がなかったりするでしょう。
各業界は、人材の有効活用を行う意味でも、彼らが働きやすくなる環境整備に力を注ぐべきです。
それはある意味で、業界への要望。
個人としては、「〇〇の仕事をしていた」と自身のことを説明する時に、それこそ「資格」が大切だと思うのです。
よく資格の難易度を重視される方がいますが、もしもこみちが中高年の方を採用面接で迎える立場なら、もちろんこれまでの職種や、その時に目指していたことや達成したこと、達成できずに終わったことを聞きたいと思います。
その意図は、「仕事」をどう理解して、取り組んで来たのかを知りたいからです。
企業として人材確保は大切です。
一方で、その企業の方針や目的、社会貢献の意図をどれだけ理解してもらい、一緒に働くことができるのかも採用では特に重視します。
料理が特別上手な料理人だとしても、チームワークが取れない人やお店のコンセプトや方針を理解して仕事できない人は、従業員として相応しくありません。
むしろ、そんなに腕がいいなら、自分で資金を集めて店を出すべきです。
つまり、中高年の採用で問題になるのは、「なぜ、独立しないのか?」に対する答えです。
どんなに優れた技術や知識でも、結局は独立できないのだとしたら、そこには重大な原因が隠されています。
だからこそ、今の自分が何者で、これから仕事を通じてどうしたいと思っているのかをしっかりと語って欲しいのです。
特に介護の仕事は、体力的にも精神的にも楽ではありません。
お世辞にも報酬がいいとも言えません。
しかし、3年間介護業界で勤務すれば、国家資格である介護福祉士になることもできます。
医師や弁護士のように誰もが知っている取得が困難な資格ではないかもしれませんが、やはり取得するにはいろんな条件をクリアしないと達成できません。
それこそ、福祉系ライターとして一歩を踏み出すとしても、2ヶ月の研修で取得可能な初任者研修のみで記事を書くのと、3年間介護業界で働いて介護福祉士にもなった後に記事を書くのでは言葉の重みが違うと思います。
また、実際に自宅で何年も介護をされた方は、介護の現実をよく知っているでしょう。
つまり、そこにどれだけ時間や労力を注いで来たのかが重要で、できれば資格のように形にしてから次を目指した方が理想的です。
こみちの展望
正直、生活費を稼ぐ意味では施設のスタッフとして働くこともあるでしょう。
しかし、今後の展望や未来を描いた時に、施設介護にやり残した経験はありません。
あるとするなら、高齢者介護に進むと決める前、こみちは障がい者を対象とした就労支援B型と呼ばれる施設を探していました。
この施設は一般の会社では難しい人を対象に、クッキーや箱作り、缶を潰したり、シール貼りなどの軽作業を担当してもらいながら、彼らと一緒に働く場所です。
ただ、当時施設を探した時に駅近はなく、車やバイク、自転車など、移動手段が問題になりました。
もしも福祉業界で働き続けるなら、そんな彼らと一緒に、「今だからできる仕事」に取り組むのも面白いと感じます。
福祉系以外では、ダブルワークでお世話になっている会社にもう少し出勤回数を増やしてもいいと思うこともあります。
ただ、未来があるという仕事ではないので、例えば週5日、フルタイムで働くべきかは、それこそ介護施設を選ぶくらい今となっては「生きるため」という理由しか浮かびません。
これから何かを挑戦してみたいと思ったとして、でもそこには意気込みも大切ですが「資金=お金」も重要です。
人それぞれ環境は異なりますが、例えば月の生活費が20万円なら、夢を追いかけるにも最低後の20万円に追加でどれだけ資金を回せるかがポイントです。
3ヶ月かけて資格を取得するにも、全く働かないなら単純に60万円以上はないと夢も語れません。
辞める前にどれだけ資金を残しているのかは、とても大切です。
嫌になって辞めても、その時に生活費がカツカツなら、すぐにでも採用されるところで働くしかありません。
そのパターンでは抜け出すことが難しいのです。
これまでにも、こみち自身このパターンで、辞めたら「新人から」を繰り返してしまいました。
確かに叔母の件で支出した金額は想定外ですが、お金がないなりに必要不可欠な部分を考えて今後の作戦を考えたいです。