なぜ、父は「認定調査」を勝手に断って来たのか?

 膝関節に痛みがある父

叔母の一件で、限界を迎えて一時は完全な認知症状もあった父親。

介護施設の選択や入所資金の準備など、途中で「オレは知らない!」と怒り出し、叔母の新たな住まいを手助けすることも拒絶してしまった。

大変なのは、誰かが代行し、お金の工面をしても、感謝の言葉も口にはしない。

その理由は「自分がお願いしたことではない」と思っているから。

一方で、今の父親が担当しているのは、風呂掃除と3度のご飯を食べること。

あとはかかりつけの医者に行くこと。

以前は母親に言われて買い物もしていたが、言われたものを幾つも買ってきたり、別の不要なものまで買ってしまう癖が抜けないので、いつに間にか頼めなくなった。

認定調査とは何か?

父親にも「認定調査」の制度を説明してきた。

その前提は本人のためでもあるが、介護しなければいけない家族を守るためでもある。

医療保険とは異なり、介護保険はこの認定調査を受けて要支援又は要介護の認定を受けないと公的サービスを保険では受けられない。

例えば、朝、起きるのが大変になってベッドを使いたい時、介護用のベッドを買うこともできるが、レンタルすることもできる。

また、車椅子や杖なども借りたい買ったりできる。

ポイントはしっかりとした介護専門知識を持った人が、使い方まで説明してくれることだろう。

それはつまり、要支援と呼ばれる認定調査では最も軽度な認定だとしても、そこには今後より重い介護が必要にならないように「予防」することも目的なのだ。

父親なぜ、勝手に介護認定調査を辞退してしまったのか?

介護の予防や対策が必要になった時、公的なサービスを受けるには「介護認定調査」が必須だ。

もしもこの認定を受けなければ、特養はもちろん、老健も、有料老人ホームも入所できない。

サービス付高齢者住宅などは、施設によっては「自立」でも受け入れてくれるかもしれない。

しかし基本的に何らかの公的介護サービスを受けるなら、認定調査をへて1割や2割というような負担額で利用したい。

それは支援する家族の負担を減らすためでもある。

特に本人に十分な預貯金がない場合、経済的な負担まで家族に背負わせるのは気の毒だからだ。

父親は週に数回、膝関節のマッサージを受けている。

ストレッチや減量をして膝関節痛の痛みを軽減させようとはしなかったが、なぜか気に入った病院には欠かさずに足を運んでいる。

いつだか、叔母の様子を見に行く必要があって、全く無関心な父親に兄妹なのに薄情ではないかと言ったものだから、「オレが行く」と叔母に会いに行くと初めて言った。

しかし、次の瞬間気が変わり、「明日は病院だ」と言って、叔母に会いには行かなかった。

何をするにも自分のことだけ。

母親が腰痛で痛がっていても、「飯は?」と言えてしまう。

そんな父親に家族が認定調査を受けて欲しいと言ったのは、仕事を探しもしないし、稼ぐ気がないことを見ての判断だ。

確かに大人一人くらいの食事代なんていくらでもない。

でも、リビングにずっといて、大きな音で映画を観続けられると、食事中くらいは止めて欲しくなる。

でもそれに怒り出し、リモコンを床に投げつけて、自室へとこもったことがあるくらい、誰かに指示されると怒り出す。

まだこみちが言うとそうでもないが、母親とは大きな声で言い合っていることが多い。

本当は、こみちも認定調査ではなく、父親に働いて欲しい。

月に5万円でも3万円でも、1万円でも構わない。

何よりお金を稼ぐために社会に出て、刺激ある日常生活に戻って欲しい。

「お前らは人の言いなりだ!」

あることで、父親はそう言った。

しかし元は父親が放置し、相手が怒り出して訴訟騒ぎになった件をこみちたち家族が対応している話だ。

詳しくは書けないが、そもそも誰のトラブルなのかを父親は忘れてしまっている。

正気なのかと思うほど、父親の発した言葉の意図を説明して欲しいところだが、そうなると石のように黙り込んで何も言わない。

「言っても無駄だ」

「じゃあ、自分でするんだね?」

「放っておいてくれ!」

でも、何もしないまま、月日流れてしまう。

そんな父親に、働かないなら介護認定を受けて欲しいと言っても、働けないし認定も受けないと言う。

「どうやって暮らして行くの?」

「金はある」

「どこに?」

「あると言っているだろう!」

母親も知らない父親だけが知っている謎の話。

でも、叔母の件でさえ1円も出していない。

頭が痛いが、父親は正常なのか認知なのか。

どこまで理解して、今を生きているのか。

テレビ観て1日が終わる。

そんな毎日が永遠に続くはずはない。

いつか立つこともできなくなり、誰かの支援が必要になっと時、その費用を誰が負担すると思っているのだろうか。

好き勝手を続けて、最後の最後にケツを拭かせるのは叔母同じだ。

心を痛め、お金を失い、仕事探しは始めたこみちの気持ちなど全く知らないみたいに、父親は自分の一存だけで認定調査を辞退してきた。

そして明日から病院以外なんの予定も入れないで、毎日テレビを観て過ごす生活を続けるだろう。

みんなが苦しくても頑張っている時に、一切助けてもくれない父親を、誰が介護すると言うのだろうか。

もしもして、認定調査を受けると施設に入れられると思って拒絶しているのかもしれない。