叔母の入所先を本気で探しまくった結果は?

 教科書には載っていない「介護施設」探しのポイント

机上の知識や介護スタッフとして施設で経験してきた介護も、実は本の一部だったことが分かります。

では、介護スタッフとして経験することが出来なかった「介護とは?」なんでしょうか。

具体例を挙げると、「介護施設」もまた自分らしく生きるための手段の1つに過ぎなかったということ。

つまり、介護スタッフとして見てきた「介護とは?」は、利用者となることを望み、そこに入所したり、一時的に利用したりする人が受けるサービスです。

叔母の場合、現状として認知機能に著しい低下が見られます。

ただし、その低下は、様々な環境下によって発生している部分も多く、今後の接し方によって大きく変化が期待できるはずです。

さらに言えば、その回復範囲や程度は、介護サービスとの相性によっても変化する部分で、個々の性格やライフスタイルなどとも関係するでしょう。

大まかなイメージとして、公的な介護サービスの特徴はもちろん、その種類や相性によっても合う合わないが存在します。

介護施設が見つからないって!?

叔母が入院したのは、今年の10月末です。

それまで叔母との関係は希薄で、住所や電話番号こそ知ってしましたが、定期的にやり取りするような間柄ではありませんでした。

ただ、父親にとっては兄妹ですから、こみちの関与しないところで、連絡を取り合っていたと思います。

父親、そして父親にとっては妻である母親、夫婦ともども最近は年相応の老け方で、こみち夫婦との共同生活を始めたのも、少し両親のことが心配になってきたからでもあります。

特に父親に関しては、母親に対する依存が激しく、何をするにも母親を呼びつけなくては何もできない一面があって、「足が痛い」「お腹が空いた」など、母親も母性が強く、どちらかというと放っていけない性格なので、それはそれで夫婦としてはうまく共存していたのでしょう。

ただし、叔母の一件に関して、父親はリーダー的存在として動きながらも、叔母の入院や日頃の生活で関知しているような態度を見せつつも、具体的には把握できていないこともあって、我々からの質問にも「もうオレはやらない!」とか、「勝手にすればいい」というような態度で、リーダー的役割を全うしないこともありました。

先日の病院での面会でも、叔母とは会えましたが、父親だけは面会室に残り、看護師から具体的な状況を説明されました。

しかし、帰宅を強く望む叔母に対して、癇癪的な態度を示し、「勝手にすればいい」というような態度を露わにしたこともあって、十分な説明も終了しないまま面会が打ち切りになったみたいです。

激しく興奮した叔母に、看護師も我々に姿を隠して欲しいと訴え、それに応じた我々にすると、正直なところ叔母の望みや希望を聞き取れないままに終わったという印象です。

一方で病院からは、来年の1月上旬に退院を宣告され、まだ特定の施設を決められていないこみちたちは、病院からの帰り道で、家族会議を開きました。

「施設探しはどうなっているの?」

「施設探しって?」

「だから、叔母の行き先だよ」

「そんなの知らない」

「知らないって! 探しているんでしょ?」

都合が悪くなると黙りするのは父親のいつものことで、数日前とはまるで何もかもが違うという有り様です。

そして、みんなで帰宅し、こみちがこれまでの現状をもう一度整理することにしました。

妻は行き先が決まらないことに大きく不安がり、母親もどこか茫然としていて、父親はテレビの前に座り込み、ついていないテレビ画面を見つけているような状況でした。

頼りにしていた数軒の介護施設に連絡を入れてみると、すでに満室だと言われたり、退院までの期間が短いこともあって受け入れが難しいなどといい返事が返ってきません。

そして一軒に関しては、必要書類を早急に集めて欲しいと言われ、それによって結果が異なると教えられました。

申込書以上に大切な「診療情報提供書」の存在意義って?

介護に興味がある人なら、介護施設に種類があることを知っているでしょう。

そして、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などは社会福祉法人で、グループホームや有料老人ホームなどは株式会社による運営が多いことも知っているはずです。

一般的な知識としては、それでも十分な理解でしょう。

しかし、もう少し別の見方をするなら、介護施設の利用代はそもそも大きく変化するものではありません。

なぜ変化してしまうのかという言うと、その原因は施設の土地代や公的な支援金がどこまで受けられるのかと言っても良いはずです。

つまり、有料老人ホームの入所金が数百万から数千万ということも、「ニーズ」という観点では重要で、その金額を出せる人は迷わず申し込めば良い話ですし、そこまで余裕がないなら別の施設を探すことになります。

そして何より、施設に入所するということは、その施設が入所希望者を引き取れると判断してこそと理解しましょう。

つまり、有料老人ホームの場合なら、事前に提示した入所金が支払える希望者であることをスタートラインにしています。

施設によってその基準は異なりますが、いずれにしてもポイントは施設から判断して「受け入れられる状況である」か否かです。

そして、「診療情報提供書」とは、身体機能や既往歴、服薬など、その人に関する医療関連情報をまとめたもので、それを見ることで施設は受け入れ可能かの判断を行います。

特に医療的なサポートも担う「介護老人保健施設」への入所では、この「診療情報提供書」があると、より速やかに健康状態を把握できるからです。

しかし、この「診療情報提供書」の提出に関して義務という位置づけではなく、特に介護保険制度が施行されてからは、ケアマネからの聞き取りなどの対応も活用するべきとされるべきと通達されています。

もう介護スタッフでは関与する内容ではありませんが、この「診療情報提供書」のような書類一つでも、施設入所に関係していると分かれば、入所がスムーズになるでしょう。

結果的に、こみちの施設探しは、叔母の住所を管轄している地域包括支援センターの担当者が大きく動いてくれています。

そもそも地域包括支援センターの役割は、介護保険制度実施に伴い行われたものですが、高齢者の様々な支援に関わってくれますが、最終的な決定を代行する立場ではないので、こちら側が主体としてアクションしなければ、動きようがないのも事実です。

つまり、分からないことや教えて欲しいことを相談することで、様々な有益情報を伝えてくれるということです。

実際、こみち自身も叔母の老健入所を目論んでいて、個人的にその老健に連絡し、必要書類の提出を考えていて、「診療情報提供書」の存在を知りました。

そして、地域包括支援センターの担当者にその話を伝えると、すぐに入院先のソーシャルワーカーに連絡すると聞き、また入所を希望する老健についても担当者に連絡してくれ、現段階では病院と老健の各担当で情報交換が進んでいます。

場合によっては、受け取り不可と判断されるでしょうし、又は受け入れが認められて入所期日の調整に進めるかもしれません。

さらには、住まい近くの手頃な有料老人ホームにも連絡して、施設見学と申込を済ませました。

さらにさらに、独り身の叔母の場合、住まいの行政区で行なっている特養ホームへの申し込みもあるみたいで、その申込書も提出しました。

面会から1日しか経過していませんが、施設探しに関してはかなり進んでいると感じます。

本命の施設から許可がおりれば幸いですが、そこがダメでもいくつか候補を見つけられたので、その点では少し安心もできます。

何より、放棄状態だった父親も戻ってきて、家族会議に参加しています。

「今度はお父さんの施設探しだ!」

「オレは、施設に入る前に…」

そんな話ができるようになったのも、家族全員で施設探しを始めたからでしょう。

今後はまた進展があったら紹介したいと思います。