第34回介護福祉士試験に向けて 第32回の反省と確認 「後半」

第32回の過去問から反省と確認

早速、今回は「介護の基本」から確認します。

問19 ICFの分類

ICFと言えば、国際生活機能分類を思い出しますが、健康状態、心身機能、活動、参加、環境因子、個人因子も思い出せます。

それぞれがどんな項目に該当するのか、実務者研修と時にも何度もグループミーティングや個人学習でも経験しましたが、5つの選択肢のどれが該当するのかと尋ねられて、各カテゴリーに落とし込むような作業までしませんでした。

つまり、各選択肢を見比べて、「これかなぁ」で選んで間違ったのです。

落ち着いて考えると正解できたように思いますが、試験時間と正解率を考えると早々に勘で選んでしまってもいいと思いました。

とはいえ、先ずは環境因子に該当する選択肢は、1、2、5ではないでしょうか。

さらに心身機能に該当するのは、1と2ではないので、5なのですが、「バランスを崩す」と言う記述よりも「下肢に力が入らない」なら馴染みもあるので選択しやすかったでしょう。

問21 屋内での事故発生率

割とこの手の出題を見かけるので、「居間」と覚えておきましょう。

問23 サ責の仕事とは?

訪問介護事務所にいるサービス提供責任者は、ケアマネが作成したケアプランをもとに、実際に各家庭を回る時に行う「サービス」を計画しています。

これも実務者研修で計画書の作成をしたので、ケアマネとの役割の違いを知っていました。

問27 直面化の技法とは?

直面化の技法とは、コミュニケーションの中で、相手の言語化が困難な時などに聞き手が具体的に言葉で示していく手法。

その内容に近いものとして、選択肢1が当てはまる。

問29 構音障害とは?

構音障害に似たものとして失語症がありますが、どちらも上手く話せないという部分で似ています。

しかし、構音障害が運動中枢の機能が不調であることに対し、失語症は言語中枢が上手く機能しないことで起こります。

問39 ボタンエイド、ソックスエイドとは?

どちらも自助具で、ボタンの着脱などを簡単に行えるためのものです。

問40 役職とその仕事内容が正しいものは?

糖尿病を患うと巻き爪などになりやすいことを知っていれば簡単でした。

介護士が行うべきではなく、看護師に任せるべきということもポイントでしょう。

その事実を知っていたなら、正解できたはずです。

問44 注意するべき食事区分

普段から炭水化物ばかりの食事になりやすい利用者へのアドバイスなので、主食は十分に摂取できていると言えます。

そこで、野菜等を補うことを考える問題でしたが、こみちは単純に主食に工夫をするものと思ってしまいました。

言われてみれば、たしかにそうで、むしろ簡単な問題でした。

問46 食事と栄養の組み合わせ

骨粗鬆症を予防するにはカルシウムが思い浮かびます。

そして、カルシウムの吸収を助ける栄養素がビタミンDなのです。

因みに魚にはカルシウムとビタミンDの両方が含まれています。

問48 清拭の注意点

腹部は臍からのの字が基本で、さらに中心部から外へと拭きあげます。

問53 肉入りカレーでの食中毒で注意すること

食中毒を引き起こす菌には、大腸菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、ウエルシュ菌などが有名です。

しかし、腸炎ビブリオやカンピロバクターなども要チェックな上に、これら全てが選択肢に含まれていました。

つまり、食中毒だけではなく、「再加熱でも死滅しない」というワードに適した菌を選ばなければいけません。

鶏肉については、カンピロバクターが要注意とされていて、飲食店向けにも生食での提供に注意喚起されるほどです。

サルモネラ菌は、肉だけでなく、人の手についた菌が調理過程で料理をかいして引き起こすことがあります。

黄色ブドウ球菌も人の手を介して菌が繁殖します。

また、熱に対する抵抗力も強く、注意しなければいけません。

しかし、二日目のカレーで、再加熱した場合でも食中毒の危険性が注意喚起される理由として、ウエルシュ菌が挙げられます。

正解もこの菌を示す選択肢1ですが、正直なところこれだけの知識量をテスト中に思い出せるか自信が持てません。

問55 クーリングオフの相談窓口は?

