新人介護士に求められる資質
なぜ、こんな記事を書こうと思ったのか説明すると、別に「新人介護士」に限ったことではなくて、中高年になって「新人」とか「未経験」をことさら重く捉える必要ってあるのかと思ったから。
例えば、介護士あるあるとして、志望動機に「高齢者との交流が好き」というような言葉を聞いたことがないだろうか。
「なぜ、応募したのか?」に対する回答なので、何か理由を挙げなくてはいけない。
そこで、「交流が好き」とか「落ち着く」というような説明をしたのだろう。
例えば、実際に介護士として働いた人で、新人が手際よく仕事をしてくれたとしたら、そこから何を目指したいだろうか。
今まで忙しくてできなかった仕事を片付けることもできる。
新人介護士と同じ仕事を逆から始めることもできる。
もっと大きく考えて、勤務している介護施設の運営を見直そうと思い立つかもしれない。
とは言え、一人の仕事ができるスタッフが加わっただけで、何もかもが回り始めるのだとしたら、そのスタッフが新人どころか、ベテランと比較しても数段仕事ができる人ということだろう。
何が言いたいのかというと、雇われて仕事はするということは、ある程度お願いしたいと思っている仕事があって、それを新人や未経験者が先輩や仕事を通じて理解し、賄えるようになってもらうことが最も重要なポイントだ。
言い換えると、新人介護士として何を持っているのかではなく、お願いしたい仕事を理解しようと思い、今の経験から学ぼうとする姿勢が見られるなら、それ以上を望むことは何もない。
具体的には、排せつ、食事、入浴の介助が安全にできるなら、そこから先は各人が「介護とは何か?」を考えて、その理想に合った知識や経験、技術を学んでいければ十分だろう。
大きな声であいさつしないといけないのか?
活気のある介護施設を目指す時、「あいさつ」を重要視することがある。
あいさつにはいろんな意味や目的があって、例えば後から加わるスタッフが「あいさつ」をするのは、既に働いているスタッフに「存在を知らせる」という意味がある。
と言うのも、居るのか居ないのか分からない場合、働いているスタッフは限られた人数を基準に仕事の段取りを組んでいる。
「この仕事とあの仕事は、自分が行った方がいいだろう」という目算を持って、現場を回しているからだ。
その時に「おはようございます」と新たにスタッフが加われば、その瞬間に「あれ頼める?」と仕事を再配分できる。
では新人介護士や未経験者が、あいさつをして職場に来たら何が変わるのか。
正直なところ、直近の意味では何も変わらない。
でも、何もできないなりにできることを探して、自分から動いてくれたらそれはとても助かる。
特に省くことはできないけれど、どうしても後回しになりやすいことほど、フォローされると嬉しい。
実際、こみちが新人介護士だった頃、初日に作ったのが「日勤帯専用のスケジュール表」だ。
1時間単位でも、30分単位でも構わない。
何時に何をすればいいのか。
それが分かるだけで、ウロウロすることもなく、何より余計な心配などしないで働ける。
「〇〇時になった」
時計を見て時刻を確認すると、予定している業務の種類や、今の自分にできる仕事はどれなのかすぐに把握できる。
例えば、夜勤でも、早番でも、その時間毎のスケジュールに沿って仕事をこなしてくれるスタッフがいて、何か不満になるだろうか。
「あいさつはしているけど、声が小さい」という先輩がいたら、逆に何を求めているのか説明して欲しい。
何も小さな声を推奨しているのではなく、「新人介護士に求められることとは?」のような改まった条件など必要ではないと思う。
ただ、実際のところ、生まれ持った才能というものがあって、「なぜかその人がいるとみんなが楽しい雰囲気になれる」というスタッフがいて、仕事が早いとか上手ということだけでは説明ができない。
でもそれはある程度は経験でカバーできるが、生まれ持った資質としか言いようがない。
つまり、全ての新人介護士に言えるのは、「今、自分は何ができるのか?」を理解できるように、タイムスケジュールを一刻も早く作ってみることだ。
そして勤務中に何度も確認しながら働いていれば、3ヶ月も経過すればメモなど見なくても何をしなければいけないのか覚えてしまう。
実はこの方法、介護だけでなく、ありとあらゆる職場で使える。
そして、例外なくこれさえできれば、職場で嫌われることもないだろう。
もしも嫌われたとしたら、そこからはみ出して、余計な言葉や態度を出したからだろう。
中高年の仕事探し「まだ雇ってもらいますか?」
先に紹介したようなことができれば、まずどんな職場でも最低限の仕事はできていると判断されます。
もしもそこからさらに求められることがあるなら、あなたにできる何かを期待されています。
時に資格などと関連させた大きなことや、些細でも見逃してしまうことかもしれません。
それが職場や一緒に働くスタッフ間でプラスに働くものであるなら、きっと「あなた」という存在が必要とされています。
一方で、マイナスに働くことであるなら、雇っている会社から見ると望まれる人材ではありません。
特にそれが職場の雰囲気を壊すだけになる場合には、さらに深刻です。
介護施設で多いのが、「仕事を選ぶ」や「仕事をしない」ことです。
仕事に慣れてくると手を抜くことも覚えてしまい、無意識のうちに面倒な仕事を避けてしまうのでしょう。
新人ほど、そんな先輩の仕事ぶりを観察していて、介護施設での退職理由に、「仕事の大変さ」よりも「人間関係」を挙げるケースが多いと言います。
これが個人で行う営業職や一緒に行うプロジェクトのような場合でも、役割分担が明確であれば、問題にはなりません。
これも介護施設特有のことで、介護士は経験が異なっていても、原則として同じ仕事をしています。
つまり、経験者は未経験者よりも何倍も仕事ができてしまいます。
それ故に経験あるベテランの中には、手を抜いて楽をしようとするのです。
あまりに露骨になってしまうと、そんなマイナス思考のスタッフは排除して、その分だけ報酬をアップして欲しいとさえ感じます。
それくらい介護職特有のことで、「口だけ出る」人がたくさんいます。
中高年の仕事探し「雇われない働き方」とは?
雇ってもらう最大の理由が「仕事をもらうこと」だとするなら、自分で「仕事を探すこと」ができれば雇われる必要もなくなります。
例えば、「たこ焼きを100個作る」というような仕事は滅多にありません。
あるのは、「たこ焼きを作って、欲しい人の売るという仕事」です。
つまり、どんなたこ焼きなのかというと、それは当然ですが美味しい方が客も喜んでくれるはずです。
また、すぐに食べたいでしょうから、どこで焼けば良いのかも考えなければいけません。
そして何よりもいくらで売るのかも決めましょう。
雇われた場合、「ここでたこ焼き100個焼いて」と指示されます。
つまり、先に考えるべきことを誰かがしていて、あなたには「作ること」を頼みたいからです。
例えば見よう見まねで焼き方を覚えて、いつしかもっとこうすれば「美味しくなるかも?」ということに気づいたとします。
それは社内プレゼンで採用してもらうこともできますが、雇われて焼くのではなく、自分の店として売り出せないかとも考えるでしょう。
そして、中高年の仕事探しでは、いつもいつもどこかの会社に雇用される選択ばかりではなく、自分の知識や経験で何かできないだろうかと考えてみることも大切です。
特に今は難しいと気づいたなら、何があると良いのかを考えることで、これからの仕事探しが何か意図を持った一歩になるからです。
今日も、ダブルワークで始めた制作の仕事をしました。
すっかり慣れましたし、こみちにとってはこれまでの経験を活かして働けます。
その意味では新人だからと妙に気負うこともありませんし、会社からあれこれと口うるさく指示されることもありません。
「できました」と伝えれば、「これも頼めますか?」と新しい仕事を提案され、できそうなら受ければいいし、面倒に感じたら別の仕事に変更してもらえばいいだけです。
とは言えある程度は、こみちも分かっているつもりなので、こみちに振ってくれた背景を考えてよほどのことでもない限りは断りません。
何より、そんな風に働いて思ったのは、別に「制作」というような仕事でなくても、何かこれならという仕事や技があると、そんなに焦って雇ってもらうこともないように感じます。
もちろん、中高年になると老後の年金も気になるので、個人事業主よりもしっかりと社会保険のある会社に雇ってもらえた方が安心します。
例えば、運転手や溶接、電気ガス水道工事など、難しい資格ではないものの、でもスキルとして認められている仕事ができれば、それこそ日銭は稼げます。
今の心境として、3年間介護士として働き、うまくいけば来月にも介護福祉士として認めてもらい、でもさらに5年続けてケアマネとしてさらに介護にどっぷりと浸かりたいとは考えていません。
結局のところ、3年とか5年くらいのスパンで考えるなら、介護士として雇ってもらうなら、それこそ与えられた仕事を理解して覚えることで十分です。
あまり深入りして不満や心配をしても、介護士としてはどうすることもできません。
もしも本気で介護業界を改革したいなら、それこそ全く異なるアプローチを考えるべきです。
あえてその方法には触れませんが、例えば介護福祉士に求められる知識や経験と実際の介護現場にはギャップがあります。
でもそれがダメなのではなく、だからこそ介護福祉士になることに意味ができるのです。
同じように資格は持っていても、実際に働いたことがなければ本当のことなど分かりません。
見たり聞いたりしただけでは本質など見抜けないからです。
グルグルと回って、こみち自身がどう生きて行きたいのか分かってきました。
場合によってはもう少し雇ってもらおうと動き出すかもしれませんし、自分の力で何かできないかと歩き出すかもしれません。
でも言えるのは、「何が何でも雇ってもらうしかない」と決めつけないことです。
特に中高年と呼ばれる年齢まで働いてきたのですから、たとえ未経験の業界でも1から10まで説明されなくても分かることがあるでしょう。
そんな風に考えると、何か少し気が楽になります。
みなさんはどうでしょうか。