現役介護士の皆様に聞いてみたいこと

 質問はたった一つだけ「介護士になって良かったですか?」

未経験から始めた「介護」の仕事。

不器用なこみちも、ある程度のことは人並みにできるまでになりました。

そして、ケアプランや介護施設入所の手続き、行政の窓口への相談などなど、それこそ施設介護だけにとどまらず、高齢者の暮らしについて考えることができたように思います。

そんな経緯を経て思うのは、「介護士の仕事って…」という部分です。

例えば、医師という仕事には、詳しく理解していませんが、必要があると判断した時には「手術」という技まで認められています。

それだけに医師になるには、「医学部進学」と「高額な学費」、「6年」という長い大学生活を経た後も、一人前になるには長い時間と労力が問われます。

どこかで聞いた話ですが、一人の素人を一人前の医師として知識と技術、経験を身につけてもらうには、予算として1億円掛かるそうです。

その金額が高いのか安いのかは、考え方にもよりますが、私立の医学部の年間学費が仮に1200万円だったとしても、それ以上の価値ある教育を受けられることに変わりないとも言えます。

では、看護師の場合どうでしょうか。

看護師になる場合、医師のように医学部一択ではなく、大学の看護科の他、専門学校という選択肢もあります。

意外にも、大学だからとか専門学校だからとかは関係なく、「看護師になる」という目的ではむしろ卒業までの年数がポイントです。

大学は4年ですし、専門学校などは3年が多く、その意味では専門学校に進んだ方が一年早く看護師になれる計算です。

ではなぜ、大学の看護科を目指す学生が多いのかというと、「看護師資格」には上級資格があってそれが「保健師」や「助産師」という資格です。

例えば、看護師資格を持つ人は、病院や介護施設などで現場スタッフとして活躍するのに対し、保健師の資格を持つ人は保健所や健康センターなどで予防医療の分野で活躍できます。

ここでふと思うのが、中高年になった看護師で、役職に就いていない場合は介護士のような大変さがあるのではないでしょうか。

実際、介護施設で働く看護師を見ていて、介護士とは違う意味で大変そうに思います。

理由を挙げると、医療に関わりつつも、実際には医師からの指示をダイレクトに仰げない感じで、できることがとても限定的に見えます。

つまり、ある利用者の異変に気づいても、勤務地が病院ではないので、どうしても経験やスキルを活かすことができないからです。

もしもこみちが看護師で、しかも大学の看護科を経て、その大学の附属病院で働いていたら、介護施設を勤務先に選ぶだろうかと思うのです。

介護施設が悪いのでは無く、看護師としての経験を活かせないかもしれないという部分に何らかの見切りがつかないと、難しく感じます。

つまり、結婚や出産などで病院を辞めて、数年のブランクを経て仕事に復帰するような場合に、今から大学のような最先端医療を学ぶのは大変そうだと思い、今までの経験を活かしたい時に介護施設も候補に入ると思うのです。

正職員になれば、夜勤担当もこなさなければいけませんし、介護士の方々とも働きます。

ある意味で介護士と言っても未経験方もいるので、それはそれで一緒に働くとなるとこれまでの常識も通じません。

その時、大学卒の看護師は、保健師になれるチャンスと「学士」の資格があります。

例えば「学士」があると、社会保険労務士や税理士などの受験が可能です。

厳密には一定の要件を満たした専門学校卒でも可能ですが、中高年からの方向転換や看護師経験を他で活かす活路を見出す時になれば、「差」を感じるはずです。

まして、「保健師」の資格などを持っていれば、病院一択の働き方から、もう少しゆったりとした職場を見つけることも可能になります。

では介護士はどうでしょうか。

介護士も実務経験が3年以上になれば介護福祉士になれます。

介護福祉士は国家資格ですので、介護施設で働く限りは一定のスキルがあるとして年齢に関わらず採用される可能性は上がるでしょう。

しかし、そこは介護士なので、資格があっても稼ぐには夜勤をどれだけ熟すかがポイントです。

中高年になり、体力的に厳しくなってくると、流石に16時間を超える夜勤の労働時間はふらふらです。

今年はどうにかできても、来年、再来年と考えると、10年先まではとてもできそうにありません。

では年収を落とさずに、仕事を続けて行くのかと考えると、「介護士をいつまで続けられるだろうか?」と思うのです。

言い方を変えれば、楽に働くことはいくらでもできます。

もちろん、中高年になってもそのテクニックをつかえば、もう少し夜勤だってできるでしょう。

でも利用者の立場やケアプランに沿ってとなると、どうしても身体が付いていきません。

ある意味、その部分をどこまで現役介護士は受け止めているでしょうか。

働いて思うのですが、しっかりと手を尽くした介護は利用者も満足してくれます。

しかし、それなりにすれば段々と利用者も表情が冴えません。

こみちとしては、頑張れない自分を責めてしまいますし、頑張っても報われない介護業界ってこれからの業界だと思っています。

何より、介護士の仕事は手間が掛かることが多く、その苦労代が報酬だと言えるくらいです。

楽に働くことは難しいでしょう。

どう方向転換して行けるのかと考えると、介護士や看護師でも学士資格を持っていない場合、やはり現場仕事が原則になるはずです。

以前は、介護士から看護師へとステップアップする方法もあると思っていましたが、現実的には3年以上の専門教育を受ける時間とコストを考えると、そこは上位互換とは言い切れないのかもしれません。

介護士の場合、稼ぎたいなら賃金の高い地域を選ぶべきです。

スキルアップは、技術に対してではなく、キャリア形成に対するもので、介護の仕事に自信をつけたらより自身の目的に合った施設へと移動して、自己実現するのがいいのでしょう。

不満を持ちながら、行きたくもない職場で頑張り続ける前に、例えば介護福祉士になるまでというような目標を決めてみるのも方法だと思うのです。

皆様は、どう思いますか?