消費生活センターです。

問56 眠れない時の対策

日光を浴びることで発生するメラトニンの効果で、睡眠誘導できるので、その選択肢1が正解です。

問60 高齢者施設の介護士が行う死亡後の介護とは?

5つの選択肢の中で、口が開かないように「紐」で顎を固定するという話は、エンゼルケアに関することを知り始めた時によく耳にします。

死後硬直は、個人差もあるそうですが、一般的な目安としては3時間くらいから始まり、顎筋力を皮切り、身体の上から下へと現れます。

そして、半日から1日程度した頃をピーク迎えますが、マッサージを施せば、着替えなども行えるくらいになるそうです。

それ以上に、紐などで無理に口を閉じさせようとしてしまうと、顔に紐の痕が残ったり、縛ることで表情がより強張って見えたりするので、プロの葬儀屋では行わない手法だとか。

つまり、選択肢にもある紐を使った処置を行うことは避けるべきで、実際に老健でも安易に紐ではないものの、固定用のバンドをイメージするスタッフもいるくらい誤って浸透した認識でしょう。

注意したい悪習です。

問71 加齢による嚥下機能の低下原因とは?

喉頭挙上の不足から生じます。

因みに、咽頭は鼻腔から気管と食道に続くまでの区間。

喉頭は喉仏部分ですから、両者は全く異なるエリアを指します。

問73 心不全による影響

心不全とは、心臓が機能しなくなる状態で、つまりは血液循環が不良になること。

そのような場合には、血液不足を起こした部分の皮膚が青黒くなるチアノーゼが見られます。

問77 認知症高齢者の数

2020年の認知症高齢者は約500万人いるそうです。

意外とこの手の問題は対策が難しいと思います。

問78 認知症の行動・心理症状(BPSD)に関する記述とは?

認知症ということと付随して、BPSDがあることを知っています。

しかし、周辺症状とも呼ばれるBPSDをもう少し掘り下げることにしましょう。

というのも、認知症になると現れる行動の特徴という捉え方をしますが、それでは少し不明確です。

理解としては、認知症と個人の資質や環境などが融合し、現れる言動や心理状態を指しています。

一例を挙げるなら、幻視、妄想、徘徊、暴言などがあります。

また、認知症になったことを起因とした症状を中核症状と呼び、区別されることにも着目しましょう。

では、本問題の選択肢を見てみると、「トイレを流せない」「計画を立てらない」「言葉を発することができない」「親しい人がわからない」「昼夜逆転になる」という項目がありますが、前から4つ目までは認知症になったことでできなくなったと考えられるのに対し、最後の5番目だけは認知症に個人や環境が関係して現れた状況と判断できます。

つまり、BPSDという意味から5番が正しいと言えるのでしょう。

問80 各認知症の代表的な症状とは?

血管性認知症

全体の約20%、男性に多いタイプです。脳梗塞などで脳の血管がつまり、血液循環が正常に行えないことで脳の働きが失われます。

記憶力、運動、認知、見当識などに異変が見られます。

正常圧水頭症

歩行障害、認知症、尿失禁の3つが代表的な症状です。

他の認知症に比べて、治る認知症と言われたりするのも、脳内に脳脊髄液が溜まり、脳圧が上昇することで症状が現れます。

つまり、手術によって脳髄液を減らすことができれば、症状を緩和させることに繋がります。

前頭側頭葉型認知症

人格面や言動など、その人らしさへの影響が大きい認知症と言えるでしょう。

認知症患者の数%に相当し、大脳の前頭部や側頭部に障害が生じるので、発生した場所によっても判断力や計算、記憶や読み書きなど、それぞれ異なる特徴が生じます。

アルツハイマー型認知症

認知症と呼ばれるタイプの中で最も多いのが、このアルツハイマー型認知症です。

脳細胞が通常よりも早く減少することで、認知機能が低下します。

物忘れ、時間や場所の感覚や意識がズレてくる中核症状があります。

それに伴いBPSDとして、暴言や気分の落ち込みなどを伴います。

レビー小体型認知症

認知症患者の約10%がレビー小体型認知症と言われます。

このレビー小体型認知症の場合、幻視やパーキンソン症状など、個人によって様々な症状が現れます。

また、アルツハイマー型認知症を兼ねることもあり、初期症状や症状に波があるのも特徴です。

問87 ICIDH(国際障害分類)における能力障害に該当するものは?

正直なところ、ICFに方針転換した今となっては、ICIDHを問う必要性ってあるのでしょうか。

しかし、第32回の本試験では既にICFになっていることから、少し受験生を惑わせる目的もあった出題でしょう。

ただICIDHが、原因の発生で機能低下が起こり、それにより能力にも低下が起これば、最終的に社会的に立場が悪くなるという一連の流れを思い出せれば、「能力障害」が日常生活動作の障害と気づけたでしょう。

問89 痙直型、不随意運動型などの分類がある疾患とは?

筋ジストロフィーとは、筋肉に不可欠なタンパク質が製造されないことで筋力低下を招く遺伝性の疾患。

脊髄小脳変性症とは、小脳や脊髄の神経細胞が障害されることで、歩行時のふらつきや手の痺れ、呂律が回らないなどの症状があります。

脳血管疾患とは、脳の血管に障害が発生し、脳細胞がダメージを受ける疾患の総称です。

脳性麻痺とは、妊娠中や出産時にトラブルがあり、その結果として脳障害が起こり、それが運動機能が麻痺によって身体が不自由になる総称です。

脊髄損傷とは、脊髄の損傷により運動や感覚機能に障害が起こる状態を指します。

各病状を知っていたとしても、完全に絞り込むことは難しいでしょう。

「痙直」が筋肉の強張りなどを指すらしいので、正解である脳性麻痺と、脊髄小脳変性症や脊髄損傷が候補になりそうですが、やはり知らないと正解は難しいかもしれません。

問90 内因性精神障害とは?

「内因性」とは「病気が理由となる」や「細胞、組織のシステムから」という意味らしい。

一方で「外因性」が「精神面以外の理由」を指す。

そこで、該当していそうな候補二択についてもう少し詳しく調べてみよう。

パニック障害とは、突然起こる強い不安感などにより、めまいや呼吸困難などを招きます。

統合失調症とは、幻覚や妄想、意欲低下、さらに感情表現の減少などを招く精神障害です。

簡単に言えば、脳が様々な動きや感覚をコントロールできなくなってしまった状況とも言えます。

問91 活用できる社会資源とは?

「地域移動」を、「出掛けること」と誤解してしまった。

地域移動とは、住まいを移る際にその人に合った居住地を選ぶこと。

つまり、障害がある場合には、共同生活援助が提供される施設がおすすめだという問題。

問92 自閉症スペクトラム障害の特性とは?

社会や人に馴染めないことが多いとされます。

問93 筋萎縮性側索硬化症の特徴とは?

筋萎縮性側索硬化症とは、身体を動かす筋力が弱く、力が無くなって動かせなくなる疾患。視力や聴力は保たれる。

問94 ホーヤン・ヤール重症度分類とは?

ステージIとは、片手、片足に震えや強張りを感じる

ステージIIとは、両手、両足に強張りがあり、生活も不便に。

ステージⅢとは小刻みに歩き、方向転換が困難になる。

ステージⅣとは立ち上がり、歩行が難しい。

ステージⅤとは、車イスが必要で、ベッドで寝ていることも多い。

問97 マズローの欲求階層説とは?

第一段階とは、生きることに関する欲求

第二段階とは、安全性を求める欲求

第三段階とは、社会への所属を求める欲求

第四段階とは、他者からの承認を求める欲求

第五段階とは、望む自分になる欲求

問98 皮膚の痛み

大脳新皮質とは、知覚や記憶、思考、随意運動、言語などを扱っています。

人としての特徴的な機能や感性が詰まっている部分とも言えます。

大脳辺緑系とは、大脳半球の内側に存在する脳梁や海馬などがある。

ちなみに、皮膚からの痛みなどは、大脳新皮質に含まれる頭頂部が担当しています。

問99 爪や指の変化

さじ状爪とは、爪の表面が窪んだようになり、まるでスプーンみたいに見える形状へ変化することです。

このような状態になる理由が、鉄分不足と考えられます。

ばち状指とは、指の先端が膨れてしまうものです。

理由としては、血液中の酸素不足が疑われ、肺や心臓の疾患に注意しなければいけません。

巻き爪とは、爪の両サイドが皮膚側に食い込んでいる状態を言います。

その原因は、爪の切り方や歩行時の靴などが要因です。

問101 大腿部の骨折で注意すること

リハビリを早期に開始することで、機能回復に期待できます。

問102 摂食・嚥下のプロセス

先行期とは、目で食事を確認している時

準備期とは、咀嚼している時

口腔期とは、口から喉に送る時

咽頭期とは、咽頭部に送る時

食道期とは、食道に送る時

問103 尿失禁の種類

反射性尿失禁とは、脳の判断ではなく、無意識に漏れてしまう状態。

心因性頻尿とは、「心因性」とつくくらいなので、心による理由(本来なら大丈夫なのに)で頻尿となってしまうこと。

溢流性尿失禁とは、「溢流性(いつりゅうせい)」には溢れているという意味があり、常に膀胱が満タンになっているような状況で起きる失禁です。

その原因は、前立腺肥大などで尿路が圧迫され、しっかりと排尿できない状況から、常に漏れてしまう状況が続いていることで起こります。

機能性尿失禁とは、「機能性」つまり身体としては十分でも、その他の要因で失禁してしまう状況で起こります。

トイレまで遠すぎるとか、トイレ場所が分からないなどによって起こるものです。

腹圧性尿失禁とは、腹圧が掛かることで膀胱も圧迫されて失禁してしまう状況です。

立ち上がりや力んだ時に漏れてしまうケースもあります。

問105 弛緩性便秘の原因

「弛緩性」とは「ゆるむ」ということ。つまり、弛緩性便秘とは大腸の蠕動運動が活動を低下させて、十分に送り出せない状態を指します。

問106 抗ヒスタミン薬とは?

抗ヒスタミン薬とは、「ヒスタミン」を抑える薬。

ヒスタミンとは、アレルギー症状をもたらす化学物質のこと。

具体的には、くしゃみ、鼻水、かぶれ、痒みなどがあります。

その抗ヒスタミン薬の副作用として、眠気が起こりやすいとされています。

テレビCMで、「眠くならない」と宣伝していたのを思い出しました。

問107 終末期に自身が望むケアを予め書面で示しておくことを何というか?

「リビングウイル」と言います。

過剰な延命措置を拒む際に用いる文章です。

問109 介護福祉士が行える喀痰吸引の範囲とは?

咽頭部の手前まで。

喀痰吸引の手順は、試験直前に最終確認した方がいいでしょう。

問112 喀痰吸引に使用する物品の確認

喀痰吸引を行うには、吸引機や吸引チューブ、チューブの保存用のケース、洗浄水を入れる瓶、その他、エプロンや手袋などです。

問題に問われることが多いのは、吸引機に付属している吸引瓶の扱いや吸引チューブの洗浄方法や保管方法などでしょう。

チューブの保管には、乾燥させる乾燥法と消毒液に浸して保存する浸漬法があります。

注意点は、24時間でチューブは交換しなければいけないこと。

つまり、どちらでもチューブをずっと使えるものではありません。

さらに、洗浄に使う消毒液自体は8時間とさらに短いことにも注意が必要です。

吸引チューブ内の洗浄では、鼻腔口腔に使用した場合は水道水、気管カミューレについては滅菌精製水を使います。

問114 脳血管の細い部分に発生する脳梗塞の名称は?

ラクナ梗塞という。

問125 関節リウマチが悪化した時は?

関節を動かす運動を控えるようにします。

駆け足で、第32回に行われた介護福祉士試験の見直しを行いました。

こみち自身が苦手としている社会の理解や障害の理解、こころとからだのしくみ、医療的ケアを特に確認しています。

試験までもう少し。

ここまで来るとオミクロンの動向や、健康管理に注意が必要です。