退院が迫る叔母の入所先はどうなる?

 数年ぶりに会えた叔母でしたが

入院先の病院から許可が降りて、面会時間ができました。

現れた叔母は杖を突きながらもしっかりと歩いて来ました。

しかし、こみちたちの笑顔も束の間で、白髪混じりの叔母は円背気味で、しかも饒舌に話すもののその内容は認知症状態そのままです。

おまけに、手にしていたビニール袋には彼女なりの貴重品が入っているらしく、それを持って家に帰れると思い込んでいました。

しばらくして、付き添っていた看護師から終日このような感じであると教えられ、同時にこみちの職場を思い出せば、かなり看護師たちも扱いに苦労していることが伺えます。

さらに、退院が年明け早々を予定しているとのことで、その後の施設探しが進んでいない中で、こみちたちにはかなり厳しい告知となりました。

というのも、入院先の病院から紹介された数件の施設は希望と合わず、地域包括支援センターの担当者に頼んでいた紹介も空振りし、こみちや父親で探した施設は、それこそ「空きがない」とのことで、完全に白紙に戻ってしまったのです。

聞けば、老健に入所するには、申し込み後に施設と医療機関との連絡や検討会などを経る必要があって、この師走の時期はかなり慌しい状況です。

しかも、告知された退院期日は年明け早々ということもあり、もうクリスマスまでに決まらなければ、叔母は帰る場所を失ってしまいます。

入院先の病院からは1ヶ月を切った期間になってからの連絡で、正直なところもう少し早目に連絡してもらえないのかと感じます。

しかも、こみちたちからの質問で、初めて退院期日を教えてくれたようなものでした。

不慣れだったと言ってしまえば、こちら側の非ではあるのですが、とはいえ1ヶ月を切っての退院では施設探しも難航します。

候補に挙げていたいくつかの施設担当者からは年内までには時間的な余裕がなく、迅速な行動が必要だと気付かされました。

当初は老健を中心に考えていましたが、入所先が決まりやすい有料老人ホームのような施設も含めて再度入所先を探します。

散らかっていた叔母の住まいにも行き、完全とは言えないまでも水光熱の支払い状況や年金額など、暮らしぶりのアウトラインが見えてきまいた。

父親のこと

今回、父親にも叔母との面会に同行してもらいました。

しかし、薄々気づいていましたが、父親自身もかなり老いていると感じます。

認知症の叔母に対して、父親はワンパターンで声かけするのですが、互いに興奮して看護師がストップを掛ける状況だったからです。

というのも、ここまでの経緯で「兄妹として行動してほしい」という思いから「父親のポジション」も考えてきました。

しかしながら、父親を先頭に話を進めても、何も進まない状況なのです。

何より、病院からの退院期日さえ、実は知っていたのかもしれません。

しかし、父親に聞いても知らないと答えて、どこまで話が進んでいるのか把握できていないのです。

こみちはその姿に最もショックを感じました。

叔母の件が落ち着けば、近い将来、今度は父親のことで悩みそうです。