権利とは何か?
介護スタッフとして働いてみると、利用者の人権とは何かを考える機会に遭遇します。
例えば、飲み物を提供する時間に利用者の前までコップに入れて運んだとしましょう。
ある利用者は、全く飲もうとせず、また別の利用者は別の飲み物に替えて欲しいと訴えた場合、我々スタッフが取るべき対応とは何でしょうか。
「飲みたいものを飲む」ということも、人が生きる中で自由を満喫する大切な要素です。
しかし、一方で健康管理の面や集団行動という意味合いからは、その自由も制限されるかもしれません。
具体的には、個別対応が可能なユニットケアでは、ある程度の融通が可能で、別の種類に変更したり、冷たくも温かくもできるでしょう。
しかし、大部屋の対応になると、利用者とスタッフの人員比率から、そこまで細やかな対応は不可能です。
つまり、入所時に介護支援費用として差があるのも、日常生活での自由度に現れてくるということで、対応がどうしても困難な場合には利用者の自由や選ぶ権利も限定的に制限されてることもあります。
アドボカシーとは?
高齢者になると、若い頃に比べて体力や気力など、様々な面で低下傾向が見られます。
それは時に、不本意なトラブルや十分な理解に基づかない結果を招くこともあるでしょう。
つまり、「自由」を行使できる環境が、若い頃以上に整っていなければ時に高齢者はその権利を使うことができません。
生活面では身体介護等でも賄えますが、財産や各種権利については新たな配慮も必要です。
そこで、アドボカシーは、利用者の利益に基づいた主張や代弁を行う活動です。
因みに、地域包括支援センターでは、高齢者の総合相談や介護予防の他、権利擁護という担い手でもあり、様々なシーンで心強い相談役となってくれます。
日常生活自立支援事業とは?
介護支援に於いて、高齢者や障がい者などの尊厳や個性、ライフスタイルを尊重することが求められます。
しかし、現実的な話としては、彼らが自主的に希望や好みを訴えれない場合もあるでしょう。
高齢者から何も言わないからと言って、いきなり「不要」と判断しないで、言わないなら勧めてみたり、言動から観察することが求められてきます。