パート1から3までで触れた基本に対して
パート4となる今回からは、これまでの基本的な流れをさらに深掘りします。
まずは「社会保障制度」について理解を深めます。
社会保障制度の発展
少なくとも、介護スタッフとして働いたことで、「人は一人では生きられない」という問題を再び考える機会に恵まれます。
以前までなら、「一人では生きられない」という意味を「誰かに助けられている」という意味合いで捉えていました。
しかし、加齢という生理現象によって、昨日までできていたことが自然にできなくなってしまいます。
つまり、今までの暮らしを維持できない時が誰にでも訪れるという現実があるのです。
その意味で、「人は一人では生きられない」という言葉になり、それをどのように社会として支えるのかを考えると「社会保障制度」が不可欠であると感じるでしょう。
社会保障制度の必要性は、個々に起こり得る様々な危険や困難を、社会全体の問題として捉えることで、個々がより安心して暮らせるためにあるのです。
さらには、事前に拠出されるものが狭い意味での社会保険であり、事後的には社会扶助として生活保護や社会福祉があります。
「社会保障」という言葉や概念が生まれたのは、1935年のアメリカ、ニューディール政策だと言われます。
この政策により、それまでバラバラに行っていた社会保険や社会扶助を法制度として、ルーズベルトが確立させました。
しかし、当時の政策には、医療制度が含まれていませんでした。
その意味では、1938年にニュージーランドで制定された「社会保障制度」の方がより現代の制度に近いと言えます。
もう少し掘り下げると、社会保障制度の原型は救貧法にあるとも言われます。
また、資本主義社会となったことで、格差社会が広まり、それによって救われるべき人も増えたのでしょう。
そして、ドイツのビスマルクによって障害老齢保険法を含む各種社会保険が確立され、ライヒ保険法として統一されます。
イギリスに目を向けると、「べヴァリッジ報告」が有名で、社会の発展を妨げる要因を5つ挙げ、特に「貧困」に対する政策に特徴があります。
国内における社会福祉
老人福祉、障害者福祉、児童福祉、母子父子寡婦福祉、社会手当があります。
少し古いデータですが、2014年の給付額は約115兆円で、年金56兆円、医療に37兆円福祉関連に22兆円となっています。
この数字から分かるように、約50%が年金の支払いです。