第34回介護福祉士国家試験対策 「社会の理解」を勉強する パート5

 「家族とは何か?」を考えてみる

中高年になると感じる「老化現象」、その先に「介護」も待っているはずです。

例えば、こみち自身は、趣味の「お絵描き」がいつまでもできたら嬉しいです。

その意味では、妻と別々に暮らすことになっても、「描けること」が続けられるなら、そして「文章を書くこと」ができたら、きっと自分らしくいられるはずです。

でもそれは、当たり前に居てくれる妻がいるから思うことで、それこそコロナ禍などで会うこともできない時期が続けば、気持ちも変わってしまうでしょう。

ちなみに、現代の国内では、家族構成にも変化が見られ、核家族化が進み、一世帯あたりの人数も減少し、単独世帯も増えました。

家族であれば当たり前にある団らんのようなこれまでの家族の在り方が大きく変わっています。

試験には出題されないと思いますが、「家族」に対するイメージを掴む意味で、平成26年と少し古いデータですが、国内には約5000万世帯あり、単独世帯は約30%、夫婦のみの世帯が23%、高齢者世代も23%と言われます。

一昔前に多かった3世帯は、昭和61年当時15%でしたが、平成26年には7%まで低下し、高齢者の介護を家族で支えるという図式も減少していることが伺えます。

つまり、何らかの原因で介護サービスを利用し始める年代になる頃には、夫婦だけという世帯も少なくありません。

それだけ介護業界が担う役割が大きいことを示しています。

同様に定年後の生活期間が、医療技術などの進歩もあって長くなれば、それだけ年金額の長期化が想定され、財政圧迫の危機にもつながります。

できるだけ年齢に関わらず仕事を続けてもらえることができれば、健康的な暮らしの他、介護負担やコスト削減にも寄与します。

近年では、結婚していても子どもを作らない夫婦も多く、彼らのような形態を「ディンクス」と呼んだりします。

また、成人後も実家暮らしを続けている人たちを「パラサイト・シングル」と呼んだりもします。

日本のように、子どもの教育費を親の負担で賄うことが一般的な社会では、共働きを選択する家族も多く、同時に出生率の低下にもつながると考えられます。

総人口に占める65歳以上の高齢者が、7%を超えると「高齢化社会」と呼び、さらに14%で「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼びます。

先進国の中でも、日本国内の高齢者率は高く、2007年時点で「超高齢社会」である21%以上を占めるまでになりました。

これは、社会を支える若者や働き盛り世代などに比べて、高齢者がたくさん暮らしていることを示しています。

その背景には、国内医療機関の入院期間が諸外国に比べて長く、また自己負担額も抑えられていることで、高齢者の医療費や寿命の引き伸ばしも起こってしまうでしょう。

しかしながら、例えば親を施設に預けている場合、寝たきり状態になってからも長い人では5年10年、それ以上生き続けます。

平均寿命の数値だけが上がってしまう一因でもあります。