第34回介護福祉士国家試験対策 「社会の理解」を勉強する パート2

 介護保険制度とは?

介護福祉士として、介護現場で見本となる介護技術を示すことも大きな役割ですが、その後のキャリアを見据えたなら、「介護保険制度」に深い知識を得ることが求められます。

というのも、介護保険制度で最も中核的な役割を果たすのは、ケアプランであり、それを作成するのがケアマネなので、介護福祉士として有資格者となったら、さらに実務経験を重ねて「ケアマネ」として、又はケアプランの意図を汲み取った現場スタッフとして活躍することが期待されます。

2000年に施行された介護保険制度ですが、介護支援を受ける要介護者の数と支援期間の長期化、特に寝たきり期間が数年にも及ぶことが増え、支える側の負担も大きくなっています。

介護保険制度が創設された背景

介護保険制度が始まる2000年までの公的サービスは、行政による処置として扱われてきました。

1989年に高齢化対策としてゴールドプランが制定され、10年を掛けた大プロジェクトが始まります。

1994年には「介護保険制度」に向けた取り組みが具体的に始まるなど、今の公的サービスの原形「新ゴールドプラン」へと受け継がれます。

介護保険制度に採用された大きな特徴として、利用者の「自立支援」と尊厳の保持」を目指した公的サービスが2000年に施行されることになりました。

というのも、行政主体のサービスは措置と呼ばれ、利用者側に自由な選択ができませんでした。

つまり、個々にとっての「生きる」が、ある意味で行政によって制限されることもあったからです。

そこで、介護保険制度」では「契約」という形を採用し、予め配分されたポイントを自由に使い分けて、自身が望むサービスを使えるようにしました。

しかし、全てのサービスを利用者側で調べるのはとても大変なので、その専門担当者として介護相談専門員というケアマネが、誕生したのです。

従来の行政主体のサービスを応能負担でしたが、介護保険制度が導入されたことで応益負担へと変わりました。

そして、介護保険制度に移行したと言っても、介護サービスを提供している財源の50%は以前として税金で、残り50%については65歳以上の第一号被保険者と、40歳以上の第二号被保険者から集められる税金によって賄われます。

では、この介護保険制度を使いたい時にどうすれば良いのでしょうか。

一般的な医療保険の場合には、病院に行って支払う時に健康保険証を見せれば良かったはずです。

しかし、介護サービスの場合には、40歳以上、65歳以上で少し条件が異なりますが、まずは住まいのある役所に「介護申請」を行い、要介護認定を受けなければいけません。

そこで、要介護又は要支援と呼ばれる段階と、さらにそれぞれ5段階又は2段階あるランクに振り分けられます。

特に最も支援が必要となる要介護5は、全面的に寝たきりで常に介助が欠かせない人とするなら、要支援1の場合には、日常生活で不自由な部分もあるが、それでもまだまだ自分できることもたくさんある状態です。

例えば、2005年の介護保険制度の改正では「地域包括支援センター」が誕生したのですが、この包括支援センターは街中にある事務所で、地域住民が介護サービスのことで相談できる窓口にもなっています。

また、要支援と呼ばれる介護予防に注意したい方々に対し、同センターはケアプランを作り、さらに深刻な状況へと陥らないような試みも実施しています。

利用者のことを「被保険者」と呼びますが、「保険者」となるのは市区町村です。

また、国や都道府県は市区町村を後ろから支えるという位置づけになります。

要介護認定の審査基準を国が、都道府県は財源の徴収等に関わります